こんにちは!ラフジュ工房店長の岩間守です。
お久しぶりの店長ブログ、今回は求職者の方へ向けた内容となっております。
実はここしばらく、求人関係のコンテンツをもっと充実させよう!とあれこれ動いてまして。
ご存知の方もいるかもしれませんが、こんなのも作ったんです。
で、今日はこの求人口コミの記事では語り切れなかった部分をお話させてもらおうと思ってます。
私が伝えたいのは、この3つ。
一.「会社が大事にしてくれない」と嘆く前に自分を省みる
二.将来性は会社に求めるものではなく、自分自身に宿るもの
三.「夢」や「やりたいこと」に固執しすぎない
今まさに就活に悩んでいたり、なんとなく生きづらいなと思っている人がもしいたら、ぜひ続きも読んでみてください。
もしかしたら、何か気付くきっかけになるかもしれません。
「会社が大事にしてくれない」と嘆く前に自分を省みる
さて、まずはこの記事を読んでいるあなたに聞きたいことがあります。
あなたにとって一番大切な存在は何ですか?
おそらく大半の人は、自分あるいは子どもと答えるのではないでしょうか。
では、会社はどうでしょう。
会社はあなたにとって何番目に大切な存在ですか?
実は、ラフジュ工房の面接では必ず前職の退職理由を聞くようにしているのですが、「会社がわたし/僕を大事にしてくれなかった」的な回答がけっこう多いんです。
でもこれ、私からすると「じゃああなたは会社を大事にしていたんですか?」と言いたくなるんですよね。
会社のことを第一に考えてこれこれこういう形で貢献してきたのに報われなかった→会社はわたし/僕を大事にしてくれなかった、って理屈なら分かるんですけど、そうじゃないならちょっとその考え方は危険かもしれません。
自分のことを優先してほしい、尊重してほしいと思うなら、そうしてもらえるようにまずは自分が相手を優先すべきだし、尊重すべきです。
それは友人だろうが恋人だろうが、そして社員と会社という関係性だろうが同じこと。
一方が他方に要求してばかりの関係は、いずれどちらかが耐えかねて破綻してしまいます。
最初のうちは私も、こんなに言うぐらいだからよっぽど会社に貢献したんだろうな、きっとそれが報われなくて腐っちゃったんだろうな、と思っていました。
しかしよくよく見ていると、その人は取り立てて仕事ができるわけでも、何かしらの実績があるわけでもなかった。
決定的だったのが、残業を断っていたんですよね。
そこは機械のメンテナンスなんかをやってる会社で、普段、残業は滅多にありませんでした。
それで部長がその人に声をかけたんですよ、「なんとか行けないですかね」って。
なのに答えはNO。「いや、俺は今日十分働かせてもらったんで帰ります」と、にべもなく断ったんです。
言ってしまえば、クライアントがいるから仕事があって、飯も食えてるわけですよ。
そのクライアントが今まさに困っているのに、誰かがやらないと困る緊急の仕事なのに、それでも帰る(しかも大した理由もなく)って、さすがにどんな神経してんのかなって思いましたね。
普通に考えたらそんな労働意欲の低い人、会社が大事にするはずないじゃないですか。
きっとその人はその人で、「会社が俺を大事にしないのが悪いんだ!」と思っていたのかもしれません。
だけど、それなら会社に対して文句を言うのは筋違いなんですよね。
勘違いしてほしくないのが、この人の「最低限の仕事だけやる」「残業は一切しない」っていうスタンス自体は、良し悪しはともかくとして別に構わないんです。
ただ、自分はそういうスタンスなのに相手(会社)には逆のことを求めようとするから問題なのであって。
ちなみに私にとって最も優先すべき存在は、子どもです。
次に自分、三番目が子ども以外の家族(両親・兄弟・妻)、そしてその次に社員と親友が来る感じですね。
「とにかく会社は何においても社員を優先すべきなんだ!」という考えの人がこれを知ったら、憤慨ものだろうなと思います。
ですが残念ながら、これが現実です。
そりゃ世間体ってものがありますから、口ではいくらでも「社員が一番大切」とか「社員は宝」とか言うでしょう。
でもそんなのは建前です。
「社長のくせに社員が一番じゃないなんて!」と思った人がもしいたら、悪いことは言いません。
まず間違いなく理想と現実のギャップで苦しむことになるので、会社というものに対する期待値をもっと下げた方が良いです。
安い給料でこき使われて、そのくせ「もっと愛社精神を持て!」「もっと社長を敬え!」と過度な忠誠心を求められたら嫌ですよね?
牛丼屋やファストフードなんかのコスパ重視の店で、価格に見合わないサービスを求めている人を見てどう思いますか?
