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ラフジュ店長が疑問にお答え!「桐箪笥・婚礼家具のリメイクって実際どうなの?」

こんにちは。ラフジュ工房店長の岩間守です。

すでにご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、ラフジュ工房ではこの度、「思い出の家具 リメイク・修理サービス」を開始しました!

このサービスは、私がずっと実現したかったもののひとつです。
ようやくサービスとして形にして、皆さんにお届けできる日がやってきました。

でも、
「本当にボロボロの古い家具がよみがえるの?」
「ちゃんと使えるの?」
「もしかしたら騙されているんじゃないか…」
「お金だけ取られたりしない…?」
“思い出の家具のリメイク”と聞いて、初めはこんなふうに不安に思ったり、あるいは家族や友人から「怪しいんじゃない?」なんて言われた…という方も多いと思うんです。
自分が持っている家具や建具をリメイクしてもらうサービスというのは、まだ世の中ではあまり見かけない新しいサービスですよね。
だからこそ、「怪しい」「不安」と思う方が多くてもそれは当然のことです。

そこで今回は、
思い出の家具や建具をリメイクしたいと思っているけれど、なんとなく不安…。
本当に信用して大丈夫かな…。やっぱり止めておいたほうがいいかな…。
そんなふうに迷っている方へ向けて、
家具・建具リメイクの本当のところをお伝えしようと思います。

記事に目を通していただき、家具や建具のリメイクについてじっくりと検討していただければと思います。

なぜ「思い出家具のリメイク」を始めたのか。店長の私が後悔していること

この「思い出の家具 リメイク・修理サービス」をやりたい、やろうと思ったきっかけの原点に、私の母とのエピソードがあります。
はじめは実家で細々と始めた古家具の修理が次第に本格的な事業となり、会社の規模の拡大に伴って、思い切って実家を改装し事務所兼両親の自宅としたのが2016~2017年頃のこと。
そのとき、実家にあった不要な家具を処分したのですが、その中に母が使っていた婚礼家具もありました。

母の母(私の祖母)が買ってくれたというその婚礼家具。正直、プロの家具屋から言わせてもらえば、安っぽい家具なんです。だから当時の私は「そんな古い家具捨てなよ」と言って捨てさせました。
母は捨てるのを相当渋っていましたね。「まだ使えるし…」「ずっとこれを使ってきたからねぇ…」など、色々と小さくつぶやいていましたが、愚かな私は聞く耳を持たず。
本当に最低ですよね…。でも当時の自分は、そこに母と祖母、そして家族の思い出が詰まっていることに気付かなかった。それどころか、もっと上質な民芸箪笥を母に買って、親孝行をしたとさえ思っていたのです。

今の私だったら、母の婚礼家具をリメイクしてさらに思い出をプラスしてプレゼントできたのに…。とてもとても後悔していますし、このことを思い出す度に、手放してしまった家具はもう二度と戻らないんだ、ということも痛感します。

皆さんもどうか、思い出の家具を手放す前には慎重になってください。

なぜ「思い出家具のリメイク」を始めたのか。思い出の家具を持て余している人は意外と多い

母の婚礼家具を処分してしまった後、いつそれが大失敗だったと気づいたかというと、それは、古い桐箪笥や婚礼家具を買い取ってほしいと連絡してくる多くのお客様とのやりとりの中ででした。

アンティークの仕事をしていると、一般のお宅から古くなって使わなくなった家具を買取させてもらい、修理して再販するということもよくあります。
その買取依頼の連絡の中で群を抜いて多いのが、桐箪笥婚礼家具の買取依頼なんです。それだけ皆さん持て余してしまっているということなんですね。

でも、実際に桐箪笥・婚礼家具の買取依頼の連絡をしたことがある方ならお分かりだと思うのですが、これらは本当に買い取ってもらえません!
どこの業者に連絡しても、「桐箪笥は値段が付けられない」「うちは桐箪笥は買取してないんです」などと言われてしまいます。皆さんはそんな経験ありませんか?

