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アンティーク椅子・チェア / アーコール(ERCOL)

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アーコール(Ercol)といえば、真っ先にチェアを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。北欧家具にも通じるシンプルな佇まいには、思わず目を奪われてしまいますよね。
「アーコールチェア」といってもそのデザインは様々。ウィンザーチェアをベースに曲げ木の技術を活かして作られた「フープバックチェア」、シャープなカーブを描いた「クエーカーチェア」、背もたれが高くすっきりとした印象の「ゴールドスミスチェア」などが人気です。さらに、背もたれにお洒落な透かし彫りが施されたお品もありますよ。アザミのモチーフは「シスルバックチェア」、白鳥のモチーフは「スワンバックチェア」と呼ばれています。異なるデザインを組み合わせてコーディネートするのも、アーコールチェアならではの楽しみです。


『アーコールチェア』とは?

3色の商品タイプのマークについて

アンティーク椅子・チェア / アーコール(ERCOL)

 

 

 

アーコールチェアとは?

イギリスを代表する家具メーカー、アーコール(ERCOL)。そんなアーコールの豊富な商品ラインナップの中でもダントツの人気・知名度を誇るのが、何を隠そうチェアなんです。


全ての始まり「ウィンザーチェア」

アーコール社の設立は1920年ですが、チェアが有名になる契機が訪れたのは1944年の終戦間際のことでした。政府貿易委員会から、食堂で使用するためにウィンザーチェア10万脚の製作を依頼されたアーコール。それだけの数を短期間で用意するには、素材の確保と製造過程の工業化は必須です。創業者のルシアンは、簡単に手に入るものの家具の素材には不向きとされていたニレ材に注目。ニレ材が曲木加工に最適な素材であることに気付いた彼は、曲木を活用した新しい形のウィンザーチェアを作り出します。1945年には、アーコールのウィンザーチェアシリーズ最初のモデル、「4aキッチンチェア」の大量生産に成功。以降、伝統とモダンを融合させたウィンザーチェアを次々と発表しました。

認知度を広めた「スタッキングチェア」

1956年には、重ねることが可能なスタッキングチェアを製作。軽くて移動がしやすく、かつサイズ展開も豊富だったスタッキングチェアは、イギリス全土の学校で生徒用の椅子として採用されました。アーコールチェアはこれを機に、大人から子どもまで誰もが一度は座ったことのある椅子となったのです。

「スタッキングチェア」「バタフライチェア」の復刻

しかし20世紀後半になると、あれほど人気だったシンプルな家具は需要がなくなり、アーコールチェアも次々廃盤に。そんな状況を変えたのが、イギリス出身の有名ファッションデザイナー、マーガレット・ハウエルでした。子ども時代からアーコールの家具に慣れ親しんでいた彼女は、2003年にスタッキングチェアとバタフライチェアの復刻を実現。彼女のネームバリューも後押しとなり、アーコールチェアは再び世界から注目を集めるようになりました。

形で見るアーコールチェアの種類

アーコールのチェアはダイニング用とリビング用、ざっくり2つの用途に分けることができます。


アーコールのダイニングチェア

  • フープバックチェア

    アーコールチェアの中でも一番オーソドックスな形。背もたれのスポークの本数、座面の形、脚のデザインによっていくつか種類がある。スポークが6本のものは現行モデルで、4・5本はヴィンテージ。中でも5本タイプは希少。ちなみに、座面がヴァイオリン形のものも滅多に出会えないレア品。

  • クエーカーチェア

    曲木の真骨頂とも言うべき存在。フープバックよりもきつめのカーブを描く背もたれは、高さがあるので背中全体を包んでくれるような安心感がある。クエーカーアームチェアは、1958年のブリュッセル万国博覧会の英国産業パビリオンにおいて、優れたデザインとして選ばれ展示されたこともある。

  • ゴールドスミスチェア

    ゴールドスミスチェア自体はアーコールのオリジナルではなく、アイルランドの小説家・劇作家のオリバー・ゴールドスミスが所有していた椅子をモデルとしたデザインを、総じて「ゴールドスミスチェア」と呼ぶ。アーコールのゴールドスミスチェアは、オリジナルよりも座面が大きめに作られているのが特徴。

  • ボウバックチェア

    ボウ(弓)の名の通り、背もたれが弓なりにカーブしているのが特徴。扇型の形状から「ファンバックチェア」、櫛型にも見えることから「コムバックチェア」とも呼ばれる。このカーブが背中にフィットしてくれるので、座り心地はバッチリ。本国イギリスでも、長く愛用している人が多いモデルなんだそう。

  • スティックバックチェア

    アーコールチェアの中で、おそらく最も軽いモデル。その軽さもさることながら、真に注目してほしいのは後ろ姿!背もたれのスポーク(スティック)が座面下まで伸びている個性的なデザインなので、せっかくなら背面も楽しめるように置き方にこだわりたいところ。