その嫌悪感が、何よりの答えです。
相手をどうこう言う前に、そもそも自分はどれだけ相手に寄与できているのか?求めすぎてはいないか?一旦冷静になってみてください。
将来性は会社に求めるものではなく、自分自身に宿るもの
よく、会社に将来性を求める人がいます。
「この会社は将来性があるから安心だ」とか、「将来性が感じられないから辞めよう」とか、“将来性”は会社を選ぶ上で絶対無視できない重要な要素だと、多くの人が口をそろえて言います。
考えてみてください。
今のご時世、公務員ですら一生安泰とは言えない時代です。
そんな先行きの見えない世において会社に将来性を求める、それって実はかなりナンセンスなのではないでしょうか。
極端な話、日本を代表する大企業だってこの先何年後かには業績が悪化しているかもしれないし、下手したら潰れているかもしれません。
そう考えたら、会社の将来性なんて不確定でふわっとしたものに囚われて視野を狭めてしまうのは、非常にもったいないしリスキーだと思うんです。
ここで言う仕事に対するスタンスとは、自分のもてる知識・能力をいかし会社に貢献するにはどうしたら良いのか、ということを組織の一員として考え、協力できる姿勢のこと。
(もちろん、その会社が社員を搾取するだけのブラック企業ではないことが前提の話です。)
そういう姿勢があれば、きっとどこに行っても上手くやっていけるでしょう。
皆さんは、アルフレッド・アドラーという人物を知っていますか?
オーストリアの精神科医で、かの有名なフロイトやユングと並び、「心理学の三大巨頭」として知られるアドラー。
そんな彼が自身の著書の中で、「仕事の本質は他者貢献である」と説いているんです。
どういうことかと言うと、労働によって他者貢献する→感謝される→自分の存在価値を実感する→自己肯定感UP、というこのサイクルこそが仕事の本質なんだよってことなんですね。
というか、こういうマインドでいた方が道も拓きやすいと思うんですよ。
人から感謝されて、心地よい疲れと共に一日を終える。
そんな充実感に満ちた仕事ができたら自然と自己肯定感も上がるでしょうし、「もっと褒められたい!」ってやる気も起きるでしょう。
他者貢献の意識をもって働くことで自分の価値も自ずと高まっていく、それによって、結果的にどこでもやっていける確たる“将来性”を手に入れられるんです。
そうなればもう、自分の将来は自分が担保してくれるわけですから、不必要に会社に依存することもありません。
「夢」や「やりたいこと」に固執しすぎない
昨今の教育方針のせいなのか、やれ「夢を持ちましょう」だの「自分のやりたいことを見つけましょう」だの、そういった理想論が本当によく目につきます。
「夢」や「やりたいこと」って耳障りは良いですけど、ともすれば毒になりかねないと思うんですよ。
だって、自分のやりたいことを見つけることができて、しかもそれを仕事だったり生活の一部として享受できる人なんて、ごく限られた人間だけじゃないですか。
それなのに「夢を持て!」「やりたいことを見つけろ!」と、そうした個々人の背景を無視して全員一律で押し付けたら、呪縛になってしまうんじゃないかなと。
私がひねくれすぎなのかも…とは思うものの、そんな簡単に言ってるけどあなたそれ責任持てないでしょ、と言いたくなってしまいます。
で、結局何が言いたいのかと言うと。
だから就職活動でも、「やりたい仕事」「夢だった仕事」「憧れの仕事」にフォーカスしすぎるのは良くないよ、ということなんです。
これっていわゆる、“自分探し難民”に通ずるところがあって。
自分探しは迷路みたいなものなので、ある程度のところで見切りをつけないと永遠にさまよってしまうんですよね。
学歴とか資格なんかも、そういう意味では呪縛と言えますね。
「良い大学を出たから大手に就職しなきゃ」「資格を役立てられる職場じゃなきゃ」って執着するあまり、見方が偏狭になってしまうわけです。
それよりも、いかに自分の適性をいかして人に感謝される仕事に就くか、そっちの軸で仕事を探した方が幸せになれると思うんですよ。
“適性”という言葉がいまいちピンと来ない人は、才能とか素質とか、別の言葉に置き換えてみてください。
例えば、
・ずっとやりたかった仕事だけど全く適性がなくて、いつも周りから怒られ、否定される
・特にやりたい仕事ではないけど十分な適性があって、「あなたがいてくれてよかった」と感謝してもらえる
そりゃあ、やりたかった仕事で適性もあって感謝もされて、っていうのが一番なんでしょうけど、そういう人が果たしてどれだけいるのか。
実際は皆、何かしら妥協し自分の中で上手に折り合いをつけて、働いているんじゃないかなと思います。
適性がある人とない人じゃ、どうしたってスタートラインが違うんですよね。
それゆえ、どれだけ時間をかけても結果には大きな差が出てしまう。
残酷な話ですが、これは私が17年間いろんな人を雇用してきた経験から悟った事実であり、真理でもあります。
もしかしたら、世の中には根性や粘り強さが抜きん出ていて、適性の低さをカバーできるような人もいるかもしれません。
やりたいことと実際にできることは、いつもイコールとは限りません。
これはどうか肝に銘じておいてください。
求職者の皆さんには、ある意味“冷めた目”での職探しをおすすめします。
最後にひと言
つらつらと個人的な思いや考えを語ってしまいましたが、ここに書いたことは全て、曲がりなりにも17年間、「ラフジュ工房」という会社を経営してきた中で得た知見です。
たくさんの出会いを経験し、たくさんの失敗を積み重ねてきた私だからこそ、今を悩む求職者の方へ伝えられる何かがあるはず。
そんな思いで形にした、私なりのエールです。
ほんの少しでも、皆さんの仕事探しの役に立てたら嬉しいです。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。