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帳場箪笥とは

帳場箪笥(ちょうばたんす)とは、日本の伝統的な箪笥の一つ。主に金品や帳面、印鑑といった商売に必要な貴重品をしまうための箪笥のことを指します。防犯目的で隠し箱などのカラクリが仕込まれたものや、防水や防火に備えた素材が使用されたりするなど、強固に作られているのが特徴です。主に明治時代の商家や宿屋などで使われました。

帳場箪笥の特徴

帳場箪笥の特徴は、大きくわけて3つあります。

一つ目は、和箪笥の中でも取り分け豪華に作られていることです。その性格上、店先などの人目に付く場所に置かれることが多かった帳場箪笥。店の威厳や信用にもかかわることから、彫刻や細工が施された立派なデザインが好まれました。そのこだわりは細部にまでわたり、豪華な引手や錠前の装飾は、その店のステータスをも兼ねていたともいえます。

二つ目は、防犯目的としてカラクリが仕込まれていること。現代のようにセキュリティが万全ではなかった時代、盗人や泥棒などの犯罪は今よりずっと身近なものでした。帳場箪笥は収納がたくさんある外見をしていますが、簡単に盗めないように、隠し引き戸や隠し箱といった精巧なカラクリが仕込まれていました。

三つ目は、素材にあります。火事が日常茶飯事だった江戸時代では、その教訓から浸水や火事から守るために、箪笥にも湿気に強く燃えにくい素材が使われていました。その代表的な木材が桐(きり)で、帳場箪笥に限らず現在も、あらゆる種類の和箪笥に用いられています。

ちなみに防水性の高い和箪笥の一つに、船乗りが使っていた「船箪笥」があります。船箪笥も帳場箪笥と同様、金品や帳面などを保管していた箪笥で、万が一転覆しても水面に浮くことができる精巧な作りとなっています。

⇒ラフジュ工房の「船箪笥」の商品一覧はこちら

帳場箪笥の歴史

帳場箪笥の歴史は比較的浅く、そのはじまりは和箪笥が作られ始めた江戸時代後半~末期とされています。明治以降の近代になると、地方で木材産業が発達したことにより、和箪笥の生産は急速に発展。帳場箪笥もこれに伴って数多く作られはじめ、東京や大阪といった大都市の商家や宿屋で広く使われるようになります。

明治中期から大正時代は和箪笥の最盛期ともされ、優れた帳場箪笥も数多く生み出されように。商家や宿屋などでは、豪華な装飾や立派な外観の帳場箪笥がいわばその店の格式の高さを表すなど、帳場箪笥は店のステータス誇示の側面も担いました。

もっと知りたい、帳場箪笥

帳場箪笥についてもっと詳しく知りたい!という方は以下のページでも解説しています。インテリア事例も紹介しているので、ぜひご参考ください。

⇒ラフジュ工房の「意外と知らない帳場箪笥。そのなんたるかを知る」のページはこちら

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