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ミシンテーブルとは

ミシンテーブルは、ミシンを置いて使う専用の作業台のことです。19世紀後半から20世紀初頭にかけて、各家庭や工房で広く使用されました。重量のあるミシンをしっかり支えるため、堅牢に作られているのが特徴です。古くは、女性の手仕事や家庭内での裁縫のために欠かせない存在でした。現在は、アンティーク家具として人気が高まり、オリジナルの木製テーブルや鉄の脚が魅力的なインテリアアイテムとして再評価されています。

ミシンテーブルの特徴

本項では、ミシンテーブルの4つの特徴を解説します。

頑丈な作り

ミシンテーブルの大きな特徴は、その頑丈さです。ミシンは重く、作業中に振動が伴うため、安定した作業環境を提供できるように、テーブル自体もしっかりとした造りが求められました。木材や鋳鉄など、強固な素材が使用されており、機能的でありながらデザインにも配慮されています。

ミシンテーブルの天板

天板には、ミシンを固定するための穴があります。収納棚や引き出しがついているタイプもあり、作業をしないときにはミシンの収納が可能です。通常のデスクや作業台として使えるモデルも多く、ミシンテーブルには実用的な工夫が盛り込まれています。

ミシンテーブルの足踏み式ペダル

下部に取り付けられたペダルも、ミシンテーブルの特徴です。初期のミシンは足踏み式で動く仕組みになっており、作業者がペダルを踏むことで機械を動かしていました。足踏み式ペダルは、ミシンテーブルならではのパーツといえるでしょう。

ミシンテーブルの収納

ミシンテーブルには、引き出しや収納スペースが備え付けられています。針や糸など裁縫道具や布地を整理整頓するのに便利です。引き出しはサッと引き出せる両脇などに取り付けられており、作業を効率よくおこなうための、細やかな工夫が見られます。

ミシンテーブルの歴史

ミシンテーブルの歴史は、ミシンの発展と共に歩んできました。ミシンが初めて発明されたのは19世紀初頭のことです。1850年代にアイザック・シンガーによって足踏み式ミシンが普及し、それに伴ってミシン専用のテーブルも広まっていきました。
19世紀後半になると、多くのミシンメーカーがミシンテーブルを製造しはじめます。家庭や工房で使いやすく、かつ差別化をはかるため装飾的なデザインが編み出されました。
20世紀になると、より小型で軽量な機種も登場。大正時代から昭和初期の日本では洋裁が盛んになり、多くの家庭で足踏みミシンとテーブルが使われていました。
しかし昭和後期には電動ミシンが主流となり、専用のテーブルを使うことは少なくなっていきました。

現在では、ミシンテーブルの機能性やデザインが、アンティーク家具として再び注目を集めています。特に足踏み式のミシンテーブルは、電気がなかったころの時代を象徴するアイテムとして、アンティークファンから人気の高い存在です。

日本とのかかわり

日本で初めてミシンが紹介されたのは1854年(安政元年)のこと。ペリーが横浜に来航した際、徳川幕府に献上された品の中にミシンが含まれていたとされています。
以降、明治初期の日本では、軍服や婦人用のドレスなどを作るためにミシンを大量に輸入しました。横浜や神戸などの港町から広がり、やがて一般家庭に普及していきます。
大正時代には国産のミシンも製造され始め、ミシンテーブルも国内で生産されるようになりました。ミシンやミシンテーブルは、日本の家庭や工房で洋裁ブームを支える重要な役割を果たします。暮らしにおいて欠かせない存在となり、主に女性が担っていた手仕事の効率も格段にあがりました。

アンティーク家具としての魅力

アンティークのミシンテーブルは、経年による美しさが際立つ魅力的な家具です。木の温かみと重厚な鉄脚の組み合わせは、インダストリアルやレトロモダンなインテリアにもよく合います。またアールヌーヴォーやアールデコ調の装飾が施された鋳鉄製の脚部も、アンティークミシンテーブル特有の特徴です。

リメイクの可能性にも注目すべきところです。精緻なディテールと堅牢な構造を活かして、サイドテーブルやデスクとして再利用できます。アンティークミシンテーブルの風合いをそのまま活かしつつ、現代のライフスタイルにも調和する点が大きな魅力です。ミシンテーブルとして使われる機会は減ったものの、時代を象徴するミシンテーブルの外観が現代人の心を掴みます。

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