骨董品のお手入れ・お取り扱い方法

骨董品のお手入れ 5つのポイント!

  1. 適切な環境に整え、手袋を使用して慎重に扱おう
  2. 普段は乾拭きやハタキで汚れを取り除こう
  3. 種類や素材に合わせたケアで、品質と美しさを永く楽しもう
  4. 長期間保管する時は、清潔な状態にして直射日光や湿気を避けた場所で管理しよう
  5. トラブルが起きたらプロに相談しよう

 

骨董品の普段のお手入れ方法を詳しく解説!

1. 骨董品の基本のお取り扱い方法は?

  • 直射日光を避ける
  • 直射日光に晒し続けると、紫外線の影響で骨董品の劣化や色褪せを引き起こす恐れがあります。カーテンを使用したり布を被せるなどして対処し、展示する場合でも長時間直射日光が当たることのないよう注意しましょう。

  • 湿度と温度に注意する
  • 骨董品は湿気が大敵です。湿気を吸ってしまうと素材によってはカビやサビが発生します。しかし逆に乾燥し過ぎると木製品などはひび割れを起こしてしまうことも。そのような事態にならないようお部屋の風通しを良くし、換気や除湿器などを使用して、理想とされる湿度40〜60%を保てるよう調湿しましょう。また急激な温度変化も劣化を引き起こす原因となりますので、15〜25℃くらいの温度で保つことをオススメします。

  • 素手で扱わない
  • 汚れ・水分・油分などが付いた手で直接触れてしまうと、骨董品にダメージを与え品質の低下に繋がります。そのため扱う際には専用の布手袋を使用しましょう。
    さらにマスクを使用すると、不意に唾が付いてしまう心配もなくなるのでより清潔な状態を維持することができます。

  • 衝撃や振動を与えないよう慎重に扱う
  • 骨董品は非常にデリケートであるため、衝撃や振動で破損してしまう場合があります。優しく慎重に扱うよう心掛けましょう。

2. 骨董品の基本のお手入れ方法は?

骨董品には様々な種類がありますが、基本的には乾いた柔らかい布・ハタキなどで優しく汚れを取り除きましょう。
お手入れの頻度が多いと素材を傷めてしまう恐れがあるので、過剰な清掃にはお気を付けください。
なお、お手入れは湿気の少ないカラッと晴れた日に行うのがオススメです。お手入れ後定期的に陰干しを行えば、余分な湿気を取り払いながら虫が付くのを予防することができます。

3. 骨董品は種類や素材によって詳しいお手入れ方法が違うの?

骨董品は種類や素材によって詳しいお手入れ方法が変わってきます。種類別・素材別の詳しいお手入れ方法をご紹介しますので参考にしてみてください。

〈焼き物・陶磁器〉

ホコリなどの軽度な汚れは、先述した普段のお手入れ方法だけで十分に綺麗にすることができます。
それでも落ちないような汚れが付いた場合には、かたく絞った柔らかい布で水拭き、もしくは水洗いをします。そのまま自然乾燥させると水垢・カビ・臭いなどの原因にもなりますので、いずれも最後は必ず乾拭きをしてしっかり乾燥させましょう。特に陶器は水分が染み込むと抜けにくい性質を持つので注意が必要です。
また硬い素材で力強く擦ったり、メラミンスポンジで磨いたりすると、傷が付いたり絵付けや金彩が落ちてしまう可能性がありますので十分にお気を付けください。

陶磁器のお手入れ方法については以下のページで詳しくご紹介しています。
⇒アンティーク食器のお手入れ・お取り扱い方法はこちら

〈絵画・書画・掛け軸〉

紙や布を素材としているため、直射日光・高温多湿な環境には特に気を付けたいアイテムです。直射日光によって色褪せしたり、過乾燥によって絵が割れたり、多湿によってカビが発生したりします。
表面に付いた軽い汚れは、基本的に柔らかい羽ほうきなどを使って払い落とします。もし落ちにくいシミや汚れが付いた場合、無理に落とそうとすると逆に状態を悪化させてしまう恐れがありますので、早めに専門業者へご相談するのが望ましいでしょう。
掛け軸は長期間掛けたままにすると、日焼けやシミなどの原因となるので、できれば3日に1度ほど外して休ませることをオススメします。また虫食い防止のため、年に2回ほど直射日光を避けた風通しの良い場所で「虫干し」を行うと良いですよ。

〈茶道具〉

茶道具とは茶道に用いられる道具の総称で、実は掛け軸などの装飾用具も含まれますが、ここでは茶をたてる点茶道具のお手入れ方法をご紹介していきます。
昔ながらの素材と製法で作られる点茶道具は、現行品と同様の扱いをするとカビ・変色・変形などの劣化を引き起こす可能性があるので注意が必要です。
もし使用した場合、また乾拭きでは落ちない汚れが付いた場合は、釜・茶碗・茶筅といった道具は水やお湯で汚れを洗い流します。洗う際にはスポンジや洗剤などは使用せず、指で優しく擦って落としましょう。
洗った後は必ず柔らかい布で乾拭きし、風通しの良い場所で十分に時間をかけて乾燥させます。
茶碗は高台を下にして乾かすと良いですよ。茶杓はティッシュや柔らかい布で汚れを拭き取ってください。

