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サイドバイサイドとは


サイドバイサイドとは、ライティングビューローとブックケースが一体化した多機能家具のことです。ライティングビューローとはチェストやキャビネットのような収納スペースが備わったデスクのことですが、その両サイドに1つずつブックケースが配置されていることから「サイドバイサイド」と呼ばれるようになりました。アンティーク家具の中では比較的歴史の浅いアイテムといえますが、デスク・収納スペース・ブックケースと3つの機能を併せ持つ利便性の高い家具として様々なシーンで活躍してきました。

「ライティングビューロー」について、以下でも解説しています。こちらもぜひご覧ください。

⇒RAFUJU MAG 辞典「ライティングビューローとは」のページはこちら

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サイドバイサイドの特徴

多機能で省スペースにも◎

本来別々の家具として存在するデスク・収納スペース・ブックケースが一つの家具にまとまった画期的な造りに大きな特徴を持ち、機能性も実用性も抜群です。多機能家具なので書斎やリビングなど様々な場で活用できる上、機能が集約されているので省スペースでの使用も可能となります。

木目とデザインの美しさ

素材にはよくオーク材やウォルナット材などが使用されており、高級感漂う美しい木目を堪能することができます。

ブックケースの扉は主にガラス製でできており、空間をパッと輝かせるその佇まいからは開放感や高級感が漂います。至る所に施された細やかな彫り装飾や凝った意匠もまた、家具全体のデザイン性を引き立てています。

サイドバイサイドの種類

デザインの種類

ライティングビューローの両側にブックケースを配置するという基本的な造りには統一性がありますが、大きさやデザインの種類は実に様々です。例えばイギリスのクラシカルな重厚感が味わえる「ヴィクトリアン様式」、曲線的で自然をモチーフとしたデザインの「アール・ヌーヴォー様式」、直線と幾何学模様を組み合わせたデザインの「アール・デコ様式」など、製造国や様式によって多彩な表情を見ることができます。

中には、上部に鏡を取り付けてドレッシングチェストのように使用できるものや、デスク下にスペースを設けて椅子を収納できるようにしたものなど、機能性をさらに高めたデザインもあります。

スタイルの種類

またライティングビューローの片側だけにブックケースを設置したスタイルもあり、こちらも同様に「サイドバイサイド」という名称で呼ばれることがあります。

サイドバイサイドの歴史

サイドバイサイドの原型であるライティングビューローは17世紀のイギリスで誕生しました。その後産業革命による人口増加などで十分に確保できなくなった住居スペースを有効活用しようと、19世紀末〜20世紀初頭にサイドバイサイドが開発され、製造が始まります。そうした経緯から、貴族や富裕層ではなく中流階級向けの家具として人気を得ていったようです。この時代はちょうどヴィクトリアン様式とアール・ヌーヴォー様式が交差する頃で、それぞれの様式を反映した様々なデザインのサイドバイサイドが生まれました。美しい装飾が施されたサイドバイサイドは、単なる家具ではなく文化的な象徴とも捉えられ、人々の生活に豊かをもたらしました。
当時のサイドバイサイドは、現在のアンティーク市場ではあまり見かけない貴重な人気アイテムとなっていますが、その造りは現代のホームオフィス家具の初期モデルとして大きな影響を与えました。

ビューローブックケースとの違い

ビューローブックケースは、サイドバイサイドと同様にライティングビューローとブックケースが一体化した家具ですが、ビューローブックケースの場合はライティングビューローの上部にブックケースが備え付けられているため構造が異なります。

現代での使われ方

マルチ機能と美しい見た目を持つサイドバイサイドは、書斎用の家具としてはもちろんのこと、コレクションのショーケース・バーキャビネット・バスルームキャビネットなどアイディア次第で多彩な活用法が楽しめます。日本と同じ島国であるイギリスで生まれた家具なので、スペースに限りのある日本の住宅事情にもぴったりマッチして、心地よい生活空間を演出してくれるでしょう。

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