なぜ桐箪笥・婚礼家具は買取してもらえないのかというと、

理由その① 現代における桐箪笥・婚礼家具の需要がない

理由その② 大型の桐箪笥・婚礼家具は運び出しに手間がかかるので買取業者も避けがち

簡単に言えばこの2点が大きな要因です。

今は着物を着る人も少ないですし、家には備え付けのクローゼットがあったり、あるいはもっと洋風なデザインのチェストを使っているなど、様々な理由で桐箪笥・婚礼家具の需要は少なくなる一方…。
そんな需要のない大型家具をお金を払って買い、労力をかけて運び出してくれる業者がどれだけあるでしょうか…。

正直、ラフジュ工房でも桐箪笥・婚礼家具単体でのお買取りは難しいです。
他にも骨董品や美術品、工芸品などがたくさんあれば、桐箪笥・婚礼家具もまとめてのお買取りは可能なのですが、どうしても1点だけとなると、採算が合わなくなってしまうので…。

桐箪笥・婚礼家具の買取依頼のご連絡をくださったお客様には、その都度このようにお話させていただくんですが、そのときの皆さんの悲しそうな表情が忘れられません。

「やっぱりダメなのね…。捨てるのは嫌でもう何件も連絡したけど、みんなどこも同じで買い取ってもらえないのよ…」とか、
「私はもう歳だからこんな大きな家具は使えないけど、箪笥自体はまだ使える良いものだから、誰かに使ってもらえたらって思うんだけどねぇ」とか、
「思い出のある家具だからどうしても捨てられなくて。でも他の人に使ってもらえるならそれがいいかなって思ったんですけど…」とか、
そうした言葉の数々を聞く中で、ある時ふと、もしかしてあの時の母も同じ気持ちだったのではと気づいたんです。

「どうしても捨てられない」
「まだ使える」
「思い出がたくさん詰まっている…」

そしていつしか、そうしたお客様たちの声をどうにか解決したいと思うようになりました。

なぜリメイクなのか

「どうしても捨てられない」
「まだ使える」
「思い出がたくさん詰まっている…」

そんなお客様の声と向き合う中で気づいたのが、みんな(お客様も私もそして業界全体も!)家で持て余している桐箪笥や婚礼家具を、「捨てる」か「売る」かの2択で考えていたということ。

でも皆さんの本音を想像してみると、「捨てる」とか「売る」とか”手放したい”ということではなくて、本当は思い出の詰まった家具を自分の手元で使い続けていきたいけれど、古すぎて使えないとか、インテリアに合わないとか、サイズや作りが不便だとか、そういう理由でどうしようかなと困っている。そして結果的に、渋々手放すことを考えているというのが本質なんだと気づいたんです。

皆さんもそうではないですか?

もちろん、買取依頼で連絡してくるお客様は「買い取ってほしい」と連絡してきます。手放す前提で連絡してくる。でもそれは、システムがそうなっているから。用意されている選択肢が「捨てる」か「売る」かしかないからなんです。

そこで、これまでラフジュ工房でやってきたアンティーク家具の修理・リメイクの技術と経験を活かして、「思い出の家具のリメイク・修理」という新たな選択肢を提示したらどうだろう?とひらめきました。

そうすれば、新たな需要がなくて再販が難しい桐箪笥・婚礼家具も救うことができる。
そもそも、買取依頼に出す必要がなくなります。
代わりにリメイク依頼をして、自分の今の生活に合ったサイズ・デザインに作り替えることで、大切な思い出が詰まった家具を、この先もずっと使い続けることができるんです!

我ながら画期的なアイディアだと思っているのですがどうでしょうか。業界に風穴を開けるサービスになる。そう確信しています。

ラフジュ工房の桐箪笥(桐たんす)・婚礼家具のリメイク事例はこちらからご覧いただけます。

「桐箪笥(桐たんす)リメイク実績」のページはこちら

「婚礼家具リメイク実績」のページはこちら

実際にラフジュ工房で思い出の家具をリメイクしたお客様の声

そんな、当店ラフジュ工房が満を持して始めた思い出家具のリメイクですが、ありがたいことに本当に多くのお客様からご依頼をいただいています。

以下に、実際にラフジュ工房で思い出の家具をリメイクしたお客様たちの感想を集めてみました。
これらはほんの一部ですが、ぜひ参考にしてみてください。


◎シナモンブラウン色にペイント

 

