なぜなら、思い出したくない最悪の出来事が理由だったからです。
あれは今から10年以上前、僕が20代前半だったころ
当時の僕はふとしたきっかけでアンティーク和箪笥の魅力に開眼し、少ない給料をやりくりして和箪笥を買い集めていました。
今思うとだいぶ変わった若者だった気がしますが、ぼんやりと将来アンティークの箪笥を扱うショップを開きたいという思いがあったので、将来の投資の意味もあったのです。休みの日にはいい和箪笥を求めて骨董店を巡る日々が続きました。
そんなある日、ついに一世一代の出会いが!
アンティークの和箪笥の産地は全国にありますが、特に関西には非常に豪華で上質な作りの物が多いです。関西水屋もそんなアンティーク和箪笥のひとつ。もともと数が少ない上、僕の地元の茨城県の骨董品店で取り扱われる可能性はほぼありませんでした。僕としてはめったにお目にかかれない希少な存在だったんです。
価格は送料込みで17万円!
高額な価格を見た時に一瞬戸惑いましたが、関西水屋としては妥当な金額。僕の心は前のめりになっていました。
しかし、もうひとつ金額以上に大きな問題があったのです。
そう、実物を実店舗で確認できない、ネット販売商品だったんです。当時は今ほどネット通販も盛んではなかったので、僕の心に警戒心がわいてきましたが、「この出会いを逃してなるものか」と思い購入を決意したのでした。
そして憧れの水屋箪笥がやってくる
注文したその日から、控えめに言っても僕の人生はバラ色でした。あこがれの水屋箪笥を手に入れられることへの喜び、そして思い切った買い物をしたことへの高揚感でいっぱいだったのです。
そしてついに、憧れの関西水屋が手元に届いたのです
頑丈なダンボールの包装を開けながら、和箪笥代を稼ぐために耐え抜いた辛い仕事などが走馬灯のように頭の中を駆け抜けていました。今までの苦労が報われた…そんな心持ちでした。
そう、中に入っていたのはとんでもない代物でした。
大量の虫食い、そして建具部分は少し引くだけで外れてしまうボロボロさ。ネット上で見た商品写真は見栄えのいい箇所だけを写していたのでした。
こんなものに17万円も払えません。
慌てた僕はすぐさま返品の連絡を入れることにしました。
これがアンティーク家具ネット通販の現実
販売元に連絡をした僕は、動揺した気持ちを必死で抑えながら、ただのうるさいクレーマーと思われないようにできるだけ冷静に話をしました。送料はこちらで支払ってもいいので、返品させてくれないかと。
しかし
今ではありえないような話ですが、当時のネット通販には詐欺まがいな業者も多かったのです。確かにそれを知りながらしつこく事前に確認しなかった僕がいけないのかもしれません。しかし僕が必死に捻出した17万円というお金や、この買物にかけていたワクワクした夢や希望はいったいどうなるのでしょう。
顔が見えないネット通販だからって、人の信頼を踏みにじっていいのか
ネットだから安心して買い物できないなんておかしいじゃないか
もともと使用感があるアンティーク家具だからこそ、丁寧な状態の説明があってしかるべきです。けれどそんなネットショップなんてどこにもありませんでした。
僕がアンティーク家具を取り扱うネットショップを作ろうと思った瞬間でした。
男27歳、アンティークネットショップの店長になる
アンティーク家具への愛情と質のいいネット通販ショップを作りたいという使命感…そして若さによる勢いもあって僕は27歳の時にアンティーク家具ネットショップを立ち上げ、社長になりました。この時絶対に実現させたいと心に決めたのが
実店舗以上にアンティーク家具を安心して購入できるネットショップを作ること。
豊富な商品画像や、親切丁寧なお客様対応、さらにお客様のご希望をできる限り柔軟にお受けするよう心掛けました。初めは少ない人手でサービス精神旺盛に対応したため、寝れない日が続いたりもしましたが…
1人から始めた小さなショップは、積み重ねた信用とネット通販拡大の波に乗りどんどん大きくなり、社員数も増大。よりスムーズにお客様のご希望に添えるように成長していきました。そうこうするうちに
日本最大級のアンティーク家具ショップになりました
もちろん成長に終わりはなく今でも、どうすればよりお客様にご満足いただけるショップになるのか、悩む日々です。けれどいつでも初心を忘れず
日本一誠実で信頼できるアンティークショップを目指したいと思っています。
まだまだ若輩者の僕ですが、これからも成長を続ける「アンティーク家具ラフジュ工房」をよろしくお願いいたします。
店長あいさつ
二十代でアンティーク家具屋で独立しこの業界を見てきました。
その中で出会ったのは日々壊され捨てられてゆく古き家具たち。
ラフジュ工房の仕入れは私の兄(実は兄弟でやっています)が担当なのですがたまに仕入れの現場に行くといつも感じることがあります。
それは古い家具というのはどこまでも邪魔者扱いなんだなということです。
古い物の買取現場はそれは哀愁の漂う世界です。それはそうですよね。
ほとんどが空き家か、取り壊しが決まっているような建物なのですから。
金目の物はすでに持ち出されており、廃墟のような空間には粗大ゴミと、古い家具があるだけで本当に寂しい雰囲気です。どの家具も建物とともに取り壊され廃棄されるのを静かに待っているように見えます。
骨董品のようにすぐにお金になる物は、だまっていても誰かが世に出し日の目をみることも多いでしょう。
しかし家具はそんなことはないのです。日本の古き家具のほとんどは壊されて、廃棄されていきます。
無理のないことなのかもしれません。
古い家具は古くさくて、使いにくくて、汚れや傷みが激しいものが殆どです。
素人の家主さんには捨てる以外選択肢はありません。
リサイクルショップではどうでしょうか?
普通のリサイクルショップでは掃除はできても修理はなかなかできないでしょう。
そんなものは売り物にはならないのでやはり引き取ることすらしないのが現実です。
何がなんでも残したい!
毎日のように壊され捨てられていく古い家具たち。
そんな行き場の無い家具たちをラフジュ工房では直接家主の方から譲り受けています。
再生できると判断したものは全て引き上げてきます。
そして私がやりたいことは一点でも多くの古き家具をこの世に残すこと。
そのためにより多くのお客様に暮らしやお店の什器として取り入れていただくこと。
アンティークを取り入れてみたいけど踏み出せない。なんか不安。
さらに敷居が高くてとっつきにくいと感じている方も多いとおもいます。
そう感じている方にこそラフジュ工房を利用していただきたい。
私たちはお客さまがもっと気軽に相談できて、買い物もしやすく親しみやすいアンティーク家具屋を目指しています。
「こんなことはできないの?」「ここをこうしてよ」なんて気軽に話しかけられる、まるで昔馴染みの定食屋のような、そんなお店です。
安心して購入できる質の高いリペア技術、いろいろ選べる 幅広い品ぞろえ、どんな要望にも応えられる対応力。
お客様に120パーセント満足頂いて初めて、本当の意味で古い家具を残すことができると考えております。
あなたのわがままをどんどんお伝えください。
全て叶えられるかはわかりませんがスタッフ一同全力で取り組ませていただきます。
ラフジュ店長の頭の中
ラフジュ工房では一緒に働いていただける方を募集しています
一点でも多く価値がある家具を残し、
そしてそれを一点でも多く生活に取り入れてもらいたい。
そんなことを一緒に考えながら働いていただける方、お待ちしております。
募集職種・要項など詳細はこちらをご覧ください。
売り上げの一部を児童養護施設に寄付しています
ラフジュ工房は社会貢献の一環として児童養護施設のスポンサーになっており、売り上げの一部を寄付しています。