「美術・芸術業界に興味がある。でも、どうやって仕事を探せば良いのか分からない」「そもそもどんな仕事があるの?」
美術や芸術の仕事に興味はあれど、正直分からないことだらけ。今回はそんな方に向け、代表的な職種やおすすめ求人サイト、求人探しのコツまでまとめてお話ししたいと思います。
Contents
仕事の種類
立体美術制作(大道具・小道具)
舞台やテーマパーク、テレビ・映画・CMなどで使う大道具や小道具を製作・準備する美術スタッフ。 舞台やテレビ局に属する人もいれば、業務委託で美術制作を担う制作会社に属する人もいます。
舞台美術家
舞台美術家は、舞台芸術の一つである舞台美術を作る仕事。 脚本家や演出家のイメージを形にし、音響や照明と協力しながら作品を作り上げます。舞台のセット、背景、小道具、時には衣装まで、トータルに企画・指揮・製作するため、高い美的センスとデザイン力はもちろん、造形技術、コミュニケーション能力、体力が必要とされます。
仕事内容としては、脚本家や演出家との打ち合わせ、舞台装置のデザイン・設計・模型作り・制作、小道具デザイン・制作、衣装デザイン・制作、バラシ、搬出など。
舞台制作会社に就職したり、劇団の美術部で修行しながら技術を身につけ、最終的にはフリーランスとして活躍する人が多いです。人によっては、映画やドラマ制作の仕事に関わる場合もあります。
学歴などの条件は問わない企業が多く、正社員からアルバイトまで雇用形態も幅広いです。 学校で美術や音響、照明、空間デザインなど学んでいた人は、学んだことを活かせるでしょう。ただ、舞台美術家は実力主義の世界。一人前になるには10~15年はかかるとされ、粘り強く地道に技術を習得しなければなりません。
また、フリーランスの場合は人脈を広げていくことで、自ら仕事を作る必要があります。多くの人に感動を与えるやりがいの大きい仕事ですが、高いモチベーションを持って感性を磨き、努力し続けられる人でなければ務まりません。
造形美術
造形美術は、ディズニーやユニバーサルスタジオといったテーマパークにある造形物をはじめ、博物館や科学館の模型、キャラクター、店舗の装飾まで、あらゆる造形美術品を作る仕事です。 用途や場所によって求められる機能性や造形はさまざまで、FRP造形やスチロール造形、鉄骨、木、粘土、石膏など色々な素材を用いて、クライアントのイメージを形にします。
仕事内容としては、クライアントとの打ち合わせ、デザイン、設計、製作、塗装、施工、現場管理、補修など。全てが1点もので業務ごとに高い専門知識と技術が求められるため、部門で担当が分かれている場合がほとんどです。
搬入や施工はテーマパークや店舗が閉まった夜間に行うため、忙しいと生活が不規則になることも。 ただ、やりがいのある仕事であることは間違いありません。実際、子供の頃からディズニーが好きだった、物を作って喜んでもらうことが好きだったなど、やりがい重視で働いている人が多いです。
造形美術で食べていくには、造形美術会社に入社し経験を積むことが大事です。正社員の求人募集はあまりないので、まずはアルバイトとして入社し基礎を身に付けるのが一般的です。 その後は短期的にいろんな現場で働いたり、技術や人脈を培って独立する人が多いです。
美術制作
映画やテレビ、CMなど、各場面に応じてあらゆるものを制作する美術制作の仕事。 テレビ美術ではドラマの中の一室や、スタジオのセット作りが中心となる一方、映画美術では何ヶ月もかけて街全体や建物など、大掛かりなセットを作ることもあります。また規模が大きくなると、演者の持ち道具を揃える小道具専門の美術スタッフなどもいます。
仕事内容は、打ち合わせやセット模型作り、セット制作、建て込み、撮影立会い、バラシなど。スケジュールによっては睡眠時間が取れないことも多く、体力と精神力が求められる仕事です。
求人自体は、映像関係専門の制作会社やテレビ局の美術関連会社が、正社員からアルバイトまで幅広く募集しています。華やかで憧れる人が多い業界ではあるものの、入れ替わりが激しく厳しい一面もあります。
修復・リペア
