古民家にあるような古い歴史ある家具たちは、長い時間を感じさせる風合いや伝統的な和風のデザインが素敵ですよね。最近では、古民家リノベーションや古民家風のインテリアに注目が集まっていることもあり、古民家らしい家具を自宅に取り入れてみようかと考えている人も多いかと思います。
ところで、古民家らしい家具というと、みなさんは具体的にどんな家具があるか知っていますか?
具体的に、と言われると困ってしまう方も多いかもしれませんね。この記事では、古民家におすすめの収納家具とダイニング・作業用家具25選をご紹介します。伝統的な時代箪笥をはじめ、古材をリメイクした収納棚、アンティークのテーブル・チェアなど、古民家と相性の良い家具をまとめてご紹介しますので、家具選びの参考にしてみてください。選ぶ家具の種類によって、昔ならの和風の雰囲気を出したり、モダンなテイストにまとめたりと、色んなインテリアが楽しめますよ。
また、古民家に合いそうな古家具は、雰囲気は抜群ですが、実生活で使うとなると不便なところがないか不安に思う方も多いかと思います。そんな方に向けて記事の後半では、店舗選びのポイントや家具購入にあたっての便利なサービスについてもお話ししますよ。しっかりポイントを押さえて、古民家風の家具との快適な暮らしをスムーズに始めていきましょう。
それでは早速、古民家にの収納家具として人気の高い、時代箪笥からご紹介していきます。
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古民家の収納家具は時代箪笥にお任せ。デザインと特徴をご紹介
古くから日本で親しまれてきた収納家具、時代箪笥。日本の伝統の技が詰まった美しい作りや、古い木や金具の味わい深い質感が、古民家らしい風情溢れる雰囲気を高めてくれます。時代箪笥は、用途によって種類が幅広いのが特徴です。ご自宅の古民家インテリアにマッチする箪笥を選ぶためにも、まずはそれぞれのデザインや特徴を押さえていきましょう。
古民家にある家具の定番、衣装箪笥。衣類の収納に
衣装箪笥は、時代箪笥の中でも広く民衆に親しまれてきた収納家具。みなさんの中でも、おばあちゃん家にある、もしくは古民家カフェや古い旅館などで見かけた、という方も多いかもしれませんね。衣装箪笥は、その名の通り着物などの衣装をしまうために使われていた箪笥です。調湿性に優れた桐材で作られたものが多く、大切な着物を湿気から守っていました。古民家は現代の住宅のように気密性が高くないため、気候の影響を受けやすいという特性があります。高温多湿の日本に適した桐材性の衣装箪笥は、古民家にもってこいの収納家具です。
衣装箪笥は、幅広で深さのある引き出しが並んだ作りが一般的で、前面には丸い金具や隅金具、引き手などたくさんの金具が付いています。箪笥ごとに金具のデザインが異なり、それぞれ個性豊かな表情があります。古民家の和室やリビングに置いて、かさばるものの収納に活用しつつ、その味わい深い表情を楽しむというのが定番の使い方です。
衣装箪笥は、地方ごとに特色を持って発展したため、産地によってデザインが様々です。
例えば、新潟県佐渡地方で作られた佐渡箪笥は、芸術的な金具がびっしりと付いた高級箪笥。作られた地方によって、小木箪笥と八幡箪笥があります。小木箪笥は、船箪笥作りで培った高い技術を活かした豪華絢爛なデザインが特徴(画像左)。最高級の欅材を前板に使い、拭き漆で木目が美しく出るよう磨き上げ、さらに美しい雲形模様の金具が付けられています。八幡箪笥は、小木箪笥と比べて金具が少し薄めですが、美しい直線的な文様の金具がびっしりと付いた大変贅沢な作りです(画像右)。
山形県庄内地方で作られた庄内箪笥は、産地によって酒田箪笥と鶴岡箪笥の2種類があります。酒田地方の衣装箪笥は、角型の引き手と抽象的な文様を平打ちした金具が特徴です(画像左)。鶴岡地方の衣装箪笥は、黒漆塗りが施され、松竹梅や鶴亀などをモチーフとした金具がよく見られます(画像右)。
宮城県仙台地方で発展した仙台箪笥は、豪華で男前な錠前金具が特徴です。金具は、飛龍や唐獅子など伝統的な和文様を手打ちや線掘りなどで表現しています。高級木材である欅材や栗材を用いて作られ、木地呂塗りで仕上げたものが多くあります。
山形県米沢地方で作られた米沢箪笥は、桜やアゲハ蝶などをあしらった丸い錠前金具が特徴。力強さの中にも上品さを感じさせる、美しいデザインです。上段の右上に小引き出しと片開き戸、下段に大きな引き出しが2つ付いているデザインが基本です。
ここまで紹介した衣装箪笥は、すべて東北地方のものでしたが、関西地方で作られた関西衣装箪笥もあります。関西衣装箪笥は、錠前金具や引き手が控えめで、上品な佇まい。モダンな家具とも合わせやすいデザインです。
アンティークの衣装箪笥以外に、民芸家具も各地域の職人技が光る和箪笥があります。例えば、岩手県の伝統民芸家具である岩谷堂箪笥は、迫力のある分厚い金具と美しい欅材の木目が目を引く逸品。伝統的な和の空間づくりに活躍します。
箪笥1つでインテリアの雰囲気が変わるので、ぜひいろんな種類を見比べながら選んでみてくださいね。
古民家の収納家具兼飾り棚におすすめな茶箪笥
茶箪笥は、時代箪笥の中でも違い棚や引き戸、引き出しなど多彩な収納を持つ個性的な家具。古民家の収納やディスプレイに活躍します。もともとはお茶道具をしまうための収納家具でしたが、明治後期になって広くお茶の間が普及しはじめた頃から、食器からリビング用品まで様々なものを収納する棚として使われるようになりました。
