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アンティークテーブルの塗装4選!プロ直伝お手入れ方法紹介

アンティークテーブルと言えば、深みのある木肌の色合い、品のある艶が魅力ですよね。使用されている木材によって色味の明るさや木目の表情が異なりますが、実は仕上げ塗料も重要な役割を持っています。
仕上げ方法によって、しっとりした風合いなのか、艶やかな雰囲気なのかがかなり左右されるのです。

今回はアンティーク家具の塗装について、塗装の種類やメリット・デメリット、さらにお手入れの方法までまとめましたので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

仕上げ塗装の種類

アンティークテーブルを見る時に、使用木材と合わせてチェックしたいのが、仕上げ塗装の種類です。

仕上げ塗装には、「ウレタン塗装」、「ラッカー塗装」、「オイル仕上げ」、「ワックス仕上げ」の4種類があります。
特にテーブルは天板が広いので、仕上げ塗装の違いによる変化が顕著です。
テーブルの購入にあたっては、どの仕上げ方法なのかを確認しておくことも大切ですよ。

1. ウレタン塗装

ウレタン塗装
「ウレタン塗装」とは、家具材にポリウレタン樹脂を吹き付けて、表面をコーティングする仕上げ加工方法です。
近年の家具に一番多い塗装方法であり、つるりとした仕上がりになります。

硬質の塗膜で覆うのでキズや汚れに強く、水を弾きます。またこの塗膜によって木材の呼吸を止める特徴があり、木材にありがちな割れ反りなどを防ぐ働きが期待できます。

塗膜の厚みや艶感はある程度調整できるので、鏡面仕上げのようにピカピカにしたり、反対に木の質感をある程度残したい場合はマットな仕上がりにすることもできます。

ウレタン塗装は最近の家具の主流の仕上げ方ですが、アンティーク家具をリペアする際にもウレタン塗装は活躍してくれます。
塗装が剝がれ、木がぱさぱさになってしまったものでも艶感を甦らせることができ、塗装後はお手入れの必要がなくなるので、家具を長持ちさせることができます。

2. ラッカー塗装

「ラッカー塗装」とは、揮発性の高い溶媒に樹脂などを溶かした塗料で仕上げる方法です。

木材にスプレーガンで吹き付けて塗装していきますが、揮発性が高いため乾燥が早くスピーディに仕上げることができます。また、塗膜が非常に薄いので、木の質感や手触りを感じることができるのが特徴です。

乾燥後は表面が硬化し、木材の導管は塞がれるためウレタン塗装と似た特性を持っています。それでいて、ごく薄い塗膜なのでしっとりとしたオイル仕上げに近い風合いがありますよ。また、磨き上げると光沢を出すこともできるので、艶やかな家具が欲しい方にもぴったりの仕上げ方法です。

意外にもアンティーク家具には多い仕上げの方法で、木の質感と使いやすさを両立した塗装として先人達にも人気がありました。

3. オイル仕上げ

オイル仕上げ
「オイル仕上げ」とは、植物性のオイルを木の表面に擦り込んで塗膜代わりにする仕上げ方法です。

木材に直接オイルを擦り込んでいくのですが、オイルは木の導管を通じて吸収されていきます。これを繰り返して仕上げるので、仕上がった表面にはうっすらと塗料を感じる程度の見た目です。

オイル仕上げは表面に塗膜を作るのではなく、オイルの性質を活かして塗膜の代わりにしています。しっかりオイルを擦り込んだ木材は、導管にオイルが充填しているため木の水分量を一定に保つ働きがあります。これにより水分量の変化による割れ・反りを抑える効果があるというわけです。

オイル仕上げを施すと導管にオイルが入り込むため、より木目を強く感じる風合いに仕上がります。見た目も手触りもしっとりとした質感です。

4. ワックス仕上げ

ワックス仕上げ
「ワックス仕上げ」とは、蜜蝋ワックスなどを表面に擦り込んで家具を仕上げる方法です。

蜜蝋ワックスは、ミツバチの巣から取れる蝋と植物性オイルを混ぜて練り上げたもので、ゆるい液体から半固形の状態で販売されています。自然由来のもので作られているため、安全性が高いとされています。

オイル仕上げと同様に木の質感が感じられますが、オイルと異なる点はワックスは木材の表面に留まること。これにより水分や汚れを弾く塗膜代わりになるのです。

また、オイル仕上げはしっとりとした仕上がりなのに対し、ワックス仕上げはさらりと軽やかに仕上がります。まるで無塗装のような、より自然な風合いがワックス仕上げの特徴と言えます。

