優雅な雰囲気で空間を華やかに彩ってくれるフランスアンティークチェア。フェミニンでありながらも凛とした気品を備えたその佇まいは、まさに大人の女性にぴったりなインテリアアイテム。
そろそろ落ち着きのある大人なインテリアに挑戦したい…。なんだか最近、シックでエレガントなインテリアが気になる…。そうお考えの皆さんへ、今回は、エレガントなお部屋にぴったりのフランスアンティークチェアをご紹介します!
クラシカルな雰囲気からロマンチックな白色チェアまで、テイスト別におすすめのデザインをご紹介しますので、ご自分の好みに合ったフランスアンティークチェアを見つけてみてくださいね。
Contents
シャビーシックやエレガントスタイルのお部屋作りにぴったり!フランスアンティークチェアの4つの特徴
はじめに、シックでエレガントなインテリアに合うフランスアンティークチェアの特徴を4つまとめてみました。どんなデザインの椅子を取り入れようか悩んだ時には、これらの特徴があるフランスアンティークチェアの中から探してみると、理想のお部屋にぴったりの一脚が見つかるかもしれません。ぜひ参考にしてみてくださいね。
フランスアンティークチェアの特徴1 曲線的でエレガントなデザイン
まず何と言っても、フランスアンティークチェアに特徴的なのは、曲線的なデザインが多いということ。特に、18世紀のフランスで起こったロココ様式のデザインは、S字やC字型のカーブが多用され、フランス宮廷文化の華々しさを存分に感じることができます。そのため、フランスアンティークチェアの中でも、この自由で開放的なデザイン様式は大人気。当時、婦人専用のサロンなどで使われていた椅子は、見た目も華やかで可愛らしく、現代でもそのままお客様をおもてなしするサロンのインテリアにぴったりです。
柔らかなカーブを描く背もたれや、繊細な彫り装飾、そして品のある猫脚……。
これらの上品で滑らかな意匠が、大人の女性にぴったりの優美な雰囲気や大人の余裕を演出してくれます。
また、チェアは何脚あっても良いもの。特にこうした装飾性の高いフランスアンティークチェアは、置いておくだけでも絵になり、インテリアの雰囲気をグンと高めてくれます。お客様を招くサロンだけでなく、ご自宅の空いたスペースに気に入ったデザインの椅子を飾っておくのも気分が上がりますよ。
フランスアンティークチェアの特徴2 花柄やシックなカラーのファブリック
曲線的なデザインに加えて、さらに雰囲気を増してくれるのが、チェアのファブリックのデザイン。フランスアンティークチェアには、可憐な花柄のものや、シックな色づかいのものがたくさんあります。
華やかな雰囲気が広がる花柄のファブリック
上品な落ち着きが感じられるシックなカラーのファブリック
また、先ほどお話ししたロココ調のフランスアンティークチェアだと、花柄の他にもストライプなど、可愛らしいデザインが見つかります。色づかいは柔らかなパステル調が好まれたようで、明るく幸福感の漂う空間作りにぴったりです。
反対に、シックな色合いのものは落ち着いた雰囲気があるので、ややクラシカル寄りなお部屋や、シャビーシックな雰囲気にも合わせやすいでしょう。インテリアに合わせてチェアのファブリックも効果的に選ぶと、より素敵なインテリアを実現できますよ。
ここでひとつ確認しておきたいのが、座面の張り替えについて。フランスアンティークの椅子はファブリックが当時物そのままのものもあれば、販売しているショップで新たに張り替えられたものもあります。当時物は、その希少性がアンティークならではの魅力。時代を経て味わいを増した風合いも楽しめるので、古いものやアンティーク好きな方におすすめです。
一方、アンティークといえども、なるべくきれいなものがいい、安心して使いたい、という方は、張り替えられたものを選ぶか、自分で業者に頼んで張り替えてもらうのが良いでしょう。ご自分の好みに応じて選んでみてくださいね。
フランスアンティークチェアの特徴3 白や淡いパステルカラーのペイント
