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黒檀 (コクタン)

黒檀とは南アジアからアフリカにかけて広く分布する、カキノキ科カキノキ属に属する常緑高木の総称です。
日本でも沖縄に「琉球黒檀」が生息しており、現地では「黒木(クルチ)」と呼ばれ、防風や防潮のための庭木・生垣としてよく使用されています。
樹高は25〜30mほどで、辺材は灰色、心材はなんと黒色という特徴的な見た目をした黒檀。
紫檀(シタン)・鉄刀木(タガヤサン)に並ぶ「唐木三大銘木」の一つとして知名度も人気も高い木です。
高級な木材として世界各国で珍重されてきましたが、乱伐により現在では希少種となりました。
古来から家具・建材・工芸品に使用される他、仏壇仏具・お箸・道具の柄・ピアノの黒鍵・弦楽器の指板などにもよく使用されるため、身近な木材に感じる人も多いかもしれません。
生育が非常に緩やかな分、木でありながら水に沈んでしまうほど高密度で重硬な性質に育つので、極めて良質な木材と称されています。
黒い見た目はインパクトがありますが、産地によって木目の表情には大きな違いが見られます。
その違いを見ていきながら、黒檀の魅力についてさらに深掘りしていきましょう!

黒檀の種類

カキノキ属の樹木は約500種ほどありますが、大径木で心材が黒色であるものは少ないです。
黒檀として市場で取り扱われる主な5種類をご紹介していきます。

セイロン・エボニー (本黒檀・真黒)

原産地はインドやスリランカなどです。
古くからアジアやヨーロッパで使用され、黒檀の中では最高級の種類といわれています。
辺材は灰色、心材は漆黒色をしており、より黒いものが価値があるとされています。

マカッサル・エボニー (縞黒檀)

原産地はインドネシア・マレー半島・ボルネオ島などで、中でもインドネシアのセレベス島産のものが有名で、黒色と茶色の縞模様が特徴的です。
本黒檀が少なくなってきた現代では、黒檀といえば一般的に縞黒檀を指すことが多いです。

ブラック アンド ホワイト・エボニー (斑入黒檀)

原産地はラオスなどの東南アジアで、中でもマレー半島のアンダマン諸島のものが良質といわれています。
大理石のようなマーブル状の木目で、白色と黒色がランダムに入り混じった独特の模様をしています。

ムン・エボニー (青黒檀)

主な原産地はタイで、1979年に原木の伐採が禁止されて輸入ができなくなってしまったため「幻」ともいわれる貴重な銘木です。
黒檀の中で最も重硬で、製材する際 木の道管中にある物質によって断面が青緑がかって見えるのが特徴です。

アフリカン・エボニー

原産地はマダガスカル・カメルーン・ナイジュリアなどのアフリカ全域です。
セイロン・エボニーの代替品として使用されることが多く、絶滅の危機に瀕しています。



黒檀の魅力

重くて硬い

黒檀は重くて硬い強靭な木であり耐久性にも非常に優れていて、世界トップクラスの良質な木です。
釘を打つことさえ難しいとされる硬い材なので加工は至難の業とされていますが、熟練された職人の技術によって、絹のように滑らかな手触りの美しい家具をつくり出すことができます。
重量があるが故に、大きい家具を長年使用すると床に負担をかけることになるため、置く場所や床の状態など注意する必要があります。

ダイヤモンドのような美しさ

木とは思えないほどの黒い色味が特徴である黒檀ですが、緻密な木質や独特で艶やかな光沢が出ることも大きな魅力の一つです。
脂分が多く磨けば磨くほど輝きを増し、その美しさは「木のダイヤモンド」といわれるほど。
黒色が濃いほど貴重とされているため、色の淡い廉価なものは黒く染色加工され、家具や楽器などに使われます。このような加工をエボナイズといい、木に含まれた「タンニン」という成分に自然素材の鉄分を反応させ黒く仕上げるというオーガニックな技法です。エボナイズされたものが市場に出回ることはよくあります。

黒檀でつくられた家具のご紹介

黒檀を使ったアンティーク家具

黒檀は紀元前3000年頃から古代エジプトにて使用され始めました。ヨーロッパでは16世紀のオランダで高級な家具として作られたことをきっかけに広く知れ渡っていきました。
日本でも奈良時代に中国経由で「万能薬」として輸入されていましたが、徐々に貴族の間で寺院建材・家具材・仏壇や楽器の材料として使用されるようになり、西日本を中心に広まっていきました。
当時から高級品であった黒檀の家具は現代でも残っており、経年変化によりさらに黒色は深さを増して重厚な佇まいを感じさせます。

黒檀を使ったヴィンテージ家具

元々貴族の間で使われ始めた家具のため、硬さを活かした繊細な彫刻や華やかな装飾を施した家具が数多くつくられましたが、ヴィンテージ時代でもそうした家具はたくさん生み出されました。
黒色の木材だからこそ細やかな装飾は存在感が引き立ち、豪華さや上品さを醸し出しながら、和室だけでなくアジアンテイストの空間にも馴染むことができます。


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黒檀を使った現代のブランド家具

古くから多種多様に使われてきた黒檀は、現代でも様々な用途で使用されています。
伝統的なデザインを受け継いでつくられる家具は、長い時代を経ても色褪せることなく格式高いトラディショナルな美を感じさせます。
アンティークやヴィンテージとは一味違った現代的にデザインされた黒檀の家具もまた魅力的で、高級感あふれる漆黒は美しい光沢に包まれ、シックな雰囲気を演出します。
現在黒檀は輸出制限や伐採自体が禁止されていたりするため、市場の流通量はとても少なく希少性は高まるばかりです。

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