歴史的な絵画や文化財、アンティーク家具などを修復する、修復師やリペア職人の仕事。傷んだ美術品やアンティーク品の価値を取り戻します。
美術修復師
美術修復師は、油絵や日本画など絵画をはじめ、版画や現代美術、文化財、歴史的遺産といった芸術品・美術品を修復するのが仕事です。 元の価値を失わないよう修復、保存することを目的としています。
手先の器用さや美的センスだけでなく、作品が作られた時代の背景や技法、作家の意図、修復方法など、あらゆる知識と技術を要します。絵画修復師が一人前になるには10年以上かかるとも言われており、生涯にわたって研究熱心なことが求められる職人仕事です。
修復の基礎知識は、専門学校や美大・芸大で学ぶのが基本です。その後は博物館や美術館に就職したり、修復師に弟子入りしたりして経験を積み、最終的には独立する人もいます。ただ、修復師は求人情報が少なく競争率が高いため、職を得るまでに時間がかかる可能性もあります。
リペア職人
アンティーク・ヴィンテージ家具のリペア職人は、日本やヨーロッパ、北欧、アメリカなどから仕入れた古家具の傷んだ部分を修復し、実用性を高める仕事。 ヨーロッパの家具のみ扱うショップもあれば、特に国にはこだわらないスタンスのショップもあります。
仕事としては、家具の傷みのチェックから木工修復、塗装などの仕上げ、時には梱包や入庫、出荷作業まで行う場合も。規模の小さい工房では、家具の仕入れから販売までを1人が兼ねていることもありますよ。
アンティーク家具は全てが1点もので、一つ一つの家具に合わせてリペア方法を考えなければなりません。また、どこまで手を加えるか、どうリメイクするかも職人次第。基礎的な木工技術を学んだ後は、経験や発想力が重要となってくるでしょう。 修復作業は地味な作業の連続で体力も必要なため、やってみたら性に合わなかったという人も多いですが、価値のある古家具を後世に残す、社会的意義の大きな仕事でもあります。
家具リペア職人を目指す場合、一般的には木工学校や美術・芸術系の学校を卒業して、アンティークショップに入社する人が多いようです。とは言え、実際には未経験歓迎の企業もたくさんあります ので、経験の有無はあまり気にしなくても良いでしょう。
背景美術制作
お次は、アニメーションやゲームの背景美術を制作する仕事です。
一般的にアニメやゲーム制作会社では、美術監督、美術監督補佐、背景美術というスタッフが、作品の美術関係全てを担っています。 それぞれの仕事内容としては、美術監督や監督補佐が作品の世界観を表す「美術設定」や「美術ボード」を作り、それを元に背景美術が作品の背景を作成します。まずは背景美術で経験を積んで、美術監督までステップアップするイメージですね。
背景美術は常にタイトな締め切りがあるため、高い画力、構成力、色彩感覚、スピードが求められます。 そのため、未経験ではなかなか難しく、美大や専門学校で学んでから就職するのが基本です。また、経験を積んだ後はフリーとして独立する人が多い業界です。
背景美術のやりがいと言えば、やはり自分の絵が作品の一部になり、多くの人の目に触れることでしょう。ただ、背景美術の現場は極めて多忙。その上給料は安く、高いモチベーションと体力がないと続かないのが現状です。 技術に応じて昇給があるものの、初めの数年はある程度の貯金がないと厳しいという話もあります。
スタジオジブリなど、大手制作会社は待遇がしっかりしていますが、その分競争率も非常に高いです。背景美術を目指すなら、強い覚悟と実力、体力が求められます。
編集・ライター・広報
美術・芸術に関わる出版物やWEBサイトを作る、編集・ライター・広報スタッフなどの仕事。美術・芸術品と深く関わり、自らの視点でその魅力を広く伝えていく、美術・芸術ファンなら憧れる人も多い職業です。
出版社・WEB制作会社の編集・ライター
雑誌や書籍、WEBサイトなどを製作する仕事は、主に企画立案から取材、材料収集、編集、校正などをトータルに行う編集スタッフと、文章を書くライタースタッフに分けられます。
