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銭箱とは


銭箱(ぜにばこ)は、少額の硬貨や小銭を収納・管理するために使用されてきた木箱のこと。銭函とも書きます。

木箱の上部に貨幣の投入口があり、下部には錠前の付いた取り出し口が備わっています。江戸時代から大正時代ごろまで使われ、現在でいう貯金箱や金庫の役割を果たしていました。

銭箱の特徴

銭箱は、耐久性を重視して堅い木材を使用して作られています。上部には貨幣を入れるための投入口があり、下部には錠前付きの取り出し口が設けられているのが特徴です。また小さな引き出しや仕切りを備えたものも多く、硬貨の種類や用途に応じて仕分けがしやすいよう配慮されています。

銭箱のデザインは地域や時代によって異なりますが、伝統的な彫刻や漆塗り、精巧な金具の装飾が施された美しいものが数多く見られます。また商家の店先に置かれることが多かった銭箱は、威厳あるデザインが選ばれる傾向にあり、店の格式や繁盛を象徴する役割も果たしていました。

さらに投入口に漏斗(じょうご)を備えたもの、蓋を施錠できるようにしたものなど、使いやすいようさまざまな工夫が施されているのも特徴調です。商家の店先で使われることの多かった銭箱は、単なる収納道具にとどまらず、商家の格式や繁栄を示す象徴的な存在でもありました。

銭箱の歴史

銭箱の歴史は、江戸時代の貨幣経済の発展とともにはじまります。江戸時代に入ると、日本では幕府が金貨・銀貨・銅貨の「三貨制度」を整備し、庶民のあいだでも硬貨が日常的に使われるようになりました。特に「寛永通宝」という銅貨が広く普及し、日用品の購入や小額取引に欠かせない存在でした。

そんな中、商家では売上金を安全かつ効率的に管理するため、銭箱は商売するうえで欠かせない道具となりました。明治時代に入っても銭箱は現金管理の必需品として使われ続けましたが、紙幣が普及し、銀行が登場することで、その役割は次第に薄れていきました。

銭箱の種類

銭箱といっても、そのデザインや種類は実にさまざまです。引き出しが付いたもの、上部にお金を入れるための漏斗状の升(マス)が付いたもの、引き出しの奥に隠し引き出しが仕込まれたものなど、作りの工夫も多岐にわたります。欅材や栗材といった丈夫な木材がよく使われており、簡単に壊れない頑丈さも特徴です。また凝った金具や美しい装飾が施された銭箱もあり、見た目にも楽しめる要素が揃っています。

銭箱は主に小銭を収納するためのものなので、全体的に小ぶりなサイズが一般的です。一方で、銭箱に似た木箱として「千両箱」があります。千両箱は高価な貨幣・小判を入れるためのもので、細長く大ぶりな形状が特徴的です。

アンティーク家具としての魅力

現在、銭箱はアンティーク家具や古道具として注目を集めています。その人気の理由は、当時の職人技術が色濃く反映された豪華な装飾や頑丈な作りにあるでしょう。古民家インテリアや和モダンインテリアなどのアクセントや、店舗ディスプレイなどでしばしば使われています。

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