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【ご依頼品】
小袖箪笥

【ご依頼背景】
元々は、ご依頼主様のお母様の箪笥。
ご実家に置いてあったものの、家を売却して手放すことになったのを機に、リメイクすることに。

【ご希望】
部屋の家具と一緒に置いても違和感のないよう、統一感を出せる色に変更したい。

【実際の加工内容】
・隙間や割れ、材料に痛みがある部分は、雰囲気を損なわないように修理。
・デザインや金具はそのままに、当店商品を参考にシナモンブラウン色にペイントしました。


◎チェストにリメイク (※上記と同じお客様のご依頼)

 

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【ご依頼品】
桐箪笥

【ご希望】
クローゼットに収まるサイズで、整理タンスとして使いたい。
朱色の飾りが気に入っており、一つだけでも構わないので手元に置いておきたい。

【実際の加工内容】
・桐箪笥の下段引き出し収納を、チェストにリメイク。
・天板を取り付け、現状の台輪は外し、木製脚を取り付け。
・当店商品を参考にアンティークホワイトにペイントをして仕上げました。
(飾り部分は切り出し、サプライズで額を作り壁掛け仕様にリメイクしました。)

★ご依頼主様からの声

想像していたとおりの仕上がりで大変満足しています。飾りもお気遣い頂き誠にありがとうございました。気に入ってた物なので、大変嬉しく思っております。家族にも写真を見せたところ、とても喜んでおりました。


◎テレビボードにリメイク

 

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【ご依頼品】
桐箪笥

【ご依頼背景】
元々はご依頼主様のお母様の婚礼箪笥。
ご自宅の建て替えに伴い、リメイクすることに。

【ご希望】
3段重ねのうち、上段をテレビボードにリメイクしたい。

【実際の加工内容】
・桐箪笥の上段部分を使ってテレビボードにリメイク。
・建具には、麻の葉模様の組子細工が素敵なクリアガラスをはめ込み。
・上部には天板を、下部には木製の丸脚を取り付け。
・本体は木地色仕上げ、引き出しと組子部分はチェス系のお色に着色して仕上げました。

★ご依頼主様からの声

想像以上に素晴らしく、母も大変気に入っておりました。やはりリメイクして良かったです。


◎キャビネットとキッチンカウンターにリメイク

 

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【ご依頼品】
桐箪笥

【ご依頼背景】
元々は、ご依頼主様のおばあ様より受け継いだ桐箪笥。
3段重ねでの使用に不便さを感じながらも、捨てるのはもったいないと使い続けていたところ、
ラフジュ工房の桐箪笥リメイクやレーザー加工機による装飾に興味をもち、リメイクを検討することに。

【ご希望】
ご依頼主様用としてキャビネット、またお嬢様用にキッチンカウンターへもリメイクしたい。

【実際の加工内容】
・桐箪笥の上下段部分を使ってキッチンカウンターに、中段部分を使ってキャビネットにリメイク。
・どちらも足元にキャスターを取り付け、アンティークホワイトのペイントで仕上げました。
■キャビネット
・建具に「月とうさぎさん」の透かし模様、モールガラスを組み入れ。
・可動式の棚板を設置し、下方には2杯の引き出しを製作。
■キッチンカウンター
・背板に折りたたみ可能なカウンターテーブルを設置。
・天板には耐熱タイル、コンセントを設置。
・大小の引き出しを製作。

★ご依頼主様からの声

満足のいく製品にしていただき、大変ありがとうございました。


◎ローボードとハイボードにリメイク

 

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【ご依頼品】
桐箪笥

【ご希望】
箪笥を2つに分け、それぞれ脚を付けて食器入れと靴入れにリメイクしたい。

【実際の加工内容】
・桐箪笥の上段部分は鉄脚付きローボードに、下段部分は鉄脚付きハイボードにリメイク。
・どちらもオーク系の着色、蜜蝋ワックスで仕上げました。
■ローボード
・天板と鉄脚を取り付け、引き戸はクリアガラスに交換。
・倹飩式はそのまま活かして仕上げ。
■ハイボード
・天板と鉄脚を取り付け、シール跡は綺麗に剥離。