大人なインテリアというと、フレンチシックスタイルも人気ですよね。白を基調とした清潔感とアンティーク家具の程よい古さが合わさって独特の静けさが感じられるインテリアに、心奪われている方も多いのではないでしょうか。そんなフレンチシックなお部屋にぴったりなのが、白や淡い色合いでペイントされたフランスアンティークチェアです。
ポイントは、白といっても様々な種類の白があるということ。
ピュアホワイトのような真っ白に近い色合いは、どちらかというとロマンチックな雰囲気を前面に押し出したお姫様のようなインテリアにおすすめです。
一方、少しベージュがかったものやグレーがかったものなど、くすみの強いものは、アンティークならではの風合いが感じられ、大人の落ち着きが生まれます。フレンチカントリースタイルやフレンチシャビースタイルに合わせるとグッと雰囲気が増しますよ。
その他、フランスアンティークチェアの中には、白以外にも、グレーや水色など、限りなく白に近いものから、その色がはっきりと分かるものまで、様々なトーンのペイントチェアがあるので、色々と見比べながらイメージに合ったものを選びましょう。
好みの色合いがなかった、あるいは気分が変わった、などといった場合には、自分でペイントに挑戦してみるというのもひとつの手です。最近ではこうしたDIYを楽しんでいる方も多くなってきましたね。詳しいペイント方法を紹介しているウェブサイトもたくさんあるので、それらを参考にしながらぜひ自由な気持ちでトライしてみてはいかがでしょうか。
フランスアンティークチェアの特徴4 シャビーな質感の木肌
フランスアンティークチェアには、シャビーな木肌が魅力的な椅子もあります。アンティークらしい経年の変化が感じられる朽ちた佇まいは、素材を十分に活かしたカントリースタイルにぴったり。アンティークだからこそ叶う、適度な温かみと深みのあるインテリアを作ることができますよ。暖かな南仏の風が感じられるようなプロヴァンススタイルにももってこいですね。
また、アンティークショップでワックスを施すなどしてきれいに蘇らせたものよりも、当時のままの枯れた風合いを残したものならば、シャビーシックスタイルとも相性抜群です。フランスアンティークチェアの乾いた質感の木肌が、退廃的な雰囲気とよく馴染み、時が止まったかのような、静かな雰囲気を醸し出してくれます。
フランスアンティークチェアの特徴やその魅力についてみてきました。だんだんとインテリアに取り入れたいフランスアンティークチェアのイメージが固まってきたかもしれませんね。
それではいよいよ、次の章からおすすめのフランスアンティークチェアをご紹介していきましょう!
気品漂う上品な空間を演出。フランスアンティークのダイニングチェア
まずは、憧れのサロンで見かけるような、優雅で気品の漂うフランスアンティークのダイニングチェアをご紹介します。
ダイニングにもサロンにも。フランスアンティークのバルーンバックチェア
ユニークな姿が一度見ると忘れられない、フランスアンティークのバルーンバックチェア。もともとはヴィクトリア時代のイギリスで登場したデザインですが、後にフランスにも伝わり支持を集めた椅子です。その独特のフォルムは今なお人気で、アンティークを取り入れた優雅なインテリアでは目にする機会も多いですよね。
バルーンのように膨らんだ背もたれの形が可愛らしい椅子ですが、キュートになりすぎず、ほっそりとした線を描く猫脚(カブリオールレッグ)や、背もたれに施された植物のモチーフのレリーフなどから、上品な女性らしさが漂います。
フランスアンティークのバルーンバックチェアは、ひと目見ただけでは似ているように思えるデザインも多いのですが、よく見ると細かな装飾が異なっていたり、脚のデザインも違っていたりします。細かな部分にこだわってお気に入りのデザインを見つけてみるのも楽しいですよ。
一方で、中にはこのような変形タイプのもあります。ひと味違ったインテリアを目指すなら、このような変り種デザインを選んでみるのもおしゃれですね。
シックな雰囲気の、フランスアンティークのダイニングチェア
フランスアンティークチェアは、シックで落ち着いた雰囲気にぴったりなダイニングチェアも豊富です。クラシカルな雰囲気に合わせやすい落ち着いた品のあるデザインの椅子をご紹介しましょう。
