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ドクターチェアとは

ドクターチェア(ドクターズチェア)とは、背もたれの付いた木製回転椅子の別名で、特に明治期から昭和初期に日本で作られたものが「ドクターチェア」と呼ばれています。
当時のお医者さんや弁護士、大学の教授など、「先生」と呼ばれる人達に多く使われていたことから特別な椅子という意味合いでそう呼ばれるようになりました。
和洋折衷なレトロ感漂うデザインが特徴的で、アンティークのコレクター達にも大変人気のアイテムです。

ドクターチェアの特徴

ドクターチェアの一番の特徴は回転椅子であることです。回転する上に座面の高さの調節もできる機能的な面を持っています。
また、背もたれは低めで、小ぶりな造りの物が多いことも挙げられます。
名前の通り、仕事で使うことを目的に作られたものなので、長時間座っても疲れにくいよう座面や背もたれが布張りのものがほとんどで、そこから見た目にも装飾性に富んでいる椅子とも言えます。

現在日本で見つけられるドクターチェアは和製アンティークのものが大多数です。

ウィンザーチェアの一種であるキャプテンチェアに機能性を加えて誕生したデザインということもあり、背もたれの形は枠と背棒(スポーク)で成り立っているものも多くみられます。

⇒ラフジュ工房のキャプテンチェアはこちら

ドクターチェアの素材・装飾

ドクターチェアは主にオーク材(ナラ材)、ニレ材(エルム材)などが使用されています。

装飾は、西洋デザインを取り入れて作られた和製アンティークも多く様々な凝った意匠がみられます。
背もたれに透かし彫りをあしらったものや、脚やスポークに挽き物加工を凝らしてあるものもあり、座面のファブリックと相まって華やかで見栄えのするデザインが多く存在します。

ドクターチェアの種類

アーム

ドクターチェアには、キャプテンチェアのように背もたれの枠が上から見てU字型になっていて、そのままアームとして肘を置ける形状になっているものと、アームの無いものがあります。

回転椅子の基本である中央の軸から四つに伸びた安定性のある脚の形状です。中には、畳摺りやキャスターのついたものもあります。

ドクターチェアの歴史

ドクターチェアの大元である回転椅子が登場したのは18世紀末頃のアメリカ。のちに第3代大統領に就任するトーマス・ジェファーソンのアイディアで、フィラデルフィアの家具職人がウィンザーチェアを元に作ったと言われています。

誕生から時を経てアメリカからヨーロッパへ伝わり、19世紀末頃に欧米で流行しました。
日本でも明治期から大正期にかけて西洋文化が徐々に浸透しはじめたことから、回転椅子が作られるようになりました。
和製の回転椅子は、凝った造りと機能性の高さから医者などの”先生”達に好まれるようになり、愛称的な呼び名として「ドクターチェア」と呼ばれるように。
モダン文化が浸透した昭和初期以降は、一般家庭でも使われるようになります。

近年ではエグゼクティブチェアやコンピューターチェアなど家具の名称に職業や使い方をイメージさせる呼び方も増えてきていますが、当時は家具に職業の名前を付けることは稀でした。それにも関わらず、日本では「ドクターチェア」と呼んだのは、尊敬すべきお医者さんが使っていた権威の象徴という意味が込められているのかもしれません。

ドクターチェアとキャプテンチェアの違い

特徴の項目でも触れましたが、ドクターチェアはキャプテンチェアを原型とした椅子ということもあり、このふたつは類似している点が見受けられます。
明確な違いとしては、ドクターチェアは回転式で座面の高さを調節でき、背もたれも布張りや装飾板など様々なパターンが存在します。
キャプテンチェアは背もたれ兼アームとしての枠と複数のスポークを有しているものを指します。 また、四つ脚で板座というウィンザーチェアの構造がベースになっています。

「キャプテンチェア」について、以下でも解説しています。こちらもぜひご覧ください。

⇒RAFUJU MAG 辞典「キャプテンチェア」のページはこちら

 

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