編集・ライタースタッフになるためには、主に大学で美術や芸術について学び、美術系出版社に就職するのが一般的です。 その後は、経験を積んでフリーとして独立する人もいます。
未経験歓迎のところも多いですが、専門的な知識が問われる仕事なので、美術や芸術への興味関心は必須です。 また、就職後は仕事やプライベートを通して知見を深めていく必要があります。さらに編集スタッフの場合、マーケティングやデザイン、交渉、校正、販促などさまざまな能力・知識が求められます。
美術系出版社は数が限られているため、求人数が少ないのがネックなところ。 美術系ショップや美術館などの広報部でもカタログ製作・WEBページ制作のチャンスはあるので、隈なくチェックするのがおすすめですよ。
ショップの広報・撮影スタッフ
広報・撮影スタッフは、自社で取り扱う美術品や芸術品、アンティーク品などの価値を分かりやすく伝えるのが仕事です。 WEBショップの商品ページを制作したり、カタログ紙面を作ったり、SNSを活用したりと、色々な媒体で広報活動を行います。店舗によっては、仕入れや販売を海外に向けて行っている場合もあるので、英語力を生かして働くこともできますよ。
業務としては、撮影や執筆、編集、事務作業など幅広い仕事があります。カメラマンやライター専門のスタッフがいるところもあれば、1人が兼任している場合も。やりたい仕事が決まっている場合は、職種が細かく分かれている規模大きめの会社を探しましょう。
美術館・ギャラリーの広報スタッフ
昔は学芸員が広報業務も兼ねることがほとんどでしたが、最近の大きな美術館では広報部が設けられるようになりました。広報部では、プレスリリースや取材対応のほか、出版物やパンフレット、チケット等の制作まで行います。 企業の広報と同様に、色々な媒体を通して美術館そのものや展示の魅力を伝える仕事です。
美術館やギャラリーの広報は、主に美術館が新しくできるとき、あるいは欠員が出たタイミングでしか募集されないので、とても競争率が高いのが現状です。 また、募集条件も英語力が必須であったり、論文などの課題提出を求められたりとハードル高め。希望の施設が募集をしていない場合、まずは他の施設や企業、広告代理店などでアート系広報職の経験を積んで、タイミングを見計らうのが良いかもしれません。
バイヤー・販売
美術品や芸術品の仕入れ・販売を行うバイヤー職、並びに販売員は、その他の美術・芸術関係の仕事と比べて求人が多く、待遇も安定しているところが多いです。
百貨店や画廊の仕入れ・販売スタッフ
百貨店や画廊の仕入れ・販売スタッフは、接客や販売企画の立案、作家対応、仕入れなどの業務を行います。 取り扱う美術品は絵画をはじめ、陶芸、彫刻、茶道具など。お客様に作品や作家情報を紹介したり、お客様の好みやトレンドに応じて商品をおすすめしたりと、専門的な知識が求められます。
また、高価な作品や思いが詰まった作品を作家からお客様へ仲介する立場なので、作家とお客様両方から信頼を得ておかなければなりません。そのため即戦力を求める店舗では、今までの接客経験や営業経験を重視して採用を決めるところもあります。
給与や待遇は、勤め先の規模によってピンキリ。百貨店や大きな画廊などの大手では、比較的良い待遇で働くことができます。百貨店の場合、最初は契約社員として採用されるケースが多いですが、正社員登用のチャンスもありますよ。
オークション会社の仕入れ・販売スタッフ
美術品や芸術品を扱う企業としては、オークション会社も有力です。オークション会社とは、美術品のコレクターに出品を呼びかけたり、持ち込みされた美術品を預かってオークションを開催する企業のこと。
業務の流れとしては、美術品を預かってから専門家による真贋や価格の鑑定を行い、落札予想価格を決定します。その後、解説書付きのカタログを制作・発刊し、オークション参加者はカタログを元に落札したいものを検討します。仕入れ・販売スタッフは、オークション会場の準備や美術品の搬入、オークションの進行、片付けまで一貫して行います。
