アンティークデスクランプと言えば、古いものならではのオシャレな雰囲気を演出してくれる照明として人気ですが、海外品でも問題なく使用できるのか、耐久性に問題はないのかなど、不安な点も多いかと思います。また、お部屋に取り入れるにあたっては、どんなデザインがあるのか、どうすればおしゃれに見えるのか、といったポイントも知っておきたいですよね。
そこでこの記事では、アンティークランプの種類から、購入時に確認しておきたいポイント、コーディネートのコツまでを漏れなくお伝えしていきたいと思います。
Contents
そもそも、アンティークデスクランプって?
アンティークデスクランプとは、現代でいうところのデスクライトを指します。デスクランプのはじまりは、19世紀後半から20世紀初頭のヨーロッパです。当時、産業革命や初等教育の開始により、机に向かって勉学や仕事に励む人が増えたことで普及したと言われています。手元を効率よく照らすため、高さや位置を調節できるものが一般的です。
基本的にアンティークデスクランプというと、上流階級の人々ではなく、一般市民がワークスペースで使用していた照明のことを指すため、装飾のない実用性を重視したシンプルなデザインのものが多い傾向にあります。
アンティークデスクランプの主な種類をご紹介
一言でアンティークデスクランプと言っても、たくさんの種類があってどれを選んで良いか迷ってしまいますよね。今回は、ご自宅の雰囲気に合わせて選びやすいように、アンティークデスクランプを4種類に分類してご紹介します。お部屋のインテリアを想像しながら読んでいただければ、イメージに合うデスクランプの種類がきっと見つかるはずです。
シンプルでかっこいい西洋アンティークのインダストリアルデスクランプ
実用性を重視して作られた、シンプルな形状と金属の質感が魅力のデスクランプです。余計な装飾のない機能美を追求したデザインのものや、古い工場などで使われていたようなユーズド感のある無骨なものなどが当てはまります。似たようなデザインで、アンティークよりも年代の新しいビンテージものも多く流通しています。
インダストリアルデスクランプは、学生が使っていたような簡素でシャビーな佇まいのものから、金属の重厚感が漂う高級なものまで様々です。重厚感のあるものは置いておくだけでも絵になるものが多く、ビンテージスタイルやジャンクスタイルなど、メンズライクなインテリアのアクセントとして大変人気です。
スタイリッシュな北欧ビンテージのデスクランプ
北欧ビンテージのデスクランプは、インダストリアルデスクランプのような機能美を追求したものから、シェードの形が個性的なミッドセンチュリー風のものまで、様々なデザインのものがあります。フォルムや色などが特徴的なものは、北欧スタイルのシンプルなインテリアに映えるものが多いので、北欧好きの方はぜひチェックしてみてください。
シンプルでレトロな和製アンティークのデスクランプ
日本のアンティークデスクランプで多いのは、アルミなどで作られたレトロな佇まいのものです。海外のインダストリアルデスクランプと比べて、コンパクトなサイズが多く、小さ目のデスクでも作業スペースを確保しながら使うことができます。また、シャビーな雰囲気を持ちながらも、小振りで主張が強すぎないため、お部屋に取り入れやすいのも魅力です。
大正ロマンな雰囲気漂う和製アンティークのデスクランプ
和製アンティークのデスクランプのなかには、すずらん型のシェードや真鍮製のスタンドなどを取り入れた、大正ロマンの雰囲気が漂う上品なデザインのものもあります。そういったものは希少価値が高くなかなかお目にかかれないので、お気に入りと出会うまで気長に探してみてください。高級感を漂わせながらも華美すぎないデザインのものが多く、日常使いにもぴったりです。
アンティークデスクランプとして使われていた照明は以上の4種類ですが、ゴージャスなデスクランプが欲しいという方には、次にご紹介する西洋アンティークの照明がおすすめです。
高級感のあるデスクランプとして使える西洋アンティークの卓上照明
デスクランプは装飾の少ないシンプルなものが主ですが、なかには上流階級の人々が読み書きをする際に使っていた、煌びやかなデザインのものもあります。当時それらの大半は、デスクランプではなく、ピアノランプやテーブルランプ、ベッドサイドランプとして使われていました。ネット通販で高級感のあるものを探す際には、そういったキーワードも含めて探してみるのがおすすめです。また、機能的にはデスクランプと大差ないため、ショップによってはデスクランプとして紹介している場合もあります。
