過去の記事でも何度かアンティーク火鉢の魅力をご紹介してきましたが、その味わいに魅了されつつも、活用方法が思い浮かばないがために、手を伸ばすことを躊躇してしまう方も少なからずいらっしゃるのではないでしょうか?
昔の道具、というイメージが強い火鉢ですので、いざ自宅に取り入れようと思っても、少しハードルが高いように感じるかもしれませんね。小さなお子様がいるなどの理由で、火の扱いに不安があるという方もいるでしょう。
いえいえ、火鉢だからといって、なにも必ず火をつけて使わなくてはいけないというわけでもありません。
種類もデザインも豊富な火鉢は、インテリアとしてお部屋に取り入れるだけでも空間に彩りを添えてくれますよ。さらにアンティークならではの味わいも加わって、ひと味違ったコーディネートをお楽しみいただけます。
今回のRAFUJU MAGでは、アンティーク火鉢のインテリアでの活用術をご紹介していきます。
ぜひ最後まで目を通して、コーディネートの参考にしてみてくださいね。
目次
風情漂う鉢カバーとして
「アンティーク火鉢は素敵だけど、本来の使い方をするのは手間もかかるしちょっと大変…」とお思いの方は、まずは鉢カバーとしてインテリアに取り入れてみるのはいかがでしょうか。
箱火鉢や金火鉢などでしたらほどよいサイズのものも多く、居住スペースの邪魔をしないので、気軽にアンティーク火鉢の味わいを楽しむことが可能ですよ。
上品な和の雰囲気で仕上げたいなら、品格漂う木製の箱火鉢がおすすめ。シンプルだからこそ際立つ木の美しい風合いが、空間に落ち着きを演出してくれます。
メンズライクなお部屋に金火鉢を取り入れてグリーンを飾れば、一気にジャンクな印象に。合わせるテイストによって、火鉢そのものの雰囲気がガラリと変わるのも面白いですね。
和の風情を堪能するのもよし、ミックススタイルで自分だけのコーディネートを楽しむのもよし。作りたい理想のお部屋にぴったりのアンティーク火鉢を探してみてはいかがでしょうか。
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火鉢を鉢カバーに使うとき、錆びやすい炉の金属部分には注意が必要です。
植物を直接入れないことはもちろんですが、鉢植えの下に受け皿を敷くなど、水分を避けるようにしましょう。
玄関に華を添える和のアイテムとして
アンティーク火鉢を気軽にインテリアに取り入れたいのであれば、傘立てやスリッパ入れとしてもおすすめ。
スペースが限られているためインテリアに手を掛けられず、そっけない雰囲気になりがちな玄関先などに色彩豊かな瀬戸火鉢を取り入れれば、ぐっと空間が華やかになりますよ。
陶磁器製でしたら水にも強く、実用性も申し分ありません。
しっとりとした染付や目を惹く十錦手など、作りたい雰囲気に合わせてデザインを選べるのも楽しいですね。
どこかに出かけるときも、一仕事終えて帰ってきたときも、必ず通る玄関。自分好みのアンティーク火鉢をコーディネートして、一日の最初と最後を彩るのも粋ですよ。
情緒あふれるテレビ台として
和家具と北欧ビンテージ(ヴィンテージ)ものを組み合わせた和モダンなお部屋に、思い切って関西火鉢をテレビ台として取り入れました。
火鉢の中でもより和の印象が強い木製火鉢ですが、その他の家具を濃い木色で統一することで、テイストの違うアイテム同士にもまとまりが生まれています。
和のインテリアに合うテレビ台がなかなか見つからないというお悩みをよく耳にしますが、ひと手間加えれば、大型の火鉢をこのように活用することも可能です。もともとは食卓として使われていたこともあり、台としての機能性は抜群ですよ。
炉を塞ぐか、強化ガラスを天板として載せれば、テレビ台として問題なくお使いいただけます。