彫刻や透し彫り、筆返し、螺鈿など、装飾に凝ったものが多く、その分和風らしさが色濃く現れています。装飾が多めなので、シンプルなデザインが好きな方は敬遠してしまうかもしれませんが、本格的な和風のインテリアを楽しみたいという方にはぴったりの家具です。小ぶりなものでも存在感があり、伝統的な和風の雰囲気を演出できますよ。
筆返し…違い棚や文机などで、筆などが転がり落ちないよう板の端に取り付けられた化粧縁のこと。
螺鈿(らでん)…貝殻を薄く文様の形に切り取って、漆地や木地にはめ込んで装飾とする工芸技法のこと。
古民家のキッチン・ダイニングの収納家具。水屋箪笥
水屋箪笥は、古民家の台所の収納家具として使われていたもので、今でいう食器棚を意味します。幅が3尺(約90cm)の小ぶりなものから9尺(約2.7m)の特大サイズのものまで、様々な大きさのものがあります。アンティークの水屋箪笥は、その和風の趣深い佇まいから現代でも食器棚として人気があり、古民家にはもちろん、和モダンな住宅でもよく取り入れられる家具です。
水屋箪笥は、框組や建具、引き手金具などにそれぞれの持ち味が表れます。
框が太いものは、どっしりとした迫力があり、風格ある和の雰囲気が漂っています。逆に、框が細めですっきりとまとまったものは、和風の印象が抑えられ、モダンなインテリアとも相性が良いデザインです。
框組(かまちぐみ)…角材を方形に組んだ枠のことを框と呼び、框組は框に板をはめ込んだ構造のこと。
水屋箪笥の収納部は、主に引き戸と引き出しが付いたものがメイン。食器棚として、食器とカトラリーなどの小物をまとめて収納する場合は、引き出し付きだとありがたいですね。逆に食器だけを収納したいなら、シンプルに引き戸だけが付いているものの方が使い勝手が良いですよ。使い方に応じて選んでみてください。
建具に注目すると、板戸やガラス戸、縦桟や横桟の格子戸、亀甲金網が付いた金網戸などがあります。板戸やクリアガラス戸のものは、シンプルで古民家空間に溶け込みやすいデザインです。格子戸のものは、主張は強くありませんが程よい和風の存在感があるので、和モダンな古民家インテリアにぴったりです。結霜ガラスや金網戸などの個性的な建具は、和家具らしい渋さがあり、レトロな古民家におすすめです。
家具職人の技が光る。和モダンな古民家におすすめの船箪笥・帳場箪笥
船箪笥や帳場箪笥は、時代箪笥の中でも堅牢で豪華な作りが楽しめる収納家具です。船箪笥は商船で、帳場箪笥は商店や旅館などの帳場で、金庫として使われていたもの。どちらの箪笥も、持ち主にしか開けられないような巧みなカラクリを持ち、店の権威や信用を表すものとして贅沢な装飾が施されています。工芸的にも歴史的にも価値が高い家具がゆえに、アンティーク箪笥の中でも値が張りますが、現代でも多くの骨董ファンからの人気を博しています。高級感のある古民家インテリアや和モダンスタイルにおすすめの上質な収納家具です。
船箪笥は持ち運びしやすく、狭い船内でも使いやすいよう、小ぶりなサイズのものが主流です。欅材など最高級の木材に漆塗りが幾重にも施され、さらに周りは分厚い金具で覆われています。見た目の美しさはもちろんのこと、万が一、船が難破したとしても中に水が入らないような精巧な作りになっており、船の金庫として素晴らしい機能性を兼ね備えています。
帳場箪笥は船箪笥と比べて大きなサイズのものが多く、そのデザインも幅広いのが特徴です。船箪笥のように前面にびっしりと重厚な金具が付いたものもあれば、金具をあえて少なくして欅材の木目を最大限に生かしたものもあります。収納部は、書類や印鑑、金銭などこまごまとしたものを収納しやすいよう、小ぶりな引き出しがいくつも付いたものが多いです。
希少な高級和家具、車箪笥。古民家インテリアの主役に
車箪笥は、箪笥の下部に車輪が付いているユニークな収納家具。火事などの非常時に貴重品を入れた箪笥をそのまま持ち出せるよう、車輪が付けられています。車箪笥は帳場箪笥として使われていたものもあり、堂々とした迫力のある佇まいが魅力です。古民家インテリアの主役におすすめの逸品です。
収納部は、横桟の引き戸が付いたものや、引き戸に加えて引き出しも付いたものなどがあります。船箪笥と比べると金具が控えめですが、その分上質な木の美しさを堪能できるデザインです。車輪は状態の良いものであれば、問題なく動かせますが、床が傷つく恐れがあるため、固定の収納家具として使用するのがおすすめです。
車箪笥は、現代まで残っている数が少ない、希少価値の高い箪笥です。というのも、火事が多かった江戸時代、避難する際に人々が持ち出した車長持(車箪笥の前身)が道を塞ぎ、被害を拡大してしまったそう。それを受けて、幕府が三都での車長持の製造を禁止しました。三都から離れた地方ではその後も車長持や車箪笥の製造が続けられていましたが、それでも現存する数が少なく、歴史的価値の高い家具として人気があります。
伝統的な古民家にぴったりな階段箪笥。ディスプレイ家具としても活躍
階段箪笥は、2階に上がるための階段として使われていた収納家具。階段下の空きスペースに箪笥を造り付けて構造の一部としたものや、階段単体を家具として製作したもの、後付けで階段の形状に合うよう引き出し並べ入れただけのものなどがあります。階段箪笥は、もともとは関西の町屋から普及していったものです。町屋特有の狭い居住空間を有効活用しつつ、人目に触れても見栄えの良いよう美しく作り込まれています。