オークション取引の仕事に携わるには、まずはオークション会社に入社後、商品管理やカタログ製作、会場準備などの業務を経て、美術品に対する審美眼を養います。さらに、お客様への対応や交渉、営業などを行い、実力が認められればオークションの舞台に立ったり、鑑定にも関わることができます。
美術品に関して知識をつけることはもちろん、お客様との信頼関係を築くコニュニケーション能力・オークションを取り仕切る度胸など、幅広い能力が求められます。
企画・営業
続いてご紹介するのは、美術館やギャラリー、百貨店などで展示会の企画や営業を行う仕事。
学芸員・キュレーター
学芸員とは、美術館や科学館、動物園などを含む博物館に配置される、専門的職員のこと。学芸員の仕事は、博物館資料の研究、調査、収集、展示普及、保存、管理など幅広い仕事があり、その中に展示会の企画も含まれます。
美術館での展示の企画は、学芸員が企画書を作って提案したり、館長が企画案を提示してスタートします。そこからアイデア出しなどの会議を経て企画を詰め、作品の出展交渉や手配、会場作り、図録やキャプション作成、広報などさまざまな業務に取り組みます。大きな展示会だと4~5年かけて企画を実現させることもあり、たくさんの人を巻き込みながら1つの展示を作り上げる、大変でもやりがいのある仕事です。
学芸員になるためには、国家資格の取得が必要。 大学や短大で必要科目を履修し卒業して資格を得たり、学芸員資格認定試験を受けたりするのが一般的です。ただ、学芸員は人気の高い職業のため、希望通り就職できないことも多々あります。アルバイトから正社員を目指す人がいたり、契約社員として安定しないまま仕事を続ける人も多くいます。
コーディネーター
アート業界でのコーディネーターとは、美術展やアートイベントなどの企画、運営、進行、マネジメントなどを行う人のこと。 クライアントとなる主催者の意向に沿って、展示会を総合的に取り仕切ります。
コーディネーターには、イベント会社や広告代理店などに所属している人と、フリーランスとして活躍している人がいます。後者の場合は、イベントごとに契約を結んでコーディネートを引き受けます。まずは企業に入社して経験を重ね、独立するのが一般的ですね。人脈を広げていくほど、次の仕事につながっていきます。
コーディネーターは、クリエーターやアーティストをはじめ、色々な業種の人と協力して1つの展示会を作り上げる仕事。そのため、高いコミュニケーション能力が求められます。 また、予算やスケジュールの管理なども手掛けるので、マネジメント力や事務処理能力など、総合的なビジネススキルも必要になります。
教育・研究
美術教師は地域に関係なく就職先が多く、競争倍率が高いことで有名ですが、一口に美術教師といっても活躍できる場所はさまざまです。
学校の美術教師
主な職場としては、中学、高校、大学、予備校、専門学校、家庭教師があります。 中学や高校の先生になりたい場合は、大学で教員免許の取得することが第一歩。その後、国公立学校を目指す場合なら各都道府県の採用試験を受験し、私立学校を目指す場合なら各学校の採用試験を受験するか、講師派遣会社に登録をします。中学や高校の美術教師は採用枠が少ない上、非常に人気があるため、競争率はかなり高いです。 正規雇用ではなく、非常勤講師として長く働く人も多くいます。
中学や高校の場合、仕事としては制作課題の決定、準備、課題の説明、指導、課題の評価が主な業務。 生徒の個性を尊重し、美術や芸術への関心や創作力を高める役割を果たします。美術にあまり興味がない生徒もひとくくりに指導しなければならないので、うまくやる気にさせたり、持ち味を引き出すのに苦労することも。さらに美術の先生と言えど、ホームルームや生徒指導、部活指導、事務処理など学校の一職員としての仕事もあり、それらは業務の約半分を占めます。美術関連の知識や指導力だけでなく、コミュニケーション力や事務処理能力など幅広い能力が必要です。
美術スクールや予備校、専門学校、大学の美術教員や家庭教師を目指す場合は、明確な資格は不要な場合が多いです。ただ、学歴や作品、能力で厳しく審査されます。 特に美術系大学では、修士学位や同等以上の研究、制作、作品発表の功績があることや、専門分野で優れた教育研究活動業績があることなどが求められます。
