インテリアストリートとも呼ばれるほどインテリアショップが軒を連ねる目黒通りを中心に、家具や雑貨を扱うお店が新旧ともに集まる目黒駅周辺のエリア。
目の肥えたインテリア好きも足しげく通うほど、人を惹きつける魅力を持ったショップがたくさんあります。
そうした数々のインテリアショップの中には、アンティークを扱うショップも少なくありません。
今回はその中でも特におすすめのアンティークショップをご紹介します。
店舗情報も記載しているので、気になったお店があったら足を運んでみてください。
※掲載時の情報です。実際の情報と異なる場合もあるので、詳細は店舗HPなどでお確かめください。
目黒エリア以外の東京都内にあるアンティークショップはこちらをチェック!
目次
- 1 アンティーク家具
- 1.0.1 Sonechika(ソネチカ)
- 1.0.2 Lewis(ルイス)
- 1.0.3 ARTICLE Antique & Curiosity(アーティクル アンティーク アンド キュリオシティー)
- 1.0.4 Pocket Park(ポケットパーク)
- 1.0.5 FILM(フィルム)
- 1.0.6 Moody’s (ムーディーズ)
- 1.0.7 Point No.39/No.38(ポイントナンバー39/38)
- 1.0.8 Mate.Antique&Interiors(マテ アンティーク&インテリア)
- 1.0.9 GEOGRAPHICA(ジェオグラフィカ)
- 1.0.10 KENT STORE(ケント ストア)
- 1.0.11 DEMODEMIX(デモデミックス)
- 1.0.12 DWARF(ドワーフ)
- 1.0.13 Fusion Interios(フュージョン インテリアズ)
- 1.0.14 TOKYO RECYCLE imption(トウキョウ リサイクル インプション)学芸大学店
- 1.0.15 Lloyd’s Antiques EGOIST(ロイズ・アンティークス エゴイスト)
- 1.0.16 ANTISTIC(アンティスティック)
- 1.0.17 NO NAME PARISH(ノー ネーム パリッシュ)
- 2 アンティーク雑貨
- 3 おわりに
アンティーク家具
Sonechika(ソネチカ)
何も書かれていない真っ赤な看板が特徴的な「Sonechika」。
看板からは何者なのか一切わかりませんが、開放的なお店から見える大量の家具と雑然とした感じから、すぐに中古家具ショップだとわかりますね。
プライス、クォリティ、ユーモアの信条のもと、日本全国から買取した家具がユーズドからヴィンテージまで様々に入り乱れています。
こうしてアンティークショップと銘打っていない場所にも名作家具は転がっているのですから見逃せません。例えば宇宙的なデザインがユニークなボールチェア、見た目に反して座り心地のいいマシュマロチェアなど…
こうした名作家具にも片鱗が見えるように、Sonechika が掲げる“ユニーク”をもとに集められたヴィンテージ家具が大変魅力的なんです!
ユニークさを基準に集められた家具は、ステンレスの医療用キャビネットや、グリッド線が描かれたキューブの集合体のようなテーブルなど、年代もジャンルも問わない特徴的なものばかり。
もちろん家具以外のインテリアアイテムにもその波は及んでいて、特にオブジェやランプがその最たるものといった様子です。
こちらのSonechikaはA店とB店の2店舗を構えていて、店舗間はたったの徒歩1分です。どちらかの姉妹店が気に入ったなら、もう一方にも行ってみるべきですよ。
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Lewis(ルイス)
鮮明な青い扉が目を引く「Lewis」は1960~1970年代の北欧とアメリカの家具を主に扱うショップです。
当時お互いに影響しあって、今のモダン家具の基盤をどんどん作り上げていった北欧とアメリカ、それとイギリスの家具が並んでいます。
今も衰えないモダンな表情の家具は、お店のモルタル仕上げの床にも似合っていますね。
10年間とかなり的を絞った品ぞろえながらも、インテリア変革の時代ど真ん中で生み出され続けた名作家具の数は想像をはるかに超えます。
特に当時は北欧のインテリア業界での席巻ぶりがすさまじく、根底に北欧の血が流れたデザインが目立ちますね。すべて北欧家具ですよと言われても違和感ないものばかりです。
それでも中には、お互いの国に影響を受けたのかなと感じさせる特徴が見え隠れしていて、その個性を楽しむことができます。
国だけではなく、アーコール、G-plan、マッキントッシュなどの有名家具メーカーやハンスウェグナー、ボーエモーエンセンなどの有名デザイナーの作る家具の特色を見るのも楽しいですよね。
ただLewisでは有名どころに限らず、無名の家具まで幅を広げているのも特徴です。
有名無名問わず、当時の大衆の生活に寄り添った使いやすい家具は、現代の生活にも程よくなじんでヴィンテージの趣を連れてきてくれることでしょう。
吉祥寺にも姉妹店があるので、もっとLewismの品物を見てみたい!という方は足を運んでみてくださいね。
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ARTICLE Antique & Curiosity(アーティクル アンティーク アンド キュリオシティー)
ブルーグレーの外観とシンプルな“ARTICLE”の文字がシックな「ARTICLE Antique & Curiosity」。
月ごとにお店のショーウィンドウの内容を変えているんですが、時にはインダストリアルと英国トラディショナルのミックス、時にはフランスアンティークらしくエレガントにと、見る度に全く印象が変わってしまうんです。
このように扱うアイテムの自由度が高いことがARTICLEの特徴です!