階段箪笥の階段は、現代のものと比べてかなり急勾配なので実用には不向きですが、階段状のデザインを活かして古民家らしいインテリアを楽しむことができます。収納家具として使いつつ階段に小物をディスプレイしたり、部屋の間仕切りに使ったりと、個性的な和の空間づくりに活躍します。
階段箪笥は大きなサイズのものが多いですが、段数が3~5段くらいの小振りな階段箪笥もあります。小振りなサイズなら狭めの古民家でも取り入れやすく、お花や和食器などの飾り台としても使いやすいです。また、大きなサイズのものでも上下2段に分かれるものが多いので、別々に分けて使うこともできますよ。
収納部は、階段の形状に合わせて大小の引き出しや戸棚が組み合わさったデザインです。細かな日用品から、かさばるストック品まで、様々なものをまとめて収納できます。
レトロな古民家に人気の薬箪笥。小物の収納家具としておすすめ
薬箪笥は、医療用の収納家具として使われていた箪笥のこと。漢方薬などを収納するため、小さな引き出しがズラリと縦横に並んだデザインです。その個性的で愛嬌のある見た目から、レトロインテリアが好きな若い世代からも人気のあるアイテム。古民家の小物収納におすすめの家具です。
薬箪笥は、サイズが幅広いのが特徴です。卓上でも使えそうな小引き出しサイズのものから、水屋箪笥のように大きなサイズのものまで様々。スペースや用途に応じて選べるのがうれしいですね。
また、デザインも和風らしい渋い雰囲気のものから、飴色の木肌のレトロなもの、洋風よりの大正ロマン風のものまであります。どのテイストでも古民家に馴染みやすいので、周りの家具のテイストに合わせて選ぶのがおすすめです。
古民家に取り入れたい時代箪笥の紹介は以上です。伝統的な和家具である時代箪笥は、どれも古民家の雰囲気を高めてくれるアイテム。ぜひ好きなものを取り入れてみてくださいね。
続いては、時代箪笥だと希望のサイズやデザインのものが見つからなかったという方のために、現代の暮らしに合わせてアレンジした、リメイク和箪笥をご紹介します。
古家具でも使いやすさを追求!古民家に合うリメイク和箪笥
伝統的なデザインそのままの和箪笥も素敵ですが、現代の住宅だとサイズ感が合わなかったり、フローリングや家電との相性がイマイチに感じることもありますよね。そんな時は、今の暮らしに合わせて使いやすくリメイクされた箪笥にも注目してみましょう。本来のデザインや造りを生かしつつ、サイドボードやローボードサイズにリメイクしているので、現代のインテリアにもマッチする古民家風の家具が揃っています。それでは早速、おすすめの5種類をご紹介します。
古民家にマッチする和モダンな収納家具。時代箪笥サイドボード
古民家のリビングやダイニングの収納家具としておすすめな、時代箪笥サイドボード。伝統的な箪笥らしい佇まいはそのままに、収納家具として使いやすいサイドボードサイズにリメイクされています。時代箪笥サイドボードは次の2つのデザインが主流です。
古民家風のモダンな収納家具に。水屋箪笥サイドボード
重ね水屋箪笥を1段ずつにバラしてリメイクした、箪笥サイドボード。重ね水屋箪笥は大きなサイズのものが多く、取り入れられる場所が限定されてしまいますが、1段ずつに分けるとサイドボードとしてちょうど良いサイズです。
アイテムによって、引き戸や引き出しなど様々な収納が備えられていて、古民家風のリビングやダイニングの収納家具として人気です。幅が狭めのものは、古民家の玄関に置く下駄箱にもおすすめですよ。お客様をお出迎えする場所にふさわしい、和の佇まいが素敵な家具です。
箪笥サイドボードは、水屋箪笥特有の框組や引き戸、引き出しなどはそのままに、天板や脚などを取り付けて、1段でも見栄えが良く、使いやすいようリメイクされています。天板や棚板はしっかりと強度を高めているので、家電や本など重いものも載せられます。脚付きのものはフローリングとの相性も良く、掃除が楽にできますよ。また、奥行きがありすぎて使いづらいものは、収納しやすい大きさにリサイズされたものもあります。
古民家の作業台や飾り台におすすめの和家具。観音箪笥サイドボード
続いては、観音箪笥をリメイクした箪笥サイドボード。観音箪笥はもともと2段重ねの作りが主流で、上段は引き出しを覆うように観音扉が付いており、下段は引き出しがむき出しで付いています。こちらは人気の上段のみを使って、フローリングのモダンな古民家にも取り入れやすいよう、長い脚を付けてサイドボードにリメイクしています。また、天板は新たに板材を取り付けて強度を高めているので、作業台や飾り台用の家具として活用できるアイテムです。リビングやダイニング、キッチンなど幅広い場所におすすめですよ。
観音箪笥は、大きな金具がついた扉を開けると、幅広の引き出しが備わっているのが基本です。観音箪笥の中でも良質なものは調湿性や断熱性に優れた桐材で作られ、衣装箪笥として使われていました。
観音箪笥のサイドボードは水屋箪笥のものと比べると販売されている数が少ないですが、店舗によってはオーダーでの制作を受け付けています。販売中の観音箪笥でリメイクしてほしいものがあれば店舗へ相談してみましょう。
伝統ある和家具らしい佇まい。古民家のテレビ台に人気の時代箪笥ローボード
続いては、時代箪笥をテレビ台サイズにリメイクした、箪笥ローボードをご紹介します。箪笥ローボードは、家具本来の魅力を残しつつ、テレビなど重いものを載せられるよう、しっかりとした天板を取り付けて強度を高めた家具です。また、床掃除がしやすいよう脚を取り付けたものもあり、フローリングのモダンな古民家でも使いやすくリメイクされています。箪笥ローボードは、前面が木製扉のものと、ガラス戸のもの、扉のないオープンタイプのものの3種類があります。それぞれの特徴を見ていきましょう。