それでは、それぞれの特徴についてご紹介していきたいと思います。
楽譜を照らすために使われていたアンティークピアノランプ
ピアノランプとは、ピアノの上に広げた譜面を照らすための、横に長いシェードが付いたランプのことです。銅や真鍮など高級感のある素材が使われており、エレガントな佇まいが魅力的です。
華やかなシェードが印象的なアンティークテーブルランプ
アンティークテーブルランプは上流階級の人々の間で、室内装飾の一部として使われていたため、ゴージャスなデザインのものが多くあります。手元を照らすというよりは、周りの空間全体を明るくするものです。なかには、光が上向きに広がるタイプのものもあり、デスクランプとして使うと光が直接目に入って眩しい場合がありますので、そういったものは避けるようにしましょう。
テーブルランプより小振りなものが多いアンティークベッドサイドランプ
アンティークベッドサイドランプは、明確な定義はありませんが、テーブルランプよりも小振りで装飾が抑えられたものが多い傾向にあります。電気を使用した照明器具が登場したころからベッドで本を読むという習慣が生まれ、ベッドサイドランプが使われるようになりました。手元を効率よく照らすため、アンティークデスクランプのようにヘッドや支柱を動かして位置を調節できるものがあります。
購入時に確認しておきたいポイント
アンティークデスクランプの主なデザインがわかったところで、次は実用性についてのチェックポイントを抑えておきましょう。長く安全に使用するためにも、きちんとリペアされたものを選ぶことが重要です。
日本の電球が使えるようにソケットが交換されているか
海外のアンティークデスクランプは、電球のタイプが日本と異なるので注意が必要です。例えば、ヨーロッパで主流なのはB22型のイギリス球ですが、日本ではE17型かE26型が一般的です。基本的に販売店が国内仕様にリペアしている場合が多いですが、購入前に確認するようにしましょう。
また、商品によっては見た目の印象を重視して、あえて海外球仕様のままで販売している場合もあります。海外球は一般の量販店では入手困難ですが、ネット通販であれば取扱いのある店舗もありますので、気に入ったものが見つかれば思い切って挑戦するもの良いかもしれません。国内仕様の方が良ければ、店舗によっては交換してくれる場合もありますので、直接問合せてみるのがおすすめです。
配線やコンセントプラグはリペア済みか
アンティーク品の電気配線は劣化が進んでいて、ショートする危険があるため、新しいものに交換されているものを選びましょう。特に、ネットオークションや海外ショップなどを利用する場合には注意が必要です。アンティークショップによっては、きちんと電気用品安全法で定められた自主検査をしている店舗もありますので、そういった店舗を選ぶとより安心です。
また、コンセントは、電球と同じく日本と海外で仕様が異なります。大抵の場合は国内仕様にリペアされていますので、それほど心配は要りませんが、購入時にはチェックするようにしましょう。
アームやヘッド部分の角度調整はスムーズにできるか
アームやヘッド部分が動かせる仕様のものは、サビや破損などにより接合部が動かなかったり、適度な位置で固定できなかったりするものもあります。店舗によってリペアの度合いが様々なので、デスクライトとしてストレスなく使うためにも、調節がスムーズにできるか確認しておく方が無難です。
スイッチは使いやすい場所に付いているか
アンティークデスクランプでスイッチが付いているタイプのものであれば、スイッチの位置にも着目してみましょう。デスクランプを選ぶ際、本体のデザインを重視しがちかと思いますが、スイッチの場所は日々の使い勝手を考えると意外と重要なポイントです。基本的には、コンセントと本体をつなぐ配線コードの途中か、本体の台座か、ヘッドの上部に付いています。台座かヘッドの上部に付いていると、すぐに手が伸ばせるので便利ですよ。
照明器具に対応する電球の種類とワット数を確認
アンティークデスクランプを使い始るにあたって、どの電球を選んでいいのかわからない!という方も多いかと思います。ここでは、そんな電球に関する疑問にお答えしていきます。
電球は、口金サイズとワット数が合えば問題なし
電球を選ぶ際は、照明器具に対応した口金サイズ(E26やB22など)とワット数さえ分かれば問題ありません。商品の説明書や購入先で確認したうえで、対応した電球を購入しましょう。
また、店舗によっては、購入時に電球を付属してくれるところもあります。その場合には、大抵口金やガラス部にサイズが記載されていますので、次の電球交換のときも安心です。