深いブルーのファブリックがおしゃれな、フランスアンティークのダイニングチェア
ロイヤルブルーのファブリックが印象的な、フランスアンティークのダイニングチェアです。この椅子の張り地は当時オリジナルのもので、現代ではあまり見ることのないカラーセンスが素敵ですね。この色合いのおかげで、チェアのデザインとしてはシンプルなのに、目を引く存在感があります。上品なのにきちんと主張があるのが、いかにもフランスらしいデザインです。
シンプルでありながらも、細部に渡って繊細なこだわりが施されているのも見逃せないポイントです。背もたれのアーチを描くワンポイントの装飾は、装飾としてはささやかな存在でありながらも、あるのとないのとでは大違い。品の良さが伝わってきます。さらに、背もたれや脚などの木部には、象嵌で細いラインが引かれています。近くで確認しなければ分からない意匠ではありますが、だからこそ、職人の思いが伝わってきますね。足先は、トランプのスペードマークを逆さまにしたような姿の「スペードフット」と呼ばれるユニークなデザインです。
深みのある色合いと落ち着いた佇まいは、ダイニングチェアはもちろんのこと、寝室などにおいても良さそうですね。
シックなカラーで格式高さを感じさせる、フランスアンティークのダイニングチェア
こちらは、フランス16世紀のアンリ2世様式の流れを汲むフランスアンティークのダイニングチェア。アンリ2世様式は、直線や平行線を取り入れた繊細なデザインが特徴的です。
背もたれだけ見ても、上部は流れるような曲線のデザインに、クルクルと円を描くような独特の透かし彫りが印象的。さらに背もたれのクッション部分の下には、滑らかに作られた挽き物加工がスポークのように整然と並んでいます。これもアンリ2世様式のフランスアンティークチェアではよく見かけるデザインです。こだわり抜かれた背もたれのデザインからは、豪奢な雰囲気が伝わってきますね。
さらに、チェアの装飾は背もたれだけにとどまらず、脚にも細やかな彫りが施されています。細部まで本当に作りの良いアンティークチェアです。丸みを帯びた足先のデザインも、可愛らしいアクセントになっていますよ。
同じデザインのフランスアンティークチェアですが、こちらは本革を用いて張り替えました。先ほどのチェアと比べると、また印象が変わりますね。シックな海老茶色のファブリックでは、伝統を感じさせるクラシカルな印象がありますが、こちらの明るいキャメルのレザーは、ヴィンテージな雰囲気が漂い、どことなく格好良いインテリアにも取り入れやすく感じられると思います。
使い込むほどに味わいが増していくのがレザーの魅力ですから、これからさらに、アンティークとして育てていくのにもおすすめの一脚です。使用していくうちに表情が生まれてくれば、ジャンクスタイルのインテリアに取り入れてみるのもおしゃれですよ。
背もたれのクラシカルな装飾と猫脚が印象的な、フランスアンティークのダイニングチェア
まさにヨーロッパのアンティーク家具!と言いたくなるような、クラシカルかつデコラティブなデザインのフランスアンティークチェアです。背もたれの贅沢な透かし彫りや、しっかりと存在感のある脚のデザインなど、イギリスのチッペンデール様式を思わせるような見た目が、空間を華やかに演出してくれそうですね。
背もたれには、ロココスタイルにも多用される貝殻などのモチーフが施されており、優雅な雰囲気が漂います。
脚はフランスアンティーク定番のカブリオールレッグ(猫脚)ですが、こちらはその中でも「クロー&ボール」と呼ばれるデザイン。龍の爪(クロー)が玉(ボール)をつかんでいる様を表しています。
全体的に非常に凝った作りのチェアですが、堅くて丈夫なマホガニー材が使用されているため、このような繊細な装飾も可能となっているんです。世界三大銘木のひとつにも数えられるマホガニー材は艶があり、豪華な装飾と相まって高級感を感じさせてくれますね。
しかし、少々派手な印象があっても、座面は落ち着いた色合いのファブリックなので、インテリアの中でもチェアの存在がうるさくなりすぎないのが、このチェアのポイントです。お部屋に馴染ませつつも程よく個性を取り入れたい方におすすめですよ。エントランスや廊下など、人目のつくスペースに飾っておくのも素敵ですね。