前面が木製の箪笥ローボード。木製家具ならではの味わいが古民家にぴったり
前面がすべて木製の箪笥ローボードは、衣装箪笥や観音箪笥などをリメイクしたものが主流です。古い木の雰囲気が味わい深く、古民家の収納家具兼テレビ台としてぴったりです。
このタイプの箪笥ローボードは、前面が引き出しのみのものと、引き戸が付いたものがあります。テレビ台としてAV機器を入れて使う場合は、前面が引き戸のものが使いやすいです。ただ、木製扉は赤外線を遮ってしまうため、リモコンで操作する際は扉を開ける必要があります。少し手間がかかるのがネックですが、木製扉は電化製品の無機質な機械感をしっかり隠してくれるので、本格的な古民家インテリアを楽しみたいという方におすすめです。
リモコンが使えるガラス戸の箪笥ローボード。古民家風でも使いやすい家具に
扉を閉めたままでリモコン操作できる古民家風のテレビ台が欲しい、という方には、前面がガラス戸の箪笥ローボードがおすすめです。ガラスはリモコンの赤外線を通すので、扉を閉めたままスムーズにリモコン操作ができます。ガラス戸だとAV機器の存在感が気になりそう、と不安に思われるかもしれませんが、扉のデザインやガラスの種類によっては棚内がほとんど見えないものもありますよ。
箪笥ローボードに使われているガラスは、クリアガラスやすりガラス、結霜ガラス、ダイヤガラス、モールガラス、チェッカーガラスなどがあります。中身を見せて収納したい場合はクリアガラス(左上)、できるだけ中身を隠したいならすりガラスや結霜ガラス(右上)、ダイヤガラス(左下)などがおすすめです。特に結霜ガラスやダイヤガラスは、レトロな和風の雰囲気があるので、古民家のテレビボードとしてぴったりです。
箪笥の引き出しを家具に大胆リメイク。古民家に合うオープンテレビボード
テレビ台はオープンラックがいいという方におすすめなのが、箪笥の引き出しを使って家具にリメイクした、オープンタイプの箪笥ローボード。引き出しに合わせて棚部分を製作した家具で、棚部分は扉のない作りです。新しく製作した棚部分も、引き出しの古い質感に馴染むように仕上げているので、古民家風の空間とも相性が良いですよ。古い引き出しがアクセントになって、程よくレトロな雰囲気を醸し出してくれます。
オープンタイプの箪笥ローボードは、他の箪笥ローボードに比べるとシンプルなデザインです。そのため、古民家風ではありますが、テレビなどの家電とも相性よくコーディネートできます。また、引き出しと棚の組み合わせパターンが幅広いので、収納するものに応じて適したものを選びやすいのもうれしいポイントです。
ここまで、時代箪笥をリメイクした家具をご紹介しました。サイドボードやローボードは今の暮らしには欠かせない家具。古いままの時代箪笥だと、場合によっては実生活に取り入れにくいこともありますが、リメイク家具なら条件に合うものが見つかりやすいです。探す際は、ぜひ時代箪笥をリメイクしたアイテムも選択肢に入れてみてくださいね。
続いて、古民家に合うサイドボードやローボードをお探しの方へ、もう1つおすすめのリメイク家具をご紹介します。
古建具を家具にリメイクした古民家風サイドボード・ローボード
古民家風のサイドボードやローボードを探しているなら、古い建具をリメイクした収納家具も押さえておきましょう。古い建具に合わせて後ろの棚部分を製作した家具で、古民家にマッチする味わい深い佇まいに仕上がっています。建具は板戸やガラス戸、格子戸、組子戸、障子戸など幅広い種類が使われていて、どれも元々の美しいデザインを活かしつつ、風情溢れる和風の収納棚にリメイクされています。
古建具が収納家具に。古民家にぴったりなサイドボード
サイドボードタイプのリメイク収納棚は、窓や書院戸サイズの建具を引き戸に使った古民家風の家具。収納部は引き戸だけのものが多いですが、中にはちょっとした引き出しが付いたものや、開き戸式のものもあります。引き戸タイプは、キッチンやダイニングで食器や鍋などの台所用品を収納したり、玄関や土間で靴箱として使ったり、幅広い用途におすすめです。引き出し付きのタイプは、文具や日用品など小物が多いリビングや書斎で使うのに便利です。
古建具をリメイクした収納棚は、どれも個性的で味わい深いものばかりですが、ここで特におすすめしたいのが、組子格子の書院戸をリメイクしたアイテム。美しい組子細工が前面を覆った収納棚は、まるで美術品のような佇まいで、繊細な職人技が目を引く逸品です。高級感のある古民家インテリアにおすすめですよ。和室や客間、リビングなど、ぜひお客様をお招きするところで使いたいですね。
古建具を収納家具にリメイク。古民家風リビングや和室のローボードにおすすめ
ローボードタイプのリメイク収納棚は、欄間をリメイクしたアイテムが多いです。繊細な格子や組子細工が美しく、上品な和風の雰囲気を演出してくれます。収納部は、引き戸のみのものもあれば、引き出しが付いたもの、下開き扉が付いたものもあります。AV機器やリビング用品を収納するテレビ台におすすめです。
ローボードタイプは、サイドボードタイプと比べて脚が付いているものが多いです。和家具ならではのどっしりとした重量感が軽減され、モダンなインテリアとも合わせやすい佇まいです。ただ、和室で使うなら畳に負荷がかけないためにも、昔ながらの脚のないものを選びましょう。使う場所に応じて適切なものを探してみてくださいね。