〈象牙・翡翠・珊瑚の製品〉

象牙・翡翠は基本的に乾いた柔らかい布や刷毛などで汚れを取るだけ十分ですが、水やぬるま湯で洗うこともできます。洗った後は乾いた布でしっかり拭き上げ、風通しの良い場所で日陰干ししましょう。
ただし珊瑚に関しては水洗いすることはオススメできません。珊瑚には細かな穴が無数に空いており、そこに水分が入り込むことで変色や変質の原因になり得るからです。普段は乾拭きや刷毛などでケアし、もしひどい汚れがあった時にはかたく絞った布で水拭きし、その後乾拭きを行なってください。

〈木製品〉

木は多湿な環境に置くとカビや腐食が発生しやすくなります。普段のお手入れは乾拭きを基本とし、汚れが付いたらすぐに拭き取ってください。もし硬く絞った布で水拭きした場合は、必ず最後に乾拭きをしましょう。
また木は、乾燥し過ぎるとひび割れや変形を引き起こす恐れがあるため、直射日光やエアコンの風が直撃するような環境は避けるようにしてください。
さらに木は虫害も心配されます。防虫剤を使用したり、汚れや湿気を溜め込まない環境を作ることで予防しましょう。もし虫に食われた場合は殺虫スプレーで対処してください。

木製品のお手入れ方法については、以下のページで詳しくご紹介しています。
⇒アンティーク家具のお手入れ・お取り扱い方法はこちら

〈漆器〉

普段は、乾いた柔らかい布でホコリを拭き取るだけで十分に綺麗な状態を保てます。硬い素材でできた金たわし、また研磨剤を含むクレンザーなどで擦ると簡単に傷が付いてしまうため注意が必要です。
もし水分や汚れが付着した際は、そのまま放置すると変色を起こす可能性があるのですぐに拭き取ることが重要となります。
落ちにくい汚れには中性洗剤が活用でき、水で薄めた中性洗剤を布に含ませて汚れを拭きます。仕上げに乾拭きをして水分を残さないようにしましょう。

漆塗のお手入れ・お取り扱い方法については、以下のページで詳しくご紹介しています。
⇒漆塗のお手入れ・お取り扱い方法はこちら

〈金属製品〉

金・銀・銅・錫・鉄・ブロンズなどの金属素材で作られた骨董品も数多くあり、経年によって色合いや質感の味わいを深めていくのも金属製品ならではの魅力ですよね。
一口に金属と言っても、銀は空気に触れると黒ずみができやすかったり、銅は緑青が付きやすかったり、鉄は錆びやすかったりとそれぞれが持つ性質はまちまちです。それぞれの素材に合わせたお手入れを行うことで、金属特有の美しさをキープしながら経年変化を楽しむことができます。

金属のお手入れ・お取り扱い方法については、以下の各ページで詳しくご紹介しています。
⇒アイアンのお手入れ方法はこちら
⇒銀のお手入れ方法はこちら
⇒真鍮のお手入れ方法はこちら
⇒メッキのお手入れ方法はこちら

4. 骨董品を長期間保管したい時は?

骨董品を長期間保管する時は、カビ・サビ・腐食・変色・虫食いなどを防ぐため、まず汚れと余分な水分をしっかり取り除いてからしまうようにします。保管場所は、直射日光の当たらない風通しの良い環境を選び、湿気には十分に注意しましょう。骨董品は大変デリケートなので、落下して破損しないよう高さの低い場所に保管し、万が一に備えて地震対策もしておくと安心ですよ。そして長期間箱や袋にしまいっぱなしにするのではなく、時折出して状態をチェックすることも大切です。
さらに種類別・素材別の保管ポイントも押さえることで、より長く良い状態を維持することができますよ。

  • 焼き物・陶磁器の保管ポイント
  • 紙製もしくは木製の箱を使用すると通気性が良いため劣化防止になります。

  • 絵画・書画・掛け軸の保管ポイント
  • 絵画などは色褪せを防ぐため黒い布を被せておくと安心です。
    掛け軸などは虫食いの防止や通気性を良くするため専用のケースまたは桐箱の中に入れ、さらにウコン染めの裂で巻けば防虫・抗菌効果を高めることができます。

  • 茶道具の保管ポイント
  • 箱にしまう際、道具一つ一つを和紙や布で包装すると傷防止に繋がります。また竹製の茶筅はカビや変形を起こしやすいので、しまう際のお手入れや保管方法に特に注意しましょう。

  • 金属製品の保管ポイント
  • 空気に触れると酸化しやすい金や銀などは、骨董品に対応した防錆剤を使用したり布で覆うなどして保管しましょう。

5. 骨董品でトラブルが起きた時は?

骨董品を長年愛用していると、傷・ひび割れ・欠け・変色・変形など様々なトラブルが生じることがありますよね。
時として、このような経年による風合いの変化は味わいや歴史を感じさせる要素として捉えられ、骨董品の価値を高めることがあります。
しかし見た目の良さを損なうような変化、使用上問題が出てきてしまう変化は修復作業が必要となります。骨董品は時代物である上、現代品の修復法とは異なる場合もあり、修復を行うには専門的な知識と技術を伴います。そのため修復を希望する際にはまず専門業者に相談してみるのが望ましいでしょう。場合によっては時間や手間、費用などがかかる作業となるかもしれませんが、適切な修復を施せば、骨董品の美しさや歴史的価値を永く楽しむことができますよ。

 

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