お買い物こちら

キーワード検索

アンティーク辞典アンティーク辞典

畳摺りとは

畳摺り(たたみずり)とは、畳で使用する家具の脚先に取り付けられた横木のことです。畳摺りがあることで、家具を頻繁に動かしたり、家具の重さがのし掛かる際に生じる畳の損傷や凹みを軽減させることができます。さらに家具に安定感を持たせ、移動をスムーズにさせる役割も担っており、その機能性の高さから日本では古くより重宝されてきました。主に椅子や机などに施されることが多いですが、それぞれの家具の素材や大きさ、デザインなどに合わせて作られるため、家具本来の美しさを損ねることなく、和室にもしっくり馴染むことができます。畳文化を大切にしてきた日本ならではの脚デザインといえます。

畳摺りの特徴

最大の特徴は、畳を保護するために設計された独特の造りです。まるでソリのように前脚と後脚が横木で繋げられた構造をしています。そうした形状によって「点」ではなく「面」で家具を支えるため床への接地面が広くなり、家具にかかる負荷を分散させることができるのです。そして接地面の広さは家具のグラつきを無くし、安定感を感じさせます。さらに押したり引いたりする時にも引っ掛かりが無いので、家具の移動をスムーズに行うことができるのも特徴の一つです。グラつかない安定した使い心地は、特にお年寄りの方や小さなお子様には使いやすいポイントにもなります。

畳摺りの種類

デザインの種類

畳摺りはよく和家具や民芸家具などで見られますが、椅子や机を中心とした様々な種類の家具に用いられており、それぞれ家具によって畳摺りの形状やデザインは異なります。

「民芸家具」について、以下でも解説しています。こちらもぜひご覧ください。

⇒RAFUJU MAG 辞典「民芸家具とは」のページはこちら

⇒ラフジュ工房の「民芸家具」の商品はこちら

機能の種類

中にはスタッキング機能や折りたたみ機能を備えたものもあります。

素材の種類

また素材は木製であることが多いですが、金属製や合成樹脂製のものも数多く作られています。日本製のように畳での使用を考慮したものだけでなく、海外でも床を傷めない事や安定した使用感を目的に作られた畳摺りのような脚デザインを見ることがあり、製造国や素材に捉われない多種多様な畳摺りの姿を見ることができます。

畳摺りの歴史

古墳時代に使用されていた「床几(しょうぎ)」という折りたたみ式の椅子は、まるで畳摺りのような造りをしていますが、畳用に作られた椅子ではなく主に屋外で使用されていました。畳で使用するために作られた畳摺りの誕生は、明治時代の文明開化に深く関わっています。畳は江戸時代中期を過ぎた頃に徐々に庶民へ普及していき、明治時代になると6畳や8畳の床の間が一般家庭でも作られるようになりました。それと同時に文明開化の影響により西洋家具が日本へ取り入れられ、畳の部屋にも椅子を置くようになっていきます。しかしどうしても椅子の脚で畳を傷付けてしまうことから、畳摺りが考案されたのです。つまり畳摺りは、日本文化と西洋文化が融合したことで生まれたデザインといえます。そして昭和時代以降には、和室に洋風家具を取り入れるための一般的な方法として広く浸透していき、デザイン性にも機能性にも優れた様々な種類の畳摺り家具が次々と生み出されたことによって、人々の生活に快適さと豊かさをもたらしました。
現代では畳の需要が減少し、床にはフローリングやカーペットなどが多用されていますが、畳に限らず床に負担をかけない造りをした畳摺り家具は今でも素晴らしい活躍を見せていて、インテリア性の高いモダンなデザインなどもたくさん作られています。

畳摺りのある家具

畳摺りのある家具をいくつかご紹介していきます。

畳摺りの椅子と類似した椅子

畳摺りの椅子のように、床へのダメージを軽減させることのできる椅子デザインは他にもあります。
例えばゆらゆらと揺れるのが特徴の「ロッキングチェア」。脚先の横木は緩やかなカーブを描いているため、揺れても畳への負担が少なく、しっかりと支えられた座り心地を味わえます。「回転椅子(ドクターチェア)」は畳摺りの椅子やロッキングチェアとの形状とは全く異なりますが、4本の太い脚が中央から外側へと伸びた構造をしていることが多いので、畳への負荷が一点に集中することがありません。また、座面が回転するので立ち座りの際に椅子を押し引きする頻度も少なくて済むことも、畳への保護に繋がります。

「ロッキングチェア」について、以下でも解説しています。こちらもぜひご覧ください。

⇒RAFUJU MAG 辞典「ロッキングチェアとは」のページはこちら

⇒ラフジュ工房の「ロッキングチェア」の商品はこちら

「ドクターチェア」について、以下でも解説しています。こちらもぜひご覧ください。

⇒RAFUJU MAG 辞典「ドクターチェアとは」のページはこちら

⇒ラフジュ工房の「回転椅子」の商品はこちら

畳摺り家具のあるインテリア

家具に後付けした畳摺りもありますが、はじめから畳摺りが取り付けられた椅子やテーブルは、和室に合わせて高さが低めに作られていることが多く、使い心地だけでなく見た目からも安定感を感じ取ることができます。家具の高さが低めだとお部屋の空間が広く感じられ、和室らしい落ち着きのあるまったりとした空気が漂います。もちろん和室(畳)以外にも様々なインテリアに合わせることができ、実用性も抜群なので、快適なお部屋作りをしたい時にはオススメのアイテムです。

お買い物はこちら