ケビントとは、ドイツ語でキャビネットのことを指し、日本では医療用の棚をケビントと呼んでいます。3面、もしくは4面をガラスで囲った収納棚であることが多く、現在はインテリアアイテムとして人気があります。
ケビントの特徴
日本では薬や医療機器を収納する医療用キャビネットとして活躍してきたケビント。そのデザインは大きく2種類に分かれます。一つは前述したようなガラス張りの収納棚、もう一つは戸棚だけではなく引き出しや作業台もついたデザインのものです。
ガラス張りのケビントは光を通し内部が良く見えることから、現在はコレクションケースとしても人気があり、部屋に置いたときに圧迫感が少ないのが魅力です。
一方の機能性の高いデザインのものは、収納力だけでなく作業スペースもあることから、あれこれ片づけておきたいダイニングやキッチンの収納としても活躍してくれることでしょう。
古き良き医療用キャビネットは、現在のインテリアに置いても意外なほど活躍の場があります。
ケビントの種類
3面ガラス張りのケビント
光を良く遠し清潔感のある3面ガラス張りのケビントは、見せる収納としてインテリアにマッチします。背面は板張りなので、壁際に寄せて使うのも良いですね。お気に入りのアイテムをディスプレイして見せる収納として活躍しますよ。
4面ガラス張りのケビント
全ての面がガラス張りになっているケビントです。透明感があり軽やかな印象で、どこに置いても圧迫感が少ないのがポイント。部屋の間仕切りにしても、明るさをキープしてくれます。収納したものもガラスを通してキラキラと美しく映えます。
鉄製のケビント
金属製のケビントです。木製のケビントとは異なり、インダストリアルな印象が特徴的。より医療用キャビネットの雰囲気を味わえます。ミッドセンチュリー調のインテリアや男前スタイルにマッチするケビントです。
デンタルキャビネット
収納棚だけではなく、細かな引き出しや作業台を兼ねたケビントです。歯科医院で使うために作られたケビントであり、細かい医療機器を整理するために収納が多いのが特徴的。当時は作業スペースを使って医療機器の準備をしたり調薬をしていたのかもしれませんね。現在は多彩な収納を活かして便利に使えるキャビネットとして重宝します。
ケビントの歴史
ケビントの始まりは19世紀頃とされています。ドイツ語でキャビネットを意味する言葉が、日本に入ってくる際に訛って「ケビント」と変化して呼ばれるようになりました。
ガラス張りである理由は、収納した包帯や薬剤の残量・状態を一目で確認できるためであり、機能的な意味がありました。また、細かな引き出しには医療機器を使いやすく整理してしまえる特徴があり、医療用キャビネットとして充実した収納家具だったことが伺えます。