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泉州桐箪笥とは

泉州桐箪笥(せんしゅう桐たんす)とは、大阪府の岸和田市や堺市周辺で作られている桐でできた箪笥で伝統的工芸品として指定されています。桐の箪笥は湿度に強く、耐火性にも優れているため、衣装箪笥などとして活躍しています。なかでも泉州桐箪笥は職人技の光る繊細さ、優美さで桐箪笥の最高峰とされています。

泉州桐箪笥の特徴

泉州桐箪笥の特徴は、厚みのある良質な桐で作られているということです。厚さ20mm以上と他ではなかなか見られない分厚い桐材を使用しており、桐の味わいをたっぷりと堪能できます。また、泉州桐箪笥の特徴の中でも注目の技術が「矧ぎ加工(はぎかこう)」と呼ばれるもの。この加工は木材の横幅を確保するために行われるもので、複数の桐の板を糊で横に接合して木材を伸長させる技術です。木目が美しく揃うよう見極めが必要なため、優れた技術が必要になります。ベテランの職人による矧ぎ加工はつなぎ目が分からないほどの精密さで驚かされます。この技術が泉州桐箪笥は抜きん出ており、他の桐箪笥と比較して上等とされています。

素材・装飾など

泉州桐箪笥はその全てを桐で作っています。木味を感じさせる仕上げのものが多く、桐本来の美しさを堪能できます。仕上げの方法はウズクリと呼ばれる道具で木目を浮かび上がらせて、砥の粉とヤシャブシを混ぜ合わせたもので着色を行います。金属の装飾は桐の美しさを際立てるため控えめですが品があり、箪笥の色に合う金色や銀色の引手が使われていることが多い特徴があります。

泉州桐箪笥の種類

泉州桐箪笥の衣装箪笥

桐の箪笥と言えば、気密性に優れ調湿効果もあるため衣装箪笥に最適です。泉州桐箪笥の引き出しは寸分の狂い無くぴったりと閉まる特徴があります。今ではあまりない風習になりましたが、美しいしつらえと繊細な衣装箪笥は嫁入り道具としても愛されていました。

泉州桐箪笥の着物箪笥

泉州桐箪笥で衣装箪笥と並んで多く作られているのが、着物箪笥です。衣装盆を観音開きの扉の中に備え、着物を美しい状態で収納できる優れものです。着物を多く持つ方には憧れの箪笥となっています。

泉州桐箪笥の歴史

泉州桐箪笥の起源は明らかではありませんが、およそ300年ほど前の江戸の中期ごろには箪笥つくりが始められていたと考えられています。
大阪は日本のちょうど中央に位置する都市であったため、流通の拠点とされていました。このため当時の大阪は非常に豊かな町であり、人々が多くのものを持っていました。そこで必然的にものをしまうための家具である箪笥つくりが発展していったというわけです。
こうして泉州桐箪笥の使いやすさ、頑丈さ、美しさが磨かれていったのです。

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