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ウォールナット

ウォールナット(Walnut)とは、クルミ科クルミ属落葉広葉樹で、主にヨーロッパや北米に分布しています。
柔らかな木目に対して材質は硬く耐久性に優れ、狂いが少なく加工がしやすいという高品質な木材で、チーク・マホガニーと並び「世界三大銘木」と呼ばれています。
その品質の良さから、ヨーロッパでは古くから高級家具や内装材、高級楽器などにも使われてきました。アメリカでは大統領の演説台や最高裁の家具にも使われています。
ウォールナットを日本語に訳すと「クルミ」ですが、木材としてのウォールナット材とクルミ材は別物です。ウォールナットが黒っぽい紫色や灰褐色なのに対して、クルミ材は「オニグルミ」という食用の胡桃が生る木が原木で、ナチュラルな肌色をしています。

ウォールナットの種類

ウォールナットは主にヨーロッパ全域に分布するヨーロピアンウォールナット、北米の寒い地域のみで採れるアメリカンウォールナットの2種類が流通しています。それぞれにどんな特徴があるのかご紹介していきます。

 ヨーロピアンウォールナット

ヨーロピアンウォールナットはヨーロッパ全域に分布し、中世の頃から位の高い人向けの高級感家具や内装材として使われていました。
そのためフランスやイギリスのアンティーク家具には、オークと共にヨーロピアンウォールナットもよく使われています。
木に粘りがあり、硬く曲木にも適していて加工がしやすい材で、アメリカンウォールナットに比べて色味が薄く優しい印象の木目が特徴です。その美しい木目を活かし、彫刻や寄木細工などにも使われていて、魅力的な木目を持つものはスライスして突板(※)としても使われています。
(※突板=無垢材を薄くスライスしして心材となる板に貼り付けたもの)
現在はヨーロピアンウォールナットは希少となり、下で紹介するアメリカンウォールナットがウォールナット材の主流となっています。

アメリカンウォールナット

現在流通しているウォールナットは、ほとんどが北米産のアメリカンウォールナットです。黒っぽい色をしていることから、アメリカンブラックウォールナットとも呼ばれています。
木が真っ直ぐ成長するので木目が均一で、丸太で見るとの外側は薄いクリーム色、内側はチョコレート色となっていて、色のコントラストが楽しめます。
美しい木目の高級感が漂う見た目に加え、耐久性が高く耐衝撃にも強い、反りや割れが発生しにいなど加工にも最適な木材として、高級家具や床材、ライフル銃の銃床などにも使われています。
ただし乱伐を防ぐために取引が制限されていて、一枚でテーブルの天板になるような幅の広いウォールナットは入手が困難で、価格が高騰しています。

ウォールナットの魅力

高級感のある色味と木目

ウォールナットの一番の魅力は何と言っても他の材とは一線を画す色味です。
チョコレートのような深い紫色や灰褐色で、使うごとに深みを増していきます。ウォールナットで作られた家具や楽器などはこの深い色味によってより格式高い印象になっています。
ただし、ウォールナットは紫外線に弱く、日が当たる場所に置いておくと色が薄くなってしまいます。深い色を楽しみたいなら、家具などは日のあまり当たらない場所で使うのがおすすめです。
また、ウォールナットは寒い地域に分布するので、木の成長が遅く木目が詰まっていて滑らか。適度に油分も含んでいるので、艶もあり他の広葉樹よりも繊細で上品な印象を与えてくれます。

加工性の高さ

ウォールナットは割れにくく気温や湿度の変化にも影響されにくい材です。そのため材に反りやねじれが起きにくく、精密さを必要とする加工にも向いています。
程よい硬さと粘りもあり、木材を蒸気で蒸してぐにゃりと曲げる曲木加工や彫刻など、様々な加工に向いています。
その加工性の高さから家具だけでなく、古くからピアノやハープ、バイオリンなどの楽器や飛行機のプロペラなどにも使われていました。

滑らかな手触り

ウォールナットは、無垢材のままでも木目のきめが細かく、手触りが滑らかでしっとりとしている質感です。
加工するとより艶が増して、見た目だけでなく手触りからも高級感が感じられます。その質感の良さを存分に楽しめる一枚板の天板のテーブルは、高価でありながらも非常に人気です。

ウォールナットで作られた家具のご紹介

ウォールナットを使ったアンティーク家具

ウォールナットはヨーロッパでは中世の頃から家具などの調度品の材料として使われ、ウォールナットの家具を持つことが「富の象徴」とされていました。
フランスやイギリスアンティーク家具では、曲木や彫刻、象嵌細工など技巧を凝らしたラグジュアリーな高級感漂うウォールナットを見ることができます。また、アンティーク家具の中には「バーズアイ」と呼ばれる鳥の目の杢目が現れた部分を突板に加工した材も使われていて、ウォールナットの違う表情を楽しむことができます。

ウォールナットを使ったヴィンテージ家具

ヴィンテージと呼ばれる1950年代から1980年代頃にもウォールナット材を使った家具が多く作られています。
アンティーク家具の雰囲気とはガラリと変わり、一変してシンプルでスタイリッシュなデザインになりますが、シンプルだからこそウォールナットの質感がダイレクトに伝わるところがヴィンテージ家具の魅力です。
この頃は第二次世界大戦後の世界的物資不足によって木材の輸入が制限されていたこともあり、高級木材のウォールナットにおいても、突板が主流となって家具に使われています。しかしごく稀に、無垢材のウォールナットを贅沢に使ったハイエンド(最高級)モデルに出会えることがあります。

⇒ラフジュ工房のヴィンテージ家具はこちら

ウォールナットを使った現代のブランド家具やデザイナーズ家具

ウォールナットは銘木が故にブランド家具やデザイナーズ家具にも使われています。どちらにも共通しているのは、どれもウォールナットの魅力を最大限に引き出したデザインになっているということ。かの有名なジョージナカシマやハンス・J・ウェグナーのようなデザイナー達も、ウォールナットでなければ表現できないアートとも言える家具を多数世に送り出しています。
近年のウォールナットを使った家具の流行は、無垢材のウォールナットをアイアンと組み合わせたデザインです。異素材と組み合わせることで、よりウォールナットの美しさが際立ち、スタイリッシュかつラグジュアリーな雰囲気が人気となっています。

⇒ラフジュ工房のハンス・J・ウェグナーの家具はこちら
⇒ラフジュ工房のジョージナカシマの家具はこちら

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