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和モダンなレトロガラス。日本のアンティークに見る結霜ガラスの魅力

結霜ガラス。これどう読むか分かりますか?
正解は、”けっそう”。文字通り、一面に霜が降りたようなガラスだからこう呼ばれています。
名前どころか、初めて目にする方もいらっしゃると思いますが、それもそのはず。今では生産されているところも僅かで、日本のアンティークだから見ることができる、希少なレトロガラスの一種でもあります。曇った下地に透明な模様が映し出されたガラスは、実は型を使って作られたものではないんですよ。
そんな特別感がますます気になる、結霜ガラスの魅力を今回はご紹介!伝統的な技法のことから和モダンなインテリアとしての実用的な取り入れ方まで、じっくり着目していきます。

和製グルーチップガラス。結霜ガラスの作り方と魅力

結霜ガラスの歴史
別名グルーチップガラスとも言われている「結霜ガラス」は、この無数の結晶のような模様が特徴です。冒頭でもお話ししましたが、ひと目見て想像できるように、モールガラスなどとは違い型で作られているものではありません。
作り方は、膠(にかわ)と呼ばれる、動物の皮革などから採られる強力な糊を粗めに加工した板ガラスの表面に塗るというもの。ちなみにこの膠から、不純物を取り除いたものがゼラチンになるんです。
そして膠が乾燥(固形化)して収縮することで、ガラス表面にこのような美しい模様を作り出すことができます。
膠の量や放置しておく時間、作業の環境によって模様の出方が変化するため、一定の綺麗なパターンを作るには職人が長年培った “勘” が頼りになるのです。すっかり工業製品のイメージが強い現在からすると、クラフト性が強い板ガラスはちょっと驚きですよね。
もともとのルーツは輸入品でしたが、日本では大正~昭和初期あたりまで生産されていたそうですよ。

結霜ガラスのモザイク感はどんな感じ?

レトロガラス収納棚
規則性の無い結霜ガラスは、模様の密度もまばらなので、モザイク性はそれほど高くありません。
実用面のことを言うと、色も透けやすく、シルエットをカモフラージュしてくれる程度です。心もち “半見せる収納” のように意識しておくと良いでしょう。
衣類などをはじめ、このような布製の色モノは、結霜ガラス戸がはめ込まれた収納棚にまとまり良く収めるのは、ちょっと難易度が高いかもしれません。和の趣あるガラスとの相性を考えるならば、和食器や無彩色の食器収納に活かすのがおすすめですよ。

和の空間に合わせるのがベーシック

結霜ガラスのインテリア例
先ほどは収納する物の相性についてお話ししましたが、空間の中でのコーディネートも気になるところ。
日本の四季でいう冬を想像させるその模様は、和を彩るポイントとして取り入れるのがベーシックです。このように飾り台として意識したローボードのアクセントに使うのも良いですね。
建具をはじめ水屋や収納棚など、和の意匠のある家具には間違いない相性のレトロガラスですよ。

和洋折衷のモダンなコーディネートにも応用OK

モダンなアンティーク収納棚
和の空間で活かすのは良いですが、ちょっと応用編も。大正ロマンなど、ムード溢れる和洋折衷コーディネートにも結霜ガラスはぴったり。このように、2種のレトロガラスでモダンデザインを楽しむのも素敵でしょう。
ただし、数あるレトロガラスの中でも和の雰囲気が強い結霜ガラスは、他の “柄物” のレトロガラスと合わせるのはちょっとくどいかもしれません。あくまで特有の風情を壊さないように、シンプルに使うのが粋ですよ。

最後に

美しい霜模様に隠されたストーリーと、その風情の活かし方に今回はフォーカスを当ててみました。一つとして同じものはない希少さと、職人の熟練された技術が込められた結霜ガラスに、あらためて筆者も引き込まれました。
日本のアンティーク家具の魅力は、レトロガラス無しには語れないもの。その他のレトロガラスのことも、今後MAGを通してご紹介していきたいと思います。

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