背もたれに使われたスピンドルのスポークがエレガントな英国チェアや、メタリックな緑色のロッカーなどが組み合わさっている様子は、そうそう見られるものではありません。
コンセプトは「異なる時代と国を旅してきた品物(Article)を再編集したアンティークセレクトショップ」なんだそうですよ。
ヨーロッパという繋がりはありつつも、テイストの違うアイテムをうまくまとめ上げるのは至難の業。挑戦しようとして失敗してしまった…という覚えのある方もいらっしゃるのでは?
ショップでコーディネートされているインテリアは、色のアクセントや、異素材を取り入れるバランス感などが絶妙で、見ていると自分の部屋で試してみたい!とコーディネートへの冒険心を沸き立たせられますよ。
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Pocket Park(ポケットパーク)
錆びた工場の骨組み模型が店先に置かれた「Pocket Park」。その模型の錆が象徴するように、金属で作られた家具をコンセプトにしているのがこのアンティークショップの特色です。
当時革新的な工業デザインで世間の関心を集めたTHONET社のキャンティレバーチェアをはじめとして、洗練されたインダストリアルアイテムが並びます。
特に「キャンティレバーチェアno.S32」の金属の骨組みにラタンの座面を組み合わせたチェアは、その絶妙な工業と手工芸の掛け合わせが印象的ですね。
このチェアに見られるように、Pocket Parkではラタンを使った製品も扱っています。金属の冷たさにラタンの温かみが加わったバランスのいい空間となっていて素敵ですよ。
さらに家具だけではなく、雑貨や照明にもいいものが揃っています。
例えば、スタイリッシュなフラワーベースとしておすすめなラボラトリースタンドや、自由自在に曲がる関節で伸縮もできる便利なスタンドライトなど。利便性とお部屋のアクセント両方が叶う魅力的なアイテムなので、スタイリッシュなお部屋をつくるならぜひ取り入れたいです。
荒々しいかっこよさよりも、シャープなかっこよさを演出できるインダストリアルアイテムをお探しならおすすめのショップです。
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FILM(フィルム)
外装から内装まで白一色に染め上げたシンプルすぎるほどの店構えが目を引く「FILM」。
極限までシンプルにつくられたお店の造りは、純粋に家具だけを見てもらうため背景に徹したいという割り切りなのかとさえ思います。
清潔でモダンな空間には、ヴィンテージの持つ“古さ”は不釣り合いになってしまいそうですが、丁寧なメンテナンスを行ったヴィンテージ家具は、清潔な白の空間に見劣りしないほどコンディションがいいです。
ヴィンテージの持つ経年の深みは備えつつ、現行品に負けず劣らずの高品質。そして北欧を中心としたヨーロッパ諸国のモダンなテイスト。
もし現行品にはないデザインを求めてヴィンテージに行きついた方でも、日常使いへの気がかりもなく買い求めやすそうですね。
先で触れたように、FILMではヨーロッパ各国から集めたモダン家具が揃っていて、国を限定しないことで幅広いモダンな表現を楽しむことができます。落ち着いた色調は大人な印象を持っていて、お部屋に洗練した雰囲気を取り入れることができますよ。
様々に集められたモダンヴィンテージの中から、自分の持つ基準を頼りにして好きなものを探し当てていく。そんな大人の楽しみ方ができるショップです。
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Moody’s (ムーディーズ)
アメリカ全土を渡ってオーナーやスタッフの気に入った1点物を集める「Moody’s」。
時代やジャンルにこだわらずにピックアップされた家具は“存在感”をコンセプトにしていて、どれも目を引くデザインばかりです。
合板やFRPに目を向けた素材選びや、それに合わせた技術の発展で表現の幅が広がった“アメリカンミッドセンチュリー”時代の家具が特に多い気がします。
