あなたは日本のアンティークのキャビネット、好きですか?
シンプルなデザインや、長い年月を経て生まれた木の深みももちろんですが、何といっても愛らしいのがガラス戸。レトロなガラスがはめ込まれた引き戸を抜きにして、古い収納棚の魅力は語れません。
そんなレトロガラスの中でも長年愛され続ける定番といえば、モールガラス。さりげなく入ったストライプ模様がお部屋にアクセントを与えたり、収納棚の中の目隠しになったりするんですよ。
こんなに人気があるのに、MAGではまだ詳しくご紹介していなかったので、今回はモールガラスの魅力に注目しちゃいます!どんなコーディネートにも合わせやすい、その使い勝手の良さに迫ります。
目次
元々モールガラスは日本のガラスではなかった
キャビネットをアンティークの中から探したことのある方はわかると思いますが、本当によくモールガラスが使われているんです。
日本の収納家具や引き戸などの内装用のガラスとしてよく多用されていたので、日本で生まれたものと思っている方も多いかもしれませんが、実は輸入種のガラスでした。確かにそう言われてみると、すっきりとしたフォルムでどこか洗練された雰囲気があります。
そのほかの有名なデザインガラスで言えば、ダイヤガラスや結霜ガラスも実は元々は輸入種でしたが、和の意匠との相性が良かったことから積極的に取り入れられ、日本で生産されていた時期もありました。
こういうことを知った上でまたアンティークの収納棚を見てみると、あらたなデザイン性を感じることができて面白いですよね。
モールガラスの収納棚は、どんなシーンに適している?
モールガラスは縦に入ったストライプ模様のおかげで、モザイク性のあるガラスです。
ダイヤガラス同様、中にしまった物のシルエットがぼやけて自然に目隠しができるので、人の出入りが多いリビングやダイニングでは特に重宝します。
ここ最近は”見せる収納”がすっかり当たり前のようになっていますが、部屋に置かれているものは堂々と見せられるものばかりではないですよね。
たとえば、テレビ台にモールガラスのローボードを取り入れれば、無機質な印象を与えがちなデッキやDVD類もすっきりです。生活感をおしゃれに隠したいなら、モールガラスの力を借りちゃいましょう。
モールガラスの仲間、「銀モールガラス」
モールガラスと同じストライプ模様ですが、表面に加工を施したことで透明度が低いガラスです。モールガラスよりもさらに目隠しには最適でしょう。光に当たると銀色にキラキラと輝くため、そのように呼ばれているのかもしれませんね。
銀モールガラスに関しても今では国内生産は行われていないので、とても希少なガラスとされています。中に収納されているものが白っぽくぼやけるので、色がはっきりとした食器や小物をしまっておくと、インテリアとしても絵になりますよ。
モールガラスは他のガラスと組み合わせて使いやすい
写真のように、大正~昭和時代の収納棚は、引き戸によって違うレトロガラスをあしらったものが多かったのです。
古いガラスの中でも比較的シンプルだったモールガラスは、細かい模様が入ったガラスと一緒にはめ込むことで、”まとめ役”として活用されることが多い気がします。このように複数の種類のガラスを使う傾向は、収納棚だけでなく建具などのガラス格子戸にも見られました。
一台の家具でさまざまな個性を楽しめるだけでなく、賑やかでもごちゃっとした印象を感じさせないところがいいですよね。
最後に
人気のレトロガラスの中の代表とも言える、モールガラスに注目して今回はご紹介しました。雰囲気の良さだけでなく、現代の収納の悩みを解決してくれる側面があることも、お分かりいただけたと思います。
和洋問わずよく馴染む、モールガラスのキャビネットをぜひ、お家の収納に取り入れてみてはいかがでしょうか。