「時代和家具と北欧ビンテージでシックな空間に。2人暮らしの上質なリビング」のページはこちら
重量のあるテレビを支えるには、天板に用いる強化ガラスの厚みもしっかりしたものが望ましいです。
強化ガラスを選ぶ際は、7mm以上の厚みがあるものを選ぶと安心ですよ。
インテリアの中心に。センターテーブルとして
渋い和家具と華やかなイタリア家具をうまく調和させた、こちらのスタイリッシュなコーディネート。
鮮やかな青が目を惹く瀬戸火鉢にガラス天板を載せ、センターテーブルとして取り入れました。美しくインパクトのある模様も、違和感なくしっかりと空間に溶け込んでいます。
スマートな印象のイタリア家具に和の要素を組み合わせるのはハードルが高いようにも感じますが、意外にもスタイリッシュな洋家具と、凛とした佇まいの和のアイテムは相性がいいんですよ。
コーディネートの主役である真っ赤なチェアに合わせて、瀬戸火鉢の中に赤い花を活けても素敵です。
「骨董」「古道具」といった印象が強い火鉢ですが、和のテイストだけにとらわれず、自由にコーディネートを楽しんでみてはいかがでしょうか。
「和家具とイタリア家具の融合。前衛的な和モダンリビング」のページはこちら
大正ロマンスタイルづくりにもおすすめ
アンティーク火鉢を取り入れたコーディネートなら、情緒あふれる大正ロマンスタイルなどもおすすめです。古風な和洋折衷が織り成すドラマチックな雰囲気は、お部屋に非日常な印象を与えてくれますよ。
そんな大正ロマンの空間づくりに欠かせないのは、やはり独特の色使い。
落ち着いた濃い茶色などの基本色にアクセントとして赤や緑、黄色などの原色を取り入れるのが、郷愁漂う空間を作るポイントです。
大正ロマンのコーディネートには、十錦手の瀬戸火鉢がぴったりです。
色とりどりの鮮やかなデザインがアクセントになり、ぐっとノスタルジックな印象を演出してくれますよ。
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インテリアとして使うときに注意するべき3つのこと
実際にインテリアにアンティーク火鉢を取り入れる前に、使用上の注意点は押さえておきたいところ。
なるべく長くアンティーク火鉢と暮らしていくためにも、ポイントをしっかり確認していきましょう。
直射日光を避ける
木製の火鉢の場合、強い日差しにさらされると、木が反ってしまうことも。
設置の際は、直射日光が当たる窓辺などは避けるように心がけましょう。
多湿を避ける
木製アンティーク家具全般に言えることではありますが、湿気の多い場所に木製の火鉢を長い時間放置すると、虫食いやカビなどの原因に。金属製火鉢も水気をそのままにしてしまうとサビが発生してしまいます。
頻繁に使用していれば神経質になりすぎる必要はありませんが、長期保存の際は乾燥剤と一緒にビニールに包むなど、湿気を避けることが大切です。
定期的に乾拭きを
水気に弱い木製と金属製の火鉢のお手入れは、基本的に乾拭きです。どうしても落ちない汚れがある場合には、かたく絞った濡れ布巾でやさしく拭き取ったあと、乾拭きしてしっかり乾かしましょう。
特に金火鉢は汚れをしっかり落として空気に触れさせることで、深く落ち着いた枯れ色を出すことができますよ。
最後に
本来の使い方を楽しむのも捨てがたいですが、インテリアとして活用できれば、さらにアンティーク火鉢の楽しみ方の幅が広がりそうですね。今回ご紹介した活用術であれば、冬の間は火鉢として火をおこして、オフシーズンの夏季にはインテリアとして、一年中アンティーク火鉢をお使いいただけますよ。
この他にも、アイディア次第で様々な活用法が見つかるはず。ぜひ思い思いの使い方で、アンティーク火鉢のある生活を楽しんでくださいね。
次回は昔ながらの火鉢の使い方をご紹介していきます。どうぞお楽しみに。