LED電球を使用する場合に気をつけたいこと
アンティークデスクランプの場合、国内仕様の口金であればLED電球が使用できますが、イギリス球の場合は注意が必要です。
イギリス球のLED電球は実用には不向き
イギリス球仕様の場合は、専用のLED電球が一応存在しますが、それほど明るくない割に高価なので、あまりおすすめできません。B22型のイギリス球をE17型やE26型の日本球に変換するアダプターを使うという手もありますが、見た目が少々不格好になってしまいます。無理にLED電球を使うよりは白熱電球を使う方が良いかもしれません。
LED電球にする場合は、光の広がり方が目に優しい「全方向タイプ」を選ぶ
デスクライトにLED電球を使う場合、光の広がり方が白熱球に近い「全方向タイプ」と呼ばれるものを選びましょう。一般的なLED電球は、光が直線的で広がる範囲が狭いため、「光源がまぶしい割に手元が明るくない」という短所があり、デスクでの使用には不向きです。一方「全方向タイプ」であれば、光が四方八方に拡散し、天板や周りの空間を広く照らすことができるので、目への負担を軽減することができます。
ワークスペースに必要な明るさを知ろう
お部屋に合いそうなアンティークデスクランプを見つけたら、それで必要な明るさを確保できるのか気になりますよね。LED電球を使うのであれば、少ない消費電力数でも明るさを確保できるのでそれほど気にする必要はありませんが、白熱電球の場合はどうなのでしょう。ここでは参考までに、JIS(日本工業規格)によって定められているワークスペースの明るさの基準値をご紹介します。
使用シーンごとに必要となる明るさの目安
・読書…500~1000ルクス
・勉強…750~1500ルクス以上
・工作、裁縫など細かい手作業…1000~2000ルクス
聞きなれない言葉かもしれませんが、「ルクス(lx)」とは、照度を表す単位です。照度は電球の種類や照明器具を設置する場所などによって左右される値なので、電球のパッケージなどにはルクスでの明るさ表記がありません。しかしながら、一般的にアンティークデスクランプで使用されることの多い、40W~60Wの白熱球に相当する明るさのものであれば、読み書きには十分かと思います。最近では、スマートフォンのアプリで照度を計測できるものがありますので、試しに使ってみるとイメージが掴みやすいかもしれません。
アンティークデスクランプの価格帯
アンティークデスクランプを使う上での疑問が解消できたところで、次は種類ごとの価格帯をご紹介していきたいと思います。
- シンプルでかっこいい西洋アンティークのインダストリアルデスクランプ
…10,000~100,000円前後アンティークのインダストリアルデスクランプは、小振りで簡素な作りのものから、重厚で高級感のあるものまで様々なものがあるため、大きさや素材、造りによって価格帯が幅広い傾向にあります。比較的シンプルなものであれば、1~5万円程度で見つかるかと思います。
- スタイリッシュな北欧ビンテージのデスクランプ
…15,000~45,000円前後それほど価格帯は広くありませんが、デザインはシンプルなものから個性的なものまで幅広くあります。
- シンプルでレトロな和製アンティークのデスクランプ
…10,000円~30,000円前後簡素な作りのものが多いため、比較的価格が安い傾向にあります。
- 大正ロマンな雰囲気漂う和製アンティークのデスクランプ
…40,000~50,000円前後作りが良いものが多いため、少々値段はお高めです。また、取り扱っている店舗が少ないため、見つけるのにも少し苦労するかもしれません。
- 高級感のあるデスクランプとして使える西洋アンティークの卓上照明
・ピアノランプ…10,000円~60,000円前後
・テーブルランプ…15,000円~80,000円前後
・ベッドサイドランプ…15,000円~50,000円前後高級感が漂う煌びやかなものや、古い時代の使用感が残るシャビーなものなど様々なデザインがあり、価格もまちまちです。
アンティークデスクランプのコーディネート
アンティークデスクランプはインテリアのアクセントとして、お部屋のセンスを高めてくれる便利なアイテムです。お手持ちの家具に合うのはどんなアンティークランプなのか、おすすめのコーディネートをご紹介したいと思います。
英国ビンテージデスク×インダストリアルデスクランプでメンズライクに