それぞれの塗装のメリット・デメリット

仕上げ塗装の種類を確認できたところで、続いてはそれぞれの持つメリット・デメリットをご紹介します。

どの仕上げ方法も、良いところ、悪いところがあります。
しっかり見比べてご自身のライフスタイルにあう仕上げのアンティークテーブルを選んでくださいね。

1. ウレタン塗装のメリット・デメリット

【メリット】

ウレタン塗装のメリットは、「割れ・反りを防ぐ」、「水・汚れ・キズに強い」、「経年で風合いが変わらない」の大きく3つです。

天板の大きなテーブルの場合、特に割れや反りが出ると困りますよね。その点、ウレタン塗装で仕上げれば木材と空気が触れることが無く、温度や湿度に影響されなくなるため割れ・反りを防ぐことが可能です。気候の変化に関わらず、安定感のある仕上がりになるのは大きなメリットですね。

また、テーブルに水分や食べこぼしによる汚れなどはつきものですが、ウレタン塗装の場合さっと水拭きができるのもポイント。特にお子様のいらっしゃる家庭では、このお手入れのしやすさは嬉しいでよね。
硬質で厚めの塗膜で覆われているので、キズに強いのも特徴。食器などによる擦り傷は、ほぼできません。

呼吸を続ける仕上げとは異なり、長期間使い続けても変化が出ないことも人によってはメリットですね。買いたての状態をキープしたい方にとっては魅力的な仕上げ方法です。

【デメリット】

ウレタン塗装のデメリットは、「個人での修理は難しい」、「熱に弱い」、「木そのままの質感を楽しめない」の大きく3つです。

そもそも少しのキズならつきにくいのがウレタン塗装ですが、問題ははっきり目立つキズができてしまった時です。
ウレタン塗装は個人的に修理できる技術ではなく、専門の工場で行われます。塗膜が厚く硬いため剝がすのにも手間がかかり、修理にはかなりの時間とお金を要します。

また、水には強いウレタンですが、熱には弱く、鍋などの熱いものを直接置くと表面が白く濁ってしまいます。ウレタン塗装のテーブルには鍋敷き等を忘れずに使うと塗膜が長持ちしますよ。

そして、ウレタン塗装は塗膜をつくるので、木の質感そのままの自然な状態を楽しみたい方には向いていない仕上げ方と言えるでしょう。
ただし、塗膜の厚さや艶感は施工の段階である程度調整できるので、ウレタン塗装であっても細かく要望を聞いてくれるショップなら自分好みに仕上げることも可能です。

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2. ラッカー塗装のメリット・デメリット

【メリット】

ラッカー塗装のメリットは、「木の風合いが残る」、「キズや汚れに強い」、「艶やかで高級感がある」の大きく3つです。

薄い塗膜を重ねて仕上げるラッカー塗装は、オイル仕上げのような自然な木の風合いが魅力的。そのままの木材に触れているような手触りで、優しい雰囲気に仕上げたい方に最適ですよ。

ウレタン塗装にはかないませんが、キズや汚れへの耐性も備えています。水分や汚れはすぐに拭き取ればシミになりにくいので、オイル仕上げやワックス仕上げほど気を使わなくても大丈夫です。

また、ニスやワックスを重ねなくても、磨き上げることで美しい艶がでることもメリットの一つ。木の風合いは残しつつ、艶やかな仕上がりで高級感があります。

【デメリット】

ラッカー塗装のデメリットは、「アルコール消毒などはできない」、「素人には修復しにくい」、「長期使用で変色することがある」の3つです。

ラッカー塗装の場合、アルコールやシンナーなどで拭き取ると、塗装が溶けてしまいます。常日頃からアルコール消毒でテーブルの衛生を保ちたい方には不向きな仕上げ方法でしょう。

また、キズ・汚れに強いと前項で書きましたが、あくまでオイル仕上げやワックス仕上げと比較して、というお話。水滴が気になるものを置くときは、やはり何かしら下に敷いた方が安心です。問題なのは、それでも輪染みやキズがついてしまった時です。
ラッカー塗装は、薄い塗膜を何十回と重ねて仕上げています。溶けてしまった、シミができた、キズがついた…という場合は、自宅でメンテナンスをすることは難しく、業者に依頼する必要があります。

そしてラッカー塗装は長期使用により、塗装表面が白っぽく濁ってくることがあります。こうなると艶は失われ、露がかかったような見た目になってしまい、決して美しいとは言えなくなってきます。このような場合も、業者に依頼して剥離・再塗装をお願いすることになるでしょう。

