リフェクトリーテーブルとは、長い天板を持つ多人数用の大型テーブルです。
左右の脚同士と天板にそれぞれ横木が渡されている簡単な構造で、ヨーロッパでは定番のダイニングテーブルの一種です。
リフェクトリーテーブルの特徴
「リフェクトリー」とは、修道院や学校などの施設の「食堂」を意味します。そこに置く大人数向けのテーブルであることから、リフェクトリーテーブルという名前がつきました。
構造・形状
長方形の天板と左右の太い脚2本、脚には補強横木が渡されているのが基本的な構造です。簡素な造りながら、頑丈で重厚さがあります。
脚が4本でそれぞれを補強し合う横木が渡されている、4ストレッチャーレッグタイプと呼ばれるものもあり、そちらは椅子が収納できない分より頑丈さが増します。
また、脚には装飾が施されているものが多く、様々な様式の意匠が見られます。
大きさは、食堂で使われていたことから本来は大型のものでしたが、近代からは家庭用の4~6人で使えるサイズのものも作られています。
装飾
天板の側面や脚に彫刻装飾が施されていて、印象的なものが多いリフェクトリーテーブル。その装飾デザインは、ルネサンスやバロック様式の影響も強く、重厚感と歴史を感じられます。
伝統的な挽物(ろくろ)によるブルボースレッグや、ツイストレッグ、ボビンレッグなど様々です。
また、脚が板状になっていてそのパネルに貫が入っているタイプもあります。
リフェクトリーテーブルの歴史
はじまりはパーティー用の長テーブル
リフェクトリーテーブルの起源は定かではありませんが、最初期の食卓とされる、トレッスル(架台)の上に天板を載せただけの「トレッスルテーブル」の後継ではないかと言われています。
それまでのテーブルは広間での会食後にダンスやゲームが出来るよう分解して片付けられるようになっていましたが、次第に広間から独立した食堂に常置されるようになり、安定性のある天板が固定されたテーブルに変化していったようです。
13世紀頃までは脚と天板のみのシンプルで簡素なものでしたが、16世紀後半にヨーロッパ各国に広まり、幅広い装飾が施されるようになりました。
19世紀頃にリバイバル
18世紀に一度廃れたリフェクトリーテーブルですが、19世紀に入ると中世の古い文化に憧れる「復古主義」の影響で再び注目されるように。
多くの場所で作られる中で、次第にリフェクトリーテーブルも本来の大型のものから、都市住宅に合わせて小型・分解式にされたものが作られ始めます。多様なサイズとデザインから選ぶことが出来る点からも、現代では一般的な食卓のひとつとして定着しています。
現代ではアンティークのいちジャンルとして人気
リフェクトリーテーブルは、シンプルな造りながら彫刻の入った装飾は見栄えも良く、凝った印象を受けることからアンティークアイテムとして人気があります。
近代以降のものは比較的小型のものや分解できるものも多く、日本の住宅でも取り入れられることから国内でも使われています。