指導する内容は職場によりますが、主に美術スクールや予備校では受験対策を、専門学校や大学では美術に関する深い専門知識や技術を、家庭教師は趣味や教養としての美術指導を行います。
子供向け美術・図工教室
子供向けの美術や図工教室では、制作準備や片付け、事務処理、入室管理、作品へのアドバイス、道具の使い方指導など、幅広い業務をこなします。基本的にパートやアルバイト、契約社員としての求人が多く、教室運営をサポートするような仕事です。 拘束時間がそれほど長くないので、自分の創作時間を確保しやすいのがうれしいところ。教室を手伝いながら制作に勤しむ人も多くいますよ。また、教室運営に関するあらゆる業務が身につくので、将来自分の教室を持ちたい人や経営したい人にも向いています。
美術教室の求人では、子供好きであることが第一条件。資格は必須ではありませんが、教員免許や保育士免許が優遇される場合もあります。 また、高校生くらいまでを指導する教室では、美術系大学、専門学校、教育学部卒などが必須の条件であることも。教室ごとに指導方針や雰囲気が異なるので、よくリサーチして決めましょう。
求人を探す前にチェック
雇用形態は?
美術や芸術関連の求人は、人気に対して枠が少なく競争率高めです。そのため正社員を希望していても、まずは非正規雇用からスタートするという人も多くいます。
非正規雇用は月給やボーナス、契約期間やキャリア形成などの点で正規雇用に劣る場合が多いので、その条件でも本当に美術・芸術の仕事に就きたいのか、よく考えた方が良いでしょう。
待遇面の条件は?
たとえ正社員だったとしても、企業や職種によっては休日が少なかったり、有給が取れなかったり、いろんな職場があります。特に自らがクリエーターとして働く職場では、締め切り前の徹夜は当たり前、家に帰らず会社に泊まるのが普通という場合も。
有給があっても使えない、土曜出勤がある、家賃補助など手当がない、ボーナスが出ないなど、人によっては仕事が嫌になる決定打になるかもしれません。よく募集要項をチェックして、気になる項目がないか確認しましょう。
募集要項に掲載がなく不安な場合は、面接時などに思い切って聞いておいた方が良いです。 もし質問内容でマイナス印象を与えてしまったとしても、それは企業が求職者に求めていることと、あなたが企業に求めていることにギャップがあるから。そもそも相性が良くありません。マッチする企業であれば、質問をプラスにとらえるか、気にせず他の点で評価してくれるはずです。
働く地域は?
美術や芸術に関する求人は、学校や百貨店以外は主に東京に集中しています。 今までずっと地元で暮らしてきた人にとっては、ここがハードルになるかもしれません。ただ一つ言えるのは、クリエイティブな仕事はインプットが大切だということ。新たな地域での生活は見るもの全てが刺激になり、きっと仕事人生を豊かにしてくれるはずです。 本気でやりたい仕事があるなら、ぜひ地域という制限を設けず、いろんな可能性を検討してみてください。
求人の探し方
求人サイトから探す
美術・芸術関連の求人情報は、大手求人サイトには掲載していない企業や団体が多いので、クリエイティブ系に強い求人サイトを中心にリサーチすると良いですよ。おすすめのサイトは次の『おすすめ求人サイト』で紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。
各企業・団体のホームページから探す
美術・芸術関連と言っても、仕事や働く場所は星の数ほどあります。自分のやりたい仕事や働きたい地域など、関連するキーワードで検索をかけてみて、出てきた企業・団体の求人状況をチェックするのもおすすめですよ。
企業ホームページに特に記載がなかったとしても、気になる場合はメールで一度問い合わせてみるのも良いでしょう。今後募集する可能性があるかどうか、募集時期はいつかなど、情報を得られることもあります。
