ヴィンテージ家具のお手入れ 5つのポイント!
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直射日光・過乾燥・多湿を避ける
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ダメージをどこまで「味」と捉えるか見極める
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基本のお手入れは乾拭きだけで十分
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〈海外ヴィンテージ家具〉素材に適したケアで、飽きのこない美しさをキープしよう
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〈日本(和製)ヴィンテージ家具〉伝統的家具のケアポイントを押さえて味わいを深めよう
ヴィンテージ家具の普段のお手入れ方法を詳しく解説!
ヴィンテージ家具は、一般的に1950〜1980年代に作られた家具のことを指します。
古い時代に生まれた家具でありながら、スタイリッシュでシンプルなデザインをしている所が特徴的ですよね。
そんなヴィンテージ家具を良い状態で永く使用していくにはどうすれば良いのか?その方法を詳しく見ていきましょう!
ヴィンテージ家具の基本のお取り扱い方法は?
- 直射日光を避ける
- 過度な乾燥・湿気を避ける
- ダメージをどの程度まで味と捉えるか
直射日光にさらされることで乾燥や色褪せが起こり、見た目や質の劣化を加速させてしまいます。
特に木・レザー・プラスチックなどの素材にはご注意ください。
直射日光の当たらない場所に置くことが望ましいですが、難しい場合はカーテンで遮ったり、布を被せたりなどして対処しましょう。
過度な乾燥はひび割れや変形を引き起こす恐れがあり、特に木やレザーといった素材は乾燥に弱いので気を付けましょう。
直射日光だけでなく、エアコンの風が直撃するような環境も乾燥を促進させてしまうため回避してください。
また多湿な環境は、カビ・サビ・腐食・変形といった様々なトラブルが発生しやすくなります。
ヴィンテージ家具でよく見られる突板家具は、過度な湿気によって芯材から剥離してしまう可能性も。
湿気や熱気がこもらないようこまめに換気をしたり、除湿機などを使用して室内湿度が40〜60%となるよう調湿しましょう。
ヴィンテージ家具は古い時代に作られ、長年使い込まれてきた物だけに、傷・欠け・シミ・サビなどそれなりのダメージがあることは念頭に置いておかなければなりません。
そうしたユーズド感や経年変化があるからこそ味わいが深まり、ヴィンテージの醍醐味としてそのままの姿を楽しむことができます。
素材や塗装の種類・ダメージの大きさによってはセルフリペアも可能で、自分の手で味わいを育てていくことができるという点も魅力のひとつです。
しかし使用上に問題があるダメージ、どうしても気になるダメージは欠陥となり補修が必要となります。
味か欠陥かの判断は人によって異なりますが、多少のダメージは大前提とし、どこまでを味とするかをしっかりと見極めながらヴィンテージ家具を楽しみましょう。
ヴィンテージ家具の基本のお手入れ方法は?
ヴィンテージだからといって、こまめで念入りなお手入れは特に必要ありません。
きちんとリペアされている物であれば、ホコリや汚れが気になった時に、柔らかい布で乾拭きするだけで十分なのです。
もし落ちにくい汚れがあった時には、かたく絞った布で水拭きをして綺麗にします。最後に乾拭きをして水気をしっかり拭き取るのがポイントです。
必要以上に拭いたり磨き過ぎてしまうと表面の塗装が傷み、汚れや傷が付きやすくなってしまうのでご注意ください。
肩肘張らず、必要な時にだけ適切なお手入れをし続けていくことが、良い状態を永く保つためのコツとなります。
海外ヴィンテージと日本(和製)ヴィンテージのお手入れの違いは?
家具は作られた国によっても特徴があるため、それぞれお手入れの方法も変わってきます。
特徴に合わせたお手入れを行うことで、より効果的にケアすることができるのでぜひ参考にしてみてください。
〈海外ヴィンテージ家具〉
北欧家具を中心とした現代に残る海外のヴィンテージ家具は、比較的良い状態で残っているものが多く、古い家具でよくありがちなガタつきやニオイなどの問題に対する心配は少ないです。
またアンティーク家具と同様、無垢材だけでなく突板が多用されているのも特徴のひとつ。突板家具の場合は、先述のようにキッチン周りやお風呂場などの多湿な環境に置くことは避けてください。チーク材などの高級な美しい木目を活かした家具がたくさんあるので、適正なケアでなるべく美しさをキープしていきたいですね。
海外ヴィンテージで人気のある家具といえば、エクステンションテーブルなどの「伸長式テーブル」や高級感を持つ「レザーソファ」が挙げられますよね。
伸長式テーブルは、使用しているうちに伸縮動作がスムーズにできないと感じる時があるかもしれません。対処法として、伸縮時に摩擦が起こる部分にシリコンスプレーを吹きかけてみてください。シリコンの被膜が形成されることで、摩擦部分の滑りを良くしてくれますよ。天板の詳しいお手入れについては、塗装の種類に合わせて適切なケアを行なってください。