3. オイル仕上げのメリット・デメリット

【メリット】

オイル仕上げのメリットは、「木の風合いを感じられる」、「しっとりとした手触り」、「体にも木材にもやさしい」の大きく3つです。

塗膜を作るわけではないので、木の表情をそのまま感じられることは大きな魅力です。導管にオイルが染み込み、木目をより美しく見せてくれるのもポイント。木の本来の姿を堪能できるので、特に無垢材などに適した仕上げ方法と言えますよ。

オイルを染み込ませたからこその、しっとりした手触りも嬉しいですね。木材のやさしく滑らかな触り心地に癒されること間違いなしです。

また、オイル仕上げに使われるオイルは、実は「えごま油」、「あまに油」、「くるみ油」といった食用でもおなじみの植物性のオイルです。それだけ安全性が高く、人にとっても木にとっても負担が少ない仕上げの方法なのです。

【デメリット】

オイル仕上げのデメリットは、「割れ・反りが生じる可能性がある」、「キズや汚れが付きやすい」、「水分に弱い」、「定期的にメンテナンスが必要」と4つです。

オイル仕上げの場合、塗膜を貼っていないので木材は呼吸を続けています。吸湿と乾燥、膨張と収縮を繰り返すことでどうしても割れや反りがでる可能性があります。それを防ぐためのオイル塗装なのですが、完全に呼吸を止めるウレタン塗装とは異なり、その可能性は大きくなります。

また、コーティングをしているわけでもないので、キズ、汚れ、水分に対する耐性はほぼありません。水分や汚れは、コースターを使う、テーブルクロスやランチョンマットを使うなど予め対策をしておくと良いでしょう。キズもつきやすいのですが、お手入れで回復することもあるのであまり焦らないようにしてくださいね。

定期的なメンテナンスが必要なのも、人によっては面倒に感じるかもしれません。忙しくて手入れしている時間は無い、という方は避けたほうが良い仕上げ方法かもしれません。

4. ワックス仕上げのメリット・デメリット

【メリット】

ワックス仕上げのメリットは、「木材の魅力を引き出せる」、「安全性が高い」、「メンテナンスがしやすい」の3つです。

ワックス仕上げは人工的な塗料を吹き付けるのではなく、木の表面にワックスを塗るので木の質感はそのまま残ります。また、オイルのように木に染み込ませるわけではないので、さらりとした表情も特徴。例えば白い木材なら、透明のワックスで仕上げると美しい白い木目をそのまま楽しむことができます。仕上げ方法の中では、最も無塗装に近い自然な風合いを楽しめますよ。

また、ワックス仕上げに使われることが多い蜜蝋ワックスは、非常に安全性が高いのも嬉しいポイントですね。他に、植物から抽出するカルナバ蝋やキャンデリラ蝋などを使うこともありますが、これらももちろん自然由来のもの。いずれも化学物質を使われていることはほとんどなく、安心して使用できます。

さらに、メンテナンスのしやすさもワックス仕上げのメリット。ちょっとしたキズなどは、ご家庭で修復ができます。お手入れ後の乾燥が早いのもオイル仕上げとは異なりますね。水拭きの頻度が高い家具以外は、定期的なワックスがけは必須ではありません。思いのほか、気軽にお手入れできるのはワックス仕上げの良いところです。

【デメリット】

ワックス仕上げのデメリットは、「水分に弱い」、「キズや汚れに弱い」、「家具によっては定期メンテナンスが必要」と3つです。

ワックス仕上げ直後はワックスの油分で水を弾く効果がありますが、水分を長時間放置すると木目に水が染み込んでいってしまいます。また、頻繁に水拭きを繰り返すとワックスが少しずつ剥がれ落ちますので、ますます水分に弱くなります。シミを防ぐためには、濡れたらすぐに拭き取ることが大切です。

ワックスはあくまで木を保護するためのものであり、キズや汚れを防ぐような働きはありません。キズは小さなものであればご自身で修復可能ですが、大きなキズができた場合業者に修理を依頼することになるでしょう。
汚れに関しては、汚してしまったらすぐにふき取ることが鉄則ですが、予めテーブルクロスなどで保護して使うと安心ですね。

また、水場の家具や頻繁に水拭きをする家具の場合、定期的にワックスの塗りなおしをする手間があります。頻度の目安としては年に1~2回程度で、水拭きの多いテーブルならば再塗装することを念頭におくと良いでしょう。

塗装ごとのお手入れ方法

最後に、ラフジュ工房のリペア職人直伝お手入れ方法をまとめました。
アンティーク家具のお手入れは面倒な印象がありますが、意外と簡単です。実践してアンティークライフを楽しみましょう。

