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紫檀 (シタン)

紫檀とはマメ科の広葉樹で、ツルサイカチ属・インドカリン属に属する数種の総称です。
ブラジル・中米・東南アジアといった熱帯〜亜熱帯にかけて分布しています。
黒檀(コクタン)・鉄刀木(タガヤサン)と共に「唐木三大銘木」として古くから珍重されてきた高級材 紫檀。
樹木からはほのかにバラのような香りが漂うことから西洋では「ローズウッド」とも呼ばれています。
昔から工芸・仏壇仏具・唐木細工・家具・床・楽器など様々な用途で幅広く利用されており、正倉院宝物の中でも取り分け希少性の高い「螺鈿紫檀5絃琵琶」という楽器に使用されていることでも有名です。
美しい見た目と高い耐久性を兼ね備えた高級木として世界でも名高い木ですが、需要があるが故に過剰に伐採され、現在ではワシントン条約の絶滅危惧種に指定され大変貴重な存在となりました。
それほど世界中で愛され続け、希少性がますます高くなる紫檀の魅力について、さらに深掘りしていきましょう!

紫檀の種類

本紫檀

マメ科ツルサイカチ属の木で、原産地はベトナム・ラオスなどです。
「木の世界のクイーン」と呼ばれることもあり、紫檀の中では最高級の材とされています。
非常に重硬な性質を持ち、木理が周期的に反対方向に交差する「交錯木理」が見られますが、加工により仕上がり面はとても滑らかになります。
紫がかった暗褐色と黒紫色の木目が美しい縞模様となって現れるのが特徴で、手触りはしっとりとしていて手によく馴染みます。

手違い紫檀

マメ科ツルサイカチ属の木で、原産地はタイ・ミャンマーなどです。
本紫檀によく似ていて、取引の際に間違ってしまうことから「手違い紫檀」と呼ばれるように。
こちらも重硬で交錯木理が見られるといった木質は本紫檀とほぼ変わりませんが、違いは縞模様の明瞭さに表れます。手違い紫檀の方が縞模様の明瞭さは劣り、色もピンクがかった赤紫のような褐色をしているので、本紫檀に比べると見た目が淡く優しい印象を受けます。

紅木紫檀

マメ科インドカリン属の木で、紫檀よりはカリンに近い仲間と考えられており、インドカリン属の中では一番重厚で高級とされています。
原産地はインド南東部・スリランカなどで、別名レッドサンダーとも呼ばれています。
上記2種と同様の木質を持ちますが、色味に関しては上記2種よりも赤みが強く、赤紫色〜深紅色まで個体差が大きいことも特徴です。
深い色味のものや杢があるものは特にグレードが高いとされています。
三味線の棹の最高級材として使用されることで有名です。


その他、紫檀の代用材としてよく使用される木には「ボリビアンローズウッド」「グラナディロ」「パーロッサ」「ブビンガ」といった樹種があり、それらをまとめて「紫檀系」と呼ぶことがあります。
主に仏壇などに表記されることが多いです。

紫檀の魅力

美しい木目・艶

いわゆる「紫檀色」と呼ばれる紫みを帯びた特有の色味と黒紫色の木目が織りなす縞模様はとても美しく高級感があります。
加えて、磨くと見事な光沢が出ることも美点で、使い込むほどその艶やかさは増していきさらに風格ある佇まいへと変化していきます。
紫檀は聖武天皇にも深く愛された木材であり、そのことは正倉院御物からも窺い知れます。

重硬・高い耐久性

木でありながら水に沈むほど木目が詰まっていて、重くて硬い強靭な木です。
そのため乾燥や加工はやや困難なところがありますが、加工後は丈夫で狂いも少なく、木材としては大変優良な材となります。
また特別な処理を行わなくても虫や菌が付きにくく、耐朽性においても極めて優れています。
そうした見た目や木質を買われ、貴族や王室の家具材としても活躍しました。

紫檀でつくられた家具のご紹介

紫檀を使ったアンティーク家具

冒頭で述べたように紫檀は奈良時代に遣唐使が唐の国から持ち込んだ「唐木」の中の一つで、安土桃山時代には唐木全体の使用が増えていきました。明治時代に船便の輸入が始まるとさらに広く使われるようになっていき「東洋のローズウッド」として世界中で注目を浴びます。
紫檀でつくられたアンティーク家具は現在も数多く残っており、アンティークならではの濃く深い色合いは歴史を感じさせ、グッと引き締まった落ち着いた空間を演出してくれます。

紫檀を使ったヴィンテージ家具

和製ヴィンテージ家具には、当時の日本の昭和時代を彷彿とさせる棚や座卓などが多く見られ、紫檀の美しい木目を贅沢に味わえるシンプルなデザインの中に美しい彫刻や飾りが施されていて、その品格のある堂々とした存在感に目を奪われます。
紫檀の日本への入荷は1970年頃をピークに、その後は枯渇状態となりました。


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紫檀を使った現代のブランド家具

現代でも紫檀を使用した家具は人気で、中でも「大阪唐木指物」が有名です。
江戸時代に商業の中心地であった大阪で根付いた唐木指物の技術。指物とは釘やネジを使わずに板をさし合わせて組み立てた木工品のことで、その300年の歴史を誇る伝統美術工芸の技術は現代でも大切に引き継がれています。
大阪唐木の製品の特徴は、漆を重ねて生み出す滑らかな光沢と重厚感のある味わい深い色合いです。
伝統を守りつつも現代の生活様式に合わせて開発された家具や、ボールペン・箸・菓子切りなどといった小物もつくられていて、紫檀の魅力をより身近で感じることができます。


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