「大正ロマン」と聞いて、どんな空間をイメージしますか?レトロな窓ガラスでしょうか、優美な装飾のソファやテーブルでしょうか。
和と洋が調和した華やかさが印象的ですが、その決め手になっている要素の一つなのが配色。独特の多色使いはセンスが要るように思えますが、秩序を意識すればちゃんと統一感を出すことが可能なんですよ。
今回は、大正ロマンの部屋作りの配色テクニックを、インテリア実例を基にご紹介!部屋に取り入れるだけで空間がグッと引き締まる、アンティーク建具を取り入れたコーディネートを見ながら検証してみましょう。
目次
濃い目で揃えた色使いが特徴
大正ロマンのコーディネートによく使われる家具として、装飾の多い洋家具などが挙げられます。でも、照明には真鍮の金具が付いたどことなく和を連想させるものが多かったり。なんだか不思議ですよね。和と洋が融合したような独特の雰囲気があるのは、大正ロマンは「西洋の美」を日本なりに解釈した文化のためです。
その特有の美術は、装飾だけではなく色使いにも表れています。ベースになる基本カラーは深みのある茶色、そしてワインレッドなどが多いです。
レトロな発色が良い色ガラスのグリーンと合わせるなら、少しくすんだ濃い色合いのインテリアと合わせるのがいいと思います。同一トーンの配色は、統一感をはかるコーディネートの基本ですよ。
優美な模様の家具を取り入れるなら、シンプルな格子戸がぴったり
花柄など、主張性のある柄物を取り入れる場合は、そこにインパクトを持たせつつ周辺のインテリアはシンプルにまとめるのがベストです。たとえば、和の意匠のアンティークの格子戸は、その直線的な意匠からモダンな雰囲気のある建具としても使いやすく人気があります。
古い格子戸を住まいに取り入れる「見た目」でのメリットは、家具の輪郭を強調し、部屋全体を引き締めてくれること。空間に一体感が欲しいなら、家具だけでなく建具にもこだわるのがおすすめですよ。
光と影が描き出すノスタルジックな大正ロマンリビング。
美味しい珈琲と、クラッシック音楽が似合う喫茶店。そんな雰囲気を取り入れた大正ロマンのリビングです。透かし彫りが美しいソファに合わせたのは、イギリスアンティークのカフェテーブル。エレガントさが惹きたち合う上に、カップを乗せるのにちょうどいい高さもポイントです。
昼は色ガラスの光、夜はステンドグラスの光が幻想的に包む、ノスタルジックな寛ぎ空間の完成です。
反対色の緑と紫でアクセントをつけ、ベースカラーの濃茶でまとめる
緑の色ガラスがはめ込まれた、味わい深いアンティークの帯戸とのコントラストが美しい紫色のソファチェア。
紫と緑は実は反対色に近いのですが、ベースカラーが木の濃茶でトーンの統一も取れており、いいアクセントとして活かされています。ベルベット素材の座面が高級感をさらに演出していますね。
ただ、紫は非現実を連想する色とも言われており、使いすぎるとあまり落ち着かない印象を与えるので、バランスには注意しましょう。
最後に
独特の色彩観のある大正ロマン。ムードと寛ぎが調和する部屋作りのコツは、トーンを統一することとアクセントカラーを決めること。家具のデザインや建具の意匠をそれぞれ引き立たせるなら、空間で目立たせたいものを一つ決めて配色コーディネートすることをおすすめします。
そうすれば派手な装飾だけではない、品のある大正ロマンのインテリアを楽しむことができますよ。