ナチュラルスタイルにも合わせやすい、フランスアンティークのダイニングチェア
アンティークといっても、もう少しナチュラルな雰囲気が好きという方には、明るい木肌のフランスアンティークチェアがおすすめです。2つのデザインをご紹介しましょう。
シンプルなのに上品な、フランスアンティークのクイーンアンチェア
シンプルなデザインのこちらのフランスアンティークチェア。もともとはイギリスで生まれた「クイーンアンチェア」と呼ばれる椅子です。先ほどのチッペンデール様式の元となったデザインとも言われていますが、そう言われてみると、なんとなくフォルムが似ていますよね。しかしながら、派手やかなチッペンデール様式とは対照的に、シンプルなデザインであることがクイーンアンチェアの特徴なんです。脚はくりんとした猫脚(カブリオールレッグ)のデザインですが、ここまでご紹介してきた他のフランスアンティークチェアと比べてみると、とにかくすっきりとしたシンプルなデザイン。このようにS字カーブが直線に近くなだらかで、足先にも派手な装飾のない脚のデザインを、その名の通り「クイーンアン・カブリオレ」と呼びます。
デザインがシンプルであるからこそ、木肌の色味やファブリックの色柄によって雰囲気は大きく変化します。こちらの画像のように木色が明るいものは、ナチュラルテイストのインテリアにもすんなりと取り入れることができますよ。さらに、座面がこのような花柄などであれば、フェミニンで可愛らしい雰囲気も添えることができます。こうしたフランスアンティークのクイーンアンチェアは、ガーリーなフレンチカントリースタイルなども得意です。
もちろん、木肌がやや濃いものや、座面にシックなカラーのファブリックが使われているフランスアンティークのクイーンアンチェアもあるので、ナチュラルではなくクラシカル寄りのインテリアを作りたい方にもおすすめです。
ゴブラン織りの座面とバルボスレッグがアクセントになった、フランスアンティークのダイニングチェア
こちらも、明るい木肌に花柄の座面が可愛らしいフランスアンティークチェアです。先ほどのクイーンアンチェアとはまた趣が異なり、比較的直線的なデザインですね。脚も猫脚(カブリオールレッグ)ではなく、個性的なデザインになっています。現代の家具ではあまり見かけないデザインが印象的で、インテリアのアクセントになってくれること間違いなしです。
この脚のデザインは、「バルボスレッグ(ブルボーズレッグ)」と呼ばれるもの。「バルボス(ブルボーズ)」とは、植物の球根という意味です。この独特の膨らみを帯びた装飾部が、球根の形に見えることから名づけられました。チェアではそれほど大きなバルボスを見かけることはありませんが(大きくても右の画像くらいの大きさです)、テーブルやサイドボードなどの大型家具になれば、その分大きく迫力のあるバルボスレッグを目にすることができます。バルボスのデザインも様々ありますが、運良くチェアとテーブルで似たようなデザインのものを揃えることができれば、もともとセットであったかのような統一感のあるダイニングを作ることもできそうですね。
また、こちらの椅子のようなゴブラン織りの座面も、フランスアンティークチェアでは度々見かけるデザインです。ゴブラン織りとは、様々な色糸を使って、絵模様を織り出したもののこと。フランスでは中世後期から盛んに織られるようになりましたが、百年戦争による荒廃などから、一時的にその生産が衰退したこともあったようです。その後、18世紀のルイ14世の頃には最盛期を迎え、著名な画家に下絵を描かせた豪華な壁掛けなども作られていました。
絵画を忠実に再現できる技法というだけあって、繊細で美しい絵柄が浮かび上がっています。チェアに用いられているのは、エレガントな雰囲気の花柄が多いですね。
通常、長年の使用とともに布座面は劣化していくものなので、良い状態で当時のゴブラン織り座面が残っているアンティークチェアは大変貴重です。タイミング良く出会えたなら、そのときはチャンスかもしれません。
