こんにちは!ラフジュ工房店長の岩間守です。
新しい家具を買おうと思ったら、ほとんどの方は家具のデザインや大きさに加え、「色」を気にされるのではないでしょうか?
なんてお悩みの方々。
更にいうなら、色がバラバラの家具どうしで統一感を出すことだって、少しの工夫があればできないことではないんです。
ですから、実はそこまで神経質になる必要はないんですよ。
そもそも、こと木製家具に関しては全く同じ色の家具というのが存在しません。
そのため大前提として、もしも「家具はぴったり同じ色で合わせたい!」とお考えの方がいらっしゃったら、それは当店でも叶えるのが難しいお願いといえます。
というわけで、今回はよくご質問をいただく木製家具の色合わせについて書かせていただきましたよ!
目次
ざっくり「似た色味」なら、まとまりのあるお部屋はつくれるんです
少しでもインテリアに興味のある方なら、きっと
といった感じで、「統一感」「まとまり」というワードを意識される方が多いのではないでしょうか。
「この家具、わたしの部屋の他の家具と色が合うかな?」という先ほどのお悩みは、恐らくこのような背景からきているのだと思います。
ただ先ほどもお伝えした通り、家具というのは似た系統の色味であれば自然とまとまって見えるものなんです。
色の話は言葉ではなかなか伝わりにくいかと思いますので、こちらの画像をご覧ください。
いかがでしょう?
これらのお部屋の家具たちは、ざっくり「濃い茶色」という括りで集められたものですので、もちろん厳密に同じ色の家具は一つもありません。
一つ一つ微妙な濃淡の違いこそあれ、これを見て「まとまりがない」と思われる方はそういらっしゃらないのではないでしょうか。
もしも皆さんが「家具の色は全て茶系で統一したい」とお考えなら、
・「明るい茶色」がいいのか?
・「濃い茶色」がいいのか?
は最低限念頭に置いていただくべきかと思います。
が、いってしまえばそれぐらいのアバウトさでもさして違和感はない、ということなんです。
しかも組み合わせによっては、明るい茶色と濃い茶色の家具が同じお部屋にあったとしても、こんなに素敵な空間がつくれるんですよ。
それに…あまりに「同じ」という概念にとらわれすぎてしまうと、ペンキでべた塗りしたかのごとく単調、かつ面白味のないお部屋になってしまう危険性大です!
色数が極端に多すぎるのも考えものではありますが、その反対もまた然り。
せっかくこれだけ多種多様な家具、色があるわけですから、新鮮な風を取り込むつもりでちょっと違う色味の家具にも手を出してみてはいかがでしょう?
あ!誤解を招かぬよういっておきますが、何もこだわりを捨てろということではありませんので、あしからず。
ただ、家具探しの際ちょっと色の許容範囲を広げてみることで、素敵な家具との出会いの幅がもっと増えると思うんです。
色に固執して視野が狭まっていると、そんな出会いもスルーしてしまうかもしれません。
知っておいていただきたい、色合わせの限界。「同じ色」が× で「似た色味」が○ な理由
さて、家具の色は似た色味であればまとまって見えるし、「同じ」を意識しすぎるとかえって不自然なお部屋になりかねない、ということは皆さんご理解いただけたかと思います。
それに関連してもう1点知っておいていただきたいのが、当店における色合わせについて。
当店ではお客様のご希望を基に仕上げることを前提とした、「カスタム家具」や「オーダー家具」といった家具も販売しています。
カスタム家具・オーダー家具についてご存知ない方は、こちらの店長ブログもご参考ください。
これらの商品に関しては、家具をお客様のお好みの色に合わせてお仕上げすることが可能なんです!
このようないい方をすると中には、
というようなご要望をいただくこともあります。
ただ!ここでご注意いただきたいのが、
ということ。
というのも、これには木製家具だからこその大きな理由があるんです。
車や家電などの工業製品とは違い、木材は元々が自然由来のものですよね。
ですから、たとえ同じ種類の木から採れた木材であったとしても、色の違いはどうしたって出てしまうんです。
もっというと、例えば同じ1本の木の上部と下部という切り取り方であっても、それぞれ微妙な色の違いはあります。
家具として形になる前、木材の段階で既に個体差があるわけですから、「ぴったり同じ色」を再現することがどれほど困難なことなのかはいうまでもありません。
と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、色をのせる土台(木材)の違いは仕上がりにそのまま影響してきます。
同じ塗料を使ったからといって、イコール同じ仕上がりになるというわけではありません。
我々が簡単に「同じ色にできます!」とはいえない理由、これで皆さんご理解いただけたでしょうか。
色については、当店でも特に慎重な確認を要する部分でもあります。
「統一感」は色・形がバラバラでもつくれる!マネしたいお部屋づくりのポイント
ところで、冒頭で「色がバラバラの家具どうしでも統一感を出すことは可能」とお伝えしたのを、皆さん覚えていらっしゃるでしょうか?