レザーソファの普段のお手入れとしては、柔らかい布で乾拭きをするだけで綺麗な状態を保つことができますよ。永い時間をかけてしっくり馴染む柔らかい質感へと変化していく所に大きな魅力を持ちますが、表面の乾燥が気になる時や保護力を付けたい時には、クリームやオイルでメンテナンスするのがオススメです。メンテナンスを重ねるごとに趣ある表情となり、良いコンディションを維持できます。
海外ヴィンテージ家具では、アイアン素材を使った無機質なジャンクスタイルも人気です。金属ならではのサビの風合いが良い雰囲気を醸し出しますが、もしサビを落としたい場合には、水に薄めた中性洗剤を布に含ませてかたく絞り、優しく擦り落としてください。その後は水拭きと乾拭きで水気を残さないよう仕上げましょう。頑固なサビにはサンドペーパーやワイヤーブラシで擦り落とす方法もありますよ。いずれも最後にはサビ止め剤を下塗りし、表面塗装で仕上げるとしっかりと保護されるので安心です。
照明器具にもまた、海外ヴィンテージらしい洗練されたデザインが豊富にあります。天井やお部屋の端の方に置かれることが多いためか、ついついお手入れが忘れがちになりますが、見た目の美しさや安全性を保つためにも定期的なケアを心掛けましょう。
布やブラシなどを使ってシェード・電球・コードなどのホコリを取り除くだけでも十分ですが、汚れが強い場合は中性洗剤を薄めた水に布を浸け、かたく絞って水拭きをし、最後に乾拭きをします。この方法でシェードも電球も綺麗になりますよ。お手入れをする時は、感電しないよう必ず電気を消し、少し時間を置いてから始めましょう。
海外ヴィンテージ家具によく使われている素材別のお手入れ方法は以下の各ページで詳しくご紹介しています。
⇒無垢材のお手入れ・お取り扱い方法はこちら
⇒突板のお手入れ・お取り扱い方法はこちら
⇒天板のお手入れ・お取り扱い方法はこちら
⇒塗装別のお手入れ方法はこちら
⇒革(レザー)のお手入れ・お取り扱い方法はこちら
⇒アイアンのお手入れ方法はこちら
⇒メッキのお手入れ方法はこちら
⇒ソファのお手入れ・お取り扱い方法はこちら
⇒照明のお手入れ・お取り扱い方法はこちら
⇒テーブルのお手入れ・お取り扱い方法はこちら
海外ヴィンテージ家具でよくあるトラブルの解決法については、以下のページにて詳しくご紹介しています。
⇒アンティーク家具のお手入れ・お取り扱い方法はこちら
〈日本(和製)ヴィンテージ家具〉
日本(和製)ヴィンテージ家具は、実用性や機能性に長けた作りのものが多く、しっかりと使い込まれた状態の古家具がたくさん見られます。
そのため、傷や欠けなどのダメージ・ガタつき・ニオイなどが気になると思う方も多いかもしれませんね。
ダメージをどう捉えるかは先述の通りですが、家具のガタつきやニオイについては、下記のリンク先で詳しく解説しているのでぜひそちらもご覧ください。
日本(和製)ヴィンテージ家具でも、天然木材を使用した無垢材家具や突板家具がたくさんあります。例えば和箪笥・座卓・レトロガラス戸が付いた食器棚などが挙げられますが、どのアイテムも重厚感のあるアンティーク品と比べるとシンプルでカジュアルなデザインのものが多い印象です。
木目を存分に活かしたデザインの家具、無垢材を素材とした家具は、木材や塗装の種類に合わせたお手入れをすることで、木味の味わいを深めながら永く使用していくことができますよ。
もし船箪笥のように鉄金具が付いた家具であれば、サビなどが発生しないよう水気や多湿に特にご注意ください。
また家具にレトロガラスが使われてる場合、一般的なガラスのお手入れ方法と同様にケアしてください。ただし現代のガラスよりも厚さが薄く、長年使い込まれてきたものなので、お手入れ時は優しく丁寧に取り扱いましょう。
ドアや引き戸、欄間や組子細工を使った建具なども、日本(和製)ヴィンテージらしさを感じさせるアイテムとして人気があります。
ドアや引き戸は木製のものを中心に、素朴なものや洋風なものなど様々なテイストが存在します。パーツ部分にはガラスや金属など異素材が使用されていることも多いので、それぞれの素材に合わせたケアを行うようにしてください。
破れやすい繊細な障子や襖(ふすま)、組子細工の細やかな木部などのお手入れは大変そうに思えますが、基本的にはハタキやハンディーモップなどでホコリを取ったり、柔らかい布で乾拭きするだけでOKです。汚れが溜まってしまったり動作に不具合が生じた時には、適した対処法で美しさと機能性をキープしましょう。
日本(和製)ヴィンテージ家具によく使われている素材別・アイテム別のお手入れ方法は以下の各ページで詳しくご紹介しています。
⇒無垢材のお手入れ・お取り扱い方法はこちら
⇒木材別のお取り扱い方法はこちら
⇒塗装別のお手入れ方法はこちら
⇒和箪笥のお手入れ・お取り扱い方法はこちら
⇒屋外の建具のお手入れ方法はこちら
⇒障子のお手入れ方法はこちら
ガタつきやニオイについてなど、日本(和製)ヴィンテージ家具でよくあるトラブルの解決法については、以下のページにて詳しくご紹介しています。
⇒アンティーク家具のお手入れ・お取り扱い方法はこちら
ヴィンテージ家具のガタつきが気になる方は、以下で詳しく解説していますのでぜひご覧ください。
⇒ヴィンテージ家具のガタつきに関する記事はこちら
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