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ロココ様式とは

ロココ様式とは、18世紀初期から中期にかけてフランスではじまった芸術と建築のスタイルのことです。主に絵画・室内などの装飾として用いられます。淡い色使いや曲線、軽やかで優雅な表現が特徴です。フランスの宮廷ではじまり、ヨーロッパ全域の貴族や市民に広まりました。ロココの名は、フランス語で岩や貝殻の装飾を意味する「ロカイユ」が語源とされています。

ロココ様式の特徴

ロココ様式の特徴は、大きく分けて3つあります。

豪華な装飾

ロココ様式は、やや過剰なほど豪華な装飾が特色です。装飾性に富んだ背景には、貴族たちのあいだでおこなわれたサロン文化の存在があります。各界の著名人を招くために貴族たちはこぞって部屋の内装に力を入れるようになり、天井や壁、家具、さらには食器までにおよびました。金箔を使った装飾や彫刻、絵画などが組み合わさった、きらびやかで華やかな空間が特徴です。

中間色が使われている

ロココ様式は、パステルカラーのような淡い色合いが特徴です。白、金、ピンク、淡いブルーやグリーンが好まれました。メリハリをつけない柔らかく明るい雰囲気は、ロココ様式ならではの特色です。

エレガントで女性的なデザイン

ロココ様式は、アシンメトリーや曲線など、エレガントで女性的な雰囲気であるのも特徴です。内装や家具の装飾には貝殻やアカンサスの葉、渦巻きなどの彫刻が多用され、全体的に軽やかで優美な印象を与えています。

彫刻のほかには、木材で模様を作る「象嵌(ぞうがん)細工」や寄木細工で動植物を描く「マーケットリー」や幾何学模様を描く「パーケットリー」もさかんでした。

ロココ様式の定番「カブリオールレッグ」


ロココ様式で確立されたデザインの一つに「カブリオールレッグ」があります。S字の曲線が特徴で、家具の脚に使われました。ちなみに日本では「猫脚(ねこあし)」の名で親しまれています。

「カブリオールレッグ」について、以下でも解説しています。こちらもぜひご覧ください。

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ロココ様式の歴史

ロココ様式は、18世紀初頭から中期にかけてフランスで発展しました。17世紀末まで主流だった前代のバロック様式の流れを組んでいるため、バロック様式から派生した様式ともされています。本項では、ロココ様式が登場してから終わりまでの歴史を解説します。

バロック様式の反動で生まれたロココ様式

ヴェルサイユ宮殿もバロック様式で建築されている

ロココ様式の成り立ちには、前代のバロック様式の存在が欠かせません。ロココ様式が18世紀初頭にフランスで登場するまで、ヨーロッパ諸国で主流だったのはバロック様式でした。バロック様式はフランス国王・ルイ14世が好んだスタイルで、厳格・壮大・禁欲的なデザインが特徴です。

1715年にルイ14世が亡くなり、ひ孫のルイ15世が即位すると、宮廷ではバロック様式の壮大さから離れる風潮が高まります。自由で開放的、より親しみやすく華やかなスタイルを求めるようになった結果、ロココ様式が登場しました。

ロココ様式は、家具や絵画、内装インテリアを変えるところからはじまっていきます。バロック様式時代に建てられた建物はそのままに、室内の装飾を中心に発展させていきました。

「バロック様式」について、以下でも解説しています。こちらもぜひご覧ください。

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ロココ様式の最盛期

ルイ15世が1723年に成人すると、ロココ様式は最盛期を迎えます。急速に発展した背景には、サロン文化の存在がありました。自由を楽しむ貴族たちは、さまざまな分野の著名人との交流の場・サロンを開くようになります。

サロンが開かれる部屋はサロン主宰者の権力を示す場でもあったため、競い合うように豪華できらびやかな内装が作られました。フランス王・ルイ15世や彼の公妾・ポンパドゥール夫人は、サロン文化を花開かせた代表的な人物としても有名です。