やっぱりモダンで開放的なデザインが増えた時代なので、“存在感”という点ではインパクトのあるアイテムで説得力があります。
ミッドセンチュリーを代表するイームズチェアシリーズや、在宅ワークのお供として人気が高いポロックチェアなどの名作家具と、無名ながらも名作家具の存在感に劣らない家具が並んでいますよ。
それにミッドセンチュリー期の家具は、デザイン性の高さもさることながら使い心地にも注力した背景があるので、日常使いとして申し分ないことも魅力ですね。
さらにMoody’sで注目したいアイテムは家具以上に力を注ぐ照明類でもあります。こちらもサンバーストやスプートニクの有名デザインをはじめ、球体にバルーンを巻き付けたようなもの、複数のアクリル板をミノムシのように張り付けたものなど、際立った存在感のデザインが目白押しでオススメですよ。
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Point No.39/No.38(ポイントナンバー39/38)
アメリカを中心に買い付けてきたヴィンテージ家具を扱う姉妹店「Point No.39」&「Point No.38」。
アメリカンヴィンテージと聞くと、古材やインダストリアルな素材を使った家具や、ガレージを思わせる武骨なサインにポップなヴィンテージトイなどが頭に浮かんできます。
しかしショップに並ぶ家具は、そのイメージから離れたクラシカルな意匠や、質素な造りのもの。
あれ?と思ったところで、改めてアメリカのインテリアの歴史を振り返ると、イギリスの植民地時代を感じさせる英国式のトラディショナルなデザインや、シェーカー様式と呼ばれる質素を美徳としたシェーカー教のイギリス人が持ち込んだデザインなど、その潮流は様々なんですよね。
なので、まさしくアメリカ家具の正史の流れを受けたヴィンテージ家具のセレクトが楽しめてしまいます!
さらにこのショップでは扱っているランプの豊富さも注目ポイントです。
店内はペンダントライトやブラケットライト、スタンドライトなど色んな種類のアンティークランプや現行品のランプであふれていて、あまりの数に目移りしてしまいます。
2店舗の間は徒歩4分で行き来できてしまうので、たくさんの商品の中からお気に入りを探すことができますよ!
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Mate.Antique&Interiors(マテ アンティーク&インテリア)
倉庫を思わせる荒々しいコンクリート造りの床とクラシカルなアンティーク家具のアンバランスさが印象的な「Mate.Antique&Interiors」。
クラシカルな見た目の家具は、イギリスやフランスから仕入れたヨーロピアンアンティークと、その潮流を受けたヴィンテージです。ヴィンテージの方は特にアメリカから仕入れたものが目立ち、ミッドセンチュリー期よりも少し前、英国から伝わってきたアーツ&クラフツ運動の潮流を受けた手仕事を感じるデザインです。
なので、ヨーロピアンアンティークのような繊細さを感じるデザインが多いんですね!
何百年の歴史を持つ本格的なアンティークよりも、いくらか現代の感覚に近づいた程よいクラシカルさがあります。
お部屋のアクセントとしてクラシカルな雰囲気の家具を取り入れたい時には、現在のお部屋の雰囲気から大きく外れないこの“程よさ”がちょうどいいですよね。
家具のほかにアクセントとして取り入れやすい照明類も、シャンデリアやクラシカルな装飾のテーブルランプなどが揃っています。手始めに小さな範囲から取り入れてみるのもいいのではないでしょうか。
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GEOGRAPHICA(ジェオグラフィカ)
まるで外国のアパートメントのような3階建てのオシャレなアンティークショップ「GEOGRAPHICA」。
中に入ると年代も様々なイギリスアンティークが店内に広がっていて、さらに異国の雰囲気がたっぷりです。
置いてあるアンティークはジェオグラフィカのコンセプトである「アンティーク&インテリジェンス」の通り知性を感じる品ばかりで、上流階級のような雰囲気にテンションが上がります!
