アンティークチェストというと、どんな家具をイメージしますか?
猫脚のクラシカルなチェストやヨーロピアンな白いペイントチェスト、はたまた時代劇に出てくるような和製アンティークのタンスを思い浮かべる方もいるかもしれません。
チェストとは、引き出しが付いた収納家具のこと。日本だと洋服タンスや整理タンスと呼ばれたりもしますね。アンティークのチェストは、西洋や日本など世界中で古くから親しまれてきた家具なだけあって、様々なデザインのものが現代まで受け継がれています。なので、いざアンティークチェストが欲しい!と思っても、どれか1点に絞るのが難しいと感じる方も多いはず。
そこで今回は、納得のいくアンティークチェスト選びができるよう世界中のデザインやテイスト・形をご紹介したいと思います。これを読めば、一生もののアンティークチェストを手に入れるヒントが見つかりますよ。それぞれのおすすめのポイントや、マッチするインテリアテイストなどをご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
目次
タイプで選ぶ!好きなデザインを見つけよう
アンティークのチェストは、大まかにジャンル分けすると5タイプあります。まずはデザインに注目しながら、好みのタイプを見つけてみましょう。
イギリスアンティークのクラシカルなチェスト
イギリス製のアンティークやヴィンテージ(ビンテージ)もののチェストは、気品のあるクラシカルな佇まいが魅力です。高級素材であるオーク材やマホガニー材、ウォールナット材で作られたものが多く、ダイナミックで美しい木目を堪能することができます。
イギリスのアンティークチェストは、時代ごとに建築や家具の様式が移り変わったこともあり、ゴージャスで曲線的なデザインのものや、華美な装飾を抑えた直線的なデザインのものなど、テイストが様々です。ただ、どのデザインも脚や取っ手、彫刻など、細部まで丁寧にに作り込まれたものが多く、今もたくさんのアンティークファンを魅了しています。
英国アンティークのチェストを選ぶなら、引き出しや取っ手のデザインにも注目したいところ。引き出しの前面に彫刻や象嵌が入っているものや、パーケット細工が施されたものなど手の込んだ装飾がみられます。取っ手もゴージャスな真鍮製のものや、引き出しによく馴染む木製のものなど、チェスト全体のデザインに合わせて作られており、それぞれアンティークらしい風合いが楽しめます。
また、イギリスアンティーク家具で見逃せないのが、脚のデザイン。左上のようなシンプルなデザインのものから、通称「猫脚」と呼ばれる動物の脚を模したガブリオールレッグ(右上)、木をねじり上げたようなツイストレッグ(左下)、球根のような形のバルボスレッグ(右下)など様々なタイプがあります。猫脚やツイストレッグだとより軽やかな印象に、バルボスレッグだとより重厚な印象のお部屋にマッチします。
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フランスアンティークのガーリーなチェスト
フランス製のアンティークチェストは、イギリスアンティーク家具と似たデザインで、よりガーリーなテイストのものが多く販売されています。質の良いものは、オーク材やウォールナット材、マホガニー材製のものが多く、美しい木目からは高級感が感じられます。
フランスアンティークのチェストは、引き出しに植物などをモチーフとした彫刻がなされ、引き手金具も草花をイメージしたようなかわいらしい装飾が施されたものが多くあります。脚は猫脚のようなヨーロピアンテイストの優雅なデザインが主流です。
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イギリス・フランスアンティークのペイントチェスト
イギリスやフランスアンティークのチェストのなかには、オリジナルペイントが残ったシャビーシックなチェストや、ペイントしてリメイクしたチェストなどが多く販売されています。ペイントカラーは、特に白やグレーなど淡い色合いが人気です。エレガントなデザインと優しいペイントの色合いで、お姫様テイストのインテリアを満喫できます。
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イギリス・フランスアンティークのカントリー風なチェスト
西洋アンティーク家具というと、先に紹介したようなエレガントなデザインのものが主流ですが、こちらのような素朴でかわいらしい印象のパイン材製のアンティークチェストもあります。ヨーロッパの田舎暮らしを想像させる、カントリースタイルの温かみ溢れる家具です。
パイン材製のチェストは、華美な装飾はほとんどなく、引き出し周りなどにモールディングのような控えめな装飾があるものが多いです。木の温かみが存分に感じられるぼってりとしたフォルムと、明るくナチュラルな木味で、お部屋を癒しの空間にしてくれます。
和製アンティークの和モダンな洋服タンス・和箪笥