★ご依頼主様からの声

完成時に写真で見てましたが、現物はとても素晴らしい出来で、家族も喜んでくれました。


◎テレビ台とローボードにリメイク

 

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【ご依頼品】
桐箪笥

【ご依頼背景】
元々は、ご依頼主様のおばあ様の遺品の桐箪笥。
長い間大切に使っていたものの、思い切って使い勝手が良いようにリメイクしてもらえたら、と思いリメイクを検討することに。

【ご希望】
箪笥を3つに分け、テレビ台とローボード×2にリメイクしたい。

【実際の加工内容】
・桐箪笥の上段部分はテレビ台に、中下段部分はそれぞれローボードにリメイク。
・奥行を詰め、天板を補強し、木製脚を取り付け。
・欠損部分の金具も付け替え。
■テレビ台
・建具にモールガラスを組み入れ、背面には配線用の穴あけ。
・濃い茶色の色味に仕上げました。
■ローボード
・カシュー塗装で仕上げました。
※中段のみ、衣装盆から可動式タイプの棚板へ変更。
扉は七宝柄の組子ガラスへ変更、新しい飾り房へお取替えしました。

★ご依頼主様からの声

丁寧に仕上げて頂き、大変感動しております。長年の懸案事項だったので、一安心しております。


◎グレーカラーにペイント

 

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【ご依頼品】
着物箪笥

【ご依頼背景】
ご自宅の新築に合わせてリメイクを検討。

【ご希望】
北欧家具の様な雰囲気の色味にしてほしい。

【実際の加工内容】
・扉の錆がひどい箇所の金具を交換、指定箇所の取っ手をご希望のものに交換。
・本体の外側のみ、水色がかったグレーカラーにペイントして仕上げました。

★ご依頼主様からの声

予想以上に素敵にリメイクしていただきありがとうございます!とっても可愛く仕上げてもらえて嬉しい限りです。


◎テレビ台にリメイク

 

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【ご依頼品】
ワードローブ

【ご依頼背景】
元々はご家族の婚礼家具。
捨てるにはしのびなく、しかし引っ越し先にはサイズ的に入らないので、小さくできればと考えリメイクを検討。

【ご希望】
テレビ台にリメイクしたい。

【実際の加工内容】
・ワードローブをリサイズして、テレビ台にリメイク。
・左右に引き出し各2杯、中央には開き戸の収納を製作。
・天板、木製脚、取っ手を取り付け、背面には配線用の穴あけ。
・本体の色味に合わせて仕上げました。

★ご依頼主様からの声

大変良い仕上がりで、家族も喜んでおります。ありがとうございました。


◎収納棚にリメイク

 

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【ご依頼品】
衣装タンス

【ご依頼背景】
元々は、おばあ様の使われていた婚礼箪笥。
お引越しに伴いリメイクを検討。

【ご希望】
食器棚にリメイクしたい。

【実際の加工内容】
・衣装タンスをリサイズして、食器棚にリメイク。
・小さい引き出しの上部分でカットし、天板を取り付け内部も補強。
・引き出し、開き戸取っ手金具の交換。
・元々の開き戸を活用し、観音式の扉を新たに取り付け。
・本体はシナモンブラウンにペイントして仕上げました。

★ご依頼主様からの声

これからも活用出来ると思うと嬉しく思います。


◎収納棚とテレビ台にリメイク

 

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【ご依頼品】
整理タンス、ワードローブ

【ご依頼背景】
新居へ引越しすることになったものの、思い出のある家具ということもあり、
処分するのではなくサイズを小さくして使用したいと考え、リメイクを検討することに。

【ご希望】
収納棚とテレビ台にリメイクしたい。

【実際の加工内容】
・ワードローブを収納棚に、チェストはテレビ台へリメイク。
・搬入がしやすいように一体型ではなく、それぞれ独立仕様にて。
・どちらも配線用の穴あけ加工を施し、元に近しい色味に着色して仕上げました。
■ワードローブ
・元の扉やつくりは活かしつつ、ご希望サイズにリサイズ。
・棚内部は、可動式の棚を左右各5枚取り付け。
■チェスト
・ご希望サイズにリサイズ。
・上段は、クリアガラス入りの扉でフラップダウン式に。
・下段には3杯の引き出しを設置。