1階には手に取りやすい雑貨類がディスプレイされていて、特に紅茶の本場である英国らしく、華やかな柄が描かれた素敵なティーセットに目を奪われます。
ほかのフロアは家具で揃えているのですが、その揃え方が材木の種類別というものなんです!
地下1階がオーク、2階がオールドパイン、3階がマボガニーとウォルナット、といった具合。膨大な数を備えた専門店ならではの構成だなと感心してしまいます。
イギリスアンティークの様式の移ろいによって、中心となって使われた材木も違っていたりするので、フロアを巡っていくとイギリスの歴史をいっぺんに辿れて面白いですよ。
2階にはレストランやカフェもあるので、休憩をはさみながら何時間でもイギリスアンティークの世界に浸れてしまう魅惑のショップです。
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KENT STORE(ケント ストア)
英国アンティークを親しんで使ってもらうために4階に渡りニーズに合わせた製品を展開する「KENT STORE」。
日本では近年まで「歴史的価値を損なう」と英国アンティークの修復を避けたがる人も少なくなかったそう。
それに疑問符を投げかけたのがKENT STORE。後世に引き継がれるようにと願われたからこそ、アンティーク家具は修理することを前提とした設計になっているんだぞと、そうしたイギリスの考えに感銘を受けたのだといいます。
だからこそKENT STOREの扱う家具は、見た目も使い勝手も申し分ない品質なんですね。
1階には手に取りやすいアンティーク小物。2階は初心者向けで、有名家具ベントウッドチェアシリーズ、取り入れやすい小型家具を揃えています。
3階に上るとアンティーク好き向けに希少性の高い家具が並び、息をのむほどのオーラがある“ジェニンアンティーク”と呼ばれる100年以上の時を過ごした家具の姿もあります。
さらに「修復して使う」ことを大切な心得としているKENT STOREらしく、ワックスや塗料などのメンテナンス材料や、金具などのメンテナンスパーツも豊富です。
アンティークやリペアに関する専門誌も置いてあったりして、英国アンティークに対する知識のステージをどんどん上っていけるようなショップですよ。
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DEMODEMIX(デモデミックス)
アパレルショップやジュエリーショップへの販売やファッションイベント用のリースも積極的に行うプロユースのインテリアセレクトストア「DEMODEMIX」。
だからこそお客様を迎える空間を飾るにふさわしい印象的なデザインの家具が並んでいます。
現行とヴィンテージ、アンティークと時代の垣根を越えてセレクトした家具が隔てなく並んでいるので、アンティークだけを探すとなるとちょっと大変です。なのでこのショップには、すべての商品を楽しむ気持ちで臨むことがオススメです。
その中から見つけたアンティークだとピエール・ジャンヌレのチャンディーガルチェアや、古さが極まった革のエイジングが個性的なソファベッドなどがありました。
他にもアパレルショップ向けの什器販売も行っていることから、キャビネットにラック、コートハンガーなどの洋服収納にまつわる商品や、ショーケースといったディスプレイ用品が充実していることも特徴です。
このジャンルにもしっかりアンティーク品が混じっているので、アンティークも洋服も好き、という方にはぴったりの品に出会えるかもしれませんよ。
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DWARF(ドワーフ)
目黒通りから離れ、恵比寿へと続く目黒三田通りに店を構える「DWARF」。オリジナルブランドの“MEISTER”のモダンなプロダクトに加えて、モダンヴィンテージの筆頭であるミッドセンチュリー期の家具を扱っています。
「日本から発進するモダンデザイン」をコンセプトとしているDWARFは、ミッドセンチュリー期の中でも特に優れたデザイナーの家具を中心に集めているようです。
アメリカンミッドセンチュリーの代表イームズチェアや、それを受けて制作されたデンマークのアルネ・ヤコブセンが手掛けたアントチェアと、その後継モデルで彼の代表作セブンチェア。
さらには同時期にアメリカで活躍したポール・マッコブという、知る人ぞ知るデザイナーの作品もあり、パーツユニットの組み合わせで姿かたちを変える家具「プランナーグループ」シリーズが面白いです。
このように有名デザイナーの有名家具という知れ渡った作品のみを扱うわけではなく、日本では知名度がさほど広まっていないヴィンテージのデザイナーズ家具の扱いもあり、新しい出会いにも期待できるのがこのショップの良いところ。
もちろん新しい出会いとは無縁なくらいミッドセンチュリー家具に詳しい方でも、実物が見られるという点では嬉しい品揃えですよね。
現代作家の手掛ける作品も揃っていて、これから長く残したいタイムレスなモダンデザインに触れられるショップです。