西洋アンティーク家具と対照的に、渋みや力強さを感じるどっしりとした佇まいの日本のアンティークチェスト、衣装箪笥。衣装箪笥はもともと着物をしまうために使われた収納家具で、現代では洋服タンスとも呼ばれていますね。中に収納した着物を湿気から守るため、箪笥全体や引き出しなどに調湿性に優れた桐材を用いたものが多いです。桐材を収納家具に用いるのは日本特有であるため、桐箪笥は衣類収納に優れた箪笥として人気の高いアンティーク箪笥の一つです。
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和製アンティークのチェストは、引き手や金具が作り出す和風の重厚な雰囲気が特徴的です。一般的には上で紹介したような丸金具がついたものが多いですが、中にはこんな豪勢な金具がびっしりと付いた高級タンスもあります。ちなみにこちらは、明治期に佐渡の八幡地方で作られた最高級のアンティーク佐渡箪笥。美術品のような佇まいについ見惚れてしまいそうですね。日本のアンティークタンスは、産地によって様々なデザインがあります。他の人とは被らない、個性的なアンティークチェストをお求めの方におすすめです。
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また、衣装箪笥よりももっと凝った造りのアンティークタンスが気になる!という方は、帳場箪笥や車箪笥に引き出しが付いたチェストタイプを探してみてください。和箪笥職人の技を堪能できます。また、木目の美しさを楽しみたければ、桐材ではなく、欅材やヒノキ材、栗材などで作られたアンティークタンスもおすすめです。当店でも商品ページにタンスの材質をできる限り紹介していますので、探す際はそちらも参考にしてみてください。
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チェストとしても活躍!引き出しが付いたアンティーク収納家具
まずは代表的なアンティークチェストやタンスをご紹介しましたが、お好みのものは見つかりましたか?もし、まだピンときていないようであれば、もう少し幅を広げて見てみましょう。引き出しが付いた収納家具という視点で、チェストにおすすめなアンティーク家具をまとめてみました。
ガラス窓付き引き出し!中身が見えるおしゃれなアンティークシャツケース
アンティークのシャツケースは、イギリスのテーラーなどで使われていたディスプレイ什器。アンティークのシャツケースの中でもこちらのようなチェストタイプは、引き出しにガラス窓が付いていて、中が見える作りになっています。店舗で使われていただけあって、大型で引き出し数が多く、洋服タンスとして服や布類などを収納してもいいですし、書類ケースなどにも活用するのもおすすめです。アンティークシャツケースは現代でも店舗什器に人気のある希少なアンティーク家具ですので、気に入ったものを見つけたらぜひお早めにご検討ください。
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チェストに作業台が付いたアンティークライティングビューロー
アンティークのライティングビューローは、書き物をする机と引き出し収納が組み合わさった家具のこと。大きめの引き出しが付いたチェスト部分に加えて、扉内にも細かく仕切られた収納が備わっています。洋服タンス兼デスクやドレッサーとしてなど、1台で2役こなしてくれる省スペースな家具です。
ライティングビューローだけだと収納が足りない!という方には、ライティングビューローの上に本棚が付いた、アンティークのビューローブックケースもおすすめです。本棚部分は奥行きが浅めなので、収納だけでなく飾り棚としても使いやすいですよ。ガラス戸にはステンドグラスなど凝った装飾があるものが多く、イギリスアンティークらしい華やかなデザインが楽しめます。本棚まで入れると高さが2m近くあるものもあり、インテリアの主役となるような存在感のあるチェストです。
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ミラーが付いたアンティークのドレッシングチェスト
アンティークのドレッシングチェストは、その名の通りドレッサーとチェストが合体した収納家具。大きなミラーと引き出しが付いていて、メイク道具と洋服を1か所に収納しておけます。また、ミラーは部屋を広く見せてくれる効果もあり、同じサイズのタンスを置くよりもお部屋の圧迫感が軽減されますよ。
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レコード収納専用のアンティークチェスト(レコードチェスト)
アンティークのレコードチェストは、レコードを整理して収納できる浅い引き出しが並んだ収納家具です。小引き出しのような形のものや、シャッター扉のもの、ガラスの扉がついたものなど、様々なデザインがあります。小粋で品のあるデザインのものが多く、小振りなサイズのおしゃれなチェストが欲しい方におすすめです。