古い木や金具の質感が味わい深いビンテージテイストのデスクには、インダストリアルデスクランプがおすすめです。素材感が似ているので空間にすんなり馴染みながらも、よりメンズライクな雰囲気を高めてくれます。インダストリアルデスクランプのなかでも、黒やシルバーのものを使うと、よりメリハリの効いた男前な空間になります。逆に白に近いものであれば、柔らかな印象を持ち合わせているので、ナチュラルスタイルのインテリアにもおすすめです。
シンプルデスク×個性的なフォルムの北欧ビンテージデスクランプ
シンプルなフォルムのデスクには、個性的な北欧ビンテージのデスクランプが良く合います。デスクがシンプルだとどんなデスクランプでも合う気がしますが、空間全体のバランスを考えると、少し個性が際立つものを置く方がセンス良く見えますよ。北欧ビンテージのデスクランプは、赤や緑などポップな色合いのものもあるので、お子様用のデスクなどにもおすすめです。
和製アンティークデスク×シャビーなアルミデスクランプで味わい深く
渋い木味が特徴の和製アンティークのデスクには、レトロで可愛らしさも感じられるデスクランプがぴったりです。デスクの重々しい雰囲気を適度に和らげて、古いものならではの味わいを引き立たせてくれます。ただ、和製アンティークのデスクランプは小振りなものが多いため、天板が広いタイプのデスクには少し使いづらいかもしれません。その場合には、アームの長いタイプや照らす位置を調節しやすいものを探すようにしましょう。
アンティークテーブル×スズラン型シェードで上品なインテリアに
ワークスペースでも優雅な雰囲気を楽しみたいという方には、大正ロマンな雰囲気のデスクランプがおすすめです。シェードの美しいフォルムやガラスの淡い色使いが、可憐なムードを演出してくれます。いっしょに季節のお花を飾ると、より一層上品な空間を作ることができますよ。
ガラス×真鍮のアンティークピアノランプで作る高級感あふれる空間
上品な西洋アンティークのデスクには、ピアノランプを合わせるとより高級感を出すことができます。真鍮の煌びやかな質感は、グラスや花瓶などのガラス製品と相性が抜群です。明りを灯すとキラキラと光り、より華やかな空間を演出してくれます。デスクにはもちろんですが、サイドテーブルなどに飾って装飾の一部として楽しむのもおすすめです。
購入後に必要なメンテナンス
アンティークのデスクランプは特別難しいお手入れは必要ありません。長く良い状態で使い続けるためには、日々のお掃除がポイントです。
日々のお手入れは、ホコリを払って乾拭きが基本
日ごろのお手入れとして、シェードや電球に溜まったホコリを落とした後に、軽く乾拭きしてください。その際、電気を点けたままだと電球が熱くなっている場合があるので、必ず電源を切って冷めた状態で行うようにしましょう。
大掃除の際に行いたい、スペシャルケアをご紹介
日ごろのお手入れに加えて、季節の変わり目などにしっかりと掃除することで、汚れを綺麗に取り除いて、本来の明るさを保つことができます。素材ごとのメンテナンス方法をご紹介しますので、参考にしてみてください。
金属・ガラス部分の汚れは中性洗剤を使ってしっかり拭き取る
布を中性洗剤入りの水に浸して固く絞り、金属やガラス部分に付着した汚れをしっかりと拭き取ります。十分に汚れが落ちたら、固く絞った布で水拭きし、残った洗剤をきれいに取り除きます。金属やガラス部分の周りに、メッキされた素材がある場合は、変色やサビの原因となりますので、そちらまで水拭きしてしまわないように気をつけてください。
落ちにくいメッキ部分の汚れは固く絞った布で水拭き
メッキ部分は乾拭きが基本です。どうしても汚れが気になる場合は、固く絞った布で水拭きし、最後に乾拭きして仕上げてください。
真鍮部分の汚れが気になる場合には専用研磨剤もあり
真鍮部分は乾拭きが基本ですが、使い込むうちに色合いがくすんだり、汚れが定着したりすることがあります。そういった経年変化は真鍮ならではの大きな魅力ですが、ツヤのある色合いが好きだという方は、真鍮用研磨剤を使ってみてください。定期的に適量を布に染み込ませて磨くことで、美しい状態を保つことができます。
電球の汚れは中性洗剤を使ってきれいに拭き取る
電球は、金属・ガラス部分と同じく、中性洗剤入りの水に浸して固く絞った布を使って汚れを拭き取ってください。その後、固く絞った布で水拭きし、最後は乾拭きで仕上げてください。
また、電球はまだ切れていない状態でも、暗くなったと感じた時点で交換するのがおすすめです。暗い状態のまま使うと、目を疲れさせる原因となってしまいます。
最後に
アンティークデスクランプは、電化製品なだけに実用的か不安を感じてしまうかもしれませんが、いくつかのポイントを押さえておけば、現代物と同じように長く使用することが可能です。ぜひ、お部屋に合う一台を探してみてくださいね。