スタッキングブックケースとは、1段ごとに分かれたブックケースを積み重ねて使える本棚のことです。1段ごとに分かれているため、本を入れたままでも持ち運びがしやすく、模様替えや必要に応じてレイアウトしやすい特徴があります。
スタッキングブックケースの特徴
スタッキングブックケースの特徴は、1段ごとに分かれていることです。それ以外にも、ケースにガラス製の扉が付いているデザインがほとんどを占めるのも特徴的。これは、持ち運ぶ際に中身が崩れて出てこないようにするための工夫です。また、ガラス扉には装飾性があるものも少なくなく、華やかさを添えてくれます。数段を重ねると、立派なブックケースに早変わり。臨機応変に移動ができるのが何よりの魅力ですね。
スタッキングブックケースの種類
オープンラックタイプのスタッキングブックケース
スタッキングブックケースとしては珍しい扉の無いデザインです。海外製は少なく、日本の山葉(現ヤマハ)が作った製品がほとんどです。
扉が無いので多少奥行きのあるものも収納しやすいのがポイント。ブックケースとしてだけではなく、飾り棚としても活躍します。
フラップ式スタッキングブックケース
全面の扉がフラップ式になったスタッキングブックケースです。フラップ扉は開いたときに格納できる仕組みになっています。スタッキングブックケースの中で大半を占めるデザインです。中身が良く見え、ものが取り出しやすい特徴があります。
両開き式スタッキングブックケース
観音開きの扉が付いたスタッキングブックケースです。片側ずつ開くことができるので、必要なものをサッと取り出しやすいのが魅力です。
引き戸式のスタッキングブックケース
めずらしい引き戸式のスタッキングブックケースです。移動する際に鍵を掛けなくても中身が崩れ出しにくいのが嬉しいですね。日本製のものやイギリスビンテージ品に度々みられるデザインです。
ライティングビューロー付きスタッキングブックケース
スタッキングブックケースの下部にライティングビューローを備えたタイプ。本を収納するだけではなく、ちょっとしたデスク作業ができるのがポイントです。また、引き出しも備えているので、書物以外の収納にもぴったりですよ。
「ライティングビューロー」について、以下でも解説しています。こちらもぜひご覧ください。
スタッキングブックケースの歴史
スタッキングブックケースはその名の通り積み重ねて使える本棚です。
そもそも本棚は、図書館など壁に作り付けたものが始まりでした。これは一般の人が貴重な本を持つことができなかった背景があります。書物は教会や大学、宮殿などで共有していたため、本棚を移動するということが無かったのです。それが17世紀頃になると、本が流通するようになり個人でも本を持つようになります。そこで小ぶりな本棚が作られ始めました。
18世紀に入るとガラスの扉が付いたブックケースも作られるようになり、オフィスの本棚として小回りの利く分解・扉付きに移動が可能なスタッキングブックケースが誕生しました。1段ずつ分けられるため、中身を出さずとも移動しやすいのがオフィスには最適でした。比較的シンプルなデザインなのも、事務用家具ならでは。それでいて、ガラス戸にステンドグラス風のデザインを用いたり、当時の美意識を感じるデザインのものも魅力的です。