小さな引き出しが便利な医療用チェスト、アンティークのデンタルキャビネット
かつて医療用品の収納に使われていたアンティークのデンタルキャビネット。薄型の引き出しがたっぷりと付いていて、小物を整理整頓しやすいのが特徴です。大きめのサイズだと、棚や作業台、ミラーなどが付いたものが多く、グリーンや小物のディスプレイにも活躍します。また、こちらは和製アンティークの家具ですが、西洋アンティーク家具とも相性がいいので、ミックススタイルを楽しむのもおすすめですよ。
アンティークのデンタルキャビネットには、サイドチェストなどに丁度良いサイズのものも。小ぶりなアンティークチェストをお探しの場合は、そちらもチェックしてみてください。
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お部屋に合う色は?色別に見るアンティークチェストのインテリア実例
欲しいアンティークチェストのデザインがなんとなくわかったところで、次はチェストの色について考えてみましょう。自分の部屋だと何色のチェストが合うのか、イメージするのは難しいですよね。「濃い茶色のチェストを入れると部屋が重々しくなる?」「一つだけペイントの家具を取り入れても大丈夫?」そんな疑問にお答えしていきます。
茶色(ブラウン)のアンティークチェストを取り入れたインテリア事例
まずは、アンティークチェストに最も多い、木製の茶色いチェストを取り入れたインテリアを見てみましょう。アンティーク家具の木の色合いは、もともとの木材の種類や着色、仕上げ方法によって変わります。周りにある家具と木の色味が近いもので揃えると失敗しにくいですよ。
オーク材製チェストでエレガントに。イギリスアンティークのダイニング
イギリスアンティークのオーク材製チェストを取り入れたダイニング。明るめのブラウンの木製家具で全体を統一した、王道のコーディネートです。気品はありつつも親しみやすさも感じる、ナチュラルなエレガントさが魅力的ですね。
重ためのブラウンでまとめた、シックなワークスペース
続いては、和製アンティークの大正ロマンスタイル家具でコーディネートしたシックな書斎のインテリア。チェストやデスクなど、すべての家具を暗い色合いのブラウンでまとめて、大人っぽい空間に仕上げています。濃い茶色のアンティーク家具が多いと、やはり重厚感たっぷりの雰囲気になりますので、書斎など集中したい場所や寝室など落ち着いて過ごしたい場所のインテリアとしておすすめです。
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濃い木味のアンティークタンスで、高級感のある和モダンなリビングダイニング
こちらは和モダンなリビングダイニングのインテリア。和製アンティークの洋服タンスが収納に使われています。タンスは濃い茶色ですが、スペースに余裕を持って各家具を配置し、壁面の白色を多く残すことで、軽やかで清々しい雰囲気にコーディネートされています。このように、濃い茶色のアンティーク家具を取り入れても、空間に余白を多めに残しておけば、重たい印象を和らげることができますよ。
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明るめのアンティーク衣装箪笥で、くつろぎの和風リビングに
続いては、和製アンティークの重ね衣装箪笥を、サイドボードとして活用した和風のリビング。明るめの茶色いアンティーク箪笥を使って、ナチュラルな和風スタイルを楽しんでいます。日本のアンティークタンスは木の色味が濃いものが多いですが、マンションや新築の物件の場合、色が濃すぎるとタンスが浮いてしまう可能性もあります。このくらいの明るいブラウンであれば、建具や床材、周りの家具などとも合わせやすく、古い味わいも感じられる、いいとこ取りのカラーと言えるでしょう。
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ペイントのアンティークチェストを取り入れたインテリア事例
次は、アンティークのペイントチェストを使ったインテリア例です。アンティークのペイント家具は、ビビットなカラーだけでなく、ブルーグレーやモカベージュなど、曖昧な色合いのカラーが豊富で、様々なインテリアテイストを楽しめます。家具から小物までテーマカラーを決めてコーディネートすると、インテリアのクオリティがアップしますよ。
白で決める!アンティークチェストを使ったシャビーシックなダイニング
白ペイントのアンティークチェストは、シャビーシックスタイルやフレンチスタイルなど、かわいいインテリアにぴったりです。こちらはホワイトペイントの大型チェストをダイニングに取り入れたインテリア例。主要な家具に白を使うことで、シャビーでガーリーな世界観を作り出しています。飾り棚にはキャンドルやランプなど煌びやかなアイテムをディスプレイし、生活感のあるものは引き出しの中にきちんと収納することで、空間全体が美しくコーディネートされています。
