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パイン

パインとは、日本語でマツ(松)を意味し、マツ科に属する針葉樹です。
日本で馴染み深いマツですが、マツ科は世界にも数多く存在し、なんと50種類以上もあります。
その中でも主に、北米や欧州産のマツが一般的にパイン材として使用されています。
日常生活でもよく目にするパイン材ですが、その場をパッと明るくしてくれるような優しくて晴々しい色味や特徴的な節(ふし)に、
木のナチュラルさと温もりを感じますよね。
そんなパイン材の特性や魅力について詳しく見ていきましょう!

パインの種類

先ほどマツ科は50種類以上もあると述べましたが、実際に家具に使用されるのは数種類ほどです。
その中でも主によく使用される3種類をピックアップし、ご紹介していきます。

ホワイトパイン

カナダ南部から北米まで、広い地域で生息しています。
その名の通り白っぽい色をしており、材質は柔らかく軽いです。
さらに乾燥が早く狂いも少ないため、加工が比較的に容易とされています。
特性を活かし、建築材・木工品・DIY材など家具の他にも様々な用途に使用されています。

イエローパイン

主な産地はアメリカ東部・北部で、芯材は淡い赤褐色、辺材は淡い黄褐色をしています。
大きいものだと樹高が45mほどにもなり、幹も太く真っ直ぐ育つため、パインの中では強度と硬度が高い方だとされています。摩擦にも強くヤニが出にくい木材でもあります。
成長が早く、約30年で大径木へと成長します。

欧州アカマツ

ヨーロッパからロシアにかけて広く分布しており、日本の赤松よりも赤褐色がやや濃いですが、見た目や材質などはよく似ています。
寒い地域で100年ほどかけじっくり育った欧州アカマツは、年輪の密度が高く、強度・弾力性・耐久性・腐りにくさなど様々な面で優れています。

他にもポンデロッサパイン、ロッジポールパイン、メルクシパイン、ラジアータパインなどがあり、原産地によって特徴や価格に大きな違いがあります。
アンティークのパイン材の中で最もグレードと価格が高いものは「ピッチ・パイン」と呼ばれています。原産地は北米で、他のパイン材よりも木目が詰まっているため硬くて重く、色は赤茶色です。木材として使用できる部分が少ないことから希少とされています。

パインの魅力

色味と節

明るい色味の木目、そして節が多くあることが特徴的で、ナチュラルなその姿から木の温もりを感じることができます。
さらに油分が多いため、使いこむほど艶が出て、味のある飴色へと変化していくことも魅力のひとつでしょう。経年変化を楽しむことができますね。
また木の香りが豊かで、まるで森林浴をしているかのようなリラックス効果もあります。

加工がしやすい

柔らかい材質、乾燥の早さや狂いの少なさから、加工のしやすい木材といえます。
その優しい肌触りや、熱伝導率が低い性質を活かし、季節を問わず一年中快適に過ごせるよう、日常で肌に触れる機会の多いフローリング・椅子・テーブルなどによく使われています。
加工のしやすさから、DIYや日曜大工でも人気の木材です。

価格が安い

全世界で流通量の多いパイン材は、木材の中でも比較的安価です。
コストが抑えられるので、床材として贅沢に使用できたり、気軽に家具を取り入れられたりできます。
また植林~伐採までのサイクルが早いことも特徴的で、スギやヒノキは40~50年ほどですが、マツの木は30年ほどです。成長の早さも、価格の安さや世界的な人気に繋がる要素といえます。
しかし厳しい寒冷地でゆっくり育ったパイン材や、節の無いパイン材は希少で高価とされています。

パインでつくられた家具のご紹介

パインを使ったアンティーク家具

かつて中世ヨーロッパでは、節の目立つパイン材を家具に使用するのは敬遠されていました。
そのため主に家具の下地や使用人の部屋の家具材として、高級木に似せた塗装を施しながら使われていましたが、その後徐々にパイン材本来の魅力が伝わっていきます。
ウォールナットやマホガニーなどの高価な家具には手が届かないけれど、安価で加工のしやすいパイン材なら取り入れられる!と19世紀ころに庶民の間で人気を博していきました。
華美な装飾はなく、シンプルで温かみのあるデザインが印象的です。
オールドパイン材(※)を使用した家具も大変注目されており、良質なものは年々入手困難になっています。
(※オールドパイン材=古い建物を解体した際に出た、様々な種類のパイン材の総称)

⇒ラフジュ工房のオールドパインの家具はこちら

パインを使ったヴィンテージ家具

イギリス・北欧・アメリカを中心に、ヴィンテージのパイン材家具は数多く存在します。
ハンス・J・ウェグナーと同時期に活躍したデンマークのデザイナー“ライナー・ドーミラー”や“ボーエ・モーエンセン”は自国に豊富にあるパイン材をふんだんに使い数々の家具を生み出しました。
またスウェーデンのデザイナー“ハンス・アウネ・ヤコブソン”の代表作「ヤコブソンランプ」でも北欧産のパイン材が使われており、インテリア界でもパイン材の良さを引き出した作品が生まれました。
イギリスのミッドセンチュリー時代を支えたブランド「アーコール」でもパイン材は用いられています。
美しく洗練された機能的なデザインだからこそ長年愛され続け、現代まで大切に受け継がれてきました。

⇒ラフジュ工房のハンス・J・ウェグナー(Hans J. Wegner)の家具はこちら
⇒ラフジュ工房のアーコールの家具はこちら

パインを使った現代のブランド家具

現代でもとても人気のある木材で、家具としても国内外問わず多く製造されています。
日常に溶け込む自然体な温かみを感じる家具であり、北欧スタイルやカントリースタイルの空間を作り出すためには欠かせないと言っても過言ではないでしょう。
木のナチュラルさをダイレクトに感じられるので、木と相性の良い畳の和室にもマッチします。
アンティークやヴィンテージの雰囲気を味わいたいと、新品のものでも敢えて古材を使用したり、ヴィンテージ加工を施しているものも多く存在します。

⇒ラフジュ工房の和室の家具はこちら

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