忙しい毎日。ゆっくり読書をする時間があまり取れないあなたにとって、正直なところ、そんなに大きな本棚は要らないんですよね。本持ちではないけれど、日々の愛読する小説や料理本などをしまっておける位の本棚があるといいなぁと、思ったことはないですか?
少し前に、一般家庭の家具として使われたことで形を変えていった日本の食器棚の魅力をMAGでご紹介しましたが、本棚も同様に、サイズや造りが庶民に合うものが次第に生まれていくことになります。
家事の合間に読む本や、子供の絵本置きに、ダイニングに置いても圧迫感の無い素朴な本棚。できるだけ場所を取りたくないみんなの集う空間では、実用的かどうかもやっぱり大事です。
そんな今回は、木のあたたかみがあふれる、シンプルな日本の本棚に注目!暮らしに馴染む上手な使い方と、簡単にできるお手入れ方法もお教えします。
目次
日本の家庭における本棚とは
現代の一般家庭に本棚が普及したのは大正時代の後半のことで、この頃は読み終えた本を収めるために使われていました。昭和初期になると、一冊一円の”円本”が世に広まり、棚に並べることを前提とした本が誕生します。現代の”本来の”用途に近づくきっかけとなった出来事のひとつと言えるでしょう。
また、客を招く接客スペースと書斎を一緒の空間にするのが昔ではよくあり、書斎は知識の広さを見せる場でもあったと言われています。そういった意味で本棚は、その人の中身を表す道具として尊重されていた側面もあったのかもしれませんね。
長い歴史のある、楔式で作られた本棚
建築だけでなく、家具づくりにも活かされているのが、この楔(くさび)式。見て分かるように、留め具となる木材を差し込んで木を支えるシンプルな構造が特徴的です。正直、側面の”出っ張り”はスマートとは言えないですが、スッキリしすぎていない無骨さが良いところでもあります。
ただし、楔が緩むとぐらつく構造になっているので、緩んでしまった場合には締め直しが必要です。楔を傷めないようにあて木をした上から、トントンと打ち込んであげてください。分かりやすい造りのおかげで、このように自分でも簡単に手入れができるのも魅力的ですね。
空間の狭さはレトロ家具でカバー。ほっこりナチュラルダイニング
毎朝の束の間のひととき。たわいない会話を重ねるこの時間が大好きな、ふたりのナチュラル空間です。レトロなガラスがあしらわれた収納棚や古材のダイニングテーブルなど、木のあたたかみが十分に感じられる家具で揃えました。
飾らずにシンプルだからこそいい、愛着が湧いてくるダイニングが出来上がりました。
ダイニングに置く本棚は、生活にそっと寄り添うものが理想
団らんが主役のダイニングでは、食器棚などを置くことを考えるとあまり大きめの家具は避けたいところ。くつろぎを考えた時に、ぎっしり本が並んだ本棚が食卓の風景にあったらどうでしょうか。みんなが集うダイニングでは、ちょっとミスマッチに思えますよね。
眺めることもちゃんと考えて、お気に入りの器や趣味の愛用品などを一緒に並べてあげると、一気に”暮らし寄り”のインテリアとして機能します。このように、日本の家具でもフローリングのナチュラルなコーディネートにもしっくり馴染みますよ。
最後に
使っていきながら手入れもできる、造りも見た目もシンプルな本棚の魅力、お分かりいただけましたか。
自分で手をかけながら長く付き合っていけるのも、アンティークの醍醐味でもあるんですよね。
背伸びしないあなたにぴったりの、使いやすい日本の本棚をぜひ、暮らしに取り入れてみてくださいね。