古民家に合うテーブルとイスはこれ!床座・椅子座におすすめの家具をご紹介
続いては、古民家におすすめのテーブルとチェアをご紹介していきます。古民家だと畳とフローリングどちらもあって、それぞれどんな家具をコーディネートしようか迷ってしまう方も多いかと思います。
また、畳のお座敷の場合、床座中心の生活にするなら、日本の古家具で相性の良いものがたくさんありますが、椅子座の生活をしたいとなると、相性の良いテーブル・チェアを見つけるのに苦労しますよね。
そこでこの章では、古民家風のおしゃれな床座・椅子座暮らしを楽しみたいという方へ、おすすめのテーブルやチェア、ソファをご紹介したいと思います。昔ながらの床座暮らし、床座と椅子座どちらも楽しむ半椅子座暮らし、現代風の椅子座暮らしの3つに分けて、それぞれに合う家具をご紹介しますので、気になるところをチェックしてみてくださいね。取り入れる家具によって、古民家テイストでもよりモダンになったり、ちょっと洋風になったりとインテリアに幅が出てきます。ぜひ家具で個性を出して、自分らしい古民家暮らしを楽しんでみてください。
古民家らしく床座暮らしを楽しむ。昔懐かしい家具4選
まずは、床座暮らしのための古民家風の家具を見ていきましょう。昔ながらの懐かしい作業台や食事用テーブルを4つご紹介します。
床座作業用の和家具、文机。レトロな古民家暮らしに
古くから日本で読み書きをするための作業机として親しまれてきた、文机。ノスタルジックな古民家風の家具として人気です。書籍や文具などをしまえるよう引き出しが付いたものと、天板と脚だけのシンプルなものがあります。
文机の魅力は、椅子座のデスクと比べて背が低いので、部屋に圧迫感が生まれにくいこと。また、軽くて持ち運びできるものが多く、使うときだけ出したり、違う部屋へ移動したりといったことも楽にできます。古民家のような昔ながらの日本の住宅だと、部屋が狭かったり、1つの部屋を複数の用途に使ったりすることもあるので、小ぶりで軽い文机は古民家にぴったりです。
文机の中でも上質なものは、高級材である欅材で作られていたり、脚に透し彫りが施されていたりと、装飾に凝ったものもあります。素朴でレトロな和室から、和モダンなフローリングのお部屋まで、幅広く使いやすいアイテムです。
古民家にある家具の代表、昔懐かしいちゃぶ台
明治から昭和期にかけて、庶民の食事用家具として普及していったちゃぶ台。古民家にある家具の代表といっても過言ではないアイテムです。椅子座で食事をするようになってからどんどん姿を見せなくなってしまいましたが、最近では当時を知らない若い世代から、レトロなかわいらしい家具として支持を集めています。素朴で木の温かみが感じられるものが多く、レトロな古民家インテリアにぴったりの家具です。
ちゃぶ台には、丸型と角型があります。丸型は人数に応じて自由に使いやすく、角型だと部屋のスペースにすっきり収まりやすいです。また、脚は折りたたみできる作りのものが多く、使わないときはコンパクトに収納することができます。文机と同じく、狭めの古民家でも取り入れやすい家具です。
古民家風の暮らしを演出。和の風情溢れる家具、囲炉裏テーブル(関西火鉢)
囲炉裏テーブルとは、火鉢の炉の周りにテーブルのようなフチが付いている、いわゆる関西火鉢のこと。ちょっとした座卓代わりに使えるので、家族や友人と火を囲みながら、簡単な食事やお茶などを楽しむことができますよ。ノスタルジックな佇まいと温かみのある雰囲気が、古民家にぴったりですね。
囲炉裏テーブルは、食事用のテーブルとして使いやすいよう、ガラス天板を付けてリメイクしたものもあります。天板は取り外しできるので、もちろん火鉢としても使えますよ。古民家風の和室やリビングなどにおすすめです。
広々と使える作業用家具、裁ち板。素朴な古民家インテリアに
着物生地の裁断に使われていた作業台、裁ち板。文机よりも天板の高さが低めで、横幅が広いものが多く、古民家のローテーブルや飾り台として活躍する家具です。大きなものだと全長が2m近くあるものもあります。
一般的な作業台やローテーブルよりも高さが低めなので、本格的な作業に使うのには向きませんが、高さが低い分、畳との相性が抜群です。飾り台としてお花や和雑貨などを飾ると、座位で鑑賞するのにちょうど良いサイズ感になります。また、シンプルで素朴なデザインのものが多く、存在感があまりないので、周りの家具やインテリアの引き立て役になってくれます。
和風の古民家と相性の良い半床座家具、ローソファ・ローテーブルをご紹介
次は、ローソファとローテーブルを使った半椅子座スタイルの家具で、古民家とコーディネートしやすいアイテム2つをご紹介します。ローソファは、床座よりも立ち座りが楽で、リラックスしやすいのが特徴です。さらに、ローテーブルはソファに座らずに床座でも使えるので、状況に応じて床座と椅子座の両方を使い分けることができます。
また、半椅子座スタイルの家具は、全体的な高さが低めなので、和風の古民家空間と相性が良く、古民家らしい天井や梁や建具などの意匠を邪魔しません。古民家でソファを取り入れたいなら、まずはローソファから探すのがおすすめですよ。それでは、おすすめのアイテムを見ていきましょう。
古民家らしいレトロ家具、和製アンティークのローソファ・ローテーブル
まず1つ目のおすすめ家具は、和製アンティークのローソファとローテーブル。和製アンティークのソファは、日本人の体格に合わせて作られた小ぶりなサイズ感と、古いレトロな木味が持ち味の、古民家にぴったりなアイテムです。
