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階段箪笥とは

階段箪笥とは、階段の形になった箪笥のことで階段下のスペースを有効利用できるよう収納がつけられたものを指します。二階へ上がるための階段として、また収納家具としても活躍した2WAY仕様の箪笥です。別名、箱階段や箱箪笥とも呼ばれており、関西の町屋を中心に広まった家具です。お客様を迎えるスペースに置かれていたことが多いため、重厚感や美しさが目を惹くデザインになっています。

階段箪笥の特徴

階段箪笥の特徴は、階段としても収納としても使われてきたことが第一です。アンティーク品だと2mほどあるものが多く、階段として実用的に使われてきたことが分かります。多くのアンティーク品は踏板の奥行きが狭く現在階段として利用するには不向きですが、おしゃれな間仕切り、収納家具として人気があります。当時は階段として上り下りしていただけあって、強度もしっかりしているのも特徴。段差を利用した飾り棚にしても見栄えがします。

素材・装飾

階段箪笥の素材には、欅の他、杉、ヒノキなどを使っていることが多く、上り下りの際もしっかりと踏めるような頑丈なつくりになっています。また、見せることを意識した箪笥でもあるため、装飾にもこだわりがあるものが多く見られます。例えばフレーム部分と引き出しの色を変えたり、細かな装飾の引手を使ったりと華やかなデザインが特徴です。

階段箪笥の種類

階段箪笥には大きく4つの種類があります。左下がり型、右下がり型、ユニット型と螺旋型です。部屋の間取りに合わせて、右下がり、左下がりを選べるのが便利ですね。また、ユニット型とは一段ずつばらばらになっていて組み立てられる便利な階段箪笥です。変わったデザインには螺旋状に段が組まれているものも。他の階段箪笥と比べて幅を取らないのがポイントです。
サイズ違いも豊富で、アンティーク品は1.4~2mほどあるものが一般的ですが、近代のものだと1m前後と比較的小ぶりなものが多いです。アンティーク品は実際に階段として使われていたのに対し、近代のものは装飾性のある箪笥として使われているためサイズも小さめになっています。

階段箪笥の歴史

階段箪笥の起源は江戸時代の初め頃までさかのぼります。関西を中心に広まった収納兼建具の一つといえます。町屋や土蔵などに設置され、コンパクトな階段として、また収納として使われていました。江戸時代の町屋は土地が狭く、限られたスペースを上手に使う必要がありました。当時の町屋の多くは完全な二階建てではなく、中二階がある程度にとどまりました。そのため階段箪笥をよく取り入れていたようです。高さも幅もその家屋のつくりに合わせて設計されたため、サイズがまちまちなのも納得できますね。

現代での使われ方

江戸時代は階段と収納の機能を持つ家具として便利に使われてきた階段箪笥ですが、現代では階段箪笥を実際に階段として使うことは無くなりました。しかし、そのデザインや機能から今も人気がある家具です。段差と生かして飾り棚として利用したり、抜け感のある間仕切り収納として利用したりと、現代でも様々なシーンで活躍しています。

アンティーク、現代のものでの比較

アンティーク品の多くは高さが1.4~2mと背が高く、階段として実用されていたことが分かります。また、段差が急で幅も狭めとコンパクトに使うよう考えられた設計も特徴です。比べて近年のものは1m程度かそれより小ぶりのものがほとんどとなります。階段の段差も緩やかで、1段1段にものを置けるスペースがあります。現在では階段として使うことが無いため、このようなデザインになっています。

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