  • スモーカーズチェア

    別名、「カウホーンチェア」。まるで牛の角のような見た目の肘掛けがとってもユニーク。生産数が少ない上に人気もかなりのものなので、出会ったら即ゲットがおすすめ。ちなみにスモーカーズチェアとはそもそも、パブでゆったり腰掛けながら葉巻を吸うための椅子としてデザインされたそう。そうした背景からなのか、背もたれの高さが低いタイプが多く作られている。

  • バタフライチェア

    現在もアーコール社のラインナップに並ぶ定番モデル。1956年には既にカタログに登場していた。当時の正式名称は「No401ウィンザーダイニングチェア」。元来のウィンザーチェアの形に蝶の羽のような背と座を組み合わせた革新的なデザイン、そして高級家具と言えば無垢材が常識だった時代に、無垢フレームに成形合板を組み合わせた作りで一躍注目を集めた。

  • エックスバックチェア

    背もたれと脚の貫がXに交差したデザインが特徴的。その見た目から「クロスバックチェア」「ラティスバックチェア」とも。やわらかな曲線使いのチェアが多い中、直線を交互に交差させたデザインが新鮮に感じられる。

  • スタッキングチェア

    イギリス国内の学校用の椅子として作られた経緯のある椅子。そのためスタッキング=積み重ねることができる作りになっている。現行品もあるが、現行モデルは背もたれのバーが1本のタイプのみ。2本タイプはヴィンテージでしか出会うことができないので、かなり貴重。ちなみにスタッキングチェアは、背面のドットマークの色でサイズが分かる。(小さい順に、白→黄→赤→青→緑)

  • ラダーバックチェア

    梯子をモチーフにデザインされたラダーバックチェア。ラダーバックはウィンザーチェア同様、イギリスの伝統的なデザインである。それをアーコールらしく、モダンでシャープなデザインに落とし込んだ。生産数が少ないのか、滅多にお目にかかれない希少モデル。

  • シスルバックチェア

    シンプルなデザインが多いアーコールのチェアの中では珍しい、背もたれに彫刻が施されたデザイン。この透かし彫りがシスル「アザミの花」に似ていることから、日本ではシスルバックチェアという愛称で親しまれている。アザミの花はスコットランドの国花で、学校や企業のロゴなど至るところで紋章を見ることができる。

  • スワンバックチェア

    こちらもシスルバック同様、背もたれに透かし彫りが入ったデザインが特徴的。透かし彫りのデザインは、ウィンザー城の湖畔に舞い降りた白鳥をモチーフにしているのだとか。スワンバックチェアが誕生したのは1990年代のことなので、ヴィンテージチェアの中では年代が浅い方。それゆえ、他に比べると数が少ないデザインでもある。

アーコールのリビングチェア

  • チェアメーカーズチェア

    「椅子職人のためのチェア」という名前が表す通り、座り心地は抜群。伝統的なダブルボウバックチェアをベースに、大きな背もたれとアームのデザインが特徴的。アーコールのチェアラインナップの中でも、高級なハイエンドモデルである。

  • グランドマザーズチェア

    当時のアーコールのカタログには「ウィンザータブイージーチェア」という名前で掲載されているが、「グランドファザーズチェア」よりもワンサイズ小さめの作りのため、グランドマザーズチェアの呼び名で広まったよう。

  • グランドファザーズチェア

    グランドマザーズチェアよりも一回り大きめ。こちらは当時のカタログにも、「グランドファザーズチェア」の名で掲載されている。座面も背もたれも広々大きく、男性がどっかり体を伸ばして座っても全く問題ないサイズ感。

  • エヴァーグリーン ハイバックイージーチェア

    現行品も販売されている、ロングセラー商品。イージーチェアとはゆったりくつろげる1人用の椅子のことで、ソファと同じように使うことができる。頭を包み込むようなウィングバックの背もたれで、座り心地は申し分なし。

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  • ウィンザージュビリーイージーチェア

    1980年代のわずかな期間に作られた希少モデル。曲木加工で作られたスクエア型の背もたれとアームが特徴。「ゆりかごのように快適な座り心地」をコンセプトに作られた。

色で見るアーコールチェアの種類

  • ナチュラル

    アーコールチェアのカラーラインナップの中でも、最も明るいとされているのがこちらのカラー。明るくやわらかな色合いを生み出すには、実は木材を磨く作業が不可欠。着色は最低限にとどめ、磨くことによって木の持つ本来の色を引き出している。その技法から、「ナチュラルポリッシュ」とも呼ばれている。(ポリッシュ=磨く)

  • ゴールデン ドーン

    美しいミディアムブラウンが特徴的なゴールデン ドーン。1982年に追加されたカラーで、イギリスでは一番の人気色とも言われている。軽すぎず重すぎずの絶妙な色加減なので、ナチュラルからシックまで幅広いインテリアに合いそう。

  • オールドコロニアル

    チョコレートのような深みのあるブラウンは、伝統的な英国クラシック家具との相性が抜群に良いカラー。和家具と合わせて大正ロマンテイストに仕上げても◎。濃い色合いながらしっかり木目を楽しむことができるのは、さすがアーコールといったところ。ちなみにオールドコロニアルは、アーコールのクラシックライン「オールドコロニアルシリーズ」のカラーでもある。



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