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ストラップワークとは


ストラップワークとは建築や美術、家具の装飾に用いられる、平たい革紐をモチーフにした線から成る模様の名前です。「ストラップ=ひも」の名の通り、革ひものような線が折れたり交差したりする模様を指します。
古くからある装飾で、歴史的建築物・家具・彫刻・織物・本の装丁・絵画などあらゆる物の装飾部分に使われてきました。
伝統的な装飾ですが、柔軟性の高いデザインであるがゆえ現代でもなお様々な場で活躍し続けています。

ストラップワークの特徴

最大の特徴はやはり、平たい革ひもをモチーフとした形が模様を作り出しているという点です。
シンプルにひも状の形だけで構成されるデザインもあれば、スクロール・アラベスク・菱形などの文様と織り交ぜられたり、グロテスク文様(植物・人・動物などが融合した文様)の背景や枠組み部分で使用されたりと、複雑に構成されるデザインもあります。

ストラップワークの歴史

ストラップワークはルネサンス期にあたる15世紀頃にフランスとオランダで生まれたとされ、バロック様式の建築に取り入れられたことで人気を博していきました。
先述のように、建築物だけでなく織物・本の装丁・版画・工芸品など多彩な分野でそれぞれの発展を遂げていきます。

15〜16世紀頃にストラップワークがイギリスへ伝来すると、家の入口ドアのモールディングなどで用いられたり、エリザベス様式の家具でも好んで使用されるようになります。
当時のイギリスは宗教改革や外交政策などが確立された頃で、人々の生活も安定するようになりました。そして住み込みで働いていた使用人たちがそれぞれに家を持つようになっていったことで家具産業が発展し、生活スタイルに合わせた様々な家具が数多く生み出されていきます。高級家具であればあるほどストラップワークの装飾は豪華になり、人々の生活に豊かさと華やかさを与えました。

ストラップワークの種類

デザインの種類

時代、国、様式、用途、素材などによってストラップワークのデザインは異なり、その種類は多彩を極めます。そのためデザインの明確な種類分けは難しいのですが、大きく見て「スクロールワーク」「バンドワーク」の2つに大別することができます。
【スクロールワーク】
ストラップワークの端がカールしたり渦を巻いたようなデザインで、3次元的に作られた模様。バロック時代に一般的となりました。
【バンドワーク】
立体的な表現が見られない、2次元的に作られた模様。別名「織り交ぜたバンド」と呼ばれることもあります。

また庭用のベンチ等でよくある、背もたれや座面に平たい帯が並べられたようなデザインも「ストラップワーク」と呼ぶことがあります。

素材の種類

ストラップワークはあらゆる物の素材に取り入れられ、身近な装飾として古くから親しまれてきました。

技法の種類

使われる素材によって技法も変わってきますが、家具においてのストラップワークは主に浮き彫りや象嵌、透かし彫りなどの技法を用いて作られます。中でもイギリスのアンティーク家具でよく見られるストラップワークは、さりげなく華やかさを演出したり、家具のアクセントになったりしながら、イギリスの伝統家具らしい重厚感と品格のある印象を与えています。そして美しく精巧に彫られたストラップワークからは、当時の家具職人の高い技術力を見て取ることができます。

ストラップワークのある家具をご紹介

ストラップワークがあしらわれた家具をいくつかご紹介しますので、その個性豊かなデザインを見ていきましょう!

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