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オーク

オーク(oak)とはブナ科コナラ属の総称です。
オークに分類される樹木は世界中で300~350種もあり、主に北半球の温帯地方に多く分布しています。
美しい木目に加え、硬く耐久性に優れている為、欧米では古くから家具や床材、ワインの樽などの材料として親しまれてきました。
日本では「ミズナラ」がオークに属していて、ミズナラから採れる木材のことを「ナラ材」と呼んだり「オーク材」と呼んだりしています。
木材としてのオークの価格は、他の広葉樹に比べると比較的安価な方ですが、日本のミズナラや虎紋(とらふ)と呼ばれる杢目が現れたものは希少なため高額となります。

オークの種類

オークに属する木は複数種類ありますが、その中でも一般的に「オーク材」として流通しているもの3種類をご紹介していきます。

ナラ(ミズナラ)

ナラ材と呼ばれているものの多くは「ミズナラ」という、どんぐりが生る木が原木です。
ミズナラは木の寿命が数百年と長く、北海道などの天然林では巨大なミズナラの木を見ることができます。ミズナラの別名は「オオナラ」と呼ばれており、その樹高は10m~35mにもなります。(「コナラ」に対して樹高・葉ともに大きいので、その名がついたそう。)
幹や枝に水分が多く含まれており、燃えにくいことから、漢字では水の樽で「水樽(ミズナラ)」と書きます。主に北海道~東北地方、ロシアと比較的寒い地域で育ち、そのため木の成長が遅くなることで木目が細かく詰まっているのが特徴です。
家具や建材、船舶、酒樽など幅広く活用されていて、特にミズナラで作ったウイスキー樽は、ミズナラが持つ白檀(びゃくだん)のような香りがウイスキーをより美味しくさせると愛好家達から親しまれています。
ミズナラの中でも北海道産のミズナラは、「ジャパニーズオーク」と呼ばれ高品質な木材として海外でも人気でしたが、近年は環境の変化などから減少し、希少木材となっています。

ホワイトオーク

アメリカやカナダなど北米が産地で、重くて堅く耐水性があるのが特徴です。
黄褐色または淡赤褐色をしており、日本のミズナラに似ていることから、現在はミズナラの代替品として広く流通しています。ミズナラと比べると色味が白く木目が大胆で目が粗いですが、パッと見ではほとんど違いはありません。
硬くて丈夫、キズがつきにくい、水が染み込みにくいなどの特性から、ダイニングで使う家具の材料として多く使われています。他にもベットフレームやワインやウイスキー、バーボンなどの熟成樽にも用いられています。

レッドオーク

ホワイトオーク同様、アメリカやカナダなど北米が産地で、サザンレッドオーク、スパニッシュオークとも呼ばれています。
レッドオークという名前の通り、ほのかに赤味がかった色をしていてハッキリとした木目が特徴です。
他のオーク材と比べて耐水性は低く、酒樽や水回りへの使用は不向きですが、ホワイトオークに比べて乾燥させやすく、反りにくい材として近年需要が高まっています。
力強い赤みと重厚感・耐衝撃性に優れているため、どっしりとしたテーブルの天板や床材として人気があります。

オークの魅力

丈夫で加工しやすい

オークは耐久性に優れ頑丈で重いため、傷がつきにくく丈夫な家具を作ることができます。テーブルや椅子など毎日使う家具でも長く愛用することができ、オークで作られた家具は100年以上経っても良い状態で残っています。
また硬い木質であっても彫刻がしやすく、イギリスアンティーク家具で彫刻が入っているものにはオーク材が使われていることが多いです。

木目の美しさ

オークは木取り(※)によって木目にはっきりと個性が出て表情豊かです。
(※木取り=原木からどう木材を取るか考えて製材すること。)
柾目は流れるような美しい直線で、板目はくっきりとした山の形が現れ重厚感があります。
そしてオークの木目として特筆すべきは「虎斑(とらふ)」という虎の模様が入った杢目です。虎斑は柾目を切り出す際に稀にでる珍しい模様で、他の木材では見ることのできないオークならではの魅力です。その美しさと希少性から虎斑の入ったオーク材は価格が高騰しています。

防虫効果がある

オークには「タンニン」という防虫効果のある成分が含まれています。
オーク材で作られた家具が「アンティーク」と呼ばれるまで長持ちしているのは、このタンニンが白アリなどの害虫を寄せ付けにくくさせていたおかげでもあります。
(和箪笥によく使われている桐にもこのタンニンが含まれています。)

オークで作られた家具のご紹介

オークは100年以上前から現在に至るまで、産地の違いはありますが、家具を作る上質な材料として長く愛されてきました。

オークを使ったアンティーク家具

イギリスアンティークをはじめ、日本の大正~昭和初期頃に作られた和製アンティーク家具でもオーク材で作られたものが多く残っています。
イギリスではもともとイギリス国内のオーク材を使って家具作りをしていましたが、害虫にやられ国内のオークが激減してしまったことから、日本のミズナラを輸入して家具を作っていたそうです。ですから今日本にあるオークで作られたイギリスアンティーク家具は、時代を経て形を変えて日本に戻ってきたということですね。

オークを使ったヴィンテージ家具

ヴィンテージ(ビンテージ)家具にもオーク材を使ったものはたくさんあります。
北欧ヴィンテージ、イギリスヴィンテージ、和製ヴィンテージ家具にもオークで作られたものがたくさんありますが、ヴィンテージと呼ばれる1950年代から1980年代頃には日本のミズナラが減少し手に入りにくくなったため、ヴィンテージ家具で使われているオーク材のほとんどはホワイトオークが使われています。
ヴィンテージ家具は木材の流通が制限されていた時代背景もあり、無垢材ではなく突板(※)のオーク材が使われることが主流でした。
(※突板=無垢材を薄くスライスしして心材となる板に貼り付けたもの)
突板といってもスライスした無垢材の厚みは1ミリ程度あり、無垢材よりも扱いやすく同等の美しさがあります。

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オークを使った現代のブランド家具 

現代でもオークを使った家具はとても人気があり、ホワイトオークやレッドオークは無垢材の質感が存分に味わえるよう、ダイニングテーブルの天板としてよく使われています。
無垢材、突板ともに需要が高く、日本の有名ブランド家具の飛騨産業や永田良介商店、柏木工などもホワイトオークやナラを使った上質な家具を作り続けています。


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