サイズは1人掛け用から2~3人掛け用まであり、家族構成やスペースに応じて選べます。1人掛け用ソファは特に小ぶりなサイズ感が可愛らしく、体にしっかりフィットします。古民家の狭いスペースでも取り入れやすいのがうれしいですね。
レトロなソファと合わせるなら、ローテーブルも和製アンティークのものがおすすめです。先ほどご紹介したような、ちゃぶ台や文机などでソファと合わせて使いやすいものを選ぶといいですよ。古い木の質感がマッチして、レトロな雰囲気を演出してくれます。
大正ロマンソファなら、洋風な古民家の家具にもぴったり
古民家でも洋風の家具を使いたい場合は、和製アンティークのローテーブルに合わせて、大正ロマンスタイルのソファを使うのもおすすめです。和製アンティークの大正ロマンソファは、洋風の装飾が施されつつも、それほど華美でないものが多く、素朴な古民家にも違和感なく取り入れられます。また、大正ロマンソファは、緑や赤など原色をファブリックに使ったものもあり、異国情緒あふれる洋館風のインテリアを楽しめますよ。
大正ロマンスタイルのソファは、流通している数が少ない人気のソファです。もし、アンティーク品で条件に合うものが見つからなければ、アンティーク家具屋が製作している大正ロマン風のソファを使うのもおすすめですよ。アンティーク家具の専門家が作るだけに、大正時代のデザインを丁寧に再現した本格的なアンティーク風家具に仕上がっています。
オーダーメイドで製作する大正ロマンソファは、張り地やサイズを指定できるので、部屋にしっくりと収まるソファを手に入れることができます。ソファのファブリック次第で部屋の印象が変わるので、どんな古民家インテリアにしたいか検討しながら選んでみてくださいね。
また、アンティークだと同じデザインのものを2つ見つけるのは至難の技ですが、大正ロマン風のソファならご希望に応じていくつでも注文可能です。古民家の広いリビングや応接間、または古民家風カフェなど、揃いのソファがいくつか欲しい場合にぜひご活用ください。
ところで、アンティーク家具のコーディネートをしていた私の経験からすると、和風の空間に和製アンティークの家具を使うのは、失敗なしの王道の組み合わせ。それはそれで素敵ですが、よりモダンな古民家インテリアを楽しみたい、という方には、北欧ヴィンテージのローソファとローテーブルを使うのがおすすめです。
北欧ヴィンテージ家具でモダンな古民家に。北欧スタイルのローソファ・ローテーブル
和風なのに北欧家具…?と疑問に思われるかもしませんが、シンプルに洗練された北欧デザインの家具は、意外と古民家にも馴染みやすいんです。インテリアの中で、北欧家具が程よい存在感を出してくれて、野暮ったくないスタイリッシュな雰囲気を演出してくれます。
また、北欧ヴィンテージ家具の魅力は、使い込まれた木の質感にもあります。北欧家具は、主にチーク材やローズウッド材などが使われたものが多く、美しい木目や赤みを帯びた木肌が持ち味です。古民家の木味とは多少差がありますが、古いものならではの味わいは共通で、古民家に取り入れてもそれほど違和感がありません。それぞれの個性が引き立って、ミックススタイルならではのハイセンスなインテリアを楽しむことができます。
古民家に北欧ヴィンテージのローソファを取り入れるなら、テーブルも同じ北欧ヴィンテージ家具を使うのがおすすめです。アームや脚の形が似ているので、統一感のあるすっきりとした空間に見せることができます。また、北欧ヴィンテージのローテーブルは、和製アンティークのちゃぶ台や文机と比べて横幅が広いものが多いので、作業や食事などにゆったりと使いたい場合にぴったりです。
スペース的に小ぶりなテーブルの方がいい場合は、北欧ヴィンテージ家具だとネストテーブルがおすすめです。ネストテーブルとは、大小のテーブルが入れ子式になっているアイテムで、一般的なローテーブルと比べて横幅が狭く、省スペースに使えます。来客時など人数が増えた場合は取り出して使うこともでき、状況に応じてフレキシブルに活用できます。
椅子座派におすすめのテーブルとチェア。北欧家具だと一味違った古民家テイストに
最後に、古民家でも椅子座スタイルで過ごしたいという方へ、おすすめのダイニングテーブルとチェアをご紹介します。それぞれ違ったテイストの家具を3つご紹介しますので、お好きなものを検討してみてください。
レトロな家具で素朴な古民家スタイルに。和製アンティークのテーブル・チェア
まずは、古民家の家具の王道、和製アンティークのダイニングテーブルとチェアからご紹介します。和製アンティークの家具にも色々なテイストがありますが、古民家らしい和の雰囲気を楽しむならレトロテイストのものがおすすめ。シンプルで素朴なデザインが古民家にぴったりで、どこか懐かしい雰囲気を演出してくれます。レトロなダイニングテーブルやチェアの中には、かつて学校で使われていたものもあります。機能重視の飾り気のないデザインからはノスタルジックな味わいが感じられますよ。
古民家テイストの中でもかわいらしいレトロスタイルが好きな方には、ペイントされたダイニングテーブルやチェアもおすすめです。ペイントならではのカジュアルさがあり、子供から大人まで親しみやすい空間になります。古民家にペイント家具を取り入れるなら、家具全体がペイントされているものではなく、木味の部分も残っているものを選ぶといいですよ。古民家との統一感を保つことができ、よりまとまりのあるインテリアになります。