宮廷文化の香りを感じる、エレガントなフランスアンティークのサロンチェア(アームチェア)
続いて、フランスアンティークチェアの魅力が存分に楽しめるサロンチェアをご紹介します。お客様や自宅教室の生徒さんをお迎えするサロン作りにいかがでしょうか。
まるでお姫様のようなお部屋を演出してくれる、フランスアンティークのサロンチェア
優雅でフェミニンな佇まいが魅力的な、フランスアンティークのサロンチェアです。くすんだホワイトカラーに、柔らかな線を描くフォルム、可愛らしいレリーフに猫脚のデザイン。まさに女性を虜にするような要素がたっぷり詰まった椅子ですね。
経年の変化によって少しグレーがかった白いペイントと、もとは薄いブルーだったと思しきファブリックの褪せた色味が、シャビーな雰囲気を醸し出しています。かつてはブルーとゴールドのコントラストが美しいチェアだったのでしょうか。青い色が抜けて白っぽくなった現在の張り地は、ゴールドの優雅な模様も一緒に溶け込んでいるようで、これはこれで主張しすぎない上品な印象がありますね。生地には光沢があり、程よい高級感も漂います。
各所に施された可愛らしい花のモチーフのレリーフや、ダイニングチェアと違って短い猫脚のデザインも、余計にこのフランスアンティークのサロンチェアの雰囲気を高めてくれています。
ふっかりとしたクッションで、リラックスタイムにももってこい。さらには、非常にデザイン性のある椅子なので、店舗什器として空間の雰囲気作りにも活躍してくれそうです。
華やかなストライプ柄のファブリックがおしゃれな、フランスアンティークのサロンチェア
こちらのフランスアンティークのサロンチェアは、すっきりとした可愛らしいフォルム。このようなアームがないタイプのサロンチェアは、ドレス姿の貴婦人が腰掛ける際に、ボリュームのあるドレスがアームに引っ掛かってしまわないようにと考えられたものなんだとか。たしかに座面の前側がすっきりと開けていて、座りやすそうですよね。このような形なら、赤ちゃんを抱っこしながら腰掛けるのにもちょうど良さそうなので、育児中の方にも良いかもしれません。
こちらのフランスアンティークチェアもロココ調のデザインらしく、貝殻やアカンサスの葉をモチーフとしたレリーフで飾られています。
ファブリックの色もはっきりとしていて、光沢感のある水色と黄色の張地に品のある花柄のデザインが華やかですね。
アームがなく比較的小振りなフォルムでありながらも、存分にエレガントな雰囲気が楽しめます。コンパクトなお部屋やささやかなスペースにも取り入れやすいチェアですよ。
くすんだカラーがシックな、フランスアンティークのアームチェア
こちらは、シックなインテリアにぴったりのフランスアンティークのサロンチェアです。くすみがかったワインレッド色のファブリックと落ち着いたマホガニー材の色合いが、大人の雰囲気を醸し出しています。ふっくらと厚みのあるクッションが、さらにラグジュアリーな空間を演出してくれますよ。
背もたれの透かし彫りも、現代の家具ではお目にかかれない丁寧な作り込みで、アンティークらしい良いアクセントになっています。
フランスアンティークチェアの中でも、ヨーロッパの伝統を感じさせるようなクラシカルな佇まいなので、同じく落ち着いた雰囲気のアンティーク家具と組み合わせてコーディネートすれば、ヨーロピアンスタイルの自慢のお部屋になりそうですね。サロンの他に、書斎などに置くのもおすすめです。
ブラウンの張地が落ち着いた雰囲気を醸し出す、フランスアンティークのアームチェア
こちらも落ち着いた雰囲気のフランスアンティークのサロンチェアです。黄味がかったマホガニー材の木肌と、こげ茶色のファブリックが相性抜群ですね。シックな印象がありながらも、背もたれのやわらかなアーチや、座面下の滑らかな曲線のデザイン、ほっそりとした猫脚などからは、フランスアンティークのエレガントな雰囲気がしっかりと感じられます。
一見、赤いドット柄のようにも見えるファブリックは、実は可憐な小花柄。どことなくガーリーな雰囲気を漂わせつつも、ブラウンカラーのおかげで甘くなりすぎていないのがポイントです。この先もずっと、飽きることなく共に歳を重ねていけそうなデザインが嬉しいですね。
