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ナーシングチェアとは


ナーシングチェアとは、母親が赤ちゃんに授乳をしたり、小さな子供のお世話をするために作られた椅子のことです。
古い時代に生まれ、当時は特にイギリスで人気を博しました。ナーシングチェアには快適な授乳・育児を行うための工夫がたくさん見られ、時を重ねるごとに現代的なデザインへと姿を変えながら、今もなお世界中で製造され続けています。

ナーシングチェアの特徴

特徴その1. 低い座面

最大の特徴は座面の高さです。
小柄な女性でも座った時にしっかりと床に足が付くよう、また当時使われていたベビーベッドと高さが合うよう、一般的な椅子よりも座面が低く設計されています。重心が低いため座面の高い椅子よりも安定感を感じることができます。

ナーシングチェアが生まれた頃のヨーロッパでは、女性がファッションの一環で腰元に固いコルセットを締め付けていたため、かがんだ姿勢をとることが難しいのですが、座面が低いことで無理なく小さな子供と目線を合わせることができるという点も特徴の一つです。

特徴その2. 面積の広い座面と背もたれ

赤ちゃんを抱っこしたままでもゆったり座れるように、座面と背もたれの面積が広めに作られています。
またアームが無いことが多く、そうした造りによってあらゆる方向からサッと座ることができ、空間をより広く使うことに長けています。

長時間座っても疲れないよう座面には座り心地が柔らかい素材を使用しています。
背もたれは木だけでできているものあれば、ソファのようなクッション性に優れたものもあります。

特徴その3. 美しい見た目

元々女性のために作られたものであり、さらに当時の美術様式の影響も受けたことで、装飾性が高いと言われているアンティークチェアの中でも特にエレガントで華やかに作られました。主に使用された木材はマホガニー・ウォールナット・ローズウッドなどの高級木材です。

また、背もたれや脚に精巧な彫刻が施されたり、曲線美のあるデザインが取り入れられたり、座面には上品な生地が張られたり、使い心地だけでなくその美しい見た目からも癒やしを得ることができます。

赤ちゃんを抱えたままでも移動させやすいよう脚元にキャスターを付けたタイプも数多くあり、中には収納スペースを備え付けた珍しいタイプもあります。

ナーシングチェアの歴史

ナーシングチェアは、ヴィクトリア女王がイギリスを統治していた19世紀頃に誕生し、当初は部分的に布張りされたスタイルで作られていました。
上流・中流階級の家庭で使われることがほとんどで、当時のヴィクトリア様式の特徴である優雅さや華麗さを反映しながら美しいナーシングチェアが多彩に生み出されていきました。
時代が進むにつれシンプルなデザインへと変化し、現代ではモダンかつ高機能なナーシングチェアが数々生産され続けています。
ナーシングチェアの姿形は違えど、その実用性の高さからいつの時代も母親や子供の体をサポートし、心身に癒しを与えてきた大変重要な椅子といえます。

ナーシングチェアと類似する椅子の種類

低い座面で作られることの多い1人用チェアの種類は他にもあり、例えばサロンチェア・ラウンジチェア・ロッキングチェアなどが挙げられます。
こうした椅子はナーシングチェアと似たような造りで、実際に授乳の時や子供のお世話をする時に使用されることもあります。
授乳や育児に適した椅子となると、やはり柔らかで安定感のある座り心地・広々とした座面や背もたれなどといった、ナーシングチェアの特徴が活かされることが多いです。

「サロンチェア」について、以下でも解説しています。こちらもぜひご覧ください。

⇒RAFUJU MAG 辞典「サロンチェアとは」のページはこちら

⇒ラフジュ工房のサロンチェアはこちら

「ラウンジチェア」について、以下でも解説しています。こちらもぜひご覧ください。

⇒RAFUJU MAG 辞典「ラウンジチェアとは」のページはこちら

⇒ラフジュ工房のラウンジチェアはこちら

「ロッキングチェア」について、以下でも解説しています。こちらもぜひご覧ください。

⇒RAFUJU MAG 辞典「ロッキングチェアとは」のページはこちら

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現代での使われ方

アンティークのナーシングチェアはクラシカルでエレガントな雰囲気を持ち、インテリアを美しく飾る家具としてとても優れています。
授乳や育児といった用途だけではなく、誰もがゆったり座れるナーシングチェアの魅力を活かすことで、現代におけるナーシングチェアの活用法もグッと広がります。

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