柔らかいカーブで優雅な空間を作り出す猫脚の家具。「カブリオールレッグ」とも言い、アンティーク家具はもちろん、現代のヨーロッパテイスト家具でも多く見かけるデザインですよね。
「優雅で華やかな家具が欲しい!」そう思った時にまずイメージするのが猫脚の家具という方も多いはず。
そんな憧れのデザインですが、一口に“猫脚”と言っても、長い歴史の中で誕生した様々なデザインがあるのはご存知ですか?
今回は、より理想の家具が見つけられるよう、猫脚のデザインや装飾と、猫脚家具を使ったインテリア例をご紹介いたします。
猫脚の家具を探すときの参考になれば嬉しいです!
目次
猫脚とはどんな形?
猫脚とは、カブリオールレッグ、カブリオレなどとも呼ばれるS字の曲線を持つ脚の形です。テーブルの天板や椅子の座面、キャビネットの箱からスルッと伸びる優雅なデザインは、昔の華やかなヨーロッパインテリアの代表的な存在ですよね。
部位ごとにも名称があって、付け根を「膝」、接地面付近を「フット(足先)」、膝から足先までは「レッグ(脚)」と呼びます。人間や動物と同じですね!
このことから、「カブリオールレッグ」とは装飾やフットのデザインに関わらず、S字を描く“脚”を持っていればそう呼ばれるという事が分かります。
「カブリオールレッグ」について、以下でも解説しています。こちらもぜひご覧ください。
猫脚のデザインまとめ
猫脚がどんなものか分かったところで、早速猫脚で良く見られるフットや装飾のデザインをご紹介いたします!
フットのデザイン
猫脚の家具を見かけた時に、真っ先に目につく足先の形。丸みを帯びた有機的なデザインは可愛らしさとしなやかさがあって、とても奥深い魅力があります。
“カブリオール”とはフランス語の“飛び上がる(Cabriole)”で、更にその語源はイタリア語の“山羊が飛び跳ねる様子(Capriola)”とされています。元は山羊だったはずなのに、どうして日本語は猫なんだろう?とちょっと不思議ですよね。
あれこれ猫脚家具を観察してみると、S字の脚は猫の後ろ脚にも似ている事と、フットは爪を隠した猫の足っぽいことに気が付きます。
特に、「パットフット」と呼ばれる球体に近い形状のフットは猫の足先に似ていて、なるほどなぁと納得させられます。
江戸時代以前の日本では山羊の存在が一般的ではなかったのもあり、カブリオールレッグを初めて見た日本人が「この脚は猫!」となったのかもしれないですね。
猫っぽい脚はもちろん、他にはアンティークの王道デザインとして有名な龍の爪モチーフの「クロウ&ボール」、蹄が台の上に乗っているようなデザインの「フレンチガブリオレ」、動物の蹄(ヒヅメ)型、膝から足先まで流れるように彫刻が施された渦巻きなど、幅広い形や装飾があります。
ぜひ、好みのフットデザインを探してみてくださいね!
彫刻・装飾のデザイン
次は、膝の部分に注目してみましょう!
猫脚の膝は、外に向かって張り出しているという事もありよく目につく部分。特にアンティークでは、時代や様式に沿った華やかな彫刻を見つけることが出来て楽しませてくれます。
猫脚の家具はその形状から、隣りに別の家具をくっつけて並べることが出来ないので、自然と装飾も“見せる”ことになります。ソファやベッドに座った時やお掃除の時など少し目線が下がった時につい目が行く場所なので、こだわって探すとより満足できるインテリアが叶います。
猫脚の家具を使ったインテリアとポイント
単体で見ているだけでもうっとりできるような美しい猫脚の家具。でも、現代的なシンプルな家具に比べてコーディネートが難しいイメージはありませんか?
もし欲しい猫脚の家具が見つかったとして、次は「どういう風にコーディネートしたら良いの?」「家具を全部猫脚にしなくちゃダメ?」という疑問を抱くかもしれません。
そこで、猫脚の家具を使ったインテリア例をいくつかご紹介いたします!それぞれ使われている装飾やデザインを踏まえた上で見てみると、しっくりくるテイストが見つかると思いますので、ぜひご覧ください!
猫脚のダイニングテーブルを使ったインテリア
フランスヴィンテージのテーブルをメインに構えた、優雅ながら自然な印象のダイニング。
比較的すっきりとしたシルエットのフレンチカブリオレの脚と、寄木細工が素敵なダイニングテーブルが優しくゆったりとした雰囲気を盛り上げています。
猫脚の中でも先細りの台座が付いたフレンチカブリオレはごちゃつき感や重たさが無いので、「猫脚は欲しいけど華美になりすぎるのは避けたいな…」という方におすすめですよ!
また、全体の家具の色味を揃えてまとまりを出すことで猫脚だけ浮いてしまうという事も防げます。
猫脚のネストテーブルを使ったインテリア
イギリスアンティークのネストテーブルを使った、シャビーでロマンティックな書斎。
ダークトーンの床に美しい杢目のアンティークが映えますね…!
明るい色のペイント家具とクラシカルなアンティークがバランスよく並び、ガーリーさがありつつも可愛すぎない上品なまとまりがあります。
ここで使われているのはパットフットのネストテーブル。3つのテーブルが並ぶので当然脚の数が多いネストテーブルですが、華奢で上品なデザインなのですっきりオシャレに置くことができます。
ネストテーブルは移動できるテーブルなので、気の向くままにソファや窓際に運んで、優雅にティータイムを楽しんでみたいですね。
猫脚の椅子を使ったインテリア
リビングにライティングビューローでちょっとした書斎スペースも作れるコーディネート。
エレガントなツイストレッグのテーブルとも、ライティングビューローとも相性抜群ですね!無理に脚のデザインや様式を合わせなくても、バランスの取れたセンスあるお部屋になることが分かります。
家での作業や在宅勤務などの椅子を揃えるとき、せっかくなら素敵で気分の上がるデザインのものを使いたいですよね。
「猫脚に憧れがあるけど、大きな家具はちょっとハードルが高い…」と感じる方は、移動もしやすく取り入れやすい椅子から始めてみるのもおすすめですよ!
今回は、家具の猫脚の種類と猫脚を取り入れたインテリアのポイントのご紹介でした。優雅で見ていても楽しく奥深いデザインでしたね…!
華やかな家具がお好きな方は、アンティークだけでなく、ロココ調の猫脚家具を扱うブランドもおすすめです。海外では「SILIK(シリック)」、国内では「カリモクdomani(ドマーニ)」などがありますので、ぜひそちらもチェックしてみてください!