足元には、小さな真鍮製のキャスターが付いています。デザインとしてはとてもおしゃれですが、床を傷つけてしまう恐れがあるので、頻繁に動かして使うのはおすすめしません。あくまでもデザインとしてお楽しみください。
フレンチスタイルにぴったり!白色ペイントのフランスアンティークチェア
続いては、白を基調としたフレンチスタイルにぴったりの、フランスアンティークのペイントチェアをご紹介しましょう。
フェミニンな雰囲気があふれる、フランスアンティークのホワイトペイントチェア
アンティークホワイトの色が可愛らしいフランスアンティークチェアです。優美な曲線を描くフォルムに白いペイントカラーが加わることで、グッと心掴まれるフェミニンな印象に仕上がっています。フランスアンティークチェア定番の、アカンサスの葉をイメージした装飾や猫脚(カブリオールレッグ)のデザインもしっくりと馴染んでいて、まさにお姫様のような優雅なインテリアにぴったりの椅子です。サロンチェアやダイニングチェア、さらにはドレッサーに合わせて使うのも素敵ですよ。
波を描く座面の形もエレガント。白いペイントのフレームに優しいベージュの座面の組み合わせが、落ち着いた大人の女性にぴったりです。白色のペイント家具はともするとシャビーになりがちですが、このように部分的に優しい色合いが入っていることで、程よい温かみを感じることができます。小さな花柄も上品ですね。
目を引くデザインで存在感をアピール。フランスアンティークのホワイトペイントチェア
インパクトあるデザインの、フランスアンティークのペイントチェアです。このクルクルとしたねじりろくろの装飾は、17世紀のルイ13世様式によく見られたデザインです。フランス全盛期の訪れを感じさせるような、ゴージャスな装飾が目を引きますね。存在感はあるものの、白いペイントのおかげで悪目立ちすることなく、空間に華やかさを添えてくれますよ。座面には白いレザーが施されており、ピリッとした高貴な雰囲気が伝わってきます。チェアとして実用するのはもちろん、自宅や店舗などの雰囲気を高めるディスプレイチェアとしてもおすすめです。
立体的に掘り出されたアカンサスの葉の彫刻からは、勢いが感じられます。ギボシも他のチェアではなかなか見ないユニークかつ繊細なデザインです。さらには、座面の縁や足元に至るまで彫り装飾が施されており、実にこだわりの詰まったフランスアンティークチェアですね。
白色でなくても可愛らしい!水色ペイントのフランスアンティークチェア
フレンチチェアといえば白!というイメージをお持ちの方も多いと思いますが、実は、白以外のペイントカラーのチェアも、空間のアクセントとしておすすめなんですよ。
たとえば、こちらは水色ペイントのフランスアンティークチェア。柔らかなベージュのファブリック座面と相まって、爽やかで明るい印象です。
背もたれの曲線的な彫り装飾や猫脚のデザインからは、きちんとフランスアンティークらしい優雅さが感じられますね。ところどころかすれた風合いのペイントも、アンティークならではの味として伝わってきます。
白を基調としたフレンチスタイルのインテリアを目指している方でも、空間に変化をつけるためにワンポイントとして、このような白以外のペイントのフランスアンティークチェアを取り入れてみるのもいかがでしょうか。きっと、コーディネートの幅が広がりますよ。
フレンチカントリースタイルにもおすすめ!フランスアンティークのカントリーチェア
最後に、エレガントスタイルからは少し離れて、やや素朴な雰囲気も併せ持った、カントリーテイストのフランスアンティークチェアをご紹介しましょう。
花柄ファブリックがガーリーな雰囲気。フランスアンティークのアームチェア
明るくナチュラルな印象の、フランスアンティークのイージーチェアです。
飴色の木肌とやわらかな色合いのファブリックが、やさしい雰囲気のフレンチカントリースタイルにぴったりです。可愛らしい花柄ファブリックのおかげで、ガーリーな雰囲気も感じられますね。