★ご依頼主様からの声

綺麗に仕上げて頂き、ありがとうございます。素敵な壁面収納になりました。


◎スタンドミラー、キャビネット、ローテーブル、ローボード、チェストにリメイク

 

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【ご依頼品】
ワードローブ、着物箪笥

【ご希望】
チェスト、スタンドミラー、キャビネット、ローボード、ローテーブルにリメイクしたい。

【実際の加工内容】
■チェスト
・ワードローブ、着物箪笥を活用してチェストにリメイク。
・取っ手は、当店商品を参考にガラス取っ手を取り付け。
・本体は元の色を活用し、引き出しは着色なしのクリアワックスで、バイカラーに仕上げました。
■スタンドミラー
・ワードローブの中央部分を活用して、スタンドミラーにリメイク。
・元の色味に色合わせをして仕上げました。
■キャビネット
・着物箪笥の本体を活用して、キャビネットにリメイク。
・建具にはクリアガラスを組み入れ、収納部は可動式の3枚の棚板を設置。
・元の色味に色合わせをして仕上げました。
■テレビ用ローボード
・ワードローブの天板、上部、台輪、2つの箪笥の建具を活用して、テレビ用ローボードにリメイク。
・収納部に可動式の棚板を設置し、背面には配線用の穴あけ。
・建具上部は麻の葉模様、下部には市松模様ガラスを組み入れました。
■ローテーブル
・残った建具を活用してローテーブルにリメイク。
・建具の板をつなぎ、脚を取り付け。
・元の色味に色合わせをして仕上げました。

★ご依頼主様からの声

どれも本当に素敵な家具に生まれ変わっていて嬉しく思っております。ありがとうございます。


でも家具のリメイクって、あまり聞かないけど大丈夫なの…?

さて、実際に当店が手掛けたリメイクの実例をいくつかご覧いただきましたが、

なんか自信満々に語っているけど、他にやっている業者も少ないし、本当に大丈夫なの?

もしかするとそんな風に思われた方もいらっしゃるかもしれませんね。

でも、社会の動向を見ても、思い出の家具のリメイクというのはそのうちメジャーな選択のひとつになると思うんです。

皆さんも、「もう消費社会は終わった」という話をなんとなく耳にしたことがありませんか?

ざっと振り返ってみると、

80年代は消費社会の絶頂期でした。バブル景気に沸き、ブランド物や輸入車など、他人と競うように、人々は消費に走っていた時代です。しかし、それもとことんまで進むと、すでに多くの物を手に入れた人々は、「欲しい物がない」「欲しい物が分からない」という状態になります。1988年に糸井重里さんが書いた西武百貨店のコピー「ほしいものが、ほしいわ」は、そんな時代をよく反映しているものだと思います。

そして91年にはバブルが崩壊。人々はすでに消費することに疲弊し、モノ消費からコト消費へと移っていきます。つまり、モノを買うよりもコト(体験)にお金を払いたいということですね。それを上手く象徴しているのが、2000年頃の日産セレナのキャッチコピー「モノより思い出。」です。
このキャッチコピーに共感する人は、2000年当時よりも今の方がグッと増えていると思うんです。皆さんの実感としてはいかがでしょうか?

そして2010年代は、行き詰まった消費社会の反動として、「シンプルな暮らし」「持たない暮らし」「丁寧な暮らし」が大きな潮流として現れたな、という印象です。
人々はどんどん所持品を手放し、自分にとって本当に必要な物、意味のある物だけを所有するライフスタイルを選び始めています。「断捨離」や「シェア」といった言葉にも、こうした時代の傾向を見て取ることができますね。

このように、時代はすでに20年も前から「モノより思い出。」なんです。
まあ、広告コピーの世界は時代の傾向を先読みするものですから、ようやく時代が上記のコピーに追いついたな、という感じでしょうか。
(ちなみに、モノ消費、コト消費と来て、この次はトキ消費、イミ消費の時代になるなどと言われています。気になる方は調べてみてください。)