1. ウレタン塗装のお手入れ方法

ウレタン塗装のお手入れ方法は、基本的に乾拭きするだけです。軽い汚れがついた場合や、水分はその場でさっと拭きとるだけで綺麗になりますよ。日ごろの乾拭きは、汚れを拭きとるというよりは、ホコリをぬぐうイメージのほうがしっくりくるかもしれません。

軽く拭いても汚れが落ちない場合は、硬く絞った布などで水拭きを。それでも落ちそうにない頑固な汚れは、中性洗剤を薄めたもので拭いてみましょう。汚れが落ちたら、洗剤の付いていない布で水拭きをするとすっきりするはずですよ。

ワックスがけやオイルの擦り込み作業などは必要ないのがウレタン塗装仕上げなので、他の仕上げと比較するとメンテナンスは非常に簡単です。

注意:メラミンスポンジを使ってお掃除すると艶が曇ってしまうことがあるのでご注意ください。

2. ラッカー塗装のお手入れ方法

ラッカー塗装の日常的なお手入れは、柔らかい布での乾拭きのみで大丈夫です。汚れが気になるときは、硬く絞った柔らかい布などで水拭きをして、その上で乾拭きをして仕上げます。塗膜が薄いので、いずれの場合もこすりすぎには気をつけてくださいね。

ウレタン塗装と同様に、特別なメンテナンスは必要ありません。ただし、水をこぼしたり汚れたりした場合は早急に拭き取るようにしましょう。長い時間放置すると、シミとして残ることがあります。

また、塗装面に直接高温の物を乗せることもご法度です。コーティングが白く濁る原因になるので、テーブルクロスや鍋敷きなどを敷くようにしてくださいね。

3. オイル仕上げのお手入れ方法

オイル仕上げ仕上げの日常のお手入れ方法は、汚れが気になったときに乾拭きするだけで十分です。水拭きしてしまうと、シミになったりオイルが落ちてしまったりするので、極力やわらかい布での乾拭きをおすすめします。

しかしテーブルの場合、水拭きをしたい方も多いと思います。そんな時は、硬く絞った布巾などで水拭きをしても大丈夫です。ただし、水拭きを繰り返すとどうしてもオイルは抜けていきます。そんな時は、1~2年に一度程度、オイルを擦り込むお手入れをすると良いでしょう。
この時使うオイルは、乾性油と呼ばれるものを使用するようにします。具体的にはえごま油、あまに油、くるみ油、ベニバナ油、ひまわり油などが該当します。スーパーなどで手に入れられる油も多いので、思いのほか気軽に再塗装ができますよ。

4. ワックス仕上げのお手入れ方法

ワックス仕上げの普段のお手入れ方法は、柔らかい布などでやさしく乾拭きするだけです。うっかりついてしまった水分や汚れも、その時に手早く拭き取れば対処できます。必要性を感じなければ、定期的な再塗装も不要です。

一方、水回りの家具の場合は年に数度塗りなおしをすると、美しさと木材の保護に役立ちます。とはいっても、「つやつやじゃなくていい」、「塗装剝げも味わい」と感じる方には、その手入れも必ずしも必要ではないので気楽に構えて大丈夫です。

定期的にワックスがけをすれば、家具の風合いに深みが出てより艶やかにはなりますが、そこに魅力を感じない方にとっては再塗装は不要かもしれませんね。

キズ、汚れの修理

ウレタン塗装、ラッカー塗装の場合、キズを自分で修復するのは困難ですが、オイル仕上げ、ワックス仕上げの場合は多少のキズならDIYでも対処可能です。

  • 落とせない汚れが付いた

硬く絞った布巾などでも落とせない汚れがついてしまった場合、軽くやすり掛けをしてみてください。汚れが取れたら、木くずを払ってオイル、もしくはワックスで塗装して完了です。

  • 小さなキズが付いた

ごく浅いキズの場合、同系色のワックスを擦り込むことでキズが目立たなくなりますので、お試しください。

  • ものをぶつけて凹んでしまった

濡れたタオルを凹みの部分に置き、高温のアイロンでおさえます。すると、凹み部分が蒸気で盛り上がってきますのでやすりでキズや凹みの高さを整えて、オイルかワックスで仕上げます。

いずれの場合も、自分の手に負えないと感じたらプロにお任せしてくださいね。

↓輪染みの消し方はこちらの記事でご紹介しています↓

おわりに

今回は、アンティークテーブルの塗装について掘り下げてみました。

それぞれの特徴を理解しておけば、購入後のお手入れ方法、メンテナンスが分かるので、安心してアンティーク家具を迎え入れられますね。

仕上げ塗装を知って、よりアンティークの世界をお楽しみくださいませ。

 

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