ヴェルサイユ宮殿「ポンパドゥール夫人の居室」
ヴェルサイユ宮殿「ポンパドゥール夫人の居室」

ロココ様式は内装だけでなく、家具や絵画、食器、置物など、インテリア全般に広がりました。サロン主催者の支援により、高い技術を持つ家具職人たちが次々と登場します。ヴェルサイユ宮殿など、現代に残る高度な技術はこの頃に築かれました。

マリー・アントワネットも愛した「プチ・トリアノン」

ロココ様式の終わり

18世紀後半になると、ロココ様式は徐々に衰退しはじめます。背景には、1789年に起きたフランス革命や1730年代にはじまっていたイギリスの産業革命がありました。市民たちにも力を持つ者が現れ、貴族文化を否定する風潮が高まりはじめます。

ロココ様式に代わって台頭したのが、シンプルで古典的なデザインを求める「新古典主義(ネオクラシズム)」でした。市民たちが力を手にしたことで、ぜいたくなロココ様式はますます強い反感を買い、衰退していくのです。

しかしながら、ロココ様式は高い技術性を誇り、後世に大きく影響を及ぼしています。
19世紀末にはロココ様式のリバイバルブームとして「アール・ヌーヴォー」が流行しました。

現代においてもロココ様式の重要性は健在です。ロココ様式期に確立された家具の技術や絵画の技法などは、建築や芸術の各業界の礎となり、世界的に賞賛されています。

「ネオクラシズム様式(新古典主義)」について、以下でも解説しています。こちらもぜひご覧ください。

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ヨーロッパで大流行!各国のロココ様式とは?

フランス生まれのロココ様式は、ヨーロッパ諸国にも大きな影響をもたらします。ロココ様式のデザインを取り入れつつも、各国ごとの独自性があるのが特徴です。

イタリアのロココ様式

イタリアでは、曲線や花模様などの華やかな装飾が特徴です。木材は明るい色調を使い、寄木や彫刻が施されています。家具や絵画の額縁に金泥(きんでい)が塗られ、豪華絢爛であるのも特徴です。

イギリスのロココ様式

イギリスではロココ様式を独自に取り入れた「クイーン・アン様式(1702-1714)」があります。機能性を重視した、極めてシンプルなデザインが特徴的です。

家具にはカブリオールレッグを多用しつつも、細かい彫刻や金色の装飾はあまり見られません。

クイーン・アン様式は根強い人気があり、アン女王亡きあとも度々リバイバルブームが起きました。世界的に支持が厚く、遠く海を越えた日本でも明治維新後の建築様式に採用されました。東京駅丸の内舎は、クイーン・アン様式が使われた代表的な建築物です。

「クイーン・アン様式」について、以下でも解説しています。こちらもぜひご覧ください。

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ロココ様式を支えた「サロン文化」が生んだ家具たち

ロココ様式の発展を支えたのは、貴族たちが楽しんだサロン文化でした。邸宅でおこなわれたサロンには、くつろぎながら交流ができるような椅子やインテリア要素が強い収納家具などが置かれました。

本項では、サロン文化の隆盛とともに登場した家具を紹介します。

セティ(長椅子)

セティは、背もたれと肘掛けが付いた長椅子のことです。2人掛け程度のサイズが主流で、ソファの原形ともいわれています。

「セティ」について、以下でも解説しています。こちらもぜひご覧ください。

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シェーズロング(寝椅子)

シェーズロングは、脚を伸ばして座ったり寝転がったりできる椅子です。寝椅子とも呼ばれます。華麗な外観とくつろぎを追求したデザインが特徴的です。背もたれの形状には、四角い形やゴンドラ型、曲線を施したデザインがあります。

「シェーズロング」について、以下でも解説しています。こちらもぜひご覧ください。

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コモード

コモードは、小さな箪笥のことを指します。サロン主催者の部屋に置かれることが多く、インテリアとして高い需要がありました。収納家具でありながら、収納性よりも見た目が重視されているのが特徴です。細かい彫刻や象嵌、金貼りなど豪華な装飾が施されました。

「コモード」について、以下でも解説しています。こちらもぜひご覧ください。

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