話を戻すと、ここまでお話ししてきたような社会の流れを考えてみても、これからの時代、新たに物を買い替えるよりも、思い出の詰まった物をできるだけ長く大切に使っていこうという姿勢がメジャーになってくると思うんです。
そんな社会において、家具のリメイクというのはとても自然な選択肢ではないでしょうか。

思い出の家具をリメイクして使っていこうかな、と考えている皆さんは、とても時代に合ったお考えということです。
まだメジャーでない分、周囲からは懐疑的な声をかけられてしまうこともあるかもしれませんが、どうぞ自信をもってほしいと思います。

海外ではひとつの家具を長く大切に使うのは当たり前

もうひとつ皆さんにお伝えしたいのは、ひとつの家具を大切に使い続けるって素敵じゃないですか?ということです。

たとえばヨーロッパには古いものを大切に使い継ぐ文化がある、というのを聞いたことがある方も多いと思います。
ヨーロッパの街並みを思い浮かべてみても、「古い建物には価値がある」「古さは美である」という考え方が伝わってくるようですよね。
歴史のあるものを美しく使い続けることは美徳であり、ステータスでもあるという考え方が社会全体に根付いているわけです。

ドイツでは「家や家具はその人の“ポートレート”という考えがあるそうです。「持ち物は、それを買った人の価値観を雄弁に語るもの」と考え、何かひとつの家具を何十年と使い続けることも多いと聞きました。

北欧にも家具をとても大切にする文化があります。デンマークの人々は、家具を自分の所有物ではなく、やがて若い世代や次に使う誰かに引き継ぐものだと考えているそうです。たとえ高価な家具でも、良いものならみんなでシェアして楽しむことができるし、長い目で見ればコストも安く済むわけです。合理的ともいえますが、そうして大切に使い込まれた家具には、やはり人々の手を渡ってきたからこその味わいが加わっていくと思います。

こうしたヨーロッパの人々の間に根付いている文化を参考に、私たちも今持っている家具や引き継いだ家具を大切に、しかも自分たちが使いやすいようにリメイクすることで、この先も長く使い続けていく。そういう選択ができると、精神的にも豊かな暮らしが送れるような気がしませんか?

幸いなことに、皆さんがお持ちの桐箪笥・婚礼家具は、とてもしっかりとした作りのものが多いです。時代を経たことで今はボロボロになっているかもしれませんが、元の作りが良いので、きちんと修理・リメイクすれば、またこの先何十年と使っていけるポテンシャルがあります。お子さんやお孫さんの代にまで渡していくこともできますし、そのころに再びリメイクするということも可能です。
だからこそ簡単に捨ててしまうのは、モノとしても大変もったいないことですし、そして何より皆さんの思い出を残していけるのだから、それは大切に残して繋いでいきませんか?ということなんです。

かつての日本にも物を大切にする心はあった

ヨーロッパの例をご紹介しましたが、もちろん日本にも、物を大切にする文化はあります。昔は「物には魂が宿る」という言葉もよく言われました。

昭和の初期頃までは、ひとつの着物を着倒して、着られなくなったら布団カバーにしたり座布団カバーにしたり、最後には雑巾にして本当に使えなくなるまで使い切るということを、どこの家庭でも当たり前のようにしていたと言います。
物質的にまだ豊かではなかった時代、あるいは戦中戦後の非常に汲々とした時代にあって、それは必要に迫られた選択であったのかもしれません。でも、ひとつのものを工夫して最後まで使い切ることの中に、今の私たちには到底及ばないような、なんとも豊かな心を感じてしまいます。

70年代の急速な経済成長や80年代の消費社会の発展で、一度はそうした慎ましい文化を手放してしまった私たちですが、今再び、いわゆる”使い捨て”みたいな姿勢はやっぱり違うんじゃないか?という動きがあちこちで出てきているのは、良い流れなんじゃないかなと思います。

皆さんもぜひ、ひとつの家具を大切に使い継ぐ暮らしを選んでみませんか?
皆さんにそう呼びかけることが、アンティーク家具屋として社会に果たせるひとつの役割だと思っています。

