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七宝焼きとは

七宝焼きは、室町時代に京都の仏殿に飾られた金、銀、瑠璃(るり)、琥珀(こはく)、真珠(しんじゅ)、瑪瑙(メノウ)など、
数々の宝石や金属に匹敵する美しさのもの、という意味でその名がつけられたと言われています。
古来より煌びやかで、非常に美しいものとされた七宝焼きには、その長い歴史の中で、実に多くの技法や表現が生み出されていきました。
この記事では、七宝焼きの作り方や技法をご紹介しつつ、その歴史にも触れていきます。

七宝焼き作り方の基本

 

七宝焼

七宝焼きは、銅板や銀板などの金属板の上に、釉薬と呼ばれる様々な色のガラス質の溶剤を盛り、800度から900度の高温の炉で焼いて作られます。
焼成は数分で、炉から取り出すと釉薬が溶け、表面が綺麗なガラス状の幕を張り、色鮮やかな光沢が生まれます。
今現在、七宝焼きは、家庭用の小さな炉を購入すれば初心者でも楽しめる工芸品です。
ですが、高度な技術が必要とされる技法に関しては、熟練の匠が必要となります。
七宝焼きは様々な技法を組み合わせて表現することのできる、非常に奥深い工芸品です。

七宝焼きの代表的な技法

数ある七宝焼きの技法の中から、代表的なものをいくつかご紹介します。

■有線七宝技法(ゆうせんしっぽうぎほう)

帯状の銀線で絵柄をつくり、その「かこい」の中に釉薬を持っていく技法です。
この工程を植線と言いますが、この銀線で囲まれた中に釉薬を盛ることによって、隣り合う色が混ざり合わず、鮮やかな発色の細かな絵柄を描くことが出来ます。
この有線七宝技法は京七宝の代表的な技法で、かなりの技術と手間暇がかかります。

有線七宝技法

■フリット七宝技法

粉末にする以前の粒状の釉薬を使います。炉で焼成する事によって釉薬が溶け、自然な円形の模様ができます。

七宝焼き 技法
写真は有線七宝技法とフリット技法を組み合わせたもの。中央の黄色い点がフリットを用いた部分。
色がはっきりと分かれ、鮮やかに発色している有線七宝技法の部分と比較すると、輪郭の部分が柔らかく滲んだ表情になっていることが分かります。

■マーブル七宝技法

マーブル棒で炉の中で溶けかけた釉薬の表面を掻くことで、溶けた複数の釉薬が混ざりあいマーブル模様となって焼きあがります。
この技法は900度の炉の蓋を開け、素早くマーブル棒で釉薬を混ぜなくてはならないため、熟練された技が必要となります。

七宝焼きの歴史は紀元前から?

七宝焼きの歴史は古く、紀元前におよびます。
最古の七宝焼きを使った工芸品は、ツタンカーメンの墓から発掘された冠だとされています。

日本における七宝焼きのはじまり

七宝焼き 鶴

日本で初めて古墳から出土した七宝は、有線七宝技法と似た金具の飾りが付いていたと言われています。
有線七宝の細密で、かつ鮮やかな色彩は、古来から日本人に好まれてきたことを現しています。

シルクロードを経て日本へと七宝技術が伝来してからは、日本のもの・ことを盛り込んだ、味わいのある七宝焼きが作られてきました。
京七宝をはじめとする伝統的な工芸品として、今現在も引き継がれ、多くの華やかで美しい作品を生み出しています。

日本が誇る七宝焼き「京七宝」

京七宝は有線七宝技法を使ったものです。
そのはじまりは、室町時代に華やかな琳派(りんぱ)の影響を受けた、京都の金属工芸職人が神社仏閣等に七宝を施したことから始まったとされています。
その影響もあってか、京七宝は独特の色使いや文様があり、非常に華やかです。

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