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パッドフットとは


パッドフットとは家具の脚先に用いられるデザインの一種で、平らな円盤状のパットが付いたような形をしています。主にイギリスのアンティーク家具で見られ、華麗なるイギリスアンティーク家具の歴史を代表する伝統的なデザインです。
そのトラディショナルなデザインや技術は大切に受け継がれ、現代でもクラシカルでエレガントな家具を製造する際に用いられています。

パッドフットの特徴

パッドフットのほとんどが「ガブリオールレッグ(猫脚)」というS字曲線を描いた脚の先で使用されています。ガブリオールレッグの脚先といえば「フレンチカブリオレ」や「クロウ&ボール」のように凝ったデザインのものも多いのですが、その中でもパッドフットは最もシンプルで軽やかなデザインといえるでしょう。シンプルがゆえに様々なシーンに取り入れやすく、その滑らかな曲線美によって上品で柔らかい雰囲気を漂わせている点も特徴の一つです。

「ガブリオールレッグ(猫脚)」について、以下でも解説しています。こちらもぜひご覧ください。

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「クロウ&ボール」について、以下でも解説しています。こちらもぜひご覧ください。

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アンティークやヴィンテージのパッドフット家具は、ウォールナット材・マホガニー材・オーク材などで作られていることが多く、華美な装飾を施さない分、高級感あふれる美しい木目をたっぷりと堪能することができます。
またパッドフットは、丸みのあるデザインですが底の部分はフラットに作られ、重い家具でもしっかりと支えられるよう安定感を持たせた設計となっています。

パッドフットの種類

パッドフットは洗練されたシンプルなデザインですが、細かく見てみると一つ一つの形状には違いがあり、スプーンやゴルフクラブの形に似ているものもあることから「スプーンフット」「クラブフット」などと呼び分けられることがあります。

パッドフットの歴史

パッドフットが誕生したアン女王期

17世紀末から18世紀にかけフランスではガブリオールレッグが大流行し、家具の脚元はフレンチガブリオレなどを用いて優雅で華やかに飾られていました。
一方その時代イギリスを統治していたアン女王は、バロック様式やロココ様式の影響を受けながらも、これまでのような豪華絢爛な家具ではなく機能性や実用性を重視したクイーンアン様式の家具を作り出していました。そのためガブリオールレッグの脚先のデザインも、フランスとは対照的にシンプルなデザインを独自に編み出し、18世紀初頭に誕生したのがパッドフットでした。クイーンアン様式のパッドフットは「クイーンアンカブリオレ」と呼ばれることもあります。
クイーンアン様式の代表的な家具といえばやはり「クイーンアンチェア」ですが、もちろんその脚元にはパッドフットのデザインが取り入れられています。こうした時期は別名「ウォールナットの時代」とも呼ばれており、木目の美しいウォールナット材を用いてたくさんの家具が作られていきました。

「バロック様式」について、以下でも解説しています。こちらもぜひご覧ください。

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「ロココ様式」について、以下でも解説しています。こちらもぜひご覧ください。

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「クイーン・アン様式」について、以下でも解説しています。こちらもぜひご覧ください。

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「クイーンアンチェア」について、以下でも解説しています。こちらもぜひご覧ください。

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パッドフットが発展していったジョージ1世~4世期

アン女王が退位しジョージ1世が王位につくと、クイーンアン様式に感化されながらもより装飾的で豪華なジョージアン様式の家具へと変化していきます。ジョージ1世からジョージ4世まで続いたジョージアン様式は、産業革命が始まった背景もありまさにイギリス家具の黄金期でした。
家具材の主流はウォールナット材からマホガニー材へと切り替わり、マホガニー材の丈夫で加工しやすい材質は繊細な透かし彫りなどに活かされ、豪華で華やかな家具が数多く生み出されていきました。ガブリオールレッグも線が細めでスタイリッシュに作られていることが多く、ウォールナット材で作られたクイーンアン様式家具とはまた一味違ったパッドフットの表情を楽しむことができます。
その後もパッドフットのデザインは継承され続け、現在も西洋家具の定番スタイルとして根強い人気を誇っています。

パッドフットのある家具

パッドフットはあらゆる家具の脚先に取り入れられています。具体的にどのような家具で見られるのか、その一例をご紹介します。

パッドフットのあるインテリア

落ち着いたデザインの中にさりげない華やかさを漂わせるパッドフットは、和洋問わずどのようなシーンにも馴染みやすいです。
現代のインテリアにスタイリッシュさや趣きを持たせたい時にピッタリのデザインといえます。

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