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ブラックチェストで大人っぽさをプラス。エレガントなダイニングスペース
黒いペイントのアンティークチェストを使った、フェミニンなダイニング。黒やネイビー、濃いブラウンなど、シックなカラーの家具を多めに取り入れて、かわいらしくも大人っぽい印象にコーディネートされています。木製家具とペイント家具をミックスすることで、クラシカルになりすぎず、カジュアルな雰囲気に仕上がります。
ナチュラルシャビーなインテリアに。ブルーグリーンのチェストがあるドレッシングスペース
こちらのお部屋は、ブルーグリーンのアンティークチェストがあるドレッシングスペース。古いものならではのくすんだ色合いが儚げな雰囲気を演出しています。ブルー系のペイントは、家具としてはあまり馴染みのないカラーかと思いますが、だからこそ非日常的で美しいインテリアが楽しめますよ。
ただ、現状のインテリアに新たな色の家具を取り入れるのは、イメージ通りに馴染むか不安ですよね。そんな時は、新しく加える家具の色を、現状のインテリアと同じくらいのトーン(明るさと彩度が同じくらいの色)にすると失敗が少ないです。特にこの部屋のように色味も近い家具でまとめると、より統一感を出てまとまりが良くなりますよ。
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ブルーグレーチェストで落ち着いたインテリアに。シックなアンティーク書斎
続いては、ブルーグレーのビューローブックケースが主役のアンティーク書斎。テーブルやチェアなど全体をシックなトーンで統一することで、落ち着いた雰囲気にまとめています。
ただ、大型のペイント家具は存在感が大きく、部屋の印象を大きく左右するので注意が必要です。例えば、赤系やオレンジ系の色は興奮作用があるため書斎など集中したい部屋には不向き、緑系の色はリラックス作用があるため寝室やリビングなどくつろぎたい場所向きなど、色によって生み出す効果が違います。選ぶ際は、部屋の用途に合わせて、それにマッチするカラーを探してみてくださいね。
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サイズで選ぶ!用途別におすすめのアンティークチェストをご紹介
アンティークチェストは、サイズの選択肢が豊富なのも魅力の一つです。用途に応じて適切なサイズのアンティークチェストを探していきましょう。
スペースに収まりやすい、スリムタイプ(縦型)のアンティークチェスト
アンティークチェストの中でもスリム型のチェストは、キッチンや玄関など限られたスペースの収納家具として人気です。脚元まで引き出しが並んだものや、長い脚が付いたものなどがあります。このタイプは、スリム型ではなく縦型、チェストではなくドロワーなどとも呼ばれるので、ネットで探す場合はそのキーワードでも検索してみてください。
日本のアンティークタンスにもスリム型のチェストがあります。例えばこちらはアンティークの帳場箪笥。商店などの帳場で使われていただけあって、簡単には開けられない、隠し扉などのカラクリがあるユニークなタンスです。
サイドチェストやコンソールテーブルに!小ぶりなアンティークチェスト
ベッドサイドやソファサイドで使いやすい、腰くらい高さのアンティークチェスト。壁際において、コンソールテーブルのように使うのもおすすめです。こちらのサイズは、アンティークチェストの中でも数が多くデザインも豊富です。ゴージャスなものからシンプルめなものまでありますので、ぜひじっくり見比べてご検討ください。
リビングにおすすめ!ワイドタイプのアンティークチェスト
リビングなどのサイドボードにおすすめな、ワイドタイプのアンティークチェスト。こちらのタイプは、中央に2~3段の引き出しがあり、左右に扉が付いているタイプが主流です。もう少し収納力が欲しければ、脚元まで引き出しが付いた箱型タイプや、より幅の広いワイドタイプもありますので、お好みのサイズを探してみてください。
寝室に!収納力のある大きめアンティークチェスト
4~5段の深めの引き出しが付いたタンス型のアンティークチェスト。衣類などをたっぷり収納できるので、寝室の収納家具としておすすめです。
ディスプレイに最適!存在感のある大型アンティークチェスト
こちらは12杯の引き出しと飾り棚まで付いた大型のアンティークチェストです。ヨーロッパらしいエレガントなデザインと、シャビーシックな風合いが素敵ですね。インテリアの主役になる、存在感抜群の収納家具です。
素敵なアンティークチェスト選びを!
今回は色々なパターンでまとめたアンティークチェストのご紹介でした。とても幅広い種類やテイストがあって、奥深さに驚きますよね…!
この記事が自分にぴったりのアイテムを見つけるお手伝いになれば嬉しいでです!
ラフジュ工房ではたくさんのアンティークチェストを扱っていますので、気になった方はぜひチェックしてみてください!