むしろ最近では色だけにとどまらず、形もバラバラな家具どうしをあえて組み合わせて楽しむ、というのが一般的になってきている気がします。
というわけで、ここからは一見バラバラに思える家具たちを使って統一感を出すためのポイントを、まとめてご紹介していきたいと思います!
① お部屋の「テーマ」はお決まりですか?
さて、まずは準備段階のお話として。
基本的なことではありますが、まとまりのあるお部屋をつくりたいとお考えなら、予め何かしらのテーマは考えておいた方がいいでしょう。
テーマというとちょっと難しく聞こえてしまうかもしれませんが、要はお部屋の雰囲気・テイストのことです。
「ナチュラル」や「カントリー」、「ヴィンテージ(ビンテージ)」、「和風」に「アジアン」などなど例を挙げればキリがありません。
◆かわいらしさたっぷりのナチュラルなお部屋
◆大人な高級感漂うクラシカルなお部屋
◆趣ある和風のお部屋
◆リゾート感満載のアジアン調なお部屋
なんて具合に、ある程度事前にお部屋の方向性を定めておくことで、断然好みの家具を見つけやすくなりますよ。
何を隠そう、実は当店サイトでもお客様によりスムーズに気になる商品を探していただけるように、「テイストで絞り込む」という検索方法をご用意しているんです!
② 木目の雰囲気をチェック
そして、お部屋の家具がほとんど木製家具だという場合には、新しく迎え入れたい家具の「木目」も少しだけ意識してみるといいかもしれません。
木目には大きく分けて「板目(いため)」と「柾目(まさめ)」の2種類あるのは、皆さんご存知でしょうか?
板目は木のもつ素朴な風合い・はたまた力強さを感じられるものが多く、一方で柾目はすっきりとスタイリッシュな印象のものが多いです。
◆板目のテーブルと…
◆柾目のテーブル
③ 「面」ごとに色調を合わせてみる
先ほど、色のトーンが異なる家具を組み合わせても違和感はない、とお話させていただきました。
ただ、これにはちょっとだけ意識していただきたいポイントがありまして、それが「面」ごとに色調を合わせるということなんです。
お部屋は天井面・床面・壁面で構成されていますよね。
床が明るい茶色のフローリングならテーブルや椅子はそれに合わせて、壁面に寄せる家具は濃い茶色のものを…といった感じで、なるべく1つの面に異なる色調の家具を一緒に置かないように気をつけてあげると、それだけでもグッとまとまりあるお部屋に見えるんですよ。
④ ファブリックや小物の色味で統一感を!
お次はこちらの画像をご覧ください。
比較的シンプルなデザインの家具ばかりが目に入る中、向かって左に目をやるとクラシカルな雰囲気漂う椅子が1脚置かれています。
先ほど、統一感を出すためには自分なりのテーマに合った家具で揃えた方がいい、とお伝えしましたが、この椅子はその他の家具と明らかにテイストが異なっています。
にも関わらず、不思議と全く違和感なくお部屋に溶け込んでいますよね。
この場合、ポイントになるのはファブリックの色。
クラシカルな椅子とその向かいにある椅子、更にはソファの上に置かれたクッションなど、「オレンジ色」という同系の色味のファブリックが空間に繋がりをもたせ、自然と一体感がうまれているんです。
それ単体で見るとテイストが異なるような家具でも、こうして同じ空間内の異なる場所に同系統の色を配置してあげることによって、浮くことなく馴染んで見えるというわけです。
色自体もオレンジにブルー、白に茶系、そして緑…と決して少なくはない色数ですが、それぞれに色の繋がりがあるためごちゃついた印象は受けません。
ちょっとイレギュラーな例ではありますが、
とお悩みの方がもしいらっしゃったら、ファブリックや小物の色味を合わせてみると意外としっくりまとまるかもしれませんよ。
◆今回の店長ブログでは、インテリアに精通したプロの方々の著書・サイトなども参考にさせていただきました。◆
サイトのみいくつかリンクを貼らせていただきましたので、気になられた方はこちらからどうぞ。
プロに聞いた「おしゃれなインテリアコーディネート」を決める3つのコツ
床やドアと、家具の色合いに統一感は必要!?インテリアの色を決める方法とは。
終わりに
色しかり形しかり、あまりに揃えることを意識しすぎると画一的で単調な印象になってしまいかねません。
あえてちょっと違う色味のものを差し色として置いてみたり、異素材どうしを組み合わせてみたり…かえってそれがいいアクセントになって、緩急のある素敵なお部屋になるんです。
違う色や形のアイテムをどういかすか?
なんてことを考えながら家具探しをしてみると、思わぬ掘り出し物が見つかるかもしれませんね。