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李朝箪笥とは

李朝箪笥とは、李王家が君臨した時代の朝鮮王朝の箪笥のことです。日本の家屋にも似合う落ち着いた雰囲気のデザインながら、どこか異国情緒を感じさせる佇まいが魅力のアンティーク家具です。

李朝箪笥の特徴

李朝箪笥の特徴は、ほぼ必ず脚が付いていることです。朝鮮王朝・現韓国は寒さが厳しいため、オンドルと呼ばれる床暖房を組み込んでいます。床暖房の熱で家具がゆがんだり割れることを防ぐ目的で箪笥に限らずほとんどの家具に脚が付けられているのです。
他にも李朝箪笥には独自の特徴が。それは、様々な木材を組み合わせて使用しているということです。天板や引き出し、前板の木材の種類が全て異なる、といったことも李朝箪笥のなかではよくある話です。それぞれに適した木材を選りすぐって作っているため、使い勝手の良さが際立ちます。

素材・装飾など

李朝箪笥の素材には、欅・桐・松・楓・胡桃・柿・栗・なつめ・梨・柳など様々な種類の木材を使用しています。1つの箪笥を作るのに複数の木種を使うことも珍しくありません。装飾には金物があしらわれることが多く、日本の時代箪笥に通ずるものがあります。

李朝箪笥の種類

半閉櫃(バンダジ・パンタジ)

バンダジとは、前面のフラップダウン式の扉が開閉するつくりの箪笥です。この扉は上半分だけが開くようになっており、扉を開いても中のものが雪崩れない仕組みになっています。なかには衣類のような大物のほか本や祭器などこまごまとしたものもしまって使っていました。蝶番以外にも金具の装飾が目立つデザインのものが多い特徴があります。

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薬箪笥(ヤクジャン)

名前の通り、薬を管理するために使われていた箪笥です。小ぶりの引き出しが並んだデザインで、医者や薬屋が漢方薬をしまうために使っていました。日本の薬箪笥とは異なり、天板には筆返しと呼ばれる返しが付いていることがあります。また、箪笥の下部には観音開き扉が付いているものもあり、これは日本の薬箪笥では見られない特徴と言えます。

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ジャン・モリジャン

衣装箪笥として使われている箪笥です。引き出しと観音開きの扉収納に分かれており、引き出しにはアクセサリーなどの小物を、扉収納には衣類をしまって使います。1段つくりのものをモリジャン、2段以上の背の高いタイプをジャンと呼び分けています。

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ノン

ノンは女性向けに作られた衣装箪笥です。日本の重ね箪笥とよく似たつくりをしており、上下に分かれた箪笥を重ねて使用するほか、横並びに置いて使うこともできるデザインです。女性向けのアイテムであるため、象嵌細工など華やかな装飾の箪笥を見つけることもできます。

李朝箪笥の歴史

先に説明した通り、李朝箪笥は「李王家が君臨した朝鮮王朝」の時代に作られた箪笥です。李朝時代は14世紀末から20世紀初頭までとなんと500年の年月に及びます。
この間に朝鮮王朝では印刷事業や教育機関を進化させつつ、磁器やパンソリ(音楽文化)など芸術・文化が発展していきました。
その中で生まれた李朝家具は「両班(ヤンバン)」と呼ばれる高級官僚の影響を色濃く受けています。両班は文臣の「文班」と武臣の「武班」に分かれていますが、文班の間では「清雅」「簡潔」を重んじしていました。「清雅」とは清らかでありみやびであること、「簡潔」とは簡素で潔い様を指します。これらの志が家具のデザインにも落とし込まれ、すっきりと無駄のないデザインながら、気品も感じられる独特の李朝家具が生まれていったのです。

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