あなたは食器を買う時、どんなことを考えていますか?
「この食器にはあの料理をのせたいな」と食卓でのイメージが膨らむ方や、「いやもうひと目惚れしてしまって…」と直感に偏る方。人の数だけ器への思いがあるはずです。
食卓での役割でいえば食器は、”料理をのせるもの” なのは大前提。ただ、使う中でもたらしてくれるものは本当にそれだけなのでしょうか。
ということで今回は、食器好きさんはすでに知っている、暮らしにおける食器の楽しみ方についてお話ししていきます。これから食器を集めたいと思っている方にも読んでもらいたい、小さな気づきを集めてみました。
目次
使っていない時の眺めることにも向き合う
好きで集めた食器を、見せたくない人は誰もいないですよね。
扉が無いオープンのカップボードや、透明なガラス戸の食器棚など “丸見え” の家具に収納することをハードルに感じるのはよく分かりますが、せっかくなら暮らしの風景にするように努めましょう。
色や質感などで、すでに好みがだいたい定まっている方は、大ぶりな食器棚にひとまとめでOKですが、カップ&ソーサーや湯飲みなど、和と洋で好みがそれぞれある方は2台に分けるのも手です。また、収納する際は、形や高さでまとめてしまえば、統一感もある程度は図ることができます。
食器にとって、食卓が晴れ舞台というのはもちろんなのですが、眺められることの楽しさについて向き合ってみると、本来の用途を越えて暮らしを豊かにする存在になるはずですよ。
自分の趣向にいつも新鮮さをくれるもの
まず、食卓における食器の用途を考えてみると「日常的に食卓を支えるもの」と「食卓まわりのなにかを楽しむもの」の、大きく2種類に分けることができます。
たとえを挙げると、茶碗や大皿は、料理を盛る道具として必要なものですよね。また、お酒を呑むための酒器や猪口、お茶を飲むための急須や湯飲みは、毎日の食卓に不可欠とまでは言えませんが、ある時間を “嗜む” ためのものになると思います。
そんな時間のために用意するとっておきの器は、自分の趣向に向き合うきっかけと新鮮さをいつも与えてくれるはずです。料理に合わせてお酒を嗜むように、その日の一品やシーンに合わせられるように器を揃えれば、いつもの時間や愛着もより膨らむのではないでしょうか。
欠け・割れは器のおわりではなく、またはじまり
知らず知らずのうちにヒビが入った陶器や、シンクにぶつけたガラスなど、気をつけていても避けられてない “うっかり割り”。ほんの小さな欠け一つでさえ、器の寿命がそれで終わってしまったかのような、そんなショックを受けた経験、ありませんか?
もう泣き寝入りするしかないと思うかもしれませんが、器の欠け具合にもよって、これまでと違うカタチで “楽しみ尽くす” というのも粋ではないでしょうか。このように、小さな花器としてふたたび活かすなど、その場その場の楽しみ方を見つけて、器と付き合っていくのも素敵だと思いますよ。
ただ料理を盛りつけるものではなく、心を通わす道具
器は料理をのせる道具であり、引き立たせる存在ですが、器を介して「心を通わすためのもの」でもあるように思います。
美しく盛りつけたらとても喜んでくれたり、料理を家族で取り分けたら、なんだか笑顔になれたり。言葉には出さなくとも、一皿を通した対話によって、伝わるものがたくさんある気がします。
日々いつの間にか当たり前になってしまう食事も、そんな人と人の心を紡ぐ一皿の食器が思い直させてくれますよ。
最後に
目で楽しむ以外にも、暮らしの中でたくさんの愛着を生んでくれる食器。食卓の道具であるとともに、日々を見直す心得になるような、じっくり向き合ってみるとそんなものだなぁと筆者もあらためて感じました。
この記事をきっかけに、毎日の「食器を楽しむこと」について、自分なりに振り返ってみてはいかがでしょうか。