アンティークスツールはその小ぶりなサイズ感から、気軽に取り入れられるアンティーク家具のひとつでもあります。アンティーク家具の中ではひと際、ネットショッピングでも挑戦しやすいアイテムかもしれませんね。
けれどアンティークのスツールは仮にも身を預ける家具。快適に使えるかもしっかりチェックした上で購入したいものです。
そこで今回のRAFUJU MAGでは通販などで購入する際もぜひ押さえておきたい、アンティークスツールを選ぶ時のポイントをご紹介したいと思います。
使うほどに愛着が増す、そんなスツールを手に入れるために実店舗で買う際もネットで買う際も、ぜひチェックしてみてくださいね。
目次
メンテナンスされているものを選ぼう
アンティークのスツールはシンプルな構造だからこそ、強度も大切にしたいもの。何かの拍子に壊れたりしないように、必ずメンテナンスをしているお店で購入することをおすすめします。
ただし「修理してある」と言ってもその程度にはお店によって差があります。そこで自分でチェックすればより安心して購入・使用ができる5つのポイントを、座面から脚先まで順に紹介していきます。順番に確認して不備がある場合は手を加えてもらえるかお店に聞いてみたり、購入を見送ることをおすすめします。
なお通販で買うという場合も、商品写真や文章では分からない箇所については新たに写真を送ってもらえないか、あるいは個別に確認してもらえないかなど、お店に問い合わせてみましょう。応じてくれる店舗は、その後の対応も丁寧だと期待が持てますよ。
オリジナル座面はクッションのへたりを確認
クッション付きのアンティークスツールの場合、座り心地を左右するクッションの使用感は大切なポイントですよね。座面には当時のオリジナルのままのものと、新しく張りかえられたものの2種類があると思います。オリジナルの座面は独特の味わいがあって魅力的なのですが、新しく座面が張りかえられたものと違い、傷みやへたりがあって座り心地がイマイチな場合も。そんなことがないように、座面のコンディションはしっかりと確認しておきたいところです。
それでは座面のへたりや傷みはどうやってチェックすればいいのか、確認手順を順に見ていきましょう。
・クッションを眺めてみる
クッションを見てすぐ、へたり具合が確認できることもあります。この時見るポイントはクッションが変形していないかどうか。クッションがへこんだり、座面の枠から押しつぶされるように広がってはみ出していたら、クッションがへたっている可能性が高いです。
・実際に座るか触る
クッションのへたりは先ほどご紹介したように目で見てすぐ分かる場合もありますが、外からは判断できない場合も。
そんな時に使える簡単な確認法が、クッションに実際に座るか触るかして座面の弾力を確認することです。「あまり反発しないな」と感じたら、クッションがへたっているかもしれません。
・座面の裏を確認
クッションは基本的にスポンジとそれを支えるスプリングやウェビングテープ(※)で構成されています。スツールを裏返して座面裏を見ると、画像のスツールでは布張りになって隠れてしまっていますが、スポンジの下にあるスプリングやウェビングテープが見える構造になっている場合があります。目で見てこれらのパーツが傷んでいる場合は耐久性に問題があると考えられます。
- ※ウェビングテープとは、ソファや椅子の座面や背もたれなどのフレームに格子状に張る、帯状のゴムベルトのこと。弾力があるのでクッション部分でスポンジの支えとして使われます。
木製タイプはささくれや釘が出ていないか確認
木製のアンティークスツールの場合に確認しておきたいのが、釘やささくれが出ていないかです。釘は基本的には木部同士の接合部分に使われているのですが、アンティークスツールの中には思いがけないところから釘の先が顔をのぞかせているものも見受けられます。怪我をしたり服をひっかけては大変です。ぜひ念入りに確認しておきましょう。
アイアン部分は錆の付き具合を確認
アイアンが使われたアンティークスツールでチェックしておきたいのが、どれくらい錆が付いているのか。場合によっては服などに錆の色味が付いてしまうこともあるからです。試しに布で拭いて色の付き具合を見たりして、あらかじめ確認しておくと安心です。
錆びたシャビーなアイアンを使っていても表面がコーティングされて扱いやすく手を加えてあるものもあります。汚れが気になる方はこちらのタイプの購入を検討するといいかもしれませんね。
木製の脚は脚先の傷みをチェック
木製の脚を使ったアンティークスツールで特に確認しておきたいのが脚先。実はこの部分が最も虫食い・腐れ・欠けが生じやすいのです。
虫食いは穴が開いているかどうかで判断できるので、目視でも確認できます。その他の傷みに関しては目で見てそれでも分からない場合は、お店の方に断って軽く指先で触ってみるといいです。傷んでいれば触った部分の木が、ボロボロ崩れるように落ちてくるはずです。
がたつき・ぐらつきが無いか
スツールが不安定だと落ち着いて座わることができませんよね。スツールの安定性を確認する代表的な方法が実際に座ること、そして揺らしてみることです。
脚が床から1本浮いてしまっている「がたつき」の状態はフェルトキーパー(※)などを敷けば快適に使えるよう簡単に調整することができます。けれど脚が全て床に付いているにも関わらず横揺れする「ぐらつき」状態の場合は、大掛かりな組み直しが必要なので注意が必要ですよ。