(学生なら)学校求人から探す
もしあなたが美術や芸術系の大学、もしくは専門学校に在学中であれば、学校向けに来る求人は必ずチェックしましょう。 企業側から学校の専門性を見て募集をかけているので、学んできたことに直結する仕事の求人が見つかりやすいです。また、そこに就職している先輩がいる場合も多いので、必要であれば連絡を取って話を聞くこともできます。
また、学校では学部ごとに卒業生の就職先を公開している場合が多いので、そこから気になる企業を探すのもおすすめです。学務課や就職相談室などを上手く活用して、情報を広く得るようにしましょう。
おすすめ求人サイト
「ネットTAM」
「ネットTAM」は、トヨタが運営するアートマネジメントに関する総合情報サイト。 その中のコンテンツの一つである「キャリアバンク」に、美術・芸術全般に関する全国の求人情報が幅広く掲載されています。自らものづくりを行うクリエイティブ職だけでなく、美術・芸術に関する販売職や事務職などの求人も多いのがうれしいポイント。 雇用形態も正社員をはじめ、派遣社員、パート、アルバイト、ボランティア、インターンなど幅広い求人がありますよ。
ただ、募集内容は文字情報のみなので、会社の雰囲気などはイメージが湧きにくいです。企業ホームページなど、他媒体からの情報収集も必要になります。
>>「ネットTAM」はこちら
「JOB」
「JOB」は、かの有名な美術手帖が運営している求人サイト。 デザイナーやグラフィックデザイナーの求人が多く掲載されています。WEBサイトがきれいで情報が見やすく、企業によっては制作物や社内イメージの画像を多く掲載していて、内容が分かりやすいです。未経験可や学歴不問、新卒可、フレックス勤務可など、募集条件も一目で分かります。
数は少ないですが、美術手帖独自のインタビュー取材を受けている企業もあるので、そちらもチェックするのがおすすめです。その企業で働く人の作品や、仕事に対するこだわりが深堀りされていますよ。
ちなみに掲載されている求人は、東京をはじめとする関東圏、もしくは大阪など都市部が中心です。 その他地域の求人はほとんどないので、地方での就職を希望している方には不向きです。
>>「JOB」はこちら
「CINRA」
クリエイティブ系ポータルサイトの大手、CINRA.NETが運営している求人サイト。 デザイン、広告、映像、WEBなどさまざまなクリエイティブ系求人があって、他の求人サイトと比べて特に映像製作系の求人が充実しています。
募集ページは、制作事例やオフィス風景などビジュアルメインで、それぞれの企業の色が出ています。また、一覧ページで「アート好きにおすすめ」「未経験可の職種あり」「スキルアップしたい」など、タグで分かりやすく整理されているのもポイントです。
こちらも美術手帖の求人サイトと同じく、求人に力を入れている企業は、インタビュー記事が掲載されています。記事にもよりますが、美術手帖の取材記事ほどストイックでなく、働いている人の考えや会社の様子をラフに伝えています。その会社のいろんな立場の人の声や表情が分かるので、自分自身の働き方や将来について考えるのにも役立ちそうです。
>>「CINRA」はこちら
「日本仕事百貨」
「日本仕事百貨」は、いろんな人の生き方や働き方を伝える求人サイト。 美術や芸術系ど真ん中の求人はそれほど多くありませんが、クリエイティブな仕事の求人が幅広く掲載されています。
企業への取材を通して、外からの視点で働く人の暮らしや考えを紹介しており、企業のイメージや自分が働くイメージを掴みやすいのがメリットです。
「日本仕事百貨」では、その名の通り日本全国の求人があります。 ツーリズムやリモートワークなど、地方で働くことについての記事も豊富なので、地域に根ざして働きたい方はきっと参考になるはずですよ。また、「しごとバー」や「しごとをつくる合宿」などユニークなイベントがあったり、「その後どうですか?」と働き始めた人を訪ねるコラムがあったり、働き方、生き方に特化したユニークなコンテンツが充実しています。
>>「日本仕事百貨」はこちら