家具をリメイクしようと思ったら注意すること

それでは、いざひとつの業者を選んで家具のリメイクをお願いしよう!と思ったときに、いったいどこにお願いすればいいのか。最後に、その見極め方をご紹介しておきたいと思います。

家具リメイク業者の見極め方① 家具を熟知していること

桐箪笥・婚礼家具、さらには仏壇などを修理・リメイクするには、その箪笥や仏壇に対する専門の知識が必要です。やはり桐箪笥なら桐箪笥、仏壇なら仏壇に精通した職人さんにお願いできると安心感が違いますよね。

ラフジュ工房ではこれまでにも桐箪笥・婚礼家具の修理・リメイクの経験があるので、職人の腕も確かです。
お仏壇自体の修理・リメイクに関しては、正直まだ経験が浅い部分は否めませんが、前職での経験者もいるので、安心してお任せいただければと思います。最近ではポツポツとご依頼も入ってきているので、経験値アップも遠くないと思います!
一方で、桐箪笥を仏壇へリメイクした事例は現状でもすでに多数ありますので、そちらに関しては大船に乗ったつもりでお任せください。

心配な方は、桐箪笥専門店や仏壇専門店で修理やリメイクをやってくれるお店を探すのも良いでしょう。また、リメイクまで対応してくれるかは分かりませんが、修理ならその桐箪笥・婚礼箪笥・お仏壇を作ってもらったお店にお願いするのが最も安心ですね。

家具リメイク業者の見極め方② 経験・実績が豊富なこと

家具の修理・リメイク実績を多数公開している業者を選ぶのもおすすめです。豊富な実績があるということは、それだけ知識や経験もあり、また世の中の人々からも支持・信頼されているというバロメーターになるからです。

ラフジュ工房では毎月30件以上、家具や建具の修理・リメイクを行っています。詳しい修理・リメイクの内容は、ぜひラフジュ工房のウェブサイトで「カスタム・オーダー実例」をチェックしてみてください。

家具リメイク業者の見極め方③ できる加工内容を確認すること

どの程度のリメイクが可能かを事前に確認しておくことも大切です。修理・リメイク実績を公開している業者であれば、「こんな加工もできるんだ」という参考にもなります。
実績や事例集などを見ても、自分がやってほしい修理やリメイクが対応可能か分からない場合には、迷わず問い合わせてみましょう。
業者によってできる加工内容は様々です。あなたの理想をしっかり実現してくれる業者を選んでくださいね。

ラフジュ工房では、基本的にどんな加工でも承っています。なぜなら、当店のスローガンは「あなたのわがままを叶えるアンティーク家具屋」だから。
お客様の理想を形にするべく、どんなことにも挑戦します!ぜひ一緒に思い出の家具を理想の家具に仕上げましょう。

家具リメイク業者の見極め方④ 親切・丁寧に対応してくれること

大切な家具を預けるのだから、雑に扱われるのは嫌ですよね。お問い合わせの段階から、打ち合わせ、実際の修理・リメイク工程、最後のお届けまで丁寧に対応してもらえる業者を選びたいもの。見極めるのは難しいかもしれませんが、最初のお問い合わせの段階で、親切に対応してくれるかどうか厳しくチェックしておきたいものです。

また、加工内容についても、中には自分のやりたい加工を押し付けてくる業者もあります。玄人目線のリメイクしかやらずに、お客様のことを置き去りにしてしまう人たちです。どうしても職人世界にはそういう頑固な人も存在してしまうので、打ち合わせ時に自分たちの要望を親身に聞いてくれるかどうかも重要なチェックポイントです。

家具リメイク業者の見極め方⑤ 妥当な金額であること

皆さんは家具のリメイク相場はどれくらいかご存知ですか?
これを知らずに依頼してしまうと少し危険です。
もちろん家具によっても、加工内容によっても、金額は異なってくるのですが、だいたいの相場は10~20万円ほど。この幅から大きく外れる業者には注意が必要です。
あまりにも高額な場合はぼったくりですし、反対に安すぎるのも考えもの。手抜き加工の可能性が大きいので、安心して使い続けていける家具を望むのなら、相場の10~20万円ほどの出費は予め見込んでおきましょう。