- ※フェルトキーパーとは家具の脚先に付けるフェルトでできた保護材のことです。フェルトキーパーの取り付け方など詳しい説明は、記事の最後に付録として記載しています。気になる方はチェックしてみてくださいね。
ハイスツールなら貫に足が置けるか確認
高さがあるハイスツールを購入する時に必ず確認しておきたいのが、貫がどこに付いているか。ハイスツールの場合、貫は足置きにも使える大切なパーツです。自分の足が無理なく置ける高さかどうか確認した上で購入すれば、座ったり立ったりする動作の切り替えの際にもスムーズに動くことができますよ。
では自分に合った貫の付き位置はどこか、それを決めるには通常の椅子の座面の高さが参考になるかもしれません。快適な座面の高さは身長の1/4くらいと言われています。ひとつの目安にしてみてくださいね。
高さは用途に応じて決める
アンティークスツールをテーブルなどと合わせて使う場合、どれくらいの高さのものを選べばいいかちょっと悩みますよね。代表的なテーブル類の天板と座面までの、理想の距離感をまとめてみました。この値を参考に、最適なスツールの高さを割り出してみてくださいね。
- ダイニングテーブル:25~30cm
- キッチンカウンター:25~30cm
- デスク :20~25cm
なおアンティークスツールのサイズ感は作られた国によって少し異なる傾向があります。これは作られた当時の日本人とヨーロッパ人の体格差によるもので、ヨーロッパのスツールの方が高さが高い、また座面幅が広いなど全体的にサイズが大きい傾向にあります。小柄な方は日本製のアンティークスツールが、背の高い方はヨーロッパ製のアンティークスツールの方が使い勝手がいいかもしれません。
気に入ったスツールが高すぎるという場合も、ショップによっては脚をカットしてくれることもあります。気になった方はお店に確認してみるといいですよ。
【スツールの脚カットはどこにお願いすればいいの?】
アンティークスツールの脚をカットしてくれるお店を一から探すのは、ちょっと手間かもしれませんね。RAFUJU MAGを運営しているラフジュ工房でもアンティークスツールの脚カットを承っております。
当店で購入したか、他店で購入したかは問いません。気になる方はぜひお問合せください。
お問い合わせフォームはこちら
座って試す場合は靴を脱いで
ショップで実際に気になるアンティークスツールを見つけたら、試しに座ってみるかと思います。この時おすすめなのが「靴を脱いで試す」ということ。家で実際に使うのと近い感覚を体験するためです。またスツールは背もたれが無い分、脚の感覚がとても重要になってきます。外出先だからめんどうとは思わず、ぜひ靴を脱ぐひと手間をかけてみてくださいね。
踏み台として使うなら、慎重に選び慎重に使う
アンティークのスツールを踏み台にも使いたい、という方は少なくないかと思います。けれど座るためにデザインされ作られたスツールを踏み台として活用することは、あまりおすすめできません。座った状態で掛かる体重には耐えられても全体重を掛けることは想定されておらず、上に乗ると壊れてしまう可能性があるからです。
踏み台として使いたいのであれば、踏み台としての使用を前提に作られたステップスツールのようなアイテムを選ぶとやはり安心です。
もちろん踏み台としても使えるよう配慮されたスツールも、安全を確認しながら丁寧に扱うようにしてくださいね。
最後に
アンティークスツールの選び方をご紹介してきましたが、いかがでしたか。価格面でもスペース面でも購入へのハードルが低いアンティークのスツール。「なんとなくの感覚で選んでしまおう。」という気持ちになりがちですが、ご紹介したポイントを参考に、ぜひ実用面でも満足できるひと品を探してみてください。
アンティークスツールは移動させやすく、使い道も多様で何かと便利な家具。しっかり実用性にこだわって選べば、使い勝手のいい家具として末永く活躍してくれますよ。
付録:フェルトキーパーの付け方
アンティークのスツールに、購入店によってはおまけで付けてくれるフェルトキーパー。スツールのがたつきを解消してくれるだけでなく、スツールとフローリング両方が傷付くのを防いでくれます。もしお店がサービスしてくれなくても、自分で取り付けておくとより快適に使うことができますよ。
フェルトキーパーにはシールタイプと、かなづちで打ち付けるタイプの2種類があります。どちらも女性でも楽に取り付け可能です。どちらを選ぶかはお好みですが、シールタイプの方が手軽、そしてかなづちタイプの方が取れにくいというメリットがあります。
自宅使いはシールタイプを、スツールがハードに扱われる店舗使いはかなづちタイプを使うといいかもしれませんね。
フェルトキーパーを取り付ける際にはちょっとしたコツがあります。それは脚先に対してぴったりかやや小さめの大きさのものを選んで取り付けるということ。脚先からフェルトがはみ出さないことで、ほこりがたまりにくくなり掃除がぐっと楽になりますよ。
フェルトキーパーの寿命はおよそ2年から3年と言われています。フェルトがすり減ってきたら新しいものと交換してあげてくださいね。
【でもやっぱりネットショップでは品質が心配?】
いくらメンテナンスをしていると歌っていても、実物が見られないネットショップでアンティーク家具を買うには勇気が必要だと思います。ラフジュ工房ではそんな気持ちがよく分かるからこそ、安心して買える品質や、安心して質問できる環境作りなど高い基準のサービスに挑戦し続けています。
ラフジュならではのハイクオリティーの秘密、よかったらのぞいてみてくださいね。