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コンソールテーブルとは

コンソールテーブルとは、壁面の装飾や飾り棚に用いられる奥行きの狭いテーブルです。17世紀頃からイタリアで流行が始まり、豪華絢爛なものからシンプルでモダンなものまで様々なデザインがあります。

●「コンソール」とは?

ブラケット(棚受け)を意味するフランス語で、フランスでは「コンソール」だけでも「テーブル」という意味で使われています。主に花瓶や絵画などを飾るディスプレイ用の家具を指し、奥行きが狭く、壁につけて使う造りが特徴です。ヨーロッパでは古くから玄関や廊下、リビングを彩る飾り棚として親しまれています。

コンソールテーブルの特徴

通常のテーブルと同じ形状で、3脚や4脚式等で自立するものが主な形状です。壁に付けて置き、飾り棚やサイドテーブル的な目的のため小振りなものが多いのが特徴です。
天板の形やデザインの様式は様々で、クラシカルなものからモダンなものまで幅広いデザインが見られます。


中には引き出しのついたものや、「壁に背面をくっつける」ことを利用して1脚や2脚式等で壁へ固定するものもあります。引き出し付きのものは簡易的なデスクとして活用するケースもあるようです。

コンソールテーブルの歴史と国別デザイン

17世紀頃からバロック運動の発祥地イタリアで、教会や権力者の権威を演出するための豪華な内装と、金箔を施した家具の流行から、金色のコンソールテーブルと鏡を組み合わせたコーディネートが考案され、人気となります。これらは窓間に設置された際に、光を反射して部屋を明るくする効果がありました。

フランスのコンソールテーブル

部屋の装飾品として、権威を示す家具とされたコンソールテーブルは、ことさら豪華な装飾へと変化していきました。
独自の家具様式がなかったフランスでは、17世紀半ばにイタリアやフランドル(オランダ・ベルギー)から装飾家を招き、豪華なバロック家具を製作します。やがて、その技術や経験は、王権と国威を示すために始められたベルサイユ宮殿の改築に付随する王立家具製作所に結集されることになります。
そしてついに、独自のコンソールテーブルを駆使した「鏡の間」等の誕生によって、フランス・バロック様式の確立に成功しました。以降、家具や美術の主流はフランスへ移り、ヨーロッパ各国に大きな影響を与えるようになります。

ロココ調コンソールテーブル

18世紀になるとフランスではサロン文化が盛んになり、家具の小型化や簡略化が進むようになりました。コンソールテーブルもその影響を受けた家具の一つでした。ルイ15世様式、すなわちロココ様式と呼ばれる時代の到来です。


現代ではロココ調家具を扱うブランドでも作られています。

ロココ様式について詳しくはこちらの記事でご紹介しています。

ロココ調」のRAFUJU MAG 辞典ページはこちら

イギリスのコンソールテーブル

イギリスでもサロン文化と共にコンソールテーブルが流行し、18世紀初期には建築家ウィリアム・ケントがイタリア・バロック風の重厚で巨大なコンソールテーブルををデザインします。
中産階級では姿見と対になった玄関用のコンソールテーブルが流行し、18世紀半ばには家具師チッペンデールが波形をした曲線による天板を使ったロココ風作品を製作しました。また、フランス宮廷文化を導入して宮殿等を整えた、ドイツやオーストリア、スペイン、ロシア等でも流行が始まります。

チッペンデール様式について詳しくはこちらの記事でご紹介しています。

チッペンデール様式」のRAFUJU MAG 辞典ページはこちら

18世紀のコンソールテーブル

18世紀後半になると、フランスでは直線的なネオクラシズム様式の流行を受けたルイ16世様式が盛んに作られるようになります。コンソールテーブルも直線的デザインや円柱脚を用いた合理的で洗練されたものとなり、周辺各国に影響を与えていきました。19世紀に入ってもネオクラシズム様式の影響はしばらく続き、その後は折衷主義や復古様式等によって多様化が進みます。

現代のコンソールテーブル

20世紀以降は、鏡とは独立した純粋な飾り棚として、様々な形や素材のものが作られ、広く使われるようになりました。近代以降は一般用に小型化・簡素化されたものも現れ、気軽で便利な飾り棚としても使われるようになりました。
リビングでちょっとしたものを飾ったり、玄関で鏡を置いて身だしなみチェック用の場所にしたり、カジュアルに活躍しています。

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