また、お見積りの際に画像で無料見積もりをしてくれる業者だと安心かつ手軽で良いですよね。
ラフジュ工房でも、家具の画像と希望のリメイク内容を簡単に送っていただければ無料でお見積りを行っています。お見積り金額は〇万円~〇万円というふうに幅を持たせてお伝えしています。基本的にこのお見積り金額以上の金額をいただくことはありませんので、その点も安心していただければと思います。

家具リメイク業者の見極め方⑥ 納期の確認をしておくこと

納期の確認も事前に行っておきたいことのひとつです。
こちらも家具や加工内容によってバラツキはありますが、あまりにも早すぎる業者には注意してください。お金だけとって粗末な加工で済ませている可能性があります。
気になる方は、納期の確認の際に「なぜそれだけの時間がかかるのか?」も併せて聞いてみると良いでしょう。

ちなみにラフジュ工房では、基本的な納期は3ヶ月ほどいただいています。内容によってはもう少し早く完成することもありますが、ありがたいことに依頼が立て込むことが多く、余裕をもってのこの設定です。別途追加料金にて、特急仕上げも可能です。ご希望の際にはご相談ください。

家具リメイク業者の見極め方⑦ アフターサポートにも注目

家具のリメイク業者を探す段階では、あまり意識していない方も多いと思うのですが、ぜひリメイク終了後のアフターサポートのことも頭の片隅に入れておいてください。
リメイクして終わりではなく、ひとつの家具を使い続けることをしっかりと考えてくれる業者なら、万が一、家具に不具合が生じた際や、使っていて不便が生じた際にも、快く相談に乗ってくれます。
アフターサポート制度を謳っている業者や、大々的にサポート体制をアピールしていなくても相談すれば対応してくれるところもありますので、何でも相談しやすい業者を選ぶのがおすすめです。長くお付き合いをしたいと思えるところなら心配ないでしょう。

ラフジュ工房ではアフターサポート制度もご用意しています!
リメイクした家具について、困ったことがあった際にはいつでもお気軽にご連絡ください。

以上が、家具リメイク業者を選ぶ際のチェック項目です。ぜひこの点を意識して、大切な家具をお任せする業者を選んでみてください。

もちろん欲を言えば、この冊子を手にした皆さんには、ぜひラフジュ工房を選んでいただきたいです。そして皆さんの家具にまつわる思い出のエピソードなんかもたくさん聞かせていただけると嬉しいですね。皆さんからのご連絡を心よりお待ちしております!

「家具のリメイクやってみようかな」と思ったら、是非お気軽にご連絡ください!

ここまで読んでみていかがでしたか?
家具のリメイクをやってみようかな、という方は、ぜひお気軽にご連絡ください!

ご連絡はこちらから!

TEL:0294-70-3730

FAX:0294-76-0864

メール:info@rafuju.jp

お問い合わせフォームはこちら

最後に

「うちにある桐箪笥もリメイクできるかしら…」そう思った方、少しでも気になった方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
ラフジュ工房では、無理に契約を結んでいただくようなことは決していたしません!

お客様のお持ちの家具や、理想のイメージなどをしっかりとお聞きした上で、
「それなら当店にお任せください」
「ご希望の予算内ならこのようなリメイクはいかがでしょうか」
など、最善のご対応、ご提案をさせていただきます。

「問い合わせて話を聞いてみたけれどやっぱり止めるわ」でもいいんです!
私たちが願っているのは、お客様のお悩みを解決するお手伝いをすること。
もちろんリメイクして喜んでもらえるのも嬉しいですが、お問い合わせでお話を伺うといった形での貢献も、それがお客様にとっての最善の答えにたどり着くお手伝いとなったのなら、私たちにとって大きな喜びです。

ぜひ、思い出の家具をこれからも大切に使い継いでいってください。それが私たちの願いです。
そして、そのために私たちができることなら全力でお手伝いさせていただきます!!

こちらでも桐箪笥リメイクについて詳しく解説しています

こちらでも婚礼家具リメイクについて詳しく解説しています

 

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