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フープバックチェアとは


フープバックチェアとは、イギリス発祥の木製椅子「ウィンザーチェア」の一種のこと。背棒を曲木でぐるりと囲んだ背もたれが特徴的です。18世紀半ばごろイギリスの庶民のあいだで生まれ、のちに階級や国境を越えて世界中に広まりました。

「ウィンザーチェア」について、以下でも解説しています。こちらもぜひご覧ください。

⇒RAFUJU MAG 辞典「ウィンザーチェア」のページはこちら

フープバックチェアの特徴


フープバックチェアは、曲木加工による逆U字型の枠と複数の背棒(スポーク)により成り立つ背もたれが特徴です。
背棒(スポーク)の数やアームの有無、デザインの様式は作り手・時代により様々です。

フープバックチェアの種類


フープバックチェアの種類には、ひじ掛けのあるアームチェア型の「ダブルボウバック(アメリカではサックバック)」、ひじ掛けが無いサイドチェア型の「シングルバック」のほか、ロッキングチェア型、長椅子型のセティなどがあります。

材料

フープバックチェアに使われた木材は、ビーチ(ブナ)、アッシュ(タモ)、ユー(イチイ)、エルム(ニレ)などがあります。また、アメリカではメープル、ヒッコリー、オーク(ナラ)、ポプラ、パインなども使われました。

フープバックチェアの歴史


フープバックチェアは、18世紀半ばにウィンザーチェアの派生デザインとして登場しました。それまで主流だった初期型の「コムバックチェア」や「ボウバックチェア」は、背もたれの強度が低いという弱点があり、フープバックチェアはこれを増すために考案されたとされています。
フープバックチェアの曲木は、蒸気で木枠を曲げるとう革新的な技術によって生み出され、この背棒で保護することによって椅子そのものの耐久性が向上したのでした。また、丈夫なうえ安価で生産できたために、同世紀末にはコムバックを抜き主流のデザインとなっていきました。

日本の家具産業を育んだフープバックチェア


日本では1930年ごろに持ち込まれたとされ、同じころ流行していた用の美を尊ぶ「民芸運動」と結びつき、一気に注目を浴びます。地方の職人や家具メーカーがこぞってウィンザーチェアをまねた椅子を製作し、やがて海外へ輸出するほど産業に発展していきます。現在では、日本は家具の輸出産業の第一線を退いてはいるものの、松本民芸家具や柏木工など、日本有数の老舗家具メーカーによって製作され続けています。

フープバックチェアとボウバックチェアの違い


ウィンザーチェアの種類の中でもよく混同されたり、並んで表記されたりしがちなこの二つの椅子の名前。”フープバックは原型であるコムバックの一種”という考え方もあり、メーカーやショップによって表記・定義が違う事も多いようです。
椅子のデザインにおける草分け的存在であるアーコールでは、曲木加工による逆U字型の枠を使った背もたれを「フープバック」。弓のように湾曲した笠木に縦に渡されたスポークで成り立つ背もたれを「ボウバック」と呼んでいます。
メーカーにより多少の違いはありますが、ひとつの基準としてアーコールの椅子の名前を参考にすると見分けることができるでしょう。
また、「ボウバック」は「コムバック(コームバック)」と呼ばれることもあります。

フープバックチェアとクエーカーチェアの違い


アーコールが大量生産したフープバックチェアである「4a Windsor Kitchen Chair」を進化させたものが「クエーカーチェア」です。基本のフープバックと比べると、U字型の枠に角度がありシャープで高さがあるのが特徴です。

⇒ラフジュ工房で扱うウィンザーチェアはこちら

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