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茶箪笥・茶棚とは

茶箪笥・茶棚とは、茶器や菓子器、食器類を収納できる和家具の一つです。もともとは茶道で使われる茶器などを置く棚を指しましたが、明治後期以降、茶の間で家族が団らんすることが一般的になると気軽にお茶の用意ができる茶箪笥が用いられるようになりました。

茶箪笥の特徴

茶箪笥の特徴は、隠す収納、見せる収納のどちらも叶える箪笥であるということです。いわゆる箪笥の体を成した収納家具で、引き出しや引き戸の収納を多く備えています。茶箪笥は袋棚や違い棚、引き出し戸棚といった複数の収納を組み合わせた箪笥を指し、単独の収納の場合は茶箪笥とは呼びません。

違棚に袋棚、引き出しなど様々なタイプの収納を併せ持ち、茶箪笥そのものが見せるための収納であることが伺えます。隠す収納、見せる収納のどちらの機能も併せ持つので、食器だけではなくさっと取り出して使いたい日用品をしまうこともありました。

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茶棚の特徴

茶棚とは、茶壷や茶道具、食器などを乗せる棚を指します。茶箪笥と比較すると見せる収納スペースが多いのが特徴です。主に茶道で茶道具などをしまうために使われていますが、インテリアのひとつとして取り入れている方もいます。棚の部分は背板が無く、抜け感があり圧迫感の少ないデザインになっています。茶器や食器を美しく見せつつ保管することがメインの収納です。

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茶箪笥・茶棚の歴史

 

そもそも茶箪笥・茶棚は茶道で使われていた収納です。茶道具や茶器、菓子器などを保管するために作られた家具であり、しまうと同時に見せることも意識したデザインになっていました。
明治以前は食事はそれぞれ膳でとっており、家族が同じ部屋に揃って食事をするという習慣はありませんでした。それが、明治末期から昭和にかけて、家族が同じテーブルを使って食事を囲むというスタイルが一般に浸透。家族が揃う茶の間には、茶器や食器などをしまう収納が必要不可欠になります。
そこで使われるようになったのが、茶箪笥・茶棚です。家族が集まる茶の間に置いて、いつでもサッと茶器などを用意できるようにしていたというわけです。そんな経緯を経て、昭和期には茶箪笥・茶棚が茶の間にある風景は家族団らんの象徴となっていきました。

木材・装飾の種類

木材

茶箪笥・茶棚には様々な素材が用いられました。杉や桐、桑、欅、花梨といった木材から、紫檀、黒檀など貴重な木材で作られたものまで様々です。木目が美しい木材を使うことが多く、これも見せる収納ならではですね。

装飾

また凝った装飾も特徴的。漆塗りで仕上げた高級感のあるものから、美しい螺鈿細工を施したもの、象嵌細工のものなど様々なデザインを見ることができます。
多くの材木、装飾の中から好きなアイテムが選べることも茶箪笥・茶棚の魅力と言えるでしょう。

現代の茶箪笥・茶棚

茶箪笥・茶棚は古いもの、という印象がありますが、現在でもこれらを作っているブランドはあります。近年のメーカー、民芸家具をご紹介します。

メーカー・民芸家具

松本民芸家具では、直線を活かしたシンプルでどこかモダンな印象の茶箪笥・茶棚を作っています。シックな佇まいが現在のインテリアにもなじむのが特徴です。北海道民芸家具は重厚感のある色合いが特徴的。中には洋のテイストを盛り込んだ珍しい茶箪笥もあり、フローリングの部屋にもマッチします。一方、岩谷堂箪笥ではとことん和を極めたデザインのものを現在も販売しています。日本古来のディティールや金物遣いなどが力強い印象です。

現代での使われ方

近年住居の洋風化が進み、茶の間に代わってフローリングのリビングが多くなってきました。しかし、和モダンなインテリアは現在も人気があり、畳の部屋だけでなくフローリングの部屋に茶箪笥をレイアウトする方もいらっしゃいます。明治期や昭和の雰囲気たっぷりの茶箪笥・茶棚は、現在の和モダンテイストを作り出すにはもってこいなのです。
茶箪笥・茶棚が盛んに使われた当時のように食器を収納するために使ったり、日々手に取りたい本や小物などを見せて収納したりと様々な用途でインテリアに取り入れることができます。細かな引き出しが付いているものは、文房具などをしまうのにも重宝するでしょう。
こうして明治・昭和期に使われた茶箪笥・茶棚は現在の和モダンなインテリアに活用されています。

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