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Fusion Interios(フュージョン インテリアズ)
セオリー通りではなく、自由な発想でインテリアを楽しんでもらいたい想いで “Fusion(融合)“を店名に付けた「Fusion Interios」。
あえて年代やデザイナーにこだわらず、独自の感性で選び抜いたモダンな家具を提案するアンティークショップです。
ヴィンテージのモダン家具というとやはり外せないのは北欧家具。その中でも多く扱っているのはデンマーク産の家具のようです。
デンマークといえばハンス・ウェグナーの生まれ故郷ですね。ショップにも彼のデザインした家具が並んでいますよ。
ただ、単純にハンス・ウェグナー作品というものでもなく、椅子のファブリックの張替えをあえてオランダ製の生地にしたり、色も変えてみたりと、Fusion Interiosの自由さがここにも発見できます。
さらには名もないデザイナーが手掛けたアノニマスな家具も、良いと感じた物ならばお店に加える。平等な感性のもとで集められた素敵な家具を前にしては、無粋な色眼鏡を外さざるを得ません。
もちろんデンマークのみならず、オランダやアメリカ、イギリスなど他国の家具もそうと気づかないくらい自然に溶け込んでいて、感性に訴えるデザインは国を超えるんだと再認識させられます。
インテリアに対する固定観念を忘れさせる提案力は、訪れた人の発想も柔らかくしてくれるでしょう。
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TOKYO RECYCLE imption(トウキョウ リサイクル インプション)学芸大学店
都内に6店舗を展開する人気リサイクルショップ「TOKYO RECYCLE imption」の学芸大学店。1号館と2号館、2つのお店が向かい合わせに建っている珍しい形です。
リサイクルショップらしく特定のジャンルに捉われない幅広いラインナップの中には、unicoや無印良品といった日本人になじみの深いブランドも並んでいます。
ただ油断できないのは、そうした家具に混じってアーコールチェアやセブンチェアなど名作家具がポンと置かれているところ。
それにパントンチェアをはじめとしたヴェルナー・パントン作品やエーロサーリネンのチューリップチェアといったスペースエイジアイテムもある多彩さ。
しかも、市場価格よりだいぶ安いです!
多くの人に良い物を届けたい、そんな思いから価格をリーズナブルに抑えられるよう努力を重ねた賜物でしょうね。
照明や小物にも力を入れていて、こちらもTOKYO RECYCLE imptionらしく、照明はルイス・ポールセンからIDEEまで。小物はリサ・ラーソンの陶芸作品から古びた改札パンチまで。
訪れた人それぞれのニーズを自然と網羅してしまう商品が展開されています。
リサイクルショップという垣根の低さから、普段アンティークを遠巻きにしている人にも遠慮なくいいものに触れてもらえるお店になっています。
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Lloyd’s Antiques EGOIST(ロイズ・アンティークス エゴイスト)
30年以上の歴史をもつ老舗アンティークショップ「Lloyd’s Antiques」が全国で展開する10店舗の中でも最大規模200坪を誇るEGOIST店。
創業当時から力を入れていた英国アンティーク家具はショップの看板アイテム。
美しいマーケットリーや細かな彫刻を随所に盛り込む、高貴な美しさを追求した伝統的デザインは必見です。
しかしそこで専門性を高める道ではなく、様々なニーズをとらえるカルチャーミックスな商品展開を選んだことが現在のLloyd’s Antiquesを形作っています。
そんな多様なカルチャーで彩られた店内には、高級材マボガニーが使用された贅沢な英国アンティークや、モダンインテリアの基盤を作った英国や北欧のモダン家具、
パイン材の柔らかな風合いと素朴なデザインが魅力のカントリー家具がエリアを分けてディスプレイされています。
特に近年Lloyd’s Antiquesで力を入れているイタリアンコンテンポラリーには要注目!イタリアらしい軽妙なデザインが既存のモダン家具のイメージすら超える“最先端”の雰囲気を備えています。
インダストリアルデザインともまた違うスタイリッシュなデザインは、今までのモダンインテリアに新しい刺激を与えてくれそうです。
ちなみに、店舗の床にはイギリスの体育館で使われていた床材が再利用されているらしく、確かによく見れば黄色いコートラインを見つけたりして面白いですよ。
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ANTISTIC(アンティスティック)
ドイツとフランスを中心に集めたインダストリアルアイテムが目白押しの「ANTISTIC」。モルタル床とレンガ調の壁で作られたインダストリアル感たっぷりな空間の中で、金属製の照明や家具が一段と輝きを増しています。
この系統のインテリアが好きな方にはまさに理想を体現した内装ではないでしょうか?
