木材別のお取り扱い 4つのポイント!
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水や湿気に弱いパイン(松)・無塗装の無垢材には適切な湿度を保った環境を
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傷・凹みが付きやすい檜・杉・桐には敷物やガラス板を使用して衝撃を軽減する
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割れ・反りが起きやすい黒檀・ナラ・パインは乾燥させないよう心掛ける
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木材の弱み・悩みを解決してくれるカギは「塗装」
木材別のお取り扱い方法を詳しく解説!
1. 水・湿気に注意すべき木材「パイン(松)」「無塗装の無垢材」
どうして水や湿気に注意が必要なの?
木にはもともと調湿作用が備わっており、湿気を取り込んだり放出したりして一定の湿度を保とうとします。
しかし木材を濡れたままにしたり、過度な湿気のある場所に置き続けると調湿ができなくなり、カビの発生・菌の繁殖・変形・強度を損なうなどの様々な問題が発生します。
パイン、そしてDIYでも人気の「SPF」(スプルース・パイン・ファーの総称)は、軽くて柔らかく扱いやすい材質ですが、水や湿気に弱い一面を持っています。
また原木から切り出したままの自然な状態である無垢材に、何の塗装も施していなければ、どんな樹種であっても水や湿気の影響を受けやすいです。
水・湿気に弱いということは、木材腐朽菌に対する耐性力が低いことを意味し、腐りやすさにも繋がります。
水・湿気の防止策は?
- 水に濡れたらすぐに拭く
内部へと染み込む前に、乾いた柔らかい布で水気を拭き取りましょう。コースターなどを敷いておくと安心です。
- ホコリや汚れを放置しない
家具の表面に付いたホコリや汚れが湿気の原因となり、カビの発生などを引き起こす可能性があります。
- 除湿器や換気でお部屋の湿度を40~60%に保つ
除湿器・エアコンの除湿機能・定期的な換気で、人も家具も快適に過ごせる湿度にしましょう。
- 乾燥剤・ドライシート・新聞などを活用する
吸湿効果のあるアイテムを家具に直接置いたり敷いたりするのもオススメです。
- 壁と家具の間に少し隙間を作る
壁と家具が接していると、空気が循環できずに湿気や熱気がこもってしまいます。
水・湿気で問題が起きた時の対処法は?
- カビが発生した時
かたく絞った柔らかい布で拭き取り、その後乾拭きをしてください。
- 変形した時
湿気で膨張してしまったものは、風通しの良い場所で1~2日ほど日陰干しすると改善することがあります。
もし改善されない場合は、専門業者に相談しましょう。
2. 傷・凹みに注意すべき木材「檜」「杉」「桐」
どうして傷や凹みが付きやすいの?
木は「広葉樹」と「針葉樹」に大別できますが、針葉樹の方が柔らかくて軽い性質を持つ傾向にあり、傷や凹みが付きやすいといえます。
檜・杉はいずれも針葉樹であり、桐は広葉樹であるものの柔らかい材質であるため傷が付きやすいです。
しかし杉と同種である屋久杉は例外で、一般的な杉とは性質が異なるため比較的傷付きにくいです。
傷・凹みの防止策は?
- クロス・マット・ガラス板などを使う
万が一引っかいたり、物を落としてしまっても、直接的には当たらないのでダメージを軽減することができます。
傷や凹みが付いた時の対処法は?
- 味わいとして捉える
傷や凹みを唯一無二の魅力として楽しむことができます。オイルメンテナンスを重ねることでさらに味わい深さが増していきます。
- 浅く小さな傷はセルフリペア
浅く小さな傷であれば、上から塗装するだけで目立ちにくくなったり、あるいは削って修復したりとセルフリペアすることも可能です。
- 深く大きな傷はプロにお任せ
深く大きな傷・凹みの場合や、木材の加工法、塗装法によってはセルフでのリペアは困難です。専門業者へ修復依頼することをオススメします。
3. 割れ・反りに注意すべき木材「黒檀」「ナラ」「パイン」
どうして割れたり反ったりするの?
割れや反りは、乾燥・湿気・熱・経年変化など様々な理由で生じます。置かれた環境の温 度や湿度に適応しようと木が呼吸をしているからこそ起きる現象なのです。
そのため木材の中でも「無垢材」は割れや反りを起こしやすいといえます。
また木材の切り出し方でも違いがあり、柾目は狂いがあまり無いので、割れや反りが生じにくい傾向があります。
唐木を代表する黒檀、またナラなどは硬い材質を持つため加工が難しく、釘打ちなどで割れやすくなります。
また暖かい地域で育つパインは成長が早く木目に密度がないため、割れや反りが出やすいです。
同じマツ科であっても寒い地域で緩やかな成長をした欧州アカマツは、木目が詰まっているためそうした変形はあまり見られません。
割れ・反りの防止策は?
- 乾燥から守る
割れの原因である乾燥から守るため、加湿器を使用したり、エアコンの風が直接当たらないよう注意しましょう。
割れ・反りが生じた時の対処法は?
- 味わいとして捉える
天然素材ならでは現象なので、木材の表情のひとつとして楽しむのもオススメです。
- 保湿しながらしばらく様子を見る
小さな割れや反りであれば、湿度の上昇により元の状態に戻ることがあります。実際冬に見られた割れ部分が、梅雨の時期に直っていたケースも。
そのためオイル塗装などで保湿しながら、しばらく様子を見てみるという方法もあります。
- 困った時はプロに任せる
それでも直らず気になる場合、生活に支障をきたしてしまう場合は、専門業者に相談しましょう。
4. 木材の弱点や悩みは「塗装」でカバーできる
前述した木材別の弱みや悩みは、ある程度塗装で防ぐことができます。
化学物質などを含まない保護力の低い無垢材には特にオススメで、できるだけストレスなくより長く愛用するためにも塗装は効果的です。
塗装の種類はいくつかあり、それぞれ見た目も機能も異なります。
無塗装に魅力を感じているため、あえて塗装はしたくないという事でなければ、ぜひ一度様々な塗装をチェックしていただき、目的や好みに合わせてベストなものを選んでみてください。
⇒無垢材のお手入れ・お取り扱い方法はこちら
⇒塗装別のお手入れ方法はこちら
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