シンプルな北欧ヴィンテージ家具で和モダンな古民家に。北欧ヴィンテージのテーブル・チェア
半椅子座と同じく完全な椅子座の場合も、北欧ヴィンテージ家具は古民家と相性の良いジャンルの一つ。椅子座になると家具の高さが増して、部屋における存在感が大きくなるため、ミックススタイルの難易度が上がりますが、シンプルな北欧家具なら和の空間にも取り入れやすいです。モダンでおしゃれな古民家インテリアを楽しめます。
古民家に洋家具をミックス。椅子座におすすめの洋風アンティークテーブル・チェア
続いては、古民家風の住宅に住んでいるけど洋家具を使いたい、もしくは、和と洋をミックスした古民家インテリアを楽しみたいという方へ、古民家にマッチする洋風のアンティークテーブルとチェアをご紹介します。古民家に合う洋風テイストの家具というと、和製アンティークの大正ロマン家具や民芸家具があります。また、イギリスアンティーク家具など西洋の家具でも、装飾が控えめなものを選べばあまり違和感なく古民家に取り入れることができます。それでは、それぞれの特徴をご紹介します。
和洋折衷の洋館風古民家に。和製アンティークの大正ロマン家具
古民家でも華やかさのある洋館のようなインテリアを楽しみたいという方は、大正ロマンテイストのテーブルとチェアを使うのがおすすめです。大正ロマン家具は、西洋家具のデザインを取り入れつつも、どこか和家具らしさが残ったデザインで、古民家ともコーディネートしやすいのがポイントです。伝統的な和家具にはない優雅さがあり、渋めの古民家インテリアとは一味違った上品な雰囲気が楽しめます。
和家具職人が作った和風の洋家具、民芸家具。古民家にも相性ぴったり
レトロな和風に寄りすぎない、高級感のある古民家インテリアを目指したい方には、民芸家具のテーブルとチェアがおすすめです。民芸家具とは、松本民芸家具や北海道民芸家具などに代表されるもので、高い技術を持つ和家具職人が洋家具の要素を取り入れながら開発されました。西洋家具の良い部分を踏襲しつつ、日本人の体格や和風のインテリアにマッチするように作られているため、見た目は洋風でも古民家と相性の良いデザインです。また、確かな技術を持った家具職人が品質にこだわって作っただけあって、高級感のある佇まいや、使い心地の良さは格別です。
民芸家具は新品やヴィンテージ品、中古品が販売されています。新品でも濃い色合いに仕上げられているので、古民家に取り入れやすいですが、価格面を重視するなら、ヴィンテージ品や中古品もチェックするのがおすすめです。
ヴィンテージや中古品として販売されている家具は、新品と比べて割安ですが、あまり使用感のないものが多くあります。中には、新品とほとんど見分けがつかないほどきれいな美品や、美品とまでは言えないまでも、傷みが気にならないレベルまで美しくリペアされたものもあります。また、ヴィンテージ品なら新品にはない廃盤品やオーダーメイドで製作した特注品などもあり、掘り出し物が見つかる可能性もありますよ。ぜひ、新品だけでなくヴィンテージ品や中古品もチェックしてみてくださいね。
イギリスアンティーク家具を古民家に取り入れるなら、シックなものがおすすめ
日本製の洋家具ではなく、本場イギリス製のアンティーク家具を古民家に取り入れたいという場合は、あまり装飾が華美すぎないものを選ぶのがおすすめです。古民家の建材の色味と合わせて、家具が暗めのトーンのものを選び、デザインもシンプルで上品なものにしましょう。また、テーブルとチェアだけを本格的な洋風にすると違和感が出やすいので、照明やラグ、収納家具など、周りのインテリアも少しずつ洋風の家具を取り入れるといいですよ。シックなエレガントさを感じる、和洋折衷のミックススタイルが楽しめます。
古民家のお座敷に椅子座家具を取り入れるなら、絨毯を敷くなど工夫が必要
古民家にテーブルとチェアを取り入れる場合、フローリングだと相性がいいですが、畳のお座敷だとどうしても違和感が出てしまうことが多いです。畳のお部屋なら、できれば高さの低い半椅子座のローテーブルとローチェアを使う方が無難でしょう。どうしても椅子座が良ければ、畳に絨毯などを敷いて和風の印象をやわらげるなど、取り入れ方を工夫するのがおすすめです。
また、畳の部屋で脚のある家具を置く場合、使っていくうちに畳が傷む可能性が高いです。できる限り畳と接地する部分が広い家具を選ぶと、畳にかかる負荷が分散されます。また、絨毯を敷いて畳を保護したり、使う際にテーブルやチェアを擦って動かさないように気をつけるのも有効な手段です。
さて、ここまで古民家におすすめの家具をご紹介しましたが、欲しいアイテムの目星は付いたでしょうか。
続いては、快適な古民家家具との暮らしをスタートするために、古家具を選ぶ際のコツや注意点についてお話しします。
家具探しのコツと注意点5つ。快適な古民家暮らしのために
古民家に合う家具の効率的な探し方、選び方、購入時に便利なサービスを5つご紹介します。しっかりと押さえて、効率的に使い勝手の良い古家具を手に入れましょう。
通販を上手に活用して、効率的に古民家家具を探そう
古民家に合うような昔ながらのアンティーク家具は、すべて一点ものです。そのため、デザインやサイズなど希望に合うものを探し出すのに時間と労力がかかることもあります。条件に合う家具を効率的に探すには、実店舗のあるショップだけでなく、ぜひ通販も活用しましょう。ネットショップであれば、たくさんの家具を短時間で比較検討しやすいので、手っ取り早く理想の家具と出会うことができますよ。