木とアイアンの組み合わせが男前なチェアは、ワークチェア用につくられた機能的なデザインが多く、スタッキングが可能だったり、昇降が可能だったりと、こだわりのホームオフィスアイテムとしてもオススメです。
それとその魅力的なチェアを凌いで力を入れているのが照明類です。アルミや琺瑯といったシャープな素材に加えてシルエットもスマートなので、「武骨でかっこいい」よりも「スタイリッシュでかっこいい」を求めている人に向いている取り揃えになっています。
スタンドライトからペンダントライト、デスクライトまで、シーンに合わせて取り入れられるのが嬉しいです。
金属特有の鋭い雰囲気も経年によって多少角が取れて、無機質過ぎないインテリアを演出できますよ。
ツールボックスやストレージボックスなど収納に使えそうなインダストリアルアイテムも豊富なので、まとめて購入すればお部屋の雰囲気をガラッと変えられてしまいますね。
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NO NAME PARISH(ノー ネーム パリッシュ)
北欧家具の中でも特に種類が豊富なデンマーク産を中心に扱う「NO NAME PARISH」。先に紹介したLweisと同じく1960~1970年代の最も北欧家具の脂がのっていた時期の家具が並べられています。
フルメンテナンスによって本来の機能性を余すことなく発揮できるようにしたヴィンテージの北欧家具は、まさに機能美を名乗るにふさわしい仕上がりです。
特に当時「デニッシュモダン」というスタイルが確立されるほどに進化を遂げたデンマーク産の家具を中心としているようですね。
その頃のデンマーク家具と言えば、デザイナーに愛されたチーク材を使ったものが多いです。“木の宝石”とも呼ばれるほど美しい艶をたたえることが特徴のチーク材。生産過程の関係で、いまではアンティークやヴィンテージでないと滅多に本来の艶をお目にかかることはできません。
経年するごとに深まるこっくりとしたオレンジ色や、曲木のカーブや丸みを帯びた脚の曲面に浮かぶ艶が上品な家具がNO NAME PARISHで存分に楽しむことができます。
デニッシュモダンをけん引したハンス・ウェグナーをはじめ、フィン・ユールと彼に縁の深いアルネ・ヴォッターなどといった著名なデザイナーの作品を数多くそろえた非常に見応えのあるショップです。
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アンティーク雑貨
Subtonez(サブトーンズ)
国も時代、家具も雑貨も垣根なく、オーナーの心に響いた古いものをセレクトしたアンティークショップ「Subtonez」。
明確な目的をもって行く場所というより、ふらっと見に行って、ふと目についたものと縁を感じる。そういった思いがけない出会いが楽しい内容です。
お店に並ぶ古いものは種類も幅広く、手作りの味わいたっぷりなプレート類や、クラシカルなレース柄の白磁器、エイジングした金属の質感が渋いランプやワゴンなどが様々並べられています。
きれいなヴィンテージのガラス類は透明なものから茶色、緑色まで彩り豊かで、薬瓶にグラスと水差しといった様々な形でコレクションされています。
どれも実際に使用できるコンディションに整えられているので、例えば調理器具としても人気のホーロー製のバットも大小それぞれ購入して使うことができますよ。
用途不明な小物もたまに混じっていますが、それはそれで使用者のアイデア次第でどんなものにも化ける面白さがあります。ぜひどんな風に使おうか頭を悩ませてみてください。
現在は基本的に土日祝日の営業ですが、時折平日でも営業を行うことがあります。
Instagramでスケジュールを公開しているので、自分の予定と照らし合わせて足を運んでください。
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Coupe(クープ)
ありとあらゆる古い小物をちいさなお店に詰め込んだ「Coupe」。
使える使えないじゃなくて、そこにあるだけでちょっと面白い。そういう古い小物が好きな方におすすめなのがこのアンティークショップです。
所在不明な小物が入り混じる店内には、クラシカルな柄の手動式ジューサーや、つるっとしたファイバー素材と錆びた金具のコントラストが味わい深いトランクのように海外っぽいもの。珍しいアルミ製のうちわや、同じアルミ製の折りたたみ椅子。べこべこと側面がつぶれた茶入れなどの日本っぽいもの。いずれにしても、使わないだろうけど“なんかいいもの“が置いてあります。
