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名古屋桐箪笥とは

名古屋桐箪笥とは、愛知県の名古屋市、春日井市周辺で作られる桐でできた箪笥で伝統的工芸品です。名古屋市の嫁入り道具として欠かせないアイテムであり、桐箪笥の中でも豪華なデザインのものが多いのが特徴的です。

名古屋桐箪笥の特徴

名古屋桐箪笥の特徴の一つに、他の地域の箪笥と比較して20cmほど幅広に作られていることが挙げられます。また、金物に金や銀をあしらったり、違い戸に金箔画が施されるなど、非常に豪華なデザインになっています。これは他の地域の桐箪笥には見られない特徴で、名古屋では昔から嫁入り道具にお金をかけ華やかに祝う習わしがあったためです。

素材・装飾など

名古屋桐箪笥の素材は桐を使用しており、くぎにはヒバかそれと同等の材質を用います。桐材は、飛騨地方から厳選した材木を使用していることが多いようです。金具には金や銀、真鍮のメッキなどを施し煌びやかに仕上げています。特に美しいのが袋戸に描かれた絵です。金箔画や漆塗り蒔絵を施し、桐箪笥をより華やかに仕上げています。

名古屋桐箪笥の種類

名古屋桐箪笥の夫婦箪笥

夫婦箪笥とは、衣装箪笥と整理箪笥をセットにした箪笥です。名古屋では単体で販売するより、2つセットで販売することの方が多いようです。袋戸に施された絵柄もちょうど対になるように描かれており、より華やかな印象に仕上がっています。

名古屋桐箪笥の衣装箪笥

名古屋箪笥としては比較的シンプルなデザインの箪笥です。観音開きの扉の中には衣装盆が並びますが、この衣装盆にまで透かし彫りを施す豪華さは名古屋箪笥ならではです。

名古屋桐箪笥の桐チェスト

桐の風合いを生かし、現代風にアレンジしたチェストです。和洋どちらの部屋に置いても違和感がなく、華やかさをおさえてシンプルに仕上げたデザインになっています。

名古屋桐箪笥の歴史

名古屋桐箪笥の歴史はおよそ400年前に始まりました。名古屋城の建設に携わった職人が城下町に住むようになり、長持や箪笥などの収納家具を作るようになったことが起源とされています。
暮らしが安定し始めた江戸時代の後期、人々の生活が豊かになっていき衣類や調度品の量も増えていったため、箪笥のようなしっかりとした収納家具が必要になってきました。高級呉服などをしまう収納家具として、名古屋桐箪笥などの高級箪笥も普及していきます。
そんな名古屋桐箪笥が現在のような金、銀をあしらい違い戸に蒔絵などを施すきらびやかなデザインになったのは明治時代のころ。この頃に名古屋桐箪笥の形式が完成し、現在に至ります。1981年には国から伝統的工芸品として指定されることになりました。
現在は嫁入り道具という概念が薄れてきているせいか、古くからのデザインの桐箪笥は需要が減りつつありますが、これまでのノウハウを活かした洋室やマンションにも合う桐のチェストを開発するなど、工夫を凝らしています。

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