その時代ならではの意匠を凝らして作られた、和のアンティーク家具たち。
今には無い光る個性を、より多くの方に知っていただきたい思いはあるものの、いざ “使う” に関してはハードルがあるのは私たちも感じています。大きなところで言えば、現代の暮らしでの「使い勝手」と「コーディネート」が不安材料となっているのではないでしょうか。
そこでラフジュでは、和家具としての魅力をきちんと活かしつつも、今の家具として使っていただくための術を考えてみました。
今回は、伝統にモダンなアレンジを加えた、リメイク和家具の特集です。 “こうしたら別物になった!” のおすすめアンティークを集めてみましたよ。
ちゃぶ台をリメイクしたセンターテーブル
和の空間に合わせた、シックなセンターテーブル。実はこれ、昭和の食卓で活躍してきた「アンティークちゃぶ台」をリメイクしたものなんです。
ラウンドしたフォルムが美しいちゃぶ台は、その低さゆえに床座か和室でしか使えないのがもったいないところですよね。ソファ使い用に少し高さを上げていますが、シルエットも先が細いすっきりしたものに変えたことで、モダンな雰囲気に。フローリングにもクセなく合わせやすいところが、大きな魅力ではないでしょうか。
蝿帳の網戸をリメイクしてガラスケースに
食品の一時的な保管棚として作られた「蝿帳(はいちょう)」。昔の台所では必需品でしたが、傘式の蝿帳やラップが出回り始めてからは、すっかり第一線から姿を消していました。
もともとはハエ避け用に網が張られていましたが、残念ながらこのままでは用途が無いので、側面をガラスに。そこに脚を付けてモダンなショーケースにリメイクしました。
和の意匠の定番である格子が、染付の磁器やガラスの器などを美しく見せてくれそうですね。夜は照明を上手に活用すれば、シルエットがより映えますよ。
古い蔵戸を活かしたモダンなダイニングテーブル
古い家の蔵の扉である「蔵戸」。写真で見て分かる通り、箪笥などと同様豪華な金具が付いています。この蔵戸の金具に関しても、地方色や縁起物の意味が込められていました。
ですが重厚な蔵戸は、やはりそのまま建具として使うことがあまり無いのも事実。そこで、そんな丈夫さを活かしてダイニングテーブルとしてリメイクしました。
ガラスの天板や角脚のアイアンを組み合わせたことで、モダンコーディネートととも繋げてくれます。たとえば北欧などのミッドセンチュリーなチェアと使えば、ミックス感のあるスタイリッシュコーディネートを作ることができますよ。
板戸をガラス戸に変えた水屋箪笥ローボード
横に桟が入ったモダンなこのローボードの正体は、MAGでも何度かご紹介している水屋箪笥なのです。たしかに、どっしりとした框(かまち)は水屋の特徴が出ていますが、これが水屋箪笥?とはじめは目を疑いますよね。
実はローボードでも使いやすいように高さを低く切り出してあります。また、板戸をガラス戸に変えたことで、デッキを収納してもリモコン操作ができるようになっています。水屋箪笥ならではのモダンな意匠が、スタイリッシュなリビングにもばっちり合うはずですよ。
最後に
「伝統」と「使いやすさ」 の両立。
今の暮らしに合わせた “リメイクのかけ算” により、新たな用途で使われていくようになるのです。今回ご紹介したのはごく一部なので、第二弾をお楽しみに。