食器類も割れ欠けてしまっている白のフラワープレートや、薄汚れたシンプルなラインの入ったプレートのように飾り物として趣深いものが揃っています。
ただそうした中に、まだまだ使えそうなARABIAの青いカップ&ソーサ―が肩を並べていたりするのが悩ましいところ。よくよく観察して自分の用途に合ったものを掘り当ててほしいです。
古い小物をキャビネットの上に並べることが好きな人、なにか空間に物足りなさを感じている古物好きの人は、とっておきの古いものを見つけることができるかもしれません。
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finestaRt(フィネスタルト)
フランスを中心にヨーロッパから届けられたアンティーク雑貨を扱う「finestaRt」。
アンティーク食器の中でも人気の高い白いお皿や、上品な草花が描かれたお皿にも心が惹かれますが、finestaRtではあえて他の物にも注目したいです。
例えば美しい釉薬の陶器。全体を綺麗な緑色にした緑釉のオーバル皿に、真っ青な水差し。
特に目を奪われるものが、釉薬の混じりあう滲み模様が印象的な陶器類です。この世にふたつとない模様は、アンティークの味わい深さも加わってかなり特別感を演出してくれます。
さらには金属類のアンティークも素敵なんです。例えば金属のボウルには、側面に立体的な動物の模様と細かな装飾が浮かんでいます。これらは鍛金(たんきん)と呼ばれる技法で、なんと金槌で金属を加工してつくっているのだそう。
他にも、19世紀に人気が再燃してつくられたピューター製のお皿はずっしりとした存在感があって、歴史を感じる一品です。
そうした存在感の強い雑貨の間に入って、涼やかなガラス瓶やガラスドームが軽やかな空気を連れてきているバランスの取れた雰囲気のショップです。
現在は予約制で店舗を開けているそうなので、気になった方はHPのメールかInstagramのDMで事前に連絡してくださいね。
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宮脇モダン
「宮脇モダン」の大きな窓からは、お皿やガラス瓶、遠目からはなにか分からない細かな古いものが並んでいます。
ショップのオーナーは10年間をパリで過ごしてアンティークやブロカントを身近にしてきたそうです。
日本人の感性とフランスの感性を併せ持ったオーナーが集めたフランスアンティークは、西洋のデザインを感じつつも普段の生活の中に置いておきやすい小物ばかりです。
普段使いしやすそうな白いお皿や、特別な時に使いたい繊細な柄のお皿、ひびや欠けが生じた経年の深みを感じるお皿は何か小物を飾っておくのにもいいですね。
注ぎ口や取っ手の形が微妙に違ったガラスの水差しや、不純物が混じって透明になりきれなかったガラス瓶、気泡がぷちぷちと入っているコップなど、いかにも手工業らしいつくりに愛くるしさを感じたり。
さらにはオーナーの趣味を垣間見るような、役には立たないけど面白いブロカントも楽しむことができますよ。
純銀の眼鏡フレームや、昔のコンパス、古びた洗濯板や、巡礼用の水筒、錆びたコルク抜きというような、見る人の想像力を試すような小物が並んでいます。
すでに役目を終えた古い道具からは、遠い異国での生活を少しだけ垣間見ることができて不思議な気持ちになります。
現在は土曜日のみの営業ですが、それ以外の曜日にも予約制で来店が可能です。予定に合わせてお店に行ってみてくださいね。
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おわりに
今回は東京目黒付近のアンティークショップについて紹介させていただきました。
たくさんの人が行き交うインテリア激戦区の目黒通りの中で、現行ブランドとは違った魅力で人を惹きつけていたり、メインストリートからは離れた場所でひっそりと営んでいたりと、それぞれのスタイルでアンティークの良さを発信するショップが集まるエリアでした。
アンティークとの垣根を感じにくい新旧混じったお店もあって、初心者でも気軽に楽しめるのがいいですね。
ぜひ目黒周辺でのアンティークショップ巡りの参考にしていただければと思います。