背もたれは大きく広がったウィングバックと呼ばれるデザインで、体をすっぽりと包んでくれます。座面もゆったりと腰掛けることのできる余裕のある作りで、くつろぎの時間を過ごすには最適なチェアです。大振りで存在感があるので、インテリアの主役としても活躍してくれそうですね。
フランスアンティークのチェアですが、貴族が使っていたような高貴でエレガントなデザインとは異なり親しみのあるデザインなので、私たちの普段のインテリアに取り入れても違和感なく馴染みます。アンティークチェアに憧れはありつつも、なんとなく挑戦できずにいるという方は、まずはこうした比較的カジュアルなものから取り入れてみてはいかがでしょうか。
カントリースタイルの定番。フランスアンティークのウィンザーチェア
カントリースタイルの椅子といえば定番のウィンザーチェア。おしゃれなお宅や街中のカフェなどでもよく見かけるデザインですよね。もともとイギリス生まれのウィンザーチェアですが、フランスアンティークでも見つけることができますよ。
こちらは、丸い座面が可愛らしいフランスアンティークのウィンザーチェア。シンプルでありながらも、挽き物加工でヨーロッパのクラシカルさを表現しています。深みのあるこげ茶色なので、クラシカルさの漂うカントリースタイルや、退廃的な雰囲気の薫るシックなお部屋に合いそうですね。
一方、同じ形のフランスアンティークチェアでも、ペイントを施すとまた違った印象になります。こちらは淡い水色のペイントを施したタイプ。先ほど4章でご紹介したようなペイントチェアと同様に、フレンチカントリースタイルの他、シャビーシックスタイルやフレンチシックスタイルなどにおすすめです。
ウィンザーチェアはデザインがシンプルでインテリアに取り入れやすい上に、このように様々な木肌の色やペイントカラーのものがあるので、ぜひ理想とするインテリアにぴったりとくる一脚を探してみてくださいね。
かすれた質感の木肌がポイント。シャビーなフランスアンティークチェア
1章でお話ししたように、木肌が乾いた質感のフランスアンティークチェアもとても魅力的なんです。アンティークショップなどで改めてワックスで艶を出したりしていない、古びた味わいそのままのチェアもぜひチェックしてみてくださいね。
こちらは、クリスモスチェアのような形がおしゃれなフランスアンティークチェア。乾いた質感や褪せた色合いは、2章や3章でご紹介したような華々しいフランスアンティークチェアとはほど遠いかもしれませんが、独特のノスタルジーを孕んでいるようで、また違った魅力があります。やさしくナチュラルな木肌に合わせた、儚げなニュアンスカラーの座面も品良くおしゃれで、強く主張してこない佇まいは、静けさの広がるシャビーシックな空間にもぴったりと合いますよ。
脚はターンドレッグ(挽物加工が施された脚)のデザイン。かすかに、フランスアンティークらしいクラシカルな雰囲気が伝わってきます。
落ち着きと上品さの漂う大人な空間にぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか。
最後に
フランスアンティークチェアにもいくつかの種類があることがわかっていただけたでしょうか。ご紹介した中に気になるデザインはありましたか?
アンティークは一点ものがほとんどであるため、今回ご紹介したのと全く同じものを見つけることは困難かもしれません。しかし、他では見られないようなユニークなデザインがある一方で、バルーンバックチェアやクイーンアンチェアなど、多くの職人によって作られた人気のデザインがあるのも事実。ぜひ一脚ごとに異なる細部のデザインにも注目しながら、「これは!」というフランスアンティークチェアを見つけてみてくださいね。
なお、当時のフランスをはじめヨーロッパ各国では、互いに影響を与え合いながら、デザイン様式や文化を発展させてきました。そのため、たとえばアンティーク家具の定番ともされるイギリスアンティークの中からでも、雰囲気の似たデザインのチェアを見つけることができます。なかなか気に入るフランスアンティークチェアに出会えない場合には、ぜひイギリスをはじめとするヨーロッパ各国のアンティークチェアも視野に入れてみてください。