通販で実物を見ずにアンティーク家具を買うのは不安、という方もいらっしゃるかと思いますが、きちんとした店舗であれば家具の色味や状態などがわかる文章や画像を十分に掲載しています。わからないことや不安な点があれば、店舗に問い合わせれば丁寧に対応してもらえますので、ご安心ください。また店舗によっては、万が一購入してから「イメージと違った」なんてことがあっても、所定の日数以内であれば返品を受け付けている場合があります。返品OKの店舗であれば、より安心ですね。
古民家の条件に合う家具が見つからない場合は、リメイクやオーダー家具製作を活用
希望の条件に合う家具が見つからないときは、アンティーク家具屋などが行っている家具のリメイクやオーダーメイドサービスを活用しましょう。例えばリメイクは、「気に入ったデザインの箪笥があるけどサイズが大きすぎる」「販売中の水屋箪笥の建具をガラス戸に変えてほしい」といった場合におすすめです。サイズやデザインなど、できる限り希望に沿う形でリメイク加工してもらえます。
オーダー家具を注文する場合は、希望のサイズとデザインで古民家風の家具を製作することが可能です。アンティーク家具屋が手がけるオーダーメイド家具は、日頃のリペアやエイジング加工の木工技術を生かして製作しますので、本物のアンティーク家具に近い、古い味のある雰囲気に仕上がります。
例えば、ANTIQUE LOGを運営する「アンティーク家具 ラフジュ工房」の場合は、昔懐かしいパタパタ下駄箱やマス目棚、箪笥をリメイクした収納棚、建具をリメイクした収納棚、大正ロマン風ソファ、レトロなダイニングテーブルなどのオーダー家具製作を受け付けています。昔ながらのデザインや技法で1点ずつ職人が製作し、大量生産の家具にはない味わいを大切にしています。特に塗装には力を入れており、美しい木目を活かすため、全体を丁寧に下塗りしてからクリア塗装をして仕上げています。こうすることで、木の味わいが感じられる、耐久性のある家具に仕上がります。
格安家具は骨董市やオークションにあり。品質重視ならリペア技術のあるアンティーク販売店で購入しよう
価格重視で格安の古家具を手に入れたい場合は、リペアに力を入れているアンティーク家具屋ではなく、古い家具をそのままの状態で販売している骨董市やオークションサイトなどをチェックしてみましょう。運が良ければ掘り出し物が見つかるかもしれません。ただ、格安すぎるものは状態や作りが悪い可能性が高いので、DIYで修理できる方以外にはあまりおすすめできません。
品質重視で古家具を探している場合や購入してすぐに使いたい場合は、リペア技術のあるアンティーク家具屋から購入するのがおすすめです。実用に重きを置いてリペアしているので、届いたその日からストレスなく使うことができます。
ショップの技術力を判断するには、ショップが取り扱う商品数が一つの指標になります。アンティーク家具はすべてが1点ものなので、リペアにマニュアルがありません。知識や経験を応用しながらそれぞれに適切な方法を考え、修理していきます。そのため、多くの家具をリペアした経験がある熟練の職人ほど、より精度の高いリペアができると言えます。購入するショップを選ぶ際は、商品数や販売実績を確認するようにしましょう。
古民家をすっきり整理!処分したい中古家具があるなら買取・回収サービスが便利
家具の買い替えや古民家のリノベーションなどで困るのが、不要な家具をどう処分するかという問題。新しい家具を買いたくても、古い家具の処分が面倒で重い腰が上がらないという方もいらっしゃるかと思います。そんな時は、新しい家具を購入する際に、不要家具の買取や回収をしてくれるサービスを活用するのがおすすめです。このサービスを実施している店舗であれば、購入時に申し込むだけで、お手持ちの家具を査定して、買取・引取・有料回収のいずれかの対応をしてくれます。各自治体での処分や回収業者に依頼するのは何かと手間がかかるので、ぜひ家具屋の買取・回収サービスを賢く利用して、気持ち良く新しい家具を迎えてください。
アフターケアがある店舗だと安心。古民家とともに家具とも末長いお付き合いを
アンティーク家具に限らず、無垢材製などの木製家具の場合、湿気や乾燥によって木部が膨張・収縮し、引き出しが開け閉めしづらくなったり、扉の閉まりが悪くなったりすることがあります。また、使用しているうちに塗装が剥げてきたり、天板が傷ついたりと、多少なりとも変化していくのが普通です。そういった変化も味わいの一つとして、お手入れしながら使っていくのが古家具の醍醐味ですが、自分でメンテナンスするのは大変な場合もありますよね。
そんな時に活用したいのが、アンティーク家具屋が行っている家具の再リペアやリメイクサービス。有料にはなりますが、プロの手でメンテナンスしてもらうと、本来の魅力が最大限に引き出され、使い込まれた味がさらに深みを増した姿に生まれ変わります。リペアによっては、使い勝手や耐久性もアップするので、またそこから長く使い続けることができますよ。
最後に
古き良きものを大切にする古民家インテリア。ぜひお気に入りの家具を見つけて、お手入れしながらじっくりと付き合っていただければと思います。今では触れることの少なくなった昔懐かしい家具を取り入れるのもよし、今の時代に合ったリメイク家具を使うもよし、異国の家具をミックスして個性的な古民家インテリアを楽しむのもよし、ぜひ古民家と家